沢木遥の「幸せ力をつける練習日記」

沢木遥の「幸せ力をつける練習日記」

2003.08.27
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私のもとに、毎月、「まんだら通信」というB4サイズのミニコミの通信が送られてくる。折々のできごとが仏教の法話にからめて語られ、フームと反省させられたり、ホッと温かい気持ちになったり。カラープリントされた写真も美しい。

この通信、きれいな海で名高い千葉県白浜町にある紫雲寺の住職、高橋龍渉さんが愛用のマックで手作りしている。発行部数は5~600部もあり、読者は地域の人や檀家などだそう。初めてお目にかかってから、もう7年以上になるのに、きちんと届けてくださる。

ほんとうをいうと、町の行事を取材に行ったとき、一眼レフでカメラマンベストを着て熱心に撮影している男性がいて、てっきり同業者だと思い込んで挨拶したのが出会いだった。

高橋さんにとってお寺は、「規制の緩やかな公民館」であり、「町の歴史を保存しておく図書館」。お堂で地元の音楽サークルがコンサートをしたり、境内が子供たちのバーベキューの会場になったり。また、自らカメラを下げ、地域のさまざまな行事やイベントに精力的に顔を出し、町の歴史を記録している。

高橋さんの父親は満州の開拓団付きの医師だったが、引き揚げの途中、母親と妹とともに亡くなった。たまたま日本の親類の元にいた高橋さんだけが生き残った。あるとき、寺の世話人から、住職の弟子が戦死して跡継ぎがないから、住職にならないかと持ちかけられる。そうして、中学を卒業すると京都の本山で修行。修行中に先代が亡くなり、20歳で寺を継いだ。住職としての生活も、まもなく半世紀になる。

「自分は寺に生まれたわけでもなく、何かの力に導かれ、たまたまなったのですよ。だから、寺はみんなのものだと思っているんです」

たんたんと語っていた高橋さんのことを、このごろよく思い出す。

「ふと気づくと」、こうしていた。
「たまたま」、こうなった。

「仕事」というのは、そんなものかもしれない。
仕える事、と書くもの。

自分のところに巡りきたご縁を、「有り難いこっちゃ 結構なこっちゃ」(まんだら通信、2002年10月号)と受け、精いっぱいの使命感、真摯な義務感、謙虚な責任感でもって成していく。ひたむきに打ち込んで、死ぬ時に、ああ天職だったのかなぁ、と振り返ることができたら、それが幸せなのかもしれない。

自信と信念をもって、いつも自分の真ん中にたっぷりと愛をたたえていたい。こうだと思うことを、コツコツと続けたい。いつだってどれだけの人を幸せにすることができるか考えていたい。

「まんだら通信」が届くと、そういう誠実な気持ちになる。

紫雲寺のホームページは
http://www.awa.or.jp/home/ryusho/







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Last updated  2003.08.30 18:40:25
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