ボランティアキャリアコンサルティング

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キャリアコンサルタントひろくん

キャリアコンサルタントひろくん

2025.09.12
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​​ ​ 私が多くを学んだ國分康孝先生の臨床に対する姿勢の1つ。それは 「折衷主義」 というものでした。これは簡単に言うと、 「その事例(クライエント)に対応するために、一番よい方法を実践すると良い。そのためには、各種理論、技術などの良い所ばかりを併せて提供すると良い」 という考え方です。具体的な説明の方がわかりやすいと思います。一つ例を出してみましょう。​

 たとえばあるクライエントが、自分の不登校の問題と、親の精神的ケアの問題を同時にかかえているとします。2つの大きな問題があるという時点で、何かひとつの理論・方法に絞ってしまうことは、問題を包括的に捉えて解決できなくなる可能性が強まります。
 なぜなら、仮にクライエント本人のメンタル面の改善を目指しても、問題を引き起こす環境が手つかずでは、改善が困難なだけでなく、改善後も容易に再発しやすくなるからです。加えて、親の問題は別の問題として対応しなければならなくなります。


 このような事例においては、私であれば
①本人の不登校の問題・キャリア形成の問題を支援する キャリアコンサルタント視点
②本人の苦痛を受け止めつつ、レジリエンス向上、コーピング向上を目指す カウンセラー視点
③本人及び家族が置かれている環境を包括的に捉えて分析し、環境面の改善に働きかける ソーシャルワーク視点
 この3つを使って対応します。とりわけソーシャルワーク視点はキャリアコンサルタントやカウンセラーには不慣れな概念かもしれませんが、キャリアコンサルタント研修でもソーシャルワーク視点の講義が行われており、より質の高い折衷主義の実践が有効となっています。だから我々には、不断の学習・資質の向上、自己理解などが求められるわけです。
​※参考までに更新講習について情報を提供します。なお悠久の風様より、利益等は一切頂いていません。​
​​ 悠久の風 キャリアコンサルタント更新講習 藤田廣志先生


 では折衷主義として
、どのような内容が盛り込まれると良いのでしょうか?今回例示した事例では、
①:キャリアアップ(キャリアコンサルティング視点)
②:家族機能の回復・家族への支援(家族カウンセリング、ミクロソーシャルワーク視点)
③:クライエントのストレスをやわらげたり、自己決定を支援する(カウンセラー視点)
④:ストレスに上手に対応する力を高める(心理教育、カウンセラー視点)

⑤:「応援・支援してくれる存在」を増やす(環境への介入 ソーシャルワーク視点)
が大切になりそうだと感じます。

​※なお、ソーシャルワーク視点における具体的な支援者としては、例えば以下が考えられます。​
①経済的な支援をしてくれる組織及び人の協力を得る。
◆役所の障害福祉課のスタッフ
◆生活保護(保護事務所のスタッフ)
◆生活困窮者自立支援制度(スタッフ)
②生活困窮者自立支援制度(学習支援に関わるスタッフ)
③子ども家庭支援センターのスタッフ(あなた、お母さんへの支援)
④若者サポートステーションのスタッフ、利用者の若者たち
⑤NPOが運営しているフリースクール(今の高校に在籍しながら、追加で利用できるはず)

【まとめ】

​ なにより大切にして頂きたことは ​、 クライエントのこころを大切にすること です。相手を尊重し、気持ちを大切にする。それが キャリアコンサルタント、カウンセラー、ソーシャルワーカーに関係なく、絶対に求められるもの になります。その上で、 専門的知識・技術を折衷的に活用することが大切 になってくると私は思います。​

支援・援助者たちも人間ですし、それぞれに問題や苦しみを抱えていることでしょう。またそれは自身の問題等だけでなく、置かれている環境なども大きく影響していることでしょう。ベテランの人ほど、そうしたストレスに長年さらされていると思います。

 対人支援・援助をして下さる方々に対して、改めて深く感謝すると共に、
星
​​クライエントだけでなく、人を大切にする (本人、職員、関係者等も含む) ​​
姿勢を思い出し、専門技術を折衷的に活用して頂きたいと強く願っております。自己覚知を怠ったり逃げて、自己満足的・自分の権威付けの為に疑似支援をすることは止めてくださいね。
​​





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Last updated  2025.11.12 21:25:17
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