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「メナムの残照」 トムヤンティ 角川文庫 305バーツ1941年---太平洋戦争の勃発とともに、アンスマリンは数奇な運命にもてあそばれる身となった。彼女の運命を変えたのは、日本軍の造船所長を務める青年大尉、小堀との偶然の出会いだった。小堀は折にふれてはアンスマリンの家を訪れ、好意を示すようになった。だが彼女にとって日本軍は祖国タイの”侵略者”だった。小堀に魅かれながらも、いや魅かれれば魅かれるほど、アイスマリンは彼を冷たくはねつける自分に気づいた。それに彼女には、5年後の再会を約して英国留学に旅だった恋人がいた---。戦いの嵐にもまれつつも、敵意を超え、国境を超えて結ばれる愛を描く、タイの代表作家のベストセラー。(表紙カバーより)2020年3月、読破。バンコクのプロンポン駅のそばにあるデパート・エムクォーティエ内の紀伊國屋書店にて購入しました。「日本国内で絶版になった文庫を限定復刻したアジア絶版文庫シリーズ」の一冊です。原題は「クゥーカム(運命の人)」。タイでは4度の映画化、6度のテレビドラマ化されたことがある超人気作品で、主人公である小堀は、タイでその名前を知らない人はいないと言われるほど有名です。最近では2013年に映画化されました。この映画をタイ国際航空のビデオで見て原作も読んだみたいと思い購入しました。実は、後日にDVDも購入(サイアムスクエアにあるビデオ屋で購入したもの。タイ語のみなのでちょっと観るにはきついですが)。アンスマリン役は、リッチー・アマラーワディーという可愛い女優さんが演じています。メナムは、バンコクを流れるタイ最大の川の名前で、現在のチャオプラヤー川のことです。2年間、バンコクに住んでいましたので、当時の広大な果樹園が広がる舞台は、バンコクではなくて、どこか地方の村の物語のように感じてしまいます。日本はタイを荒らしに来た敵国、英国へ留学している幼馴染(恋人)、父親は、連合国へ情報を流す組織のメンバー。これらのことが、アンスマリンを苦しめ、母親から素直にもっと優しく接するように諭されても、小堀を愛していながらも素直になれず冷たい言動を繰り返してしまいます。ラストでアンスマリンは、自分の本当の気持ちを小堀に伝えますが、彼を腕の中で抱きしめたまま永遠の別れが訪れます。やりきれなくて、切ないラストです。
2020年03月23日
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「オーダーメイド殺人クラブ」 辻村深月 集英社文庫 720円クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいる。家や教室に苛立ちと絶望を感じるアンは、冴えない「昆虫系」だが自分と似た美意識を感じる同級生の男子・徳川に、自分自身の殺害を依頼する。二人が「作る」事件の結末は---。少年少女の痛切な心理を直木賞作家が丹念に描く、青春小説。(表紙カバーより)2020年3月、読破。ミステリーではありませんが、ここでネタバレは出来ない小説です。Xデーの後、それまでの重たい雰囲気から、その後のできごとをラストまで軽快に描かれていて、ラストはさすが辻村作品という感想です。中二という危うい年頃の女子がリアルに描かれています。まさにこの年代だからこその事件だったのかも。オーダーメイド殺人クラブ (集英社文庫) [ 辻村深月 ]
2020年03月20日
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「恋は緑の風の中」 いえき ひさこ 秋元文庫 220円(当時)中学二年生のひたむきな少年、愛川純一が主人公。明るく感受性豊かな母親夏子のもとで純一が同級生の松島雪子に、ほのかな愛情を抱き、うち進んでいく中で、自分なりに感じたとまどい、喜び、悲しみを大胆にしかも明るく描いたさわやかな青春のラブロマンスである。東宝映画化で話題集中した同名の原作。(表紙カバーより)2020年3月、読破。1974年に家城巳代治監督で映画化されています。脚本は、本書(原作)の著者であり、監督の妻でもあります、いえき ひさこが担当。原田美枝子(雪子役)のデビュー作であり、音楽は、人気が出る前のアリス。主題歌は、「黒い瞳の少女」(「アリスⅣ」収録)。また谷村新司の「テーマ・さよならの季節」(ファーストソロアルバム「蜩」収録)が度々映画の中で使われています。この映画は、約40年前にTVで観ましたが、音楽がアリスだったこと以外、印象になかったのですが、たまたま2019年に初DVD化されることを知り、先日購入して観たばかりでした。本書も先日読みました「地獄の才能」の巻末にたまたま紹介されているのを見て、Amazonにて購入しました。本書は、映画化されたのちに文庫化されており、カバーもそうですが、本文中にも映画のシーンがかなりの枚数挿入されています(白黒ですが)。著者が脚本を担当したこともあって、映画は、ほぼ本書(原作)通りのストーリーになっていました。なんだか結局、映画の紹介になってしまいましたが、純一の母親・夏子を東宝特撮女優で活躍された水野久美さんが演じられているという新しい発見もありました。当時は、観るのにちょっと気恥ずかしい内容でしたが、改めて今回観ると、結構面白い作品でした。恋は緑の風の中 [ 佐藤佑介 ]
