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2011年04月27日
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パート2です。

石巻の町を車で走ると、ある場所からはガラッと光景が変わります。
これでも町はずいぶん片付いてきれいになった、自衛隊のみなさんとボランティアに感謝してると、みなさんおっしゃるのですが、それでも石巻を車で走る私達の目に飛び込んできたのは、町の傷跡がヒリヒリ痛む、ありえない光景でした。

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↑石巻では今、桜が満開です。
でも、この桜の木の下には、まだこういう光景も多く見られます。

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↑一瞬何かなと思うのですが、ここはすべて家が建っていたのです。
津波で家がごっそり流されて、こんな状態になっている箇所が何箇所もありました。

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↑一応持っていったガイガーカウンターで放射線量を計測してみました。
0.08マイクロシーベルト。

東京は発表されているのは0.07マイクロシーベルトくらいですが、私が自分のガイガーカウンターで測ると、今も0.15マイクロシーベルトくらいありますから。
これは計測している場所の、地上からの高さの差なのかということが言われています。

放射線量が思ったより低いという理由だけでなく、現地にいると放射線のことなんか、ほとんど忘れてしまっていました。
東京ではN95マスクの私が、現地では花粉用のマスクでした。
マスクを取っていることも多かったです。

ただし、被災地では放射線以外に、ガレキなどの粉塵という別の問題があります。
アスベストを含むこともあるそうです。
現にマスクなしで5日撤去作業を手伝った大介くんは肺炎になってしまいました。
こういう作業に行く方は、防塵マスクを必ず着用するようにして下さい。

被災地アスベスト被害

現地の方も、原発の話題は全然しません。
それより、現実のこの苦難を、どう乗り越えていくか、今日をどう生きていくかで精一杯なのです。

それも確かに大問題ですし、被災地でも福島に行くと、もちろんまた違います。
ですが、もう少し被災地の復興のことも重要視して欲しいというのが、みなさんの声でした。

被災者の方の体に触れると、東京で体が凝っている方とはまた質の違う、全身の極度の緊張が見られました。
特に首の硬さは尋常じゃなく、津波や余震など沢山の恐怖や不安を耐えてきたからだと思います。
カイロチームで唯一の20代の吉田君が「施術をしていて、こんなに手が熱くなった事は今までないです。それだけエネルギーを必要としている方が多いということなのかと思いました」と涙目で話していました。

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だけど、そんなに明るく場を和ませていた方を施術しながらよく話を伺うと、津波で奥様をなくして一人ぼっちになってしまったということをポツリと。
私が施術した方の中には、津波にのまれて流されて、あちこち体をぶつけて、それでも助かったという女性の方がいました。
全身がコチコチで、どこから手をつけていいかも分からないくらいでしたが、矯正すると首がかなり緩んできました。

避難所の近くでお弁当を食べている私達を見つけて、この方が人数分お味噌汁を運んできてくれた時には、本当に恐縮しました。
他の避難所でも、お茶を持たせてくれたり、チョコレートを下さる方もいました。
被災者の方から食べ物を頂くなんて、考えてもみなかったので、本当にそのお気持ちに胸が熱くなりました。

子供たちは、元気いっぱいなのですが、中には親をなくした子供たちも見かけました。
笑顔が硬くて、泣いている子もいました。
こうした子供たちへのケアも今後とても重要になってくると思います。

最後に行った成瀬第一中学校の避難所では、手違いで枕が届けられず、自衛隊が毛布を縫って手作りした枕をしている方が多くて、そのせいで寝つきがよくないと言っている方がいました。
自衛隊が手作り枕まで縫っているという事実にも驚いたのですが、私達はちょうど東京の業者から支援物資として枕を50個預かってきていたので、これをこの避難所の方たちのために提供する事が出来たのは、本当によかったです。

炊き出しやお風呂、瓦礫の撤去など、現地では自衛隊の方も本当に大活躍なさっていました。
ただ、ヘドロ出しや家の片付けまでは自衛隊はやらないので、これはオンザロードなどの小さなNPOのボランティア達がかなり頑張っています。

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↑焚き火を囲んでのミーティングで若いボランティアの男の子が、「被災者の方は思い出があるので、ぐちゃぐちゃになった家の中の荷物を捨てたり、整理するのがつらそうですが、そこを僕らが行って、代わりにさっぱり、さわやかに整理することで、新しい出発に向えるように役に立ちたい」と話していました。
みんなの話を聞いていると、この国の若者は、まだまだ捨てたもんじゃない、むしろ日本の未来は大丈夫だなと、なんだか安心していしまいました。

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↑こうしたボランティアの中で責任者として長期滞在している方を1人施術させてもらいました。
復興には時間がかかるので、こうしたボランティアへのケアも必要になってくると思います。

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↑ギターを抱えて、実に絵になる男子がいると思ったら、俳優の小橋健児くんでした。
しょっちゅうこうしてボランティアに来ているようです。
今回は主に撮影係をしていて、私達のカイロチームにも同行して撮影してくれました。
小橋さんも肩が凝っているというので施術させてもらいました。

もうすぐ、ドキュメンタリーの初監督作品が公開されます。
8歳から俳優として生きてきて、イケメン俳優として地位を築きかけていた4年前に、あっさり俳優を休業し、これからの自分の本当にしたい生き方を求めて世界へ。
話してみても、ものすごく純粋な方で驚きました。
今、マスコミである女優さんの黒幕とかって報道されているのが、あまりにも似合わなくて、みんなに黒幕黒幕とからかわれているようです(笑)
マスコミの報道なんて、本当に笑っちゃうくらいあてにならないですね。

小橋健児監督 ドントストップ!公開へ


ボランティアビレッジの朝は6時起床です。
歯を磨いていると、ギターにのせて静かな歌声が、ビレッジに響いてきました。
オンザロードのスタッフ櫛田寒平さんの歌でした。


あさ     作詞作曲/櫛田寒平
( このページ で曲が聴けます)


朝起きて 空を見る
麻を着て アースに祈る

争いの時は過ぎて 
今ここはもう、あさの時代だから
さあ 行こう

朝が来て 動き出す
すべての意味が海にとけてく
黎明の時は過ぎて 新しい朝が来るから

さぁ行こう さぁ行こうよ
遠回りでもいいじゃないか
さぁ行こう さぁ行こうよ
さぁ行こう さぁ歩き出そう 明日へ


朝日の中で、気がつくと涙が出ていました。
震災以来、ずっと、東京で悶々とした日々を過ごしてきました。
あまりにも大きな災害を前に、無力感を感じ、なすすべもなく、呆然としていました。
小さい子供がいるので原発事故のことも気になり、神経もピリピリしていました。
でも、被災地に来て、その気持ちはすっかり変わりました。

それでも、私達は生きているのです。
生かされているのです。
多くの犠牲者の方のためにも、生きていかなければいけないのです。
生きている限り、何度でもやり直すことが出来ます。
生きている者の役割として、この町の人を助け、この国を復興させなければなりません。

この災害から学んで、あらゆる防災を改善していかなければなりません。
次世代に負の遺産を残さないやり方でエネルギーを生み出す方法を選択しなければなりません。

悶々としている時代は終わりました。
今はなんだか、気持ちがすっきりしています。
少しでも役に立ちたいと思って行った被災地ですが、逆に私は多くのものを与えられました。
短期間でしたが、それでも本当に行ってよかった。

石巻のある保育園でお風呂が入れるような仕組みを、歌を歌ってた寒平さんなどが中心となって始めています。
ここに施術のスペースなどを設ける考えがあるそうですし、私達が行った5箇所の避難所の方も継続的に施術してあげる必要があります。
その他100箇所くらいの避難所があるので、これで終わりにせず短期でも交代でカイロプラクターが行けるような仕組みを、今作りたいと考えています。

こういった代替医療に限らず、炊き出しチームもありますし、ヘドロ出しなどの作業はまだまだあります。
こちらは、ぜひオンザロードまでご連絡下さい。

NPOオンザロード 災害復興ボランティア募集

被災地に行かなくても、それぞれが、それぞれの場所で出来る事もあります。
くれぐれも無理せず、出来る範囲で日本の危機を乗り越えましょう。


争いの時は過ぎて 
今ここはもう、あさの時代だから!



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Last updated  2011年04月27日 18時48分25秒
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