【ソーシャルスキルトレーニング(social skill training:SST)とは何か?】
ソーシャルスキルトレーニング(以下SST)は対人関係の力を高めるためのトレーニング方法です。SSTでは、「人と関わる力」を正しく学習することにより、ちゃんと向上させることができると考えます。
【SSTは、次にどうすればよいか理解できる方法です】
SSTでは、第1にうまくいかなかった場面を思い出します。第2に、そのときどうすればよかったのか?を話題にします。もしもあなたがSSTの練習の場に参加していれば、良い手本を具体的に示してもらえます。
第3に、手本で示された方法(もしもあなたが自力で取り組んでいる場合は、自分が良い方法だと思った方法)を練習します。練習場面では、練習中に良かった点はほめてもらえます。一方うまくいかなかった点は、直していきます。 第4に、何より大切なのは、その上で実際の生活の中で試してみて、失敗と成功を繰り返しながら、少しずつ上手になっていくという方法になります。
【SSTで訓練を行える16の範囲(領域)について】
SSTには16の基本スキルがあります。その中で自分が苦手な範囲をまず知っておくことが大切です。苦手なことから練習できるからです。その方が、早くコミュニケーションが上達して、生きやすくなります。
SSTの基本スキルは大きく5つにわけることができます。そこから細かく分かれて、16の基本スキルへと分かれていきます。大別できる5つとは
1集団やグループに参加するときに求められるスキル
2主に言葉を使ってのコミュニケーションするスキル
3主に言葉以外の要素(非言語的といいます)でコミュニケーションするスキル
4人の気持ちに関するスキル
5お互いにほどよい距離感で交流し、相手に合わせた付き合い方を行うスキル
<1集団やグループに参加するときに求められるスキル>
1:ルール理解・ルールを守るスキル
ルールがあることを理解し、その上で守れるかどうか?のスキルです。例えば授業中は私語をしてはいけませんね。授業に参加する生徒・先生の双方にとって、邪魔になるからです。そして、それが分かっていたとして、そのルールを守れているかどうか?も大切になります。友達同士のグループの中であれば、そのグループのノリや好みがわかっていることが大切になるでしょう。
2:役割遂行スキル
自分が所属する集団、グループなどにおいて、あなたが果たすべき役割を理解しているか?実行できているか?という点です。例えば学校に通学していたら、あなたは授業でまじめに勉強することが必要ですね。そして実際ちゃんと授業で学んでいるか?ということも大切になります。相手に感謝される。心からありがとうと言ってもらえる。そういう機会があれば、十分に果たしていると言えるでしょう。
3:状況理解スキル
周りで何がおきているかを理解し、適切な行動を起こすために必要なスキルです。例えば指導の先生に校庭で走りこんでおくように言われた後、急に雷が鳴りだしたら、その指導に反して校舎に逃げ込むことは、あなたの安全確保に役立つわけですね。
<2主に言葉を使ってのコミュニケーションするスキル>
4:聞き取りスキル
相手の言っていることが聞き取れているか? 意味を理解できているか?というスキルです。苦手な場合は、わからない場合はきちんと質問をするとよいでしょう。ちゃんと話を聞いているというメッセージが伝わります。また自分の言いたいことを言う前に、まず相手の話に耳をしばらく聞き続けるという「傾聴」という姿勢も大切です。きちんと相手・話の内容の双方に興味を向けましょう。相手は意外とあなたがちゃんと聞いているかどうか?感じるものですよ。
5:表現スキル
自分が相手に伝えたいことを、言葉によってしっかりと伝えることができているか?というスキルです。これが苦手な人は「ChatGPT」などで調べてみることも有効ですよ。例えば、先ほど実験的に調べた内容を載せておきますね。(2025/4/24)
(以下引用部分)
相手に対して「それはすごいね」という気持ちを、自然な形で伝えたいのだけれど、どうすればいい?
