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2012.12.09
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カテゴリ: SF小説

      その2

あの大震災のあと、文化面では、まず音楽が復興し、ついで文学、芸術の分野が復活した。
曽祖父の愛読書が発行されたのは、震災から5年が経過した、2075年の秋だった。

      「本屋の看板娘」

これが曽祖父の愛読書である。

この小説が発刊されたのは、2069年、つまり、あの大震災の前年にあたる。

翌年に起きた大震災を予言していた、と言ってもおかしくない程の内容が

話題となったのだが・・・


曽祖父がこの本を、とても大事にしていた理由は

震災の予言書という評判を知っていたからではなかった。

もちろん、そういう噂があったことは知っていたが買うことに決めた

その訳は、そんな噂とは、なんの関わりは無かった。

では何故か、と、問われたなら、「ただ、惹かれたから」

そうとしか答えられなかった。


そして、彼は、その大事な本を、あの大震災の時に失くしてしまっていたのだ。

日記を読んで、そのことを知ったぼくは、ずっと探していた。

それが、今、ぼくの手の中にある、紙媒体の小説だ。


この本が出版された頃の資源は、21世紀初頭とは比較にならないほど乏しかった。

特に生活必需品以外に使用される天然資源は大変高価だった。

石油製品などはその頂点だったのは当然のことである。

つまり、プラスティック製のものは生活基盤となるものばかりで、

ゲーム機やパチンコ等の復活はまだ先のことだった。


一般庶民の楽しみと言えば、

仕事の帰り、学校の帰りに立ち寄る本屋さんで新刊の小説を手に取り、

それを手に入れるために、やっとの思いで貯めたお金を手にして

大震災以前のように大規模でしゃれた造りではなく、頑丈第一の小さな書店の

カウンターのレジ前に並ぶこと。そんな時代があったのだ。

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           どちらも、一日一回有効です。






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最終更新日  2012.12.10 12:12:54
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