2020年03月10日
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「妖女のねむり」 泡坂妻夫 創元推理文庫 840円わたしたちは結ばれることなく死んでいった恋人たちの生まれかわりよ。十五世紀のフィレンツェで巡りあったジュリアーノとシモネッタは悲恋に終わり、西原牧湖だった二十二年前のわたしは、平吹貢一郎だったあなたを殺してしまったの。今度こそ幸せになりましょう・・・・・・。初対面のはずが深いところで響き合う真一と麻芸。前世をたどる二人が解き明かしていく秘められた事実とは。(表紙カバーより)2022年3月、読破。丸善150周年記念復刊の一冊。終盤の静明塾に事件の関係者が集まり謎解きが始まります。そこまでは、冒頭の真一と麻芸との偶然の出会いから輪廻転生という途轍もない謎を軸に、目まぐるしく物語は展開していき、その面白さに引き込まれ一気に読んでしまいました。ただ、謎解きに部分は、輪廻転生の扱いも含めて、自分としては、しっくりと腹落ちしませんでした。妖女のねむり (創元推理文庫) [ 泡坂妻夫 ]
2020年03月07日
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「MORI Magazine」 森 博嗣 だいわ文庫 680円この”雑誌”は、ミステリィ作家・森博嗣にしか作れない---。架空の登場人物たちとの身も蓋もない掛け合い。鋭い洞察力にバッサリ切られる人生相談。そして、三人の「森博嗣」による奇妙な座談会・・・・・・。書籍と雑誌、そしてフィクションとノンフィクションの面白さを駆け巡る、前人未到の新エッセィ!(表紙カバーより)2020年3月、読破。現在、2冊の小説(1冊は自宅で、もう1冊は外出時に)を読んでいますが、本書を昨日、書店で購入して順番飛ばしで一気に読み終りました。ショートエッセイ(文庫2ページ分)は、読む目を止めて、自分でもあれこれと考えながら、興味深く読ませていただきました。人生相談千人義理は、質問の内容にもよるかと思いますが、バッサリ過ぎて個人的には得るものが少ないかと。それにしても森博嗣氏に相談してみたい人がたくさんいるのですね。初めて”森博嗣”の方は別にして、回答は概ね予測できるかと思うのですが、どうでしょうか。MORI Magazine (だいわ文庫) [ 森博嗣 ]
2020年03月01日
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「七人の名探偵」 文芸第三出版部編 講談社ノベルス 1000円テーマは「名探偵」。7編の傑作誕生!綾辻行人「仮題・ぬえの密室」歌野晶午「天才少年の見た夢は」法月綸太郎「あべこべの遺書」有栖川有栖「船長が死んだ夜」我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題」麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い -大鏡家殺人事件-」(表紙カバーより)2020年2月、読破。2017年発行の講談社ノベルス。2017年が新本格30周年ということですので、2020年は、33周年目。綾辻行人の「十角館の殺人」のトリックに驚愕してから、はや33年が経ったのですね。その間、この七人の作家と彼らが生み出した名探偵には大変お世話になりました。幾度となくワクワク、ドキドキの楽しい読書体験を味わうことができました。ありがとうございます。33年前は、ガチガチの直球勝負の本格ミステリが好きでしたが、最近は、どちらかというと変化球を好むようになってきました。ということで個人的には「プロジェクト:シャーロック」と「天才少年の見た夢は」の2作品が良かったです。7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー/綾辻行人/文芸第三出版部【合計3000円以上で送料無料】
2020年03月01日
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