いいね、その気持ちを自然に伝えたいって素敵だね。「それはすごいね」って伝えるとき、少しだけ言い回しを変えるだけでも、ぐっと自然で気持ちのこもった感じになるよ。いくつかパターンを紹介するね:
💬 カジュアルでフレンドリーな言い方
•「え、それめっちゃすごいじゃん!」
•「ほんとに?それは驚いた〜」
•「やるじゃん!すごいね!」
😊 丁寧だけど親しみのある言い方
•「それは本当にすごいと思うよ」
•「頑張ったんだね、感動した!」
•「そんなことできるなんて尊敬するなあ」
👏 感情を少し乗せたいとき
•「うわ、それ、ほんとに感心しちゃう」
•「鳥肌立ったわ…すごすぎる!」
•「ちょっと感動した、すごいねそれは」 (引用終わり)
6:質問・回答スキル
相手に質問したり、相手からの質問に答えるときのスキルです。自分が質問したい内容を、相手にわかりやすくまとめられるか?相手から質問された内容をまとめられるか?というも大切です。要約する力も求められます。これには読解力もかかわってきます。
7:話し合いスキル
3人以上の人があつまって、話し合いによるコミュニケーションを行います。その際に、人の発言に注目したり、聞いたり、その上で発言できるかどうか?といったスキルです。人の数が多くなるほど、交流される情報量が多くなるので、難しくなります。
8:会話スキル
相手と会話を適切に行えるかどうかのスキルです。単に自分が思っていることを、相手がわかりやすいように話せるかどうかだけではありません。その場の状況にあった話題で話せるかという場を理解する面や、相手の気持ちや立場を配慮できるかなどの面も、総合的に必要となります。
有効になるのは、その場にふさわしい話題をとらえて、相手に興味をもちながら、あなたから相手に質問をすることです。質問には、「はい」「いいえ」で答えられる閉ざされた質問と、開かれた質問があります。話題をひろげるためにも「開かれた質問」を活用しましょう。
例)NG「ウイッチウォッチ」って面白と思う? 「うん。思うよ…」
OK「ウイッチウォッチ、私も面白いと思うよ!どんなところが面白いの?」
<3非言語的コミュニケーション領域>
9:表情認知スキル
相手の顔の表情から、相手が今感じている気持ちをある程度適切にわかる。少なくとも、表情が変わった場合、「変化した」と感づけるスキル。
10:ジェスチャースキル
コミュニケーションは言葉だけではやり取りされません。みぶり、てぶりでも行われます。自分がそれらを使えるか。また、相手がそれらを使ってきたときに、理解できるか?のスキルです。
11:身体感覚スキル
場の状況に合わせて、相手との距離感をたもつ。ちょうどよい声の大きさで話す。正しい姿勢で過ごせるかどうかのスキルです。例えば内緒話なら、顔と顔の距離を近づけて、小さな声でしゃべることが望ましいですね。
<4 人の気持ちに関する領域>
12:自己の感情理解スキル
自分の本当の気持ちを感じられる。その上で、受け止めることができるスキルです。
13:他者の感情理解スキル
相手に関しても、同様に感情を理解するスキルです。つまり、相手の言葉の内容、相手が表面的に見せている仕草で表してこない、相手の本音に触れることができるスキルです。
14:共感スキル
相手の気持ちを、想像力を発揮して「〇〇なのかもしれない」と配慮するスキルです。
<5お互いにほどよい距離感で交流し、相手に合わせた付き合い方を行うスキル>
15:自己認知スキル
自分を現実と比べてすごい、えらい、特別だなどと過大にみなさない。またダメだ、弱い、失敗しているなどと過小にも評価しない。自分をバランスよく評価できるスキル。
16:他者認知スキル
相手についても同様。現実と比べて、相手をすごいなどと思いすぎたり、ダメな奴だなどと過小に思いすぎたりもしない。
【具体的なソーシャルスキルトレーニング集】
<あなたの服装は、周囲に合っていますか。そして清潔感がありますか?>
服装は自分の個性を出す上で、とても大切なアイテムですね。一方、周囲の人と仲良くやっていこうとする際に、相手に対して「私は皆さんと仲良くやるつもりですよ」というメッセージを伝える道具にもなってくれます。ではどうすればよいのか。第1に周囲の人たちが着ている服装と同じようにすることです。第2に服装は清潔にしておきます。清潔にするとは、単にバイ菌が無いことだけを意味しません。見た目も清潔に見える(清潔感があるといいます)ことが、それ以上に大切です。例えば、洗濯した後のシャツを着る時、ちゃんとアイロンをかけておくとか、洋服にシミなどがついていないなどの見た目が大切なわけですね。
<あなたは相手に「コミュニケーション取りづらそう…」と思わせていませんか?>
