全105件 (105件中 1-50件目)
著者:池澤夏樹出版:集英社 / 2008年 / 単行本ジャンル:エッセイ作家の池澤氏がフランスに移り住んでから書かれたエッセイ集の、『異国の客』(2005)に次ぐ2冊目。前作を読まずにこちらを手にしましたが、これだけでも十分楽しめます。政治、という意味での背景は、シラク前大統領からサルコジ大統領に代わるころになります。聖マルタン、愛知万博、植民地の料理、車を燃やすクリスマス、EUと多言語社会、コープランド、ブルギニョン厳寒体験、エネルギー問題、全世界が流謫の地街頭民主主義、社会サービスの質スコットランドの縁ふたつピカソの見かた、書くための出発マテラッツィが言ったこと川辺の公園、共和国、独立戦争冬の到来、エッフェル塔、敗者の歴史カルメン、モンブラン、南部高速鉄道ケ・ブランリーとディズニーランドラング・ドッグの語学学校、サルコジ、ソミエールフランスの景観、アズールとアスマール修理するアフリカ人、翻訳文化、フランスの変化サン・ナゼール、交通の方針ニ十歳の頃、町の事件、異国としての日本フィレンツェ、ドゥオーモ、工学的関心セーヌ川を船で行く あるいは内水面の文化史あとがき気になった個所のご紹介です。「しばらく前、たとえばアメリカ合衆国の人種問題を論じるのに、坩堝(るつぼ)かサラダ・ボウルかという議論があった。」(22頁)→これ以上引用しませんが、このくだりは大変面白い。「(前略)イスラム教とキリスト教の違いはやはり大きな障害なのだ。なぜならばこの二つはよく似ているくせに決定的に違うから。どちらも契約の宗教であり、一個の神を信じ、その神が微妙に、しかし絶対的に違う。東アジアの人たちとはまったく違う。そういう人たちが今や人口の一割近くいる。」(26頁)→もちろん、フランスのお話。契約の宗教というのは、気づきにくいが大事なところ。「スイス人にとって母国語とは何か?憲法で認められた先の四つの言葉すべてを指すのか?大事なのは人生の最初に習得し、日常最も多く使っている言葉、すなわち母語である。」(35頁)「スイスに、あるいはヨーロッパにのどこかにいると、言語は一つではないということを忘れる時がない。母語を異にする人と話をする機会は多いし、それは可能であり、意味が深いということを日々の生活の中でいやでも教えられるのがヨーロッパの言語生活ではないか。」(37頁)→中国という大きな国でも多くの言語が存在しますが、共通語はお上から押し付けられたもの、以外の何物でもないんですね。「森は多神教的で、砂漠だけが一神教を生み出せたのではないかと考えてみる。ここでは森そのものに添わなければ生きていけない。」(55頁)→「ここ」はフィンランド。「では、大衆による街頭民主主義は信頼できるか?(中略) 大衆は感情に流れて誤るかもしれないが、エリートもまた別の理由で錯誤を犯す。そして、政策の対象になるのはやはり民衆の方なのだ。」(68頁)→フランスのデモとストライキに関する考察。「労働者を正規の社員として採用せず、多くの従業員を臨時雇いのまま不安定な雇用状態に留めるというのは日本の多くの企業が取っている方法である。そこには二年に限るという歯止めも、二十六歳未満という制限もない。要するに日本ではすでにCPEなるものが広く成立してしまっている。」(73頁)→CPE:初期雇用契約とは、フランスにおいて2006年に立法化された若者を対象とした雇用形態をいう。(Wikipediaより)「日本では社会とは与えられたもの、使いこなすものであって、自分で組み立てるものではない。その点では家電製品に似ている。マニュアルがあればいいので、誰もそのために電気工学を学ぼうとしない。また、そこにはプラグを抜くという選択肢はないかの如くだ。」(77頁)「イギリスという国がヨーロッパの隅にある島国でありながら、それを微妙にねじれた形で自認しながら、それでもむしろアメリカ合衆国やカナダの方に親近感を持っている理由の第一は言葉であり、それから血統なのだろう。」(87頁)「ゴーギャンならば一点の絵を何時間もかけて見ることに意味がある。絵の中に居住するという感じ。しかしピカソの前では時間を止めてはいけない。つまりピカソという画家はミュゼ的ではないのだ。」(93頁)→ミュゼ:美術館,博物館「顔というのはそれ自体が濃縮された意味の図像である。われわれは何よりも人の顔を読むことに修練を積む。猟師が獲物の足跡を読むように。」(167頁)「(こういう用語がすんなり使えることからもわかるとおり)、ディズニーランドの基礎にある神学は実は工学なのだ。」(176頁)「公益とは社会の益だ。前提という社会の概念がヨーロッパと日本では違うような気がする。日頃から頻繁に使っている言葉であり、もうすっかり定着したかのようだけれども、江戸期まで遡ってみれば日本には「社会」という言葉はなかった。当時あったのは「世間」だ。」(199頁)「日本語で「さようなら」と言う。語源に戻って考えれば「もしもそうならば」という意味だ。「もしも状況がわれわれにとって別れを強いるならば、しかたがないからお別れしましょう」だろうか。」(217頁)ぼく自身が日本語というものを考えるとき、やはり作家の片岡義男氏の影響が大きい。アプローチは異なっていても、池澤氏の言語に対する考え方には、大いに共感できる。
February 24, 2012
コメント(0)
著者:星亮一出版:三修社 / 2007年 / 単行本ジャンル:歴史、日本史仙台出身の歴史小説家、星氏の作品です。氏は、会津藩の歴史を中心に多くの作品を書かれています。彰義隊についてご紹介します。鳥羽伏見の戦い(1868年/慶応4年)で幕府軍が新政府軍に敗れ、将軍徳川慶喜は大阪城を離れ、江戸に還ります。その後、江戸における慶喜の警護の目的で結成されたのが、彰義隊です。新撰組が京都の守護なら、彰義隊は江戸の守護だったということです。<目次>はじめに第一章 慶喜逃亡第二章 東叡山寛永寺第三章 戦火関東に広がる第四章 奥羽越列藩同盟第五章 上野戦争前夜第六章 アームストロング砲第七章 残党狩り第八章 榎本艦隊第九章 東京遷都特別寄稿 彰義隊と江戸っ子(乙部融朗) 彰義隊決戦の地・上野公園散策(遠藤由紀子)あとがき気になった個所のご紹介です。「山岡はのちの幕末の三舟と呼ばれる男である。三舟とは、勝海舟、高橋泥舟、山岡鉄舟である。」(31頁)→山岡鉄舟は、江戸の戦争を回避するため、慶喜の意を受けて西郷隆盛と直談判した豪の男です。「「これをのめば、江戸攻撃はいたしません」と西郷がいった。山岡は項目に目を通した。一、城を明渡す事一、城中の人数を向島へ移す事一、兵器を渡す事一、軍艦を渡す事一、徳川慶喜を備前へ預ける事」(36頁)→山岡は最後の一項をのめないとし、それを西郷に認めさせます。「寛永寺のシンボルは輪王寺宮だが、上野の山の最高実力者は寛永寺執当職、覚王院義観である。彰義隊の黒幕はこの人である。」(60頁)「司馬遼太郎の作品に『アームストロング砲』がある。司馬が強調したのは佐賀藩の文明だった。「幕末、佐賀藩ほどモダンな藩はない。軍隊の制度も兵器も、ほとんど西欧の二流国なみに近代化されていたし、その工業能力も、アジアでは最もすぐれた「国」であったことはたしかである。」」(183頁)「この一連の上野戦争、我れ関せずと傍観していたのは勝海舟と福沢諭吉だった。」(189頁)「当初、西郷にとって彰義隊はそれほどの存在ではなかった。江戸の警護に使ってくれと海舟がいい、人のよい西郷が押し切られた形で彰義隊が発足した。江戸の治安部隊である。しかし、彰義隊が暴れまわり、江戸っ子が盛んに応援するようになって、考えが変わった。討伐である。」(192頁)「江戸の者は彰義隊は不敗だと思っていたが、たやすく打ち落され、落胆の様子だった。」(195頁)「彰義隊に集まった若い旗本たちは、完全に行き場を失っていた。未来の保証はなにもない。海舟がどうわめいても、そこには説得力がなかった。忍耐すればこうなるという展望を与えることができなかった。ただやめろでは、若い旗本たちの暴発をとめることは無理だった。彼等にとって海舟は腰抜けであり、尊敬の対象ではなかった。」(200頁)「慶喜がふがいなく恭順し、海舟と西郷の腹芸で江戸の無血開城となったのは、それなりに評価できるが、旗本の若者たちは、行き場を失ってしまった。彼らはいかに生きるか、目標を失っていた。これも慶喜の大罪の一つだった。」(219頁)「榎本は当時の日本人としては、最高の国際人であった。ヨーロッパで五年間生活し、国際法にも通じていた。各国の外交官も驚いた。語学はオランダ語、英語、フランス語、ドイツ語、だいたいの言葉は話せた。」(254頁)「会津に一片の同情もないのは、あまりに矮小で冷淡すぎる仕打ちだった。榎本は海舟の本心を見抜いた。一徳川家しか眼中になく、国家、国民はどうでもよいという自己中心の思想だった。」(247頁)「列藩同盟には演出家がいなかった。世間をあっと驚かせるデザインが少なかった。今日、見ることができるのは、列藩同盟の旗である。輪王寺宮を皇帝に推載したのだから、菊の御紋ぐらいは、こちらも付けるべきだった。」(274頁)→wikipediaの「奥羽越列藩同盟」のページで旗をご覧いただけます。「彰義隊というのは、江戸の町の人にたいへんに人気がありました。「情人(いろ)にもつなら彰義隊」水商売の女の人たちはそういう言い方をしたそうです。」(291頁)「(前略)上野の陥落は、表面上は西郷の功績ということになりました。そのゆえに現在の上野の山には西郷の銅像があります。戦いに勝った将軍の偶像を、陥落させた城跡や征服した国の首都に建てた例は外国にはありません。東京にマッカーサーの銅像を建てよう、と言い出したのは日本人ですが、実現しませんでした。」(297頁)「彰義隊は時世に逆らい、ただ一つの目的、徳川家再興というプライドを持った。単純だからこそ、その志は糾合した。生きることに執着せず、死ぬことで本懐を遂げたサムライたちであった。決して、死にたかったわけではない。生きることを考えたからこそ、死に至ったのである。」星氏は歴史小説家ということですが、引用させていただいたように、途中司馬遼太郎氏の作品が引用されるなど、フィクションの舞台のみで構成された作品ではありません。慣れないと、少し読みづらい部分もあるかもしれません。また、主観となる人物の視点で描かれてないので、多くの事柄がぶつ切りに列挙されているような印象も受けました。ぼく自身は、関西の人間のため、上野には馴染みがないのですが、機会を見つけて、ぜひ一度上野を散策してみたいと思いました。
February 9, 2012
コメント(0)
著者:黄文雄出版:徳間書店 / 2003年 / 単行本ジャンル:中国、台湾、日本台湾出身の評論家・経済研究家はたくさんの書籍を出されています。どれも平和ボケ国家、日本に警鐘を鳴らす作品ですが、その一冊のご紹介です。ちなみに、氏は「シナ(支那)」は差別・蔑視用語ではないと論じています。<目次>はじめに第一章 台湾人が敬愛する「日本のこころ」第二章 台湾経済界に遺された武士道精神第三章 大和魂が切り拓いた台湾博物学第四章 台湾人に「美の心」を教えた日本人第五章 日本時代に生まれた独自の台湾文学第六章 共通言語をくれた日本人と奪った中国人第七章 台湾史を捏造する中国人の魂胆第八章 台湾の領有権をめぐる歴史の真実第九章 「台湾人」を再認識させてくれた日本おわりに気になった個所のご紹介です。「韓国人は日本時代の遺物を自ら破壊したのに対して、台湾人は復興しているのである。」(4頁)「ひとつは、数千年の長きにわたって日本を根幹から支えてきたものは、八田與一にみられるような気高い形而上的価値観や道徳観であるとしている。」「二つ目は、伝統と進歩という一見相反する二つの概念を、いかにアウフヘーベン(止揚)すべきかを教えてくれているのだという。」(以上20頁)「三つ目は、台湾の人々が今でも八田夫妻の偉業を尊敬している、その精神のあり方から、義を重んじ、誠をもって率先垂範、実践躬行(きゅうこう)の日本精神がうかがえるという。」(21頁)→李登輝氏が答えた日本精神はいかなるものかという問いに対して。「日本には、日本の過去をすべて否定する、いわゆる「反日日本人」が数多くいるが、彼らは、親日的な台湾人がいることを好ましく思っていないことが多い。」(23頁)「輪廻転生を説く仏教が中国であまり定着しなかったのは、中国人が世俗的かつ即物的民族で、死後や来世、さらには霊や神といったものを、思考から切り捨ててきたからである。」(28頁)「たとえば、孫文や梁啓超などは『支那』という言葉を誇らしげに使っていた。」(33頁)「台湾が日本に統治されていたのはたったの五〇年だったにもかかわらず、なぜこれほどまでに台湾人の間に日本精神が浸透したのだろうか(中略)。その理由として考えられるのは、政治・経済システムが、もともと中国の社会体制とはまったく違い、社会構造や文化形態も中国より日本に近いものがあったということだ。」(37-38頁)「私は四〇年近い日本での生活の中で、日本人をゆっくり観察し、中国人とじっくり比較する機会を持った。そして私が発見した双方の違いをずばり一言で表現するならば、日本人が「誠」の民族であるのに対し、中国人は「詐」の民族であるということだ。」(41頁)「高砂義勇隊の誠実さと忠誠心は古今無双と、いまでも日本人の戦友からたたえられている。兵糧を背負って山川を超え、自分が餓死しても兵糧だけには手をつけていなかった・・・など、美談には事欠かない。(以上の回顧談は、あけぼのの会・門脇朝秀編『台湾高砂義勇隊ーその心は今もなお・・・』からの一部引用)」(60頁)「漢文学とは、創造性に欠けていることから多くの文学者に忌み嫌われている。なぜなら、『四書五経』という絶対的な「聖典」があり、それ以上のものは誕生そえないからである。孔子でさえ、「学んで述べず」といったほどだ。」(153頁)「明治期の日本人は、文人・歌人・軍人・政治家などを問わず、教養を持つ者はみな漢詩をつくり、吟じることができた。」(154頁)「台湾にはじめて共通語ができたのは、二十世紀初頭である。日本が外来統治者として台湾へやってきて、日本語教育を全島に普及させたことから、日本語が共通言語として使われるようになったのだ。」(178頁)「むしろ台湾人にとっての日本語教育は、社会科学や自然科学などの近代的知識をもたらしてくれたツールであった。」(186頁)「住民と直接接触する警察官も、台湾語は必須であった。日本人のなかでもっとも台湾語が堪能だったのは彼らである。これに比べて、戦後台湾に入ってきた国民党の警官は、台湾語を学ぼうとせずに、ほとんどできなかったため、トラブルが絶えなかった。」(188頁)「日本領台以後は、島民の自由意志にしたがって清国人になるか日本人になるかを選ぶ、二年間の国籍選択期間が与えられた。それでも、このとき中国大陸への期間を希望した者は、わずか4500余人であったという。そして、日本統治時代は50年間という短い間だったが、台湾の人的・物的資源が育まれ、台湾文化の萌芽のきっかけがつくられた。」(298頁)「台湾住民は「祖国」の軍隊が台湾のためにやってきたと大歓迎した。が、それが幻想だったというのは、すぐ露見した。国民党軍は台湾人を抑圧する恐怖政治を敷いたのだ。」(298頁)「「誠」とは日本文化、日本精神の根源であり、武士道精神とはこの「誠」や「真」を基礎に「美」までを追求した精神だと私は理解している。」(314頁)黄氏のいう中国人とは、大陸から戦後渡ってきた人のことです。去った日本人とやってきた中国人、そしてそこにいた台湾人。言葉は少々過激ですが、台湾の方が日本人に贈るメッセージです。
February 7, 2012
コメント(0)
著者:平松茂雄発行:講談社インターナショナル / 2006年3月 / 単行本ジャンル:日中関係衝撃的なタイトルですが、ある程度日中関係の本質を学習している方なら、ご存じの内容ばかりだと思います。それでも、新聞や週刊誌などでは断片的にしかわからない、中日関係の本質を知るには、よくまとまっていて良い本だと感じました。<目次>序章 動き始めた「日本併合」に向けた中国のシナリオ第1章 知らないうちに格段に進んだ中国の軍事力第2章 東シナ海資源開発に隠された中国の真意第3章 中国の「他国侵略」の歴史第4章 日本は海からの侵略に耐えられるか第5章 2010年、日本の運命の行方おわりに2006年の発行ですから、最終章は2010年について書かれていますが、実際は、2010年からの中国の動きと捉えていいのでしょうか。気になった個所のご紹介です。「(中国とは)有限のパイをどう配分すれば一番効果があるかという国家戦略を立て、ある時点に、ある領域に重点的にパイを投入してきた国なのだ。」(24頁)「この弱さを克服するために、まず日本は将来に耐える国家目標を設定し、各分野を国家戦略のもとに有機的に統合していくことはもちろんとして、そのためには軍事力は国家の根幹をなす要素であることを、日本国民はそろそろしっかりと自覚すべきである。」(25頁)→国防にしろ経済にしろ、長期的な国家目標というものが、今の日本の政治家に持つことができないのでしょうか。「(しかし)永世中立とは戦時国際法において、有事の際にいかなる国の力も頼まない、いかなる国も排除する責任を持つというごく基礎的な知識と、それゆえに一国で自国を防衛するに足る強い軍事力の裏付けが必要だという基本的な理解が多くの日本人に欠落していたのである。」(26頁)→スイスという国に対する日本人の持つ夢想を、見事に論破しています。「ここには、地球という小惑星には中国という一つの大国しか存立しないという中華思想の考え方が根底に認められる。「中原の地」にある自国を中心として、それより外の地域を野蛮人の住む「化外の地」と見なし、山東半島や朝鮮半島を東夷(とうい)、長江以南を南蛮、陝西(せんせい)省から西の寧夏、チベット、新疆を西戎(せいじゅう)、長城以北の満州や蒙古を北狄(ほくてき)と呼び、中国より文化程度の低い野蛮人の住む土地として、それらの地域を軍事力と政治力と文化力で同化吸収していった。」(70頁)「(このように)中国は東シナ海のすべての海域の調査を終えている。おそらく北京オリンピックの終わった2010年代に入ると、中国は日本側海域で本格的な石油資源の開発に着手すると思われる。」(104頁)「一般に中国人、少なくとも現在の中国を支配している中共指導者には、現在の中国の国境線を自国の主権の及ぶ領域、すなわち領土の限界とは見ておらず、中国が過去において支配した地域が「中国の領土」あるいは「中国の版図」であるという意識が強く存在するようである。」→台湾はもちろん、沖縄もこの論理から見ると、彼らの領土となるということです。以下に続きます。「だがここで指摘されている中国が奪われた領土の中には、琉球、ビルマ、ブータン、ネパールなど、アヘン戦争以後の歴史とは関係のない地域が含まれている。ここには、中国人の中にある「中華世界」、すなわち過去に支配した地域は「中国」という「中華意識」が反映されている。」(115頁)「もともと中国語には、ヨーロッパ的な意味の国境という言葉はない。中国の同化力の及ぶ範囲が「世界」であり、そこから外は「世界」の中に入れなかった。中国という「小惑星には中国という一つの大国しか存在しないという考え方」が、東アジアでは数千年にもわたって存在してきたのである。」(116頁)「西太平洋へ進出、潜水艦の展開、機雷の敷設、また海南島の潜水艦基地、上空の聖域化と、中国が途方もない労力を費やして、着々と進めているのは、まずは台湾の軍事統一という目的のためである。」(170頁)→先日の台湾の総統選挙の結果は皆さんご存じのとおりですが、これは中国による台湾統一を目指した懐柔策が徐々に浸透してきているといえるでしょう。「もし中国が台湾を統一できれば、中国は太平洋に面した国になる。しかも台湾海峡・バシー海峡という日本のシーレーンの、重要な拠点を押さえたことになる。」(175頁)「「安全保障における日台の連携は可能か」ではなく、「連携をせざるをえなくなる」状況に、日本と台湾は置かれているという現実を見据えなければならないのである。」(183頁)「有人飛行船の打ち上げ成功は、ミサイル誘導技術の向上を意味し、ミサイル技術はすなわち核兵器の運搬手段であることから、中国からミサイル技術が流出すれば、核拡散の危険性も高まることになる。」(188頁)→ミサイル技術の流出が、仮に「北」に流れるとしたら? ・・・あとはご想像にお任せします。「日本政府は中国に対して、1979年から2004年までに3兆3千億円、民間援助も合わせると、総計6兆円を超える援助を供与してきた。この時期は中国の宇宙と深海への拡大、「戦略的辺疆」を拡大させていく時期と符合する。」(192頁)→その全てではないにしても、何に使われたかは、わかりますよね?「中国の現実と将来予想は、建国以来の歩みを理解してのみ正解を得ることができる。中国は、経済一辺倒で進んできた戦後の日本とは違い、明確な国家目標を掲げ、それを具体化する国家戦略を持ち、主として核ミサイル開発、宇宙空間、海洋開発の三つの領域において、国家の財源、物的資源、人的資源の総力を投入して発展してきた国なのである。」(203頁)「アジア諸国から反感を買っているという自己評価を日本は下しているようだが、それは中国、韓国を中心とする一部の声である、日本の経済力、科学技術力などの力に期待し、日本に対して信頼を寄せる国も多くあるのである。中国という国に対する正しい評価をするには、まず自国についての正しい評価をすることが必要である。」(208頁)以上、この本のご紹介でした。手に取って損のない1冊といえるでしょう。
