ボランティアキャリアコンサルティング

ボランティアキャリアコンサルティング

PR

Profile

キャリアコンサルタントひろくん

キャリアコンサルタントひろくん

2025.09.15
XML
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​  ペドフィリア(小児性愛)は精神疾患です 。世間からの評価がとても低く、差別されたり、憎まれることも当たり前のように観られる精神疾患です。

 性障害専門医療センターSOMECの福井氏によれば、 男性のうち5%はペドフィリア ではないか?という見解を示しています。MSDマニュアルプロフェッショナル版での解説では、 最大3% を占めるとされています。またネットフリックスで放映されている『良心の糾明: 聖職者の児童虐待を暴く』では、聖職者のうち 7%が性虐待をする と証言されています。
 かりに5%と設定して、日本における男性の生産人口だけで考えても、 130万人のペドフィリアがいるびっくり ことになります。実際は10代前半の者、65歳以降でも該当する者が含まれうる為、更に人数は多くなることになります。本当にものすごい数です。

なぜペドフィリアに罹患してしまう のでしょうか?以下の解説は、 榎本クリニックにて臨床的にかかわり続けている斉藤章佳氏 の著作『「小児性愛」という病』を参照しつつ行います。


 第1の視点として、 ペドフィリアは先天的である可能性があります 。つまり、 生まれながらにペドフィリアにとてもなりやすい という点です。確かに生物としての生存戦略として、成熟したメスを獲得する能力が無い場合などに、早熟なメスを選択する可能性はあるかもしれません。もちろん生殖行為としてかなり効果が低いわけですが、 ​遺伝子に生存戦略として組み込まれている場合、その誘因を除去することはできません。​
 しかし 、ペドフィリアによる小児への加害行為は犯罪 であり、今日の文明社会では決して許されないことです。しかもペドフィリアを有する本人の幸せ・安全・可能性などを大きく損なう可能性もあります。ですので、かりに一部の方が先天的に誘因を持っているとしても、それを言い訳にすることはできません。
※私の例で恐縮ですが、私は遺伝子検査の結果、 本当ならば筋肉がややつきにくい遺伝子 を持っています。ですが私は筋トレを継続し続けた結果、一時期背筋力が233㎏になりました。今も筋肉量はケガをした部位を除けば多くなっています。 私たちは人間としての工夫ができるうえ、その為の意思も持てる

 第2の視点として、 社会・文化・環境が、ペドフィリアに罹患させる悪影響を有している 点です。痴漢行為の方がわかりやすいのですが、仮に先天的に痴漢をする誘因を持たずに生まれたとしても、日本の文化や社会のありかたが、当人を影響するわけです。
 男尊女卑、女性蔑視の文化的側面。痴漢という行為の存在を知ること。ストレス発散として痴漢を選ぶことが実際に起きている事実(報道などで)。そうした環境により、痴漢という行動が学習され、実行されてしまうわけです。

 第3の視点として、ペドフィリアを有する者の 養育過程(育った過程)において、本人をとても苦しめるような逆境が存在した可能性 罪悪感 や、なにをしても無駄という 無力感 を植え付けてしまいます。
 似たような負の影響をもつ存在として、何かしらの 犯罪被害 にあうこと、 大規模で危険な自然災害 に罹災すること、悪質ないじめにあうことなども、逆境経験と同様の効果を持ち得ます。


 逆境に話をしぼりましょう。逆境経験は大きく3つに分類できます。 逆境①は「機能不全の家庭で育った」 ということです。
 本来家庭はこどもにとって、人格が守られ、大事にされて、適切な保護や養育を与えられる場所です。ところが機能不全の家庭では、こうした機能が働きません。機能不全には様々な形態がありますが、例えばアルコール使用障害者が養育者である家庭などが該当します。 アルコール使用障害の家庭では、高頻度で児童虐待やDVが起きる とのことです。
 また恐ろしい話ですが、不適切な教育(マルトリートメント)の内容に応じて、 こどもの脳が変性してしまう部位が異なることが判明 しているそうです。

逆境②は「いじめの被害体験」 です。閉鎖的で逃げられない空間で行われる卑劣な行為の為に、自尊心などが大いに傷つけられてしまいます。成人してからも、 その恨みが消えないとしても、それは自然なこと です。それを 昇華して活用することができればいい のですが(例:いじめのつらさを知った者が、カウンセラー、ソーシャルワーカー、教師等として、人を大切にしながら実践に精を出すケース。)、人によっては 恨みの感情などが、自分よりも弱い存在である小児に向かうことがある わけです。

逆境③は「同世代の女性との挫折経験」 が挙げられます。女性に明確に拒絶されたり、自分の劣等感や実際に恵まれていない容姿や経済力を理由に自主的に女性へのアプローチを諦めてしまうなどの 挫折経験 を味わいます。その結果、一部の方は同世代の女性を嫌悪・攻撃対象にしてしまうのです。それは反面、拒絶・否定されることへの大きな恐怖の現れでもあります。
 もちろんいわゆる失恋経験などは、本来ならば成人として成熟していく上で当たり前のように経験されるものです。しかし 「挫折」としかとられられない方は、家庭で愛されなかったり、安全を確保されなかったり、自己肯定感を持てないなどの問題を抱えている可能性がありそう だと私は思います。
※私なんて「数十人」に振られましたが、良い経験になっています…


家庭内で行われる性虐待は、支配する・支配されるという、逃れることのできない絶望的な環境において行われます。 例えば自分を慰める行為を強制的にやらさせる、(暴力的な)夫婦の営みの姿を故意に毎晩のように見せつけるという事例です。
 そんな 性虐待をされたこどものこころは、ひどく傷つきます 。こわれてしまってもおかしくないほどでしょう。逃れることもできないその苦しみを、 こどもは何とかしてやわらげたり、消そうとする のです。まさに 生きる為のサバイバルアクション なのです。
 たとえば猫などの動物を虐待する場合。また兄弟姉妹において、自分よりも年少の者に性加害をする場合などが起き得ます。猫を虐待できるような環境だった。年少の兄弟姉妹がいた。そういう 環境上の偶然と、サバイバルアクションをせざるを得ない過酷な環境が「たまたま」組み合わさって 、本人をペドフィリアに罹患させ、更には加害行動を実行させるわけです。
 恐ろしいことに、 本人は最初からペドフィリアを望んでいたわけではない のです。むしろ 本人の意図とは反しているにもかかわらず、有害で偏った性的嗜好を学び実行し、最終的にペドフィリアに罹患して加害行為をしてしまう わけです。 ペドフィリアに依存状している とも言えるでしょう。


 彼ら/彼女らがペドフィリアになってしまったこと。 そのこと自体には、彼ら/彼女らに責任はありません。 むしろ彼ら/彼女らを苦しめた「真の原因・加害者」がいるわけです。(その加害者たちも、実は「被害者」でもあり得るのですが…)
 ただし、だからといって ​ペドフィリア行為を許すわけにはいきません。​ ペドフィリアの原因が先天的であろうが、後天的であろうが、それは関係ありません。唯一重要な目標は、 ​「ペドフィリアを行わないようにはたらきかけたり、当人が工夫をすることで、こどもたちをまもること」​ だと言えます。
 その結果、 ペドフィリアを有していた人たちも、苦しみから抜け出せていけます。 薬物療法、心理療法、リハビリテーション、ソーシャルスキルトレーニング、自助グループ参加等を通じて、彼ら/彼女らもまた、自身の ペドフィリアを治療するだけでなく、自身の傷や苦しみも少しずつ癒えていくだろう からです。​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2025.09.20 11:53:24
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: