この番組は、エベレストの魅力を余すところなく伝えるNHK取材班の世界初の挑戦の記録である。第一の関心はエベレストに登頂するだけでも至難の業なのに一体どんな人達がこの取材班を構成しているのだろうということだった。しかしカメラマンの経歴を知って納得。皆さん一流の登山家で高所登山のプロ、エベレストも登頂済みだった。


登頂のルート図やテント場の様子、高所でのウエア類、酸素マスク、食事など実際のテント生活の具体的なことがありのまま描かれていてとても身近に感じた。クレバスに架けた梯子をアイゼンを履いて渡っていくアイスフォール、とてもしんどいと噂に聞くローツェフェースの氷壁、危険なヒラリーステップなど知識で知っている場面が出て来て目を皿にして見た。


アイスフォール/クレバスのハシゴを渡る 標高8750メートル 頂上への最後の難関


山麓からエベレストを望む 朝焼けのマカルー(左)とローツェ(右)
驚いたのは8848mの山頂で酸素マスクをはずしていたり、素肌の顔を見せていたりしていたこと、山頂に1時間半も滞在して撮影をしたことなど、気象状況にも恵まれていたのだろうが屈強な人達だった。誰も凍傷にもならず高山病にもならなかった。それに高画質ハイビジョンカメラが零下30度以下の酷寒の場所で正常に機能するのかどうかもとても関心があったが、さすがその道の専門家だけあって工夫してあり、その辺りは何の問題も無さそうだった。


山頂で撮影する山村カメラマン 同 高橋カメラマン
この取材班と同じ時期に近藤健司隊長率いるアドベンチャー・ガイズ隊、今は亡き尾崎 隆さんも同じ場所に居た。エベレストでは死と生は隣同士で日常的にあると聞いたが、この取材班はシェルパも含め全員無事に生還し、偉業を成し遂げて素晴らしい。
登山の拠点になるベースキャンプから山頂まで、およそ1か月の長丁場。地元の山岳民族シェルパと共に頂を目指す。標高8,000m以上は、酸素が平地の3分の1、人間が生存できる限界を超えるため「デス・ゾーン:死の地帯」と呼ばれる。過酷な環境下で撮影された荘厳な映像、そして地球最高所から望む大展望。高画質ハイビジョン映像を通して、視聴者も共に世界最高峰の頂に立ったかのような追体験が体感できる。圧巻だった。
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