January 15, 2012
コメント(0)
副題:日本・トルコ友好秘話「エルトゥールル号」事件著者:山田邦紀、坂本俊夫発行:現代書館 / 2007年9月 / 単行本ジャンル:ルポタージュ19世紀末、トルコの軍艦が日本の皇室との外交を終えてトルコへ向かう帰途、和歌山の串本沖で台風に遭って沈没し、約600人の犠牲が出た事件がありました。その時、紀伊大島の村民たちは献身的に生存者を助け、遺体を手厚く葬り、1世紀を超えた今もなお、トルコとの交流を続けています。<目次>はしがき序章 トルコ軍艦エルトゥールル号と串本第一章 遭難第二章 エルトゥールル号来朝第三章 救護 1第四章 救護 2第五章 送還第六章 義捐金第七章 救援機あとがき参考文献このルポの始まりは、2002年日本と韓国で共同開催された、サッカーワールドカップの日本対トルコの一戦について書かれています。なぜ串本町の方々は、トルコを応援したのか。そして、イラン・イラク戦争の最中、イランのテヘランからトルコの善意によって供給された航空機によって、制限時間ぎりぎりに邦人が脱出できたいきさつについても、書かれています。この広大なアジアの一番東にある日本と、一番西にあるトルコ、この二つの国の人たちが、もっと分かり合い、助け合い、共にアジアの一員として歩みよっていければと願います。それでは、本書のあとがきより一部分、ご紹介します。「(しかし、)エルトゥールル号事件はそうではなかった。救護に奔走した紀伊大島の人たちとトルコ人の生存者との心のつながりを生み、また、異国の海に果てた乗組員を悼み、墓地を造り、慰霊碑まで建てた日本人の行為があり、さらに、義捐金を集め、それをトルコまで届け、現地に留まり日本語を教えた男達もいて、それらを通してその後の日本とトルコの人たちとの交流が生まれた(からだったのではないだろうか。)」
December 28, 2011
コメント(0)
著者:さだまさし発行:幻冬舎 / 2008年5月 / 単行本ジャンル:小説さだまさしさんの曲とは、高校生の頃からの付き合いです。最初は深夜のラジオ、その後、曲に惹きこまれました。ですから、かれこれ20年くらいのお付き合いになります。さて、さだ氏(個人的にはまっさん、と呼びたい)が小説を書き、何作かが映画化されたことも知っています。しかしその期間はずっと海外にいたため、そのような作品にリアルタイムで出逢う機会は、なかなかありませんでした。このような経緯から、さだ氏の小説を読むのはこれが最初の作品となります。おそらく他の作品(小説)もそうではないかと思っていますが、今作のテーマも、やはり「家族」です。さだ氏が家族を唄ったものは、多くあります。小説の舞台は東京と福岡、そしてイギリスへと向かいます。さすがにプロの作家の作品ではないので、ざっくりとした味付けがします。でも、読んだ後、自分と家族との付き合い方について、考えさせられます。 序 第一章 東京 第二章 ロンドン 第三章 ボウネス 第四章 グラスゴー 終章 聖歌 アメイジング・グレイスそれでは、生と死について主人公が考えた一節をご紹介します。「人は生きて、いつかきっと死ぬ。 人生とは、おびただしい死と向かい合うことだ。そこにこそ、自分が生きていることへの答えがある。 では、生きているとは、今生きている、という事実だけをいうのだろうか。 生きて死ぬことの先にあるものは、誰かの記憶の中に生き続けるということではないのか。」(138頁)さだ氏が小説を書く意味は、唄やコンサートでもまだ伝えきれないこと、今の日本の人に伝えなければいけない言葉が、彼の内部から溢れ出てくるからなのだと、それを伝えるのが彼の使命なのだと、さだ氏自らが感じているからなのでしょう。
December 26, 2011
コメント(0)
副題:血と海の伝説著者:森村誠一発行:文藝春秋 / 1994年3月 / 文庫本ジャンル:小説今年2011年、日米開戦70周年を迎えました。山本五十六・帝国海軍連合艦隊司令長官を題材にした映画も公開されています。ミッドウェイも、山本司令長官が指揮された戦いです。森村氏には反戦作家のイメージを持っていました。『悪魔の飽食』シリーズは有名な作品ですので、興味のある方は手に取ってみてください。ですがこの小説に限っては、戦争に巻き込まれていった若者の姿を軸にして、淡々とストーリイが展開されています。この小説で描かれている若者とは、日本とアメリカ双方の若者です。二人はそれぞれの背景を持ちながら、パイロットとなり、戦闘機に乗り込む運命となります。この二人の青年と思いを寄せる幾人かの女性の存在、そしてミッドウェイ戦場で出会い、そして戦い、最後には共に、その命を散らします。ミステリー作家としての森村文学ではなく、このような長編作品に触れてみるものよい機会だと思います。終章として、森村氏の戦争への想いが記されています。そこから、一節だけご紹介します。「主人公は作者の創作であるが、ミッドウェイの海戦は史実に基づいて書いた。ただし作者が書きたかったものは「ミッドウェイ」の忠実な記録による再現ではなく、国家の目的によって個人の可能性を踏みつぶされた若者の無念さである。」(514頁)
December 26, 2011
コメント(0)
副題:結果と行動を生み出す1枚のチャート著者:神田昌典発行:ダイヤモンド社 / 2009年6月 / 単行本ジャンル:ビジネス、経営カリスマ経営コンサルタント神田氏の新作ですが、アマゾンのレビューなどでは賛否両論真二つの話題作です。 [目次]はじめに第1章 見えない、触れられない、感じられない世界の中で第2章 論理的に正しい提案は、なぜ実行されないのか?第3章 営業せずとも顧客が集まる、五つの新原則第4章 全脳思考モデル クイック・スタート第5章 発想・行動・結果を生み出すストーリーの法則第6章 行動するための、ロジカル思考とは?第7章 行き詰りを突破するCPS(クリエイティブ・プロブレムソルビング)第8章 社会変革のためのマーケティング共感した箇所のご紹介です。「われわれは、見えなくなる世界で、見えない顧客に対して、見えない商品を提供しはじめている。言い換えれば、ビジネスは、高度に抽象化された世界に、移行しようとしているのだ。そして、その変化に誰もが対応するよう求められている。」(12頁)「私の見解では、情報社会とは、情報を収集・整理することが付加価値となる社会。それに対して知識社会とは、収集・整理された情報から生み出された新しい気づき・アイデアを実際に、行動に移すことが付加価値となる社会だ。」(28頁)「問題に接したときに、解決へのアプローチ法 ~何を、どの順番で、どのように考えるかという思考モデル~ をあらかじめ持っている場合には慌てないですむ。たとえば、数学の問題を解くときに最初の一手を知っていれば、問題はスムーズに解ける。ところが、最初の一手が間違っていたら、何をやってもうまくいかず、ストレスばかりが鬱積する。」(39頁)「営業にとっての第一段階は、顧客への丁寧なヒアリング。顧客が何を望んでいるのかを深く理解した結果としての、提案なのである。」(53頁)「知識社会では、顧客に新しい世界を見せることができた先駆者は、常に語り継がれるブランドになる。そのためには、今存在するものと圧倒的に違うものをつくり出していかなければならない。ライバルに勝つという小さな競争ではなく、顧客のマインドを勝ち取るという大きな競争をしなければならないのだ。」(57頁)「本来、思考と行動はコインの表と裏である。未来を明確にイメージできるほどに思考のクオリティが高まれば、行動しないほうが難しい。しかしながらビジネスが複雑化するにつれ、思考する人と行動する人が専門化した。その結果、思考が行動へと一貫して繋がるプロセスが断ち切られてしまった。」(79頁)「(前略)消費者向け、法人向けの営業プロセスを詳細に検討しても、購入判断において、検索は極めて重要なポイントに位置づけられるようになっている。その理由は、広告宣伝や紹介によって注意を引かれる際には買い手はまだ受け身なのに対して、検索をする際は、自ら行動するはじめの一歩だからである。「購入に興味あります」と買い手が意思表明する瞬間が、まさに「検索」なのだ。」(96頁)「人が集まる中核にあるもの ~それは真空である。 東京の中央に皇居があり、ニューヨークの中央にはセントラルパークがあり、ロンドンの中央にハイドパークがあるように、都会の喧騒が渦巻く中央には静寂をまとった真空がある。」(138頁)「小説家がエンディングに向けて読者を引き込んでいく過程と、ビジネスパーソンが顧客のHAPPYに向けて顧客を巻き込んでいく過程は、-思い描く未来を実現するために事実を論理的に積み上げていくという意味で、まったく同じなのだ。」(232頁)「3.社員にとって、物語のない仕事は機械的な指示・命令でしかない。記憶されず、意味もわからない。その結果、やる気を保つことができず、常に疲労感およびストレスにさいなまれる。一方、物語がある仕事に触れると、社員は「自分にとっての仕事の意味」を感じはじめる。会社における自分の場所が安定確保され、表情が変わる。やるべき作業を記憶し、自分にとって意味もわかるので、自主的に物語を推進しはじめる。」(241頁)「このように仕事というのは、結果だけ出せばいいと思われているが、より深いレベルでは、一人ひとりの人間的な成長が試されている場なのである。仕事を通して人は成長しているという背景を理解すれば、プロジェクトが成功する過程では、問題は避けられないことがわかるだろう。そして、むしろ問題を避けてしまうことは、一人ひとりが成長する機会を奪ってしまうことであり、長期的に見れば、組織力、企業力が育たないことになる。」(253頁)「サッカーの名将が、私に語ってくれたことを思い出す。「ゲームの途中で、観客は絶望的になってブーイングを始めるのですが、そのとき、私はまったく気にしないのです。ネガティブな出来事が起こっても、『あれ、どうしてかな?』と思うだけです。『勝つことは決まっているのだから、シナリオを読み違えたのかな』と考えて、勝つまでのシナリオを調整するのですね」」(262頁)「正しさは、人を傷つけるのである。」(324頁)「空想は知識よりも重要である ~このアインシュタインの言葉を引用する人は多い。」(407頁)「人が集まる場には、そもそも場が持ったテーマがあり、そのテーマに共鳴した人たちが自然に集まってくると考えるのである。二〇〇万人が集まるその空間にこそ意味がある。二〇〇万人は自分の意思で集まったように見えるが、意思があるのは、その瞬間に出現する空間、すなわち場であり、二〇〇万人は、ただその場に、単に引き寄せられたと考えるのである。」(418頁)→二〇〇万人ですが、バラク・フセイン・オバマ米大統領の就任演説が、本書では幾度と例として取り上げられていて、この数字もその日ワシントンD.C.に集まった人たちのことを指しています。ご紹介してきましたが、本書の核となる部分は他にたくさんあります。450頁を超える大作ですが決して重い内容ばかりではありません。2度3度読む価値は、あると思います。読んだ人の脳と行動に変化が起きるか否かは、その人次第だと感じます。
February 28, 2010
コメント(0)
英題:AS A MAN THINKETH著者:ジェームズ・アレン訳者:坂本貢一発行:サンマーク出版 / 2003年4月 / 単行本ジャンル:自己啓発イギリスの作家ジェームズ・アレンによって1902年に書かれ、その後20世紀の多くの成功哲学に影響を与えた本のご紹介です。[目次]訳者まえがきはじめに思いと人格思いと環境思いと健康思いと目標思いと成功ビジョン穏やかな心訳者あとがき共感した箇所のご紹介です。「人間は思いの主人であり、人格の制作者であり、環境と運命の設計者である」(16頁)「「求めよ。さらば与えられん」あるいは「扉はそれを叩く者に開かれる」という絶対法則は、ほかのどんな方向にでもなく、この方向にのみ存在しています。知恵の寺院の扉は、忍耐とあくなき探求なくしては、けっして開かれることがないのです。」(18頁)「私たち人間は、私たちを存在させている法則でもある「原因と結果の法則」にしたがい、つねにいるべき場所にいます。私たちが自分の人格のなかに組み込んできた思いの数々が、私たちをここに運んできたのです。よって、人生には、偶然という要素はまったく存在しません。私たちの人生を構成しているあらゆる要素が、けっして誤ることを知らない法則が正確に機能した結果なのです。」(22頁)「(また、)強い人間が弱い人間を助けることができるのは、弱い人間が意欲的に助けを求めているときだけです。そして、たとえそのときでさえ、弱い人間は自分自身が強くならなくてはなりません。」(61頁)→これは二通りに解釈できると思います。弱い人間が意欲的に助けを求めているときでなければ、強い人間も手助けしてはいけない。または、弱い人間は、意欲的に助けを求めるのでなければ、決して強い人間に助けを求めてはいけない。「穏やかな心は、真実の海の中・・・・・水面から遠く離れた、いかなる嵐の影響もおよばない永遠の静寂のなか・・・・・に住んでいます。」(82頁)影響を受けた人として、ナポレオン・ヒル、デール・カーネギー、オグ・マンディーノ、アール・ナイチンゲールなどの名が挙げられています。2009年の締めとして、「聖書に次いで一世紀以上ものあいだ多くの人々に読まれつづけている」本のご紹介でした。
December 27, 2009
コメント(0)
著者:三島由紀夫発行:新潮社 文庫本ジャンル:純愛小説伊勢湾に浮かぶ実在の島、「神島」を舞台に書かれた三島由紀夫の純愛青春物語です。小説の中での舞台は「歌島」と設定されています。[目次]割愛します。この小説を読んだ後、巻末の解説を読んでいただきたいと思います。三島由紀夫という作家にとって、この作品の書かれた時期と、その意味合いについて触れられているからです。種明かしをするなら、この作品は紀元前1世紀頃にギリシャ語で書かれたローマ時代の小説を、現代風にアレンジしたものだそうです。しかしこの本の中のどこにも、ギリシャらしさ、ローマらしさを感じることはなく、完全な日本の小説として見事な出来栄えとなっているのです。そう、知らなければその事実を知らないまま、読み終えてしまうことが可能なのです。三島由紀夫という作家とその作品群は、それら自体がすでに多くの人によって研究されていますので、そのなぞ解きを楽しみながら、同時に作品を楽しむことをお勧めします。
December 26, 2009
コメント(0)
副題:金閣寺、豊饒の海から、市ヶ谷事件現場まで著者:宮崎正弘発行:並木書房 / 2006年11月 / 単行本ジャンル:紀行文、三島由紀夫稀代の中国ウオッチャーとして著名な宮崎氏ですが、この作品は氏が三島由紀夫をテーマに発刊した三部作、『三島由紀夫”以後”』(並木書房)『三島由紀夫はなぜ日本回帰したのか』(清流出版)に続く完結作です。[目次]プロローグ 三島由紀夫の現場に立つ第一部 海外の舞台 第一章 ギリシア 第二章 バチカン 第三章 パリ 第四章 ニューヨーク 第五章 ニューオリンズ 第六章 ベナレス 第七章 バンコックの暁の寺 第八章 『癩王のテラス』の舞台は 第九章 ふたたびインドへ第二部 国内の舞台へ 第十章 『豊饒の海』の現場を探る旅 第十一章 その前夜と事件現場 補遺 『ローマ憂国忌』エピローグ 天皇伝統と三島文学共感した箇所のご紹介です。「感受性の薄い所為なのか、私も現場に十分ほど突っ立って、しかし取り立てての「パセティックな」感動はついに起きなかった。たとえば伊勢神宮や神武天皇陵や吉野宮で感じる、あの名状しがたい躍動的な感動が、ギリシアの遺跡からはなにほども私には伝わって来ないのだった。 日本の美とはあまりにもかけ離れている。」(24頁)「ムッソリーニは会津白虎隊に感激し、顕彰碑を会津若松市に寄贈したほどだった。ローマ時代の政治家カトウは切腹している。 現代のイタリアの保守回帰は、そのローマのいにしえの価値観に還れ、と呼びかけている思想運動でもあり、疑似のヒーローとして三島が必要ということかも知れない。」(47頁)「明に冊封した足利義満は「日本国王」の称号中国の皇帝から喜んで受け、替わりに勘合貿易の利益を独占、今日の媚中派の嚆矢となったからである。」(164頁)→なるほど、現在の政権与党幹事長殿の”政治モデル”というのは足利義満ということですね。「歴史教科書に墨を塗らせ、大東亜戦争を太平洋戦争と言い換えさせた一連の占領行政の文脈の中で、「検閲」が罷り通り、あらゆる歴史的に正しい書籍は同じ扱いを受けた。「忠臣蔵」も楠木正成もヤマトタケルも東郷平八郎も教科書から消えていった。その後、日本では長い間、武士道精神の滅却とともに『葉隠』も省みられなかった。 戦争中、若い兵士らは、この『葉隠』を背嚢に入れて戦地へ赴いた。」(179頁)「(その結果、)三島は「戦争中から戦後にかけて一貫する自分の最後のよりどころは」と考えてみて、それは『資本論』でも『教育勅語』でもなく、『葉隠』であったのだと述懐するに至る。『葉隠』の思想を集約したものは四請願である。一、武士道においておくれとり申すまじきこと一、主君の御用にたつべきこと一、親に孝行つかまつるべきこと一、大慈悲をおこし、人のためになるべく候こと」(180頁)「三島由紀夫は文学活動にのみならず、晩年の行動と自決を通して、日本におけるルネッサンスを企てたのではないか。文学芸術思想の側面から事件を勘案すれば、「古今和歌集へ還ろう」というメッセージではないのかと最近しきりに考える。」(193頁)「(ところが)経済繁栄に酔いしれ、平和のぬるま湯につかったまがまがしき時代にあって、平均的日本人といえば、結婚式をハワイかヨーロッパのキリスト教会で挙げる一方で、正月には一億三千万国民のうちの、実に八千万人が神社に初詣に繰り出し、しかも仏教儀式による葬儀で生涯を閉じる。 外国からはいかにも日本人の宗教観は矛盾に満ちたものと見えるであろう。」(194頁)「天皇は祭祀王であり、「民の父母」である、という位置付けは、林房雄、村松剛らもさかんに言っていた。」(199頁)→政権与党幹事長殿によれば天皇陛下の存在とは、我の意の通りに行動させることの可能な一公務員、一官僚と同じ扱いなのでしょうか。「(ともかく)天皇を中心とした文化体型こそが日本にとって最も大事な伝統的価値であるにもかかわらず、明治以降、近代化の道を突っ走った日本の近代百年の文学は個人を中心とするレベルに逸してしまった。」(199頁)三島由紀夫という人物は、知れば知るほど研究しても研究し尽くせないほど、魅力に溢れた人物であり、この国の行方を心の底から憂いた、最後の武士(もののふ)だったのかもしれません。
December 25, 2009
コメント(0)
著者:村上春樹発行:新潮社 / 平成12年6月 / 新潮文庫ジャンル:エッセイ、紀行中国に来た2004年に持ってきた本の一つです。過去にも未来にも、「ハルキ・ムラカミ」氏の作品のご紹介はこれきりになるかもしれません。[目次]イースト・ハンプトン 作家たちの静かな聖地無人島・からす島の秘密メキシコ大紀行讃岐・超ディープうどん紀行ノモンハンの鉄の墓場アメリカ大陸を横断しよう神戸まで歩く辺境を旅する共感した箇所のご紹介です。「この国は入国者に向かって、パスポートとツーリスト・カードの他に、何かしら明確な目的のようなものを要求しているのかもしれない、と僕は思うようになった。口に出して言えて、他人を納得させられるような明確な目的を。「なるほど、わかりました。そういうわけであなたはここにいらっしゃったのですね」と言われて、ぽんとスタンプを押してもらえるような目的を。「いや、ちょっといろんなものを見てみたかったんですよ。それが何処であれ、実際にこの目で見てみなくてはどんなところかわからないじゃありませんか」というような説明では、ここでは誰も納得してくれない。」(53頁/メキシコ大紀行)「変な話だとは思うのだけれど、ひとつのものをなくすたびに、一度下痢をするたびに、ひとつバスに乗り遅れるたびに、ひとりのおばさんに列に割り込まれるたびに、僕の中にメキシコという国が一段しみこんでいくような気がした。冗談抜きで。」(87頁)「しかし輸入物といっても、日清製粉は香川県にだけは特別な配合をした小麦粉を出荷している。というのは香川県の人はことうどんに対してはきわめて厳しい規準を持っているので、普通の全国向けの配合のものではユーザーからクレームがくるのだそうだ。」(152頁/讃岐・超ディープうどん紀行)村上春樹氏が人気作家であることは知っていますが、彼の小説をしっかりと読んだことはありません。確かに文章は面白くつるつると流れていて、共感できるところもありますが、あたかも「口当たりの良いゼリー」のようなもので、つるりと喉元を過ぎた後には、その言葉たちがどこにも残っていないような気持がするのですね。ファンの皆さま、ごめんなさい。余談ですが、初めて東野圭吾氏の作品を、伊丹空港の本屋さんで選んだ時、『天空の蜂』という後で思えば大変に重厚な作品を選ぶようなぼくという人には、きっと「ハルキ・ムラカミ」作品は合わないのだと思います。
December 20, 2009
コメント(0)
『安岡正篤 こころを磨く言葉』(評価★★★★★)著者:安岡正篤解説:池田光発行:イーストプレス / 2007年10月 / 単行本ジャンル:生き方、自己啓発この本のご紹介は二度目です。安岡先生の90の言葉を、池田氏が丁寧に解説されています。[目次]はじめに第1章 品格をつくる第2章 人間学のすすめ第3章 新しい自分に生まれ変わる第4章 ものの見方・考え方第5章 こころを磨く第6章 運命を変える第7章 人とのつきあい方第8章 人を動かす・世の中を動かす安岡正篤 略年譜共感した箇所のご紹介です。「無限の夢を持つ子どもは、何にでもなろうとしますが、そのとき「感激する」という心理的な働きが必要です。感激すると、自分もそうなりたいと夢を膨らませるものです。 ところが、いろんなものに感激しても、実際は夢の一部を実現するにとどまります。では、実現しなかった夢はどうなるのでしょうか。 それは、実現した夢の肥料になるのです。」(13頁)「忙中閑あり 苦中楽あり 死中活あり 壺中天あり 意中人あり 腹中書あり」(31頁)→六中観についてです。「知識を得るための学問が主体になると、どうなるでしょうか。神経衰弱になることはあっても、生命力が高まることはありません。それよりも、自分に主体をおいた学問をすることです。これを「活学」と言います。」→今の日本には、知識を得るための学問の方法しかたさえ、教えることができる教師が、大変少なくなってしまったようです。「人物学を修めるための第一の方法は、「人物に学ぶ」ことです。」(45頁)「奇跡などというのは研究不足、勉強不足の者の言葉でありまして、原因・結果というものは常にはっきりしておるのです。」(56頁)「人間の精神というものは、それが低い場合には何かに衝突する。」(66頁)「分かることは、「分ける」ことです。まとまりのある全体を、構成する要素に分けて認識し、推理します。これが、西洋における「知」のあり方です。」(91頁)「任用というのは、1)優れた人物を用いること、2)その人物に任せること、という二つのことから成っています。(中略)安岡は、多くの場合、「任用」ではなく「使用」になっていると注意しています。任せるという腹で人物を選び、信頼関係を築くことです。」(181頁)「人に好かれないのは、人に好かれない癖、嫌われる癖があるからです。」(181頁)「安岡は、「よほど人間ができ、教養ができていないと、よい挨拶よい辞令というものは出てこないものです」といっています。つまり、挨拶とは、たゆまぬ修養のたまものなのです。」(185頁)「本当の日本人ならば本当のイギリス人と共鳴する。 本当のアメリカ人が本当の日本人を見たら、本当に共鳴するのです。 日本人だか、シナ人だか、タイ人だか、何だかわけのわからぬ 国籍不明の日本人を外国人が見たら実に不愉快に感じる。」(192頁)→今の内閣総理大臣殿と、政権与党の幹事長殿に捧げる一言です。そしてわけのわからぬ人を首相に選んだのが日本人なら、日本に本物の日本人がいかに少ないかということです。各々が好き勝手言いたい放題ではなく、選んだ方も選ばれたほうも、大きな責任を負わなければならないということです。
December 18, 2009
コメント(0)
著者:大前研一発行:講談社 / 1986年2月 / 文庫本ジャンル:ビジネス前作に続き、「続・企業参謀」のご紹介です。この作品では、凡例や架空の事例をもとに、より実践的な内容になるとともに、あくまでも「どのように思考するか」という点に重点がおかれています。[目次]第一章 戦略的に考えるということ第二章 “低成長”とは何か第三章 戦略的思考に基づいた企業戦略第四章 戦略的計画の核心あとがき共感した箇所のご紹介です。「成功することしか考えない人にとっては、「選択」の余地があるということを考えるのはむずかしいことであろう。しかし、万一、目標を「成功」から「最悪の事態を避ける」ことに置換した場合には、さまざまな選択肢が自ら出てくることが多いのではなかろうか?」(25頁)「家康の持つ今日的意味は、戦略思考であろう。変革を生み出し、その前と後で指導者たらんと欲する人に最も要求される資質は、思考の柔軟性であろう。戦うときには、戦いに勝つための考えを究極まで推し進めるが、ひとたび勝ってしまったら、もう戦いのことはキッパリ忘れて、治平のことを考える。しかも、和戦の間にあまり具体的な共通点はないと考えられるので、意識の変革を完遂する意外にない。過去の変革者で、変革と同時に安定のための制度をつくり出した人物は少ない。」(56頁)「よく例に出されるのは、アメリカのビジネスマンは一人で日本側との交渉に出かけてくるが、日本のビジネスマンは必ずグループで交渉にくる、という現象である。一方、日本には松下幸之助、本田宗一郎、立石一真、盛田昭夫といった戦後派のサムライもいる。この二つのタイプの日本人像は明らかに合致しない。その理由は何か?環境に対して自らが置かれた”受動的”か、自らを置いた”能動的”かが、数十年を経て個人の能力に具現しているのではないかと思われる。」(122頁)→立石一真氏についてぼく自身詳しく知りませんので、調べてみたいと思います。最後に「あとがき」からの引用です。『企業参謀』『続・企業参謀』を著した技術者出身の大前氏らしい一節と言えます。「戦略を立案する参謀には、一般論はいらない。戦場はどのような理論や手法で記述できても、そこから導き出された解と、それに続く行動に誤診があれば、何の役にも立たない。戦略家は頭脳の明晰さではなく、結果のみを問われる淋しい職業である。しかも将軍であればアドリブできるのであろうが、参謀は将軍のアドリブがなるべく少なくすむように考え抜いてあげなくてはならない。将軍と、その兵の力量と判断力を評価できなくてはならない。」(218頁)
December 11, 2009
コメント(0)
著者:大前研一発行:講談社 / 1985年10月 / 文庫本ジャンル:ビジネス日本のビジネス界で活躍される方にとって、大前氏を知らない人もいないと思います。企業参謀というのはマッキンゼー社のようなコンサルタント会社だけを指すのでなく、各企業において同じ働きをする内部の頭脳集団であり、この書はそのためにどのような思考を行うかについて書かれています。[目次]第一章 戦略的思考入門第二章 企業における戦略思考第三章 戦略的思考の国政への応用第四章 戦略的思考を阻害するもの第五章 戦略的思考グループの形成あとがき共感した箇所のご紹介です。「設問のしかたを解決策志向的に行うこと」(20頁)「(こうした状況を考えてみると、)参謀としての頭脳グループがもっとも有効に力を発揮できるのは、短期でも長期でもない、その中間の中期経営戦略である、ということができる。」(77頁)「問題解決者と言われる人々は、この筋道を問題に突入する前に、思考力をその力の及ぶ極限まで用いて立てられる人々のことである。参謀の真の仕事が、戦場に突入する前に、相手の動きを予測して、こちらの戦略を立案することにある、という事実と照らし合わせていただきたい。」(177頁)「問題(プロブレム)というものは人間の指紋と同じように、環境、歴史、方針などによって唯一無二という独自性をもっている。だから、既成の解答というものはありうべくもない。しかし、問題に立ち向かうときのこちら側の姿勢については妙薬がある、ということを言いたいのである。 そして、その妙薬とは、「なにができないか?」と考える代わりに、「なにができるか?」と最初に考えることなのである。そしてその「できる」ことを「できなく」している制約条件をひとつずつ執拗にはぎとる戦略を考えていくのである。」(200頁)ある程度の社会経験と多少の文章読解力とデータを正確に読み取る能力が、この本を読むためには必要です。しかし1985年初版、いわゆるバブル経済崩壊前に書かれたこの本が、今も読み継がれている理由は、この本の中にしかないともいえるでしょう。
December 6, 2009
コメント(0)
副題:”人生の算盤”は孔子に学べ原著者:渋沢栄一編・解説:竹内均発行:三笠書房 / 2004年10月 / 単行本ジャンル:中国、論語“右手に「論語」、左手にソロバン”を持って事業に当たったと話す渋沢氏の論語の読み方に関する本です。[目次]1 [学而篇] 人生の楽しみをどこに求めるか2 [為政篇] 心に”北極星”を抱く人の生き方3 [八?篇] 自分の資質にさらに磨きをかける4 [里仁篇] この心意気、この覚悟が人生の道を開く5 [公冶長篇] “一時の恥”にこだわって自分を小さくするな6 [雍也篇] 成功のカギ「先憂後楽」の生き方7 [述而篇] これぞ沈勇、大勇の人8 [泰伯篇] 孔子の恐ろしいまでの”現実主義”9 [子罕・先進篇] 男子一生の”本懐”をどこに求めるか10 [顔淵・子路篇] ともに生きるに足る友、切り捨てる友11 [憲問篇] 自分への”厳しさ”に自信が持てるか12 [衛霊公・季氏・陽貨・子張篇] 孔子流最高の”自己実現法”解説 巨人・渋沢栄一の原点となった”孔子の人生訓”共感した箇所のご紹介です。「この仁の一字は孔子の生命で、また『論語』の血液である。」(22頁)「孔子の人物観察法は、視・観・察の三つをもって人を鑑別しなければならないということに特徴がある。 まず第一に、その人の外面に現れた行為の善悪正邪を視る。第二に、その人その行為の動機は何であるかをとくと観きわめ、第三に、さらに一歩を進めてその人の行為の落ち着くところはどこか、その人は何に満足して生きているかを察知すれば、必ずその人の真の性質が明らかになるもので、いかにその人が隠しても隠しきれるものではない。」(48頁)「人間はわが身を思えば直ちにわが家を思い、わが家を思えばわが故郷を思うものである。これは人情の自然である。この故郷を思う人情が発達して愛国心となり、さらにいっそう拡張されて世界人類の上に及ぶものを博愛という。」(86頁)→どこかの国の首長に”友愛”を説く方がいますが、故郷を思い、祖国を思う心なくして友愛は立たないと思います。はたして孔子の説くものは博愛であっても、友愛ではありません。「孔子の各方面にわたる多年の教訓も、凝集すれば、結局曾子の言う「忠恕」の二字に帰し、『論語』の千言万語も、つまるところは忠恕の二字に代表されるのである。」(102頁)「現代の青年は物質に流れて精神の空虚な者が多い。これは文が質に勝って、外形がよく肌触りのよいものが多くなったからである。その原因はいろいろあろうが、東洋道徳に対する関心が薄れてきて、ニーチェの道徳論を理解しても『論語』の道徳説を理解しないからである。」(168頁)「弟子が自ら研究して行き詰ったときに、はじめてその障害を取り除いてやり、また意味が少し理解できかかって、口で表現しようとして詰まっているときに、はじめて手伝ってやる。学ぶ側が熱心でなければ、教えても無駄なことである。そして、啓発してやるときは、ただその一端だけを示し、残りの部分は自分で発見理解させることだ」(185頁)「人の一生は重荷を負いて行くがごとし、急ぐべからず。 不自由を常と思えば不足なし。心に望み起こらば困窮したるときを思い出すべし。 堪忍は無事長久の基(もとい)、怒りを敵と思え。 勝つことばかり知りて負くることを知らざれば、害その身にいたる。 おのれを責めて人を責めるな。及ばざるは過ぎたるより勝れり。 慶長八年正月十五日 人はただ 身の程を知れ くさの葉の つゆも重きは おつるものかな」(224頁、徳川家康の遺訓)「このように渋沢が興味を持った孔子の教えは、政治や哲学とかかわるものではなく、経済に代表される人間の日々の行為の規準となるものであった。そういう意味の孔子の教えとしては、『論語』に記されたものが最適であり、さればこそ渋沢は『論語』に熱中したのである。」(329頁、解説より)論語は読みたいけれど、実際なんだかとっつきにくい、と感じる方は多いはずです。日本の資本主義の父、と呼ばれる渋沢栄一氏がなぜ終生「論語」を手放さなかったのか、この本の論語の読み方を知れば、その理由もわかるかもしれません。
December 4, 2009
コメント(0)
著者:司馬遼太郎発行:新潮社 / 昭和59年 / 文庫本(全三巻)ジャンル:小説、中国司馬遼太郎氏の歴史大作の一つである、『項羽と劉邦』のご紹介です。ぼくにとっては、駐在で来た2004年に少ない荷物とともに持ってきた貴重な本です。[目次]この本には目次の項がありません共感した箇所のご紹介です。「義という文字は、解字からいえば羊と我とを複合させて作られたとされる。羊はヒツジから転じて美しいという意味を持つ。羊・我は、「我を美しくする」ということであろう。古義では、「人が美しく舞う姿」をさしたともいわれるが、要するに人情という我を殺して倫理的な美を遂げる---命がけのかっこうよさ---ということを言い、この秦末の乱世では、庶民のはしばしまでこの言葉を口にした。」(下巻・290頁)始皇帝が治めた秦、そして項羽の楚、劉邦の漢は、現在の山東省、河北省、山西省、陝西省、河南省、安徽省などが舞台となっています。ぼく自身、中国に来て5年ですが、中国を知り、さまざまな土地を知ることで、改めて中国史に関わる本の魅力が増すような気がします。この本と山東省の関係だけを例にしても、当時この半島には「斉」という小国があり、その北には「済北」という土地があったようです。現在の山東省の省都は「済南」市です。やはり関わりがありそうです。その他、高蜜(高蜜市)、城陽(青島市城陽区)といった地名もそのまま登場します。中国に住む人はこのような、自分の関わった土地に関する歴史小説を読む、というのも面白いと思います。
November 26, 2009
コメント(0)
著者:グロービス・マネジメント・インスティテュート発行:ダイヤモンド社 / 2005年11月 / 単行本ジャンル:ビジネス経営大学院などを運営するグロービス・グループによる、MBAシリーズの1冊です。[目次]序章 クリティカル・シンキングの要素と考える基本姿勢第1章 論理展開第2章 因果関係第3章 解く技術第4章 伝える技術第5章 ケーススタディ共感した箇所のご紹介です。「クリティカル・シンキングの効用 ・問題解決や意思決定の効果・効率が増す・それまでできなかった斬新な発想ができる・それまで見落とされていた機会や脅威に気づく・会議や議論を効果的に進め、集団としてよりよい意思決定をすることができる・説得や交渉、部下のコーチングなどがうまくできる」(15頁)「一般に、「存在することを証明するより、存在しないことを証明するほうがはるかに難しい」と言える。幽霊の存在などはその最たるものだ。事件捜査の「アリバイ」も、そこにいなかったことを直接証明するのではなく、別の場所にいたことをもって、そこにいなかったことを間接的に証明する。」(101頁)「ジャーナリズムの有名な言葉に、「事件は構造を明らかにする」というものがある。すなわち、それまでにも同様な構造が存在していたにもかかわらず、何も起きないうちはそれが看過され、事件が起きて初めてその構造が白日の下にさらされ、皆を驚かすというのである。最近では、特定の公的機関の不祥事や自動車関連の事故の後、その背後に横たわる構造が明らかにされ議論を巻き起こした。ビジネスパーソンとしては、「手遅れ」「後の祭り」にならないように、「危うい構造」には事前に気づいておきたいものだ。」(136頁)「我々は何かを伝えようとするとき、伝えることに一生懸命になって、ついつい受けての都合を忘れて、自分の言いたいことを言うことに終始してしまいがちだ。しかし、コミュニケーションの目的は言いたいことを言うことではなく、コミュニケーションを通じて、受け手に理解・納得してもらい、できれば共感してもらって、自分(=伝え手)の期待する行動を取ってもらうことだ。」(167頁)「紛糾する議論によく見られるのは、議論の内容ではなく、相手の人格を攻撃する人格攻撃である。相手の人格に対して不当に中傷・誹謗したり、名誉毀損になりかねない言葉を投げつけたりするなどが典型的だ。(中略) こうした人格攻撃は、クリティカル・シンキングを目指される皆さんは厳に慎んでもらいたい。その理由は以下の通りだ。1)ビジネスでは、多くの場合、その後も相手と一緒に仕事をすることが多く、気まずい雰囲気を残すのは得策ではない2)人格攻撃は、まずほとんどの場合エスカレートし、埋めがたい溝と疲弊感をもたらす3)論争の当事者以外からの評価が下がる 人格攻撃で得られるのは、その瞬間の刹那的な自己満足だけだと思っておいたほうが賢明である。」(189頁)最初の章では「ロジカル・シンキング」と「クリティカル・シンキング」の違いについて述べられていましたが、正直に言ってよくわかりません。ただ、この本に載せられている思考方法は、気がつけばほとんど自分としては身についていたので、改めて整理ができてよかったと感じました。ただ、このMBAシリーズの他の本を手に取りたいか、と問われると正直遠慮するかもしれません。内容と価格に、少し乖離があると思いました。
November 20, 2009
コメント(0)