緊張していたり、不安だったりすると、人は笑顔を作ることができなくなります。しかも、あいさつも交わすことがない場合、相手はあなたに対して「あまり私が好きじゃないのでは?」「怖そうな人なのでは?」「気難しいのでは?」などと想像してきます。なぜなら、人は知らない人・理解できない人に対しては、基本警戒するようにできているからです。
その場合、あなたは意識的にほほ笑むことができるように練習しておくと良いでしょう。よく笑顔を作ると良いと言われます。でも、笑顔なんて簡単に作れたら、世話はありませんね。しかも、不安や緊張の中でどうやってつくるのか?という話です。
しかし、ソーシャルスキルトレーニングとして、鏡の前で練習すればできるようになります。顔の表情は、顔の筋肉によって作り出します。要は筋トレなのです。口の左右をほほ笑んでいるように見える程度にあげる筋トレをするのです。必ずほほ笑むように見えることができます(たとえ内心、ちょっと不安だとしても)
あいさつを交わすと同時に1~2秒程度ほほ笑むことから始めましょう。ただし交流したくないと強く感じる人たちには、最初からしなくてもよいでしょう。
<相手との距離を把握しよう>
基本的に声をかける時は、2~3メートル以上離れたところから行いましょう。これはパーソナルスペースと言って、人が心理的に安心できる距離と言われます。仲良くなってくると、それよりも近い距離で話をすることもできます。なお、相手が集団になって交流しているとき、あなたもそれに参加できた場合は、周りの人たちのそれぞれの距離を見て、その距離からわずかに離れた距離ぐらいに位置すれば、基本的にはトラブルは少ないでしょう。
<まじめな内容、ちゃんとしないといけない内容の時の姿勢>
まず相手が先生、先輩、上司などの場合、敬語をあなたなりに使いましょう。正しく使えなくても、相手を尊重しているという気持ちが伝わっていれば、大丈夫です。そして、なるべくメモやペンをもって、相手の言っていることをメモした上で、「復唱」するとよいでしょう。例えば先生から「内申書に関連する報告書Aを、来週月曜日に持ってきなさい」と言われたら、メモをして「内申書に関連する報告書Aを、来週月曜日に持ってくるのですね」と復唱するのです。
<相手に誤解されやすい言葉のくせに気を付けているか?>
家族の間などでは問題視されていなくても、相手が他人、ましてや先輩などの偉い人だとしたら、誤解されやすい言葉があります。あなたはそもそも、そうした口グセがあること自体、気づけていないかもしれません。気を付けましょう。例をあげておきます。
・はいはい(二度返事する)→いい加減に対応していると思われうる。
・とりあえずわかりました。一応わかりました。多分大丈夫です。→本当に理解しているのか?と不安に思われる。失礼に思われうる。
・それで? は? だから? →上から目線に感じられるし、攻撃的とも感じられうる。
・はあ? で?→馬鹿にしたり、責めたりしていると勘違いされやすい。
・まあまあですね。ましですよ。けっこういいんじゃないですか?→ほめる行為は、気を付けないと、上から目線に勘違いされうる。ハッキリほめる方が無難。例)とてもいいですね!
・でも しかし って言ってもさぁ→このような逆説の言葉を多用すると、自分を否定してくる人と思われやすい。
・OK あっそ 了解→仲の良い間柄であればいいが、そうでない場合は失礼になることがありえる。
【口グセの共通項】
◆相手を大切にしていない失礼に聞こえる言葉
◆相手を認めないで、否定しようとする言葉
◆相手に反抗していると思われる言葉
◆自分の方が相手よりも上だとPRしているように聞こえる言葉
◆まじめに、ちゃんと受け止めていないと思われる言葉
こういう言葉を「何の考えもなしにしてしまう」ことで、仲がこじれてしまうのは、もったいないですよね。
<あなたの挨拶(あいさつ)、その場に合っている?>
相手を大切にして敬語を使えば、必ずよい挨拶になるのかな?といったら、そうではありません。恐らくその挨拶は、場の雰囲気などに合わないものになるでしょう。
例えば「おはようございます。皆様ごきげんうるわしゅうぞんじあげます」などと言えば、「お前は悪役令嬢か!」などと突っ込んでくれたらまだいいですが、恐らくドン引きされることでしょう…
そういうときに活躍するのが、観察です。最初にあなた自身は、無難に普通の挨拶(おはようございます。こんにちは。さようなら。など)をしておきます。そのうえで、他の人たちはどんな言葉を使っているのか?観察するのです。
・どんな時間帯や場において
・どんな相手に対して
・どんな言葉が使われているのか?
