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2020.10.21
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カテゴリ: 映画館で見た映画



難解だという情報を耳にし、しっかり見なければ、と思っていたけれど、なんだこの大音響は!!
ガンガンと音を打ち鳴らすディスコ(クラブ)のように響く音。体感すべく大音量。これがあるから映画館で見ろとクリストファー・ノーラン監督は言ったのか?どれだけ鮮明で大画面なモニターで見たとしてもこれほどの大音量を家庭で浴びることはできない。やかましいとしか表現できない音に10分か20分慣れることなく見続けた。

主演はジョン・デビッド・ワシントン。父親はデンゼル・ワシントンという。父親ほどのイケメンではないけれど、プロのアメフト選手として活躍していたとあるから、その運動能力、パワーで今回の役は十分こなせたのだろう。見る限り相当きついアクションシーンが続くから。
相棒はロバート・パティンソン。「トライライト」シリーズで薄気味悪いバンパイヤを演じていたので、薄気味悪い色白の俳優と思っていたが、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」でセドリック役もやっていたんだな。「ベラミ」を見ているが、彼には合ってない役だったと思う。今回の役は彼の評判をあげるだろう。
エリザベス・デビッキ。敵役の妻。長身の美女。あまりに長身。「華麗なるギャツビー」や「コードネームU.N.C.L.E.」など出演作がある。今回、初めてお目にかかった。
ケネス・ブラナー。敵役。風貌から、ケネス・ブラナーではと思ったけれど、本人を感じさせないみごとな演じっぷり。(単に私が気付かないだけか)女を愛する男としては奇特な存在。
マイケル・ケインは見た瞬間、ケインだと分かった。スーツについてくだりがあるが、ブルックス・ブラザースが紳士の絶品として引き合いに出されるけれど、コロナ禍にて倒産してしまった。今では、もうスーツは買えない。

<ネタバレ>

難解である、という情報だけを耳に入れ、ストーリーも展開もしらないまま、いつものように映画を見た。あ、逆行シーンがあることも知っていた。
最初にも書いたが、あまりに大きすぎる音響に耳をふさぎたいほどであった。いままでこのように感じた作品はないだけに、通常の作品以上に大音量での上映だったのだろう。体感するといえるほど、体に波動を感じるほどの音であった。それはさておき、ストーリーについてだが、難解なところはなかった。設定や細かい点については疑問を持つところがいくつかあるが、それは初見では見極められないだろうし、何度見てもわからないかもしれない。難解というよりはややこしい、把握が困難になってくるのが後半だ。逆行シーンが始まってからだ。物質によるものか、何かの作用によるものかわからないけれど、物事が逆行する現象があるということが冒頭に提示される。その謎を探求している科学者も登場。しかし、その謎が解明されることはない。事象としての逆行と、時空を超えて時間をさかのぼることができるということが実際問題として起こってくる。そして、それが、抗争、プルトニウム争奪の場となる。後々、プルトニウムではないこの世の終わりをもたらすものであることが判明するけれど。
で、逆行である。逆行できること、また逆行する注意点として、自分自身とは触れ合わない、マスクをする、みたいなことを字幕で読んだ気がするが、その点は主人公が逆行を始めた時だけ守られていて、その後は触れ合っているし、マスクなどしていない。この点はシナリオや編集のミスなのか、監督の勘違いなのか、字幕の過ちなのか、私の間違いなのか。時空をさかのぼった人間がさらに時空をさかのぼりを繰り返し、過去の自分とすれ違うシーンも出てくる。同時に同一人物が何人存在するのだろうか?
誰だか、わからない殴り合っている相手が○○だったとは!?びっくりしたけれど、嬉しくなった!?
陰に隠れている黒幕が○○だったとは!!さもありなん。

未来の人間が現在(過去)の人間によって救われるために、過去を操作する。「ターミネーター」のようであるが、未来人がやってくることはない。武器や金塊は届くのに。
終末期の人間が道ずれに世界を終わらせようとする話であったが、そもそもそれは何のために?なにゆえに?全くその意図、意志がみえない。わからない。その虚無感は共感を呼べず、彼の部下は自分たちがこの世からいなくなることがわかって働いているのだろうか?と思ってしまった。
敵役は妻一人を愛する、けなげな男。そのことが終盤、彼とともに死んだとされる女性の存在がわかることによって表出。この点もびっくりしたが、憎い演出として嬉しく思った。

人類の生命について考えるとジブリ映画の「風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」を思い起こす。この作品はそれらとは対極にあると感じた。全人類を自身の死とともに消え去ろうとする人命を尊重しない描き方は空疎・虚無に思えた。それだけに内容に重みや含蓄ある何かを感じることはできず、中身のないものに豪華な飾りつけ、包装をしたもののように、映像や斬新な発想や音響で飾り付けた作品のように思えた。主人公の立場が人類を守る、生命を守るものでありながら、敵役の思考が作品の印象として全面に出てきていることに畏怖を感じた。翻って、人命を尊重することが主題であるとするならば、結末として描いているものの、そう思えないのは、やはり畏怖でしかない。

2020年/アメリカ/150分/G


脚本:クリストファー・ノーラン
出演:ジョン・デビッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、ケネス・ブラナー、ディンブル・カパディア、アーロン・テイラー=ジョンソン、ヒメーシュ・パデル、クレマンス・ポエジー、マイケル・ケイン、マーティン・ドノバン、デンジル・スミス、ユーリー・コロコリニコフ

原題:TENET(「テネット」)

お薦め度
「​ TENETテネット ​」★★★★☆(90%)
字幕翻訳:アンゼたかし





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最終更新日  2020.10.21 23:28:32
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