著者:佃律志発行:日本能率協会マネジメントセンター / 1998年 / 単行本ジャンル:ビジネス品質管理というと難しく考えがちですが、その仕組みを細かく砕いて、後に理解を進めると、決して難しいものでも、とっつきにくいものでもないことがわかります。自分自身が中国で品質管理の責任を担った経験からも、わかりやすい内容と言えます。[目次]まえがき1 品質管理の目的と必要性 企業の何が良くなるのか2 品質管理の基本 品質とは、管理とは3 TQCの基本 小集団活動を中心に4 統計的品質管理の考え方 やさしい統計理論5 検査の考え方 不良をチェックするしくみ6 品質問題の解決手順 不良退治を中心に7 品質問題の解決手法 QC7つ道具を中心に8 不良対策の着眼点 現場主義QCとは品質管理の歴史共感した箇所のご紹介です。「同じことが企業でもいえるわけで、さし当たっての目的は適正な利益を上げ、企業の永続を確保することです。この利益をあげるポイントは品質、コスト、納期、そして新製品です。このどれにも関係して、利益に貢献してくれるのが、品質管理なのです。良い品質の製品を他社より安く作ることができ、製造工程で不良発生も少ないとなると納期にも狂いが生じませんし、適正な利益を確保することができるからです。」(2頁)「そうすると、利益を上げるためのメカニズムは、次の三通りになるということはおわかりでしょう。1) 販売価格(売値)を上げる2) 数多く作り売る(量産効果)3) コストダウン(原価を下げる)」(4頁)「3ム(ムリ、ムラ、ムダ)の対象となるもの1) 人に →3ムはないか2) 方法に →3ムはないか3) 機械・設備に →3ムはないか4) 原材料に →3ムはないか5) 治工具に →3ムはないか6) 測定に →3ムはないか7) 運搬に →3ムはないか8) 時間に →3ムはないか9) 生産量に →3ムはないか10) 在庫量に →3ムはないか11) 計画に →3ムはないか12) 場所に →3ムはないか」(11頁)「『品質管理とは、お客さまが満足する製品を経済的に作るために行う活動で、その手段として主に統計的手法を用い、活動は全社的に行う』」(22頁)「QCが科学的といわれる理由は、不良などが発生したとき、1) 問題点を追及していくステップがよく研究されているため、手順を踏めば自然に問題が解決していく。2) 問題解決の各ステップにおいて、推測ではなく事実で判断するという考え方が徹底している。3) 事実を突き止める手段として、現場での問題追及の仕方、データを統計的に処理する方法の研究がなされているため、名人達人でなくとも問題を解決することができ、量産製品等に対しての管理も容易になる。」(25頁)「管理を簡単に整理すると次のようになります。1) 仕事の計画を立てる。2) 計画通り実施する。3) 実施しながら計画通り進んでいるか検討する。4) 結果をみて処置をする。異常の場合は修正処置、良ければ整理して今後の計画に活かす」(30頁)総論の部分からのみご紹介しましたが、身近な例がふんだんに引用されていて、読みやすく理解しやすい内容です。ただし、数学と統計、確率に関する知識があると、さらに理解は深まります。品質管理とは、すべてのどんな小さな業務にもかかわることです。気になった方にはお勧めです。
November 19, 2009
コメント(2)
副題;効率のよい努力を科学する著者:岡本浩一発行:PHP研究所 / 2002年5月 / 新書ジャンル:教養、心理学社会学博士である著者ですが、専門はリスク心理学だそうです。著者ご本人も茶道や囲碁・将棋、英語などに精通しているご様子ですが、その体験と専門の心理学を元に、上達の科学を検証しています。[目次]はじめに第一章 能力主義と上達の法則1 上達のすすめ2 できることから始めよう---初心者から中級者へのステップ第二章 上達と記憶のしくみ1 「できる人」の記憶の構造2 記憶と認知のキーワード---スキーマを理解する第三章 上達した人はどこが違うのか1 持続力、集中力が高まる2 特異な才能が光る3 イメージやこだわりが鮮明になる4 他者を見る眼が変わる5 自分を正確に認識できる第四章 上達の方法論---中級者から上級者になるステップ1 鳥瞰的認知を高める2 理論的思考を身につける3 精密に学ぶ4 イメージ能力を高める5 達人の技に学ぶ6 広域コードと知識を拡大する第五章 スランプの構造と対策1 心理的・生理的飽和の場合2 プラトーによるスランプ3 スキーマと技能のギャップ4 評価スキーマと技能のギャップ第六章 上級者になる訓練法1 上達を極める10のステップ・反復練習をする・評論を読む・感情移入をする・大量の暗記暗唱をしてみる・マラソン的な鍛錬をする・少し高い買い物をする・独自の訓練方法を考える・特殊な訓練方法を着想するプロセス・独自の訓練から基本訓練に立ち返る・なにもしない時期を活かすおわりに共感した箇所のご紹介です。「いちばん要注意なのは、これまでに築いた地位に心理的に安住し、上達の対象をなにももたない状態でいることだ。自身の新しい能力を耕そうとしない生活を続けると、次第に、緊張を失い、自分自身を大切にすることも忘れてしまうことにある。」(39頁)「上達の対象を持っていると、それをとおした新しい人間関係ができる。」(43頁)「やるとなったときに、つぎに必要なのは、入門書や概論書を読んでみることである。読まなくてもいいから、入手して少なくとも手元におくことである。(中略) 選択の基準は、書いた人の情熱が感じられるかどうかである。」(45頁)「全体として、この段階では、とにかく上達しようとしている対象に慣れ親しむことが大切である。英語の上達を目指すなら、ある程度、英語という刺激に浸ってみる。わかるかどうかということは二の次に、浸ってみる。そうして、その単純に浸っている時期に、その刺激が自分に「訴えかけてくる」ものがあるかどうか、その刺激に心が感動するかどうか、自分自身を観察するのである。」(46頁)「一週間に一度では、上達しないわけではないが、大きな上達は望めない。 週に二度にすれば、週一度の場合と比べると、上達の速度は雲泥の差となる。 週に二度より高い頻度となると、週五度くらいの「ほぼ毎日」という頻度になる。週に三度は二度に比べればそれほど大きなメリットがないからである。」(51頁)「(このように、)上級者のひとつの特徴は、記憶の能力が高いことである。具体的には、意図的記憶、偶発的記憶がともに高く、記憶の再現が早く正確なことである。 このような例を見ると、上級者の記憶は、中級者の記憶となにか質的に異なっているのではないかとさえ思われる。この上級者と中級者の記憶の質の差の構造を考えることが、上達を考えるうえで大きな鍵になっている。」(61頁)「(このように、)一見無関係なことからヒントを得る体験がときどき生じるようになるのが、上級者のしるしである。 冷静に考えてみれば、無関係のことがそれほど大きなヒントになるわけではあるまい。むしろ、その人に、問題を深くつきつめる姿勢ができていたために、ほとんどどんなことでもヒントになるほどの緊張が心中深く宿されていたと考えられる。そういうときにたまたま目に触れたものが、その内的緊張を刺激して、爆発するような強い感じのインスピレーションを与えたのである。」(99頁)「他者のプレーを見ていて、そのプレーの意味が深く了解できる人は、了解していることが様子に出る。そしてそれがまた第三者の上級者の目にはわかるというのが、上級者どうしのひとつの特徴である。」(119頁)「(そのようになってくると、)自分より総合的には劣る人の技能を見ても、部分的にすぐれたところを見抜き、それを取り入れることができるようになってくる。同程度の人だけでなく、自分より未熟な人からも学ぶことができるのは、上級者であるかどうかのひとつの大きな判断基準である。」(125頁)「ある程度、コンスタントに練習をするようになれば、どんな形でもいいから、記録やメモをとったりする工夫を始めるべきである。」(134頁)「(まず、)技能について本を読むことは、本来言語で伝えにくいことがらを言語で伝えているものを読み、それを技能に翻訳して理解しようという試みである。したがって本を読み、そこから技能を理解するという活動によって、その技能に関するコード化の能力が上昇する。また、それに伴い、思考能力そのものが上昇するのである。」(139頁)「まず、理論的思考を身につけることが、上達の道具となる面が大きい。 効率をよくして上達しようという場合、相対的に少ない練習量、少ない経験量を有効に血肉にするということが大切となる。そのためには、自分の練習や経験、他者の練習や経験を深く理解することが有効となる。そのために、理論が有効なのである。よく、理論はプロのためのもの、達人のためのものだと考えている人がいる。その考えはむしろ逆であることを指摘しておきたい。」(144頁)「精密トレーニングのひとつの手段として、深い模倣をすることが有効である。 文章に上達する方法として、昔から写文が有効だといわれる。夏目漱石を学ぼうと思えば、万年筆で原稿用紙に「草枕」などの有名な冒頭などを書き写してみるのである。」(154頁)「この暗唱訓練では、可能な限り、模倣しよう。覚えようとすることが大切である。一度経験すれば納得できるが、覚えようと努力することから派生するさまざまなメリットがある。」(157頁)「こういうときに役に立つおまじないがある。「後退していなければ前進している」という呪文である。」(195頁)「よく、丸暗記は役に立たないという議論がある。 それは、コードやコードシステムの形成度を度外視した議論である。」(213頁)→著者は肯定派ですが、専門用語が並びますので、引用はここまでにします。「この学習性の獲得は、上達を経験することによって起こる人格的な変化である。現在の学校における教科軽視がこのまま続いていくと、知識そのものはともかく、若い時代に上達を経験してこなかった人たちが増え、それが、日本人の精神生活の新しい貧しさとなって顕在化するのではないかという危惧を持っている。上達という体験が、学校や家庭で経験として伝承されにくくなったいま、せめてそのエッセンスを法則という知識の形を借りて記述しておく必要を感じたのである。」(231頁)「技能に自分なりの洞察を持ち、その洞察に基づいて、自分独自に工夫したトレーニング法がみごとに実るという経験をひとりでも多くの方にしていただきたいと思う。上達はたんに時間や努力の量だけでは達成できない。そこに、努力すること、ひいては生きることのロマンが存在するのである。」(233頁)茶道や囲碁・将棋、テニスに英語など、凡例を出されているのでわかりやすくなっています。しかし、この手の新書に良くみられる共通点ですが、もっと簡素に本を作ることができるように感じます。この本は2006年秋に購入したのですが、過去に一度読もうとして、挫折しました。そのままずっと本棚の中にあって、今回やっと通読できてはじめて、その内容の良さを知りました。専門用語はそれほど多くありませんし、繰り返し登場するため、慣れてくると思います。趣味や資格など、何かに打ち込んでいて、けれど中級レベルから這い上がれない悩みを持つ人にお勧めします。