あなたが学生ならば、場面が似ているので、観察しやすいはずです。あなたが社会人ならば、礼儀正しいながら評判もよい年齢・社歴の近い方の挨拶をまねるといいでしょう。
<仲良くなるまでの段階を、ちゃんと飛ばさずに踏んでいますか?>
アニメなどでは出会いイベントがあって、個性的なやりとりが続いて急速に仲良くなっていくこともよくあるパターンですよね。私もアニメファンなのでそうしたやり取りもおもしろいと思うのですが、日常生活における出会いと仲良くなる過程においては、段階を踏む方がよいとされています。仲良くなるまでの人間関係には5段階があるといわれています。
1出会いの段階 :簡単なあいさつを通して、人間関係をすすめるかどうかの判断が行われる。相手と仲良くなりたくないと思ったら、ここまでにしておく。
2実験の段階 :簡単な自己紹介、表面的な世間話やおしゃべりを通じて、お互いのことを探りあう。実はこの段階でストップしている人が多いそうです。普通の友人やクラスメイトなどもこの段階です。なぜなら、おしゃべりをしているので、お互いを認めているので、対立した関係などになりにくいからでしょう。孤独感も感じません。
3関係強化の段階 :性格、家族、価値観などについて内面的なコミュニケーションが行われる。親密な関係になり始める。仲の良い友人、相性の良い友人などになります。
4統合の段階 :周囲の人々も当事者同士の人間関係の親密さを認める。相手の気持ちを察して、相手のことに関する判断がある程度できる。親友、恋愛中のペアなどです。
5結束の段階 :結婚や契約などによって最も親密な人間関係を結ぶ。夫婦などですね。
ですから、いきなり仲の良い友人、相性の良い友人、ましてや親友を作ろうとして他人に働きかけるのは、非常に不自然なことをすることになってしまうのです。
<顔を合わせることを避けていませんか?>
もしも相手があなたに悪い感情を抱いていない場合。すなわち中立的な感情だったり、少し何かしらの興味や好意を持っている場合。そうした状況では、接する回数が増えるほど好意度や印象が高まるとされています。確かに恥ずかしいかもしれません。特にいままで孤独だったりして、なんかうまくいきそうだとしたら、余計に緊張するかもしれません。でも、そういうときこそ、微笑みの挨拶からはじめてみませんか?
