【粗筋】
伊勢詣りの二人、奈良を過ぎて駄洒落の句を詠んだりして野中を進んでいるが、一人がもう歩けないと言い出した。
「それを言うなら草鞋が足を食ったというんだ」
「足が草鞋を食わんとも限らん。向こうへ行った道者は頭が笠着てる」
向こうに店が見える。
「行ってみよう」
「休みらしいで」
「どうして」
「断り書きがある。ひとつせんめし有りや無しや」
「それは一膳めしありと読むのや、後は柳屋やないか」
煮売り屋に入ると、
「口の上ってのもらおうか」
「あれは口上(こうじょう)じゃ」
「それでええから一つもらお」
「その後ならできます」
「じゃあ、最後の元方現金に付き貸し売りお断り、あれ一つもらお」
泥鰌汁を注文すると、味噌を買いに山越しの三里、鯨汁は熊野の浦まで鯨を仕入れに…
「ごぼうは」
「おならが出るから嫌い」
「人参は」
「人が助平というから嫌い」
「魚は」
「値が高いから嫌い」
「それじゃあ何もないぞ」
「酒はあるか」
「村さめ、庭さめ、じきさめがあります」
「村さめは」
「飲むといい気持ちになり、村出る頃に醒めます」
「庭さめは」
「庭出る頃に」
「じきさめは」
「飲んでる尻から醒める」
「婆さん、酒に水を足したな」
「そんなことしません。水に酒をたらしたんや」
「水くさい酒か」
「酒くさい水や」
【成立】
「東の旅」の一つ。「奈良名所」「大仏の眼」の後。
前半が「野辺」というべきで、落ちは主語と目的語の入れ替えで、あまり面白くもない。
「大きい声では言われん」「どうした」と耳を近付けると、「足に豆が出来た」「なぜ大きい声で言えんのじゃ」「向こうで鳩が聞いてる」という、「権兵衛種」のような落ちで演じられることもある。
後半は「煮売り屋」と題すべきところ。この後は「七度狐」である。東京にいた桂小南(2)が「二人旅」と題して、これで一席としたのを聞いた。その後「七度狐」では、店でのやりとりを軽くして演じていた
。
落語「は」の25:橋の下乞食(はしのし… 2025.11.30
落語「は」の24:橋(はし) 2025.11.29
落語「は」の23:羽衣(はごろも):そ… 2025.11.28
PR
Keyword Search
Comments
Freepage List