だれが、いつ、どこで、どのようにして子供に加害行為をするのかについて、我々は良く知っておく必要があります。
こどもを守る立場の人、とりわけ保護者などにすれば、ペドフェリア患者からこどもを守る為の予防につながります。また、あなたがペドフェリア(的傾向を自覚している等)であれば、「説明にあるような環境に自分を置かないようにする」ようにしつつ、ペドフェリアの治療を行いましょう。そうして日頃から意識しておくことが、子どもをまもり、あなたの人生の破滅も防ぐ予防となりえます。
まず小児ごうかん型、小児わいせつ型の犯罪行為について、全体的にみれば親族を含め、 お互いにしっている者同士という関係で多く発生
しています。また外見に対する偏見も重要です。いかにもあやしいという人ではなく、 平凡で柔和のような人に多く観られる
そうです。また親族以外の面識の発生については、 インターネットでの出会いが過半数を占めて
います。
こどもへの性加害を行う者たちの特徴には、 職業を通じて行う者が多数
と言う特徴があります。職業とは具体的には、教師、保育士、学童クラブスタッフ、スポーツインストラクター、ボーイスカウトなどの指導者、芸能プロダクションの経営者・指導者等が挙げられます。
これらの職業に共通している要素は何でしょうか?それは 権力関係を利用できる点
です。かれらはいわば 「先生と言う否定できない存在」
です。またこうした者たちには、 子どもたちの将来に関する生殺与奪の権限を持っている
者もいます。部活動、スポーツ教室、音楽教室などにおいて、キャリアの成功に向けてかれらの支援・承認が極めて重要である状況に陥るわけです。
※ただしこれらの職業の方々の名誉のために、敢えて申し上げます。彼らのほとんどは、実際に誠実に志を高くして取り組んでいる方が多いと私は思っています。
子供への性加害は、形に現れにくいうえ、盲点をかかれることが多いといえます。盲点の1つめは、ペドフェリアは 12歳以下の男子をターゲットにしているケースも多い
という点です。ペドフェリアが対象とするこどもの特徴を思い出してください。それは 「13歳以下で思春期前の児童」
でしたね。つまり性的成熟がすすんでいない、男女差がない状態のこどもを対象にするわけです。従って「うちのこどもは男の子だから、大丈夫」という安心は、基本的に危険だといえます。
第2に職業が男女に平等に開かれた結果、リスクが高まるケースです。例えば男性の保育士が女児の着替えを手伝うことに関する問題があります。確かにジェンダー問題視点で男女の平等を考えれば、男性保育士への偏見は避けるべきです。一方ペドフェリア問題における子供の防衛という観点では、リスクは実在します。
第3に 性加害をする多くの先生・指導者は「いい先生」だと評価されている点
です。教育熱心で、子供達からも好かれています。先ほど小児性加害をする者のイメージが、平凡で柔和な者が多いという事実がここでリンクすると私は思っています。
こうした盲点を踏まえた上で、小児加害者たちに犯罪を行わせないように、とりわけ保護者、学校関係者を中心に、反抗が行われる「環境」を改めて確認していきましょう。「犯罪機会論」という考え方があります。これは「犯罪が成功するチャンスがあったから、犯罪が生じた」という考え方です。
犯罪が好発する 時間帯は「下校時間」
となっています。場所については 「人目につかないところ」
となっています。とりわけ トイレは要注意
といえましょう。私も意外だったのですが、たいていの小児性加害者は
自身の生活県内で加害行為をする![]()
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そうです。なぜでしょうか? それは 生活県内の方が犯罪を行う上で必要となる情報量が圧倒的に多くなるから
だそうです。たとえば、A小学校の児童はB通りを通って帰る子が多く、その途中にはC、D児童公園がある。Cの特徴は… Dの特徴は… だからEちゃんの場合はCの方が… という風に、 見知らぬ土地では不可能な犯罪への段取りを、現実的に行えてしまうリスク
があります。
しかも小児性加害者は、卑怯でずるがしこい一面を持っています。自分の性的対象になるこどもに、やみくもに手を出そうとしません。 犯罪行為を他の者に言わなそうな子供をねらいます。またその際の口止めとしても、こどもの泣き所をついた説得や脅迫をしてきます。
「おとうさん、おかあさんが悲しむだろうねぇ」
「おとうさん、おかあさんに叱られちゃうよねぇ」
「いい子にしてなかったのが、ばれちゃうね」
「きっと〇〇ちゃんのことを、きらいになるだろうね」
などと、 子どもに対して口外したら自分がダメで悪い子になる上、親などからの愛を失うという恐怖を利用する
わけです。
以上から、我々が犯罪を防ぐために行える具体的アクションを考えていきましょう。
①子供の通学圏内のトイレの巡回・声掛けを強化する。
これには商業施設なども含まれますので、企業側の協力も重要となってきます。また同じ時間の巡回にすることで、小児犯罪者が巡回回避の時間帯を学習してしまうので、それを防ぐランダム巡回が重要です。
②こどもに対して、性犯罪から身を守る性教育を幼児のころから行う
これは一見すると、非常に抵抗感を感じる方が多いかもしれません。私も最初はそうでした。しかし、具体的に体のどの部分を触られたら性暴力になるのか? と教える方法は、とてもわかりやすくて良いと思いました。すなわち 「学校でプールに入るときに着用する水着の部分を触ろうとしてきたら、それは性暴力なんだよ」と教えるという方法
です。相手が押さなければ、水着を着た男女の絵をかいて、教えてあげるとわかりやすいことでしょう。
③こどもとの日頃のコミュニケーションを行う際に、②の知識を活用する
日頃から子供に対して恐がられている保護者の人は、こどもを性犯罪から守る上で大きなハンデを背負っていると言わざるを得ません。それでもコミュニケーションは重要な予防・問題発見方法です。
いつもと違って元気がない、不安だという様子を見逃さない
(ビジネスマンで管理職の方は、「ラインケア」を思い出してください)ことは重要です。
その際は、まず子供と絶対に保護者側が守る約束をしましょう。 「本当のことを言っても、怒ったり、嫌いになったりしない」という約束
です。その上で、②の水着ゾーンに対して、だれかが触ってきたり、嫌なことをされていないか? 確認してみるといいでしょう。
保護者でさえ、上司や権力者に詰問されると、本当のことを答えづらいことでしょう。ましてや 子供は余計にいいづらいことを踏まえてください。
④従来から行われている子供をまもる対策に何かしら貢献する
小児性加害の問題が取り上げられるようになってから、長い年月が経過しています。既に実施されている対策も複数あるはずです。それらの 質を落とさないようにして継続する、盲点を洗い出すというバージョンアップも有効
になるでしょう。
終章:ペドフェリア傾向の自分を知りやす… 2025.11.01
7-2ペドフェリアの行動を止め、治療する為… 2025.10.31
7-1 ペドフェリアの行動を止め、治療する… 2025.10.31