<相手に好意を向けよう>
人間は、相手に何かをしてもらったり気持ちを向けられると、それを返したくなるという性質があります。例えばプレゼントをもらったとき、自分だけもらってばかりでは悪いから何かを返そうかなと思ってプレゼントを返すのが、その好例です。
何かしら相手に役立てそうなときがあったら、勇気を出して実行してみると良いでしょう。ただし大げさなことはしないようにしましょう。ちょっとした気の利いたことのほうが、自然で相手も疑いにくいことでしょう。
一方、あなたが「どうしても仲良くしたい」「攻撃されたくない」などの卑屈な気持ちで相手に役立とうとしたら、相手につけこまれてしまう危険性があります。
さらにあなたが相手の気持ちや立場を無視して、一方的に親切を押し付けても、まず良い結果にはならないでしょう。注意しましょう。
<相手が求める身体的特徴・外見上の特徴を備えよう>
これはルッキズムなどの問題もありますが、人間の動物の本能の面も深くかかわっているので、避けては通れません。簡単に言うと「生理的にダメ」だと思われないようにするということです。もちろん人は、他人に好かれるために生きているわけではありません。私は個人的に、自分らしさをあまりに失うようであれば、相手が求めること(ニーズといいます)に合わせない自由もあると思っています。しかし、とりあえず集団や組織に合わせる必要性が高い場合、この要素を満たしておくと良いでしょう。
・体型(太りすぎている、やせすぎている)
・服装(あまりに個性的過ぎる、清潔感が無さ過ぎる、周りと全く類似性がない)
・髪型や髪の清潔感
・化粧の有無(場にふさわしいもの。化粧をすることが必要なケースもあり)
・全体的な清潔感(目ヤニ、鼻毛や耳毛が出ている、爪が汚くのびている、ハンカチで手をふかない仕草をいつも行う)
・いつも同じ服を着ているように誤解される
・体臭や化粧などの匂いがある
・いつもしたばかりを向いて、独り言などを言っている。
・いつも無言で、無表情ですごしている。
・目線を他人にあわせることを一切しない(苦手な人は、相手の花と唇の間ぐらいをみると良いです)
☆要は見た目で「あ!絶対無理!」とおもわせないことです。人間の第一印象が6秒で決まるというのも、この生理的嫌悪感にひっかかるかどうか?が大きく作用します。
<共通点を見つけよう>
人間は誰かとの間に共通点があると好意を持ちやすいということがいわれています。先ほどの生理的嫌悪感にひっかからなかった人は、次の段階として(興味を感じたら)相手のことを探るわけです。そして人は自分と似たものに好感をもちやすいという心理があることが分かっています。
出身地や趣味など、共通点があれば話も弾みますし、一気に距離が縮まります。でもあせらないで。その為には、ソーシャルスキルを発揮します。まずは相手の情報をできるだけ集めます。観察も有効でしたね。観察する場合、集団の輪にとりあえず入ってみるという方法も有効です。そして、自分との共通点がないか探してみるといいでしょう。もし共通点が見つかったら、思い切って自分のことを話してもよいかもしれません。自分のことを話すことを「自己開示」といいますが、これもまた相手との距離を縮める効果があります。
もし残念なことに、共通点がない場合はどうするのか?そうした場合は、今から共有できる体験を一緒にするのです。仕事では共同作業の必要性が起きるのはもちろん、学校でもグループ活動などで先生から指示されて行えるチャンスがある場合があります。
<自己開示をしよう>
親密な関係のためには、共通点を探す、返報性の原理があるという話をしましたが、この2つを一気に進める方法があります。それが「自己開示」という方法です。自己開示とは、自分のことをさらけだして話すことです。この自己開示が人間関係を進める上でとても効果的です。そのためには、まず自分から相手に対する気持ちや自分のことを開示していく姿勢が有効です。
こうすると、自己開示が一方的になされるだけでなく、先ほどの「返報性の原理」によって、相手も同レベルの自己開示を返しやすくなり、お互いがお互いのことよく知り、より親密度は増加します。
ただし、この方法はとても威力がある分、危険性も高くなるデメリットがあります。例えば相手が顔見知りでなかった場合。相手はびっくりしたり、違和感を感じたりして、むしろあなたを「関係性を一切持たない方が良い人」だと判断してくる可能性があります。
また相手がそもそもあなたに対して興味を持っているのか? むしろ敵意すら持っていないのか?そうした観察も必要ですね。 相手が邪悪で心理的な問題を抱えていそうなのか?も確認しておくと良いでしょう。つまり自己開示して仲良くなった結果、あなたに不幸や問題が生じる可能性が高い場合です。
加えて、前述の仲良くなるための段階をふっとばして、いきなり自分の深い部分の話をしたりすると、相手はびっくりするだけでなく、あなたのソーシャルスキルの低さに違和感などを覚えることでしょう。防衛的になり、関心をもってもらうこと自体が難しくなってしまいかねません。ですからまずは趣味など話しやすいところから始めていきましょう。
【終わりに】
とてもたくさんのボリュームになってしまいました。それだけ、世の中には多くのソーシャルスキルがあるということです。あなたもどうかソーシャルスキルを使いこなして、自分でも生きやすい環境をつくってもらえたら幸いです。
また説明内容を簡単にするために、内容の証拠(エビデンスといいます)を省略してあります。興味のある方は、以下の件を調べて学んでみてください。
【エビデンス関連項目】
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