August 5, 2009
コメント(0)
著者:丸木伊参発行:日本経済新聞社 / 2007年1月 / 単行本ジャンル:ビジネスファッション専門店・セレクトショップを展開する、ユナイテッド・アローズを題材に、そのサービスの素晴らしさを取り上げた内容です。紹介文中、UAと略されている部分は、ユナイテッド・アローズを指します。[目次]まえがき一 これがUAのサービスだ二 「店はお客様のためにある」の理念三 この採用・研修がナンバーワン販売員を育てる四 販売員を一生の仕事にしたい五 良質な接客を維持するチェックシステム六 スーパーSPA構想とUAの成長軌跡あとがき共感した箇所のご紹介です。「たとえば顧客が試着室に入ったとする。靴を”出船”の方向に揃えておくのは当たり前である。では靴の汚れに気付いた場合、どうすべきか。UAの販売員は、即、磨くのである。」(14頁)「顧客は商品を求めて来店する。しかし、これらのサンキューノートは、顧客が商品以外の何を期待し、何を求めているか、またそれがいかに大きいかを教えてくれる。この接客応対のプロセスが付加価値を生み、商品価値をも増幅させていくのだ。 そしてこのプロセスこそが”接客価値”であり、商品価値とは異なる顧客の心(内面)に届く”見えない価値”である。」(22頁)「UAでは不手際で傷物などを販売した場合、顧客の都合のよい日時に別の商品を即座に持参することを大原則としている。横浜から札幌、新宿から大阪など遠方まで即座に駆けつけたケースもある。」(26頁)「そして日常業務のなかで、どうすればよいか迷った時は「理念ブックに立ち返れ」と示唆される。たとえば一般論として売上げ優先か、顧客満足かを問われた時、模範解答は顧客満足である。誰もがそう答えるに違いない。しかし現実は皆、今日の売上げが欲しい。いま目の前の、この客にこの商品を何としても売りたいと考えている。タテマエは顧客満足であっても、ホンネは売上げ優先になりがちである。」(28頁)「UAは理念や教育・研修のなかで、コミュニケーションとチームワークをことのほか重要視している。接客(スキル)や売上げの前に、まず理念があり、アルバイトを含む全社員に手渡される「理念ブック」は、販売スタッフの行動規範と接客サービスの精神を支える土台になっている。」(31頁)「(このため)UAには、接客マニュアルと称するものはない。接客販売に関しては、ごく基本的なことを記した「セールスガイドハンドブック」があるのみである。型にはまることなく、基本をマスターした上で”百人百色”の顧客への、臨機応変な接客サービスを可能にする狙いからである。」(32頁)「(そして)「わが社の社会貢献の第一は、顧客満足である。これなくして売上げも利益もない」「サービスはクリエーションであり、それを果たしていくのがわれわれの使命」と強調している。したがって接客についても「商品をお勧めする際に『お客様、とてもお似合いです』などといっていたのでは、お話にならない」と切り捨てる。」(36頁)「一通の感謝状は百人のお客様からの支持に値しますが、逆に一通のクレームは百人のお客様を失うことを意味しているのです。お客様を知るための本当のチャンスです。だから、クレームは全身全霊で受け止めてほしい」(52頁)「お客様の満足と私たちの商売の成功は、相反するものではありません。お客様の満足があってはじめて売上・利益が発生して、私たちの喜びとなり、次のお客様満足の追及への意欲となっています。お客様の”ありがとう”こそが私たちの喜びです。」(60頁)「UAではこの「商売十訓」を商売の根底に据えている。一、 損得より先に善悪を考えよう二、 創意を尊びつつ良いことは真似ろ三、 お客様に有利な商いを毎日続けよ四、 愛と真実で適正利潤を確保せよ五、 欠損は社会の為にも不善と悟れ六、 お互いに知恵と力を合わせて働け七、 店の発展を社会の幸福と信ぜよ八、 公正で公平な社会的活動を行え九、 文化のために経営を合理化せよ十、 正しく生きる商人に誇りを持て」(79頁)「さらに森山が強調するのは「リアクション型の接客はダメ」である。リアクション型とは、顧客にいわれてから対応する接客のこと。ダメな理由は、「リアクション型では最高点を取って百点です。これでは感動を売れません。常に百点以上を目指す心構えが必要」というのである。」(103頁)→”感動”という心の動きを「売りもの」と考えるかどうかはこの場では置いておくとして、さらに上を目指そうという考え方には共感します。「販売のポイントについて木下は、一「お客様を差別しない」二「一見のお客様を大切にする」三「ヒアリングを重視する」の三つをあげた。」(129頁)「「知っている」はただ頭に入っている知識。それを実行してはじめて物事の本質や背景が理解できるようになる。「知っている」だけで多くを語る人と、「できる」と「実践・経験」を背景に語る人の差は歴然である。知行合一が果たせて、はじめて一人前といえる。」(153頁)顧客満足の視点からアパレル販売界をリードする、ユナイテッド・アローズをご紹介しました。発行が日本経済新聞社ということもあり、文章が少し固かったです。また、年月が経っていますので、本書に記載されている店舗なども変化しています。(実際40代以上をターゲットにしていた「ダージリン・デイズ」は閉店しています。)店舗は全国にありますので、気になった方はお店で体験してください。リッツ・カールトンは金銭的に無理であっても、UAならぼくを含めて、誰にでも機会がありそうですね。
July 30, 2009
コメント(0)
副題:一枚のカード(クレド)に込められた成功法則著者:井上富紀子、リコ・ドゥブランク共著発行:オータパブリケーションズ / 2007年4月 / 単行本ジャンル:ビジネス全世界のリッツ・カールトンをくまなく体験した井上氏と、ザ・リッツ・カールトン東京支配人のリコ氏による共著です。リッツ・カールトンについては多くの著作がありますが、こちらもお勧めの1冊でしょう。[目次]プロローグ(Inoue)Mystique 1 モットーMystique 2 エスコートMystique 3 パーソナルMystique 4 エンパワーメントMystique 5 サプライズMystique 6 ミスティークMystique 7 サービスMystique 8 クオリティMystique 9 クレーム対応Mystique 10 チームワークMystique 11 トレーニングMystique 12 笑顔Mystique 13 プランニングMystique 14 従業員への約束Mystique 15 身だしなみMystique 16 プライバシーMystique 17 清潔・快適Mystique 18 安全性Mystique 19 楽しみあうMystique 20 クレドエピローグ(Inoue)共感した箇所のご紹介です。「私には部下という概念がありません。その根底には、同じ職場で働くスタッフ一同はすべて対等である、という思いがあるからです。肩書や役割分担は違えども、志や使命は、みな同じだからです。」(31頁)「私は常日頃から、多くのジャーナリストに同じ質問を受けます。「リッツ・カールトンの持つ特別なアドバンテージは何ですか」答えはシンプルです。「一に人間、二に人間関係です」」(44頁)「ホテル内で起こる出来事のすべての責任は、総支配人にあります。 企業でいうなら社長です。現場で起こることは、何であろうと、トップの責任なのです。それがトップを務める責務だと自覚するべきです。 能力のない従業員はいません。 能力を引き出さないマネジャーがいるだけです。」(70頁)「ブランドとは約束を意味します。」(95頁)「職場で過ごす時間は、誰にとっても生活の大半を占める貴重な時間です。 リッツ・カールトンで働く時間の一瞬一瞬を大切に、前向きにとらえることができれば、クオリティ・オブ・ライフの質はおのずと向上します。 そのため、リッツ・カールトンでは、従業員が生き生きと仕事に勤しめる環境づくりに最善の努力を惜しみません。」(197頁)井上氏の体験談に、リコ氏のよる解説とフォローが付けられています。ちょっとリッツ・カールトンは簡単に利用できないとお嘆きになる方(ぼくも含め)でも、楽しめる内容だと思います。
July 28, 2009
コメント(2)
著者:高野登発行:かんき出版 / 2005年9月 / 単行本ジャンル:ビジネスザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社長、高野氏の書かれた本です。リッツ・カールトンについては、ビジネスに関わる方はすでに多くをご存じでしょう。あらためて復習のつもりで、どうぞお付き合いください。[目次]はじめに第1章 感謝されながら、成長できる仕事術第2章 感動を生み出す「クレド」とは第3章 リッツ・カールトンを支える七つの仕事の基本第4章 サービスは科学だ第5章 リッツ・カールトン流「人材の育て方」第6章 リピーターをつくるブランド戦略第7章 いますぐ実践したい”本当のサービス”とは?最後に共感した箇所のご紹介です。「(つまるところ、)ホテルマンの仕事は、お客様と接するあらゆる場面で、いかに感性の高いホスピタリティを提供できるかにあるのだと思います。 心のサービスは無限大です。」(15頁)「(前略)リッツ・カールトンでは「紳士淑女」であるお客様にお仕えする私たちも「紳士淑女」であると定義しています。つまり、お客様と同じ目線で、積極的にコミュニケーションを取りましょうという企業文化、風土が根づいているのです。 日本のサービス産業のなかにはまだまだ、お客様は上の存在で、サービススタッフは下から仕えるもの、という認識が強く残っているのを感じます。」(17頁)「サービスマニュアルが整いすぎていると、それにとらわれて、こういった臨機応変な対応ができにくくなる場合もあるかもしれません。サービスを超える瞬間というのは、お客様が言葉にされないニーズまでも十二分に満たされたときなのです。」(41頁)「リッツ・カールトンは流行や場所に左右されずに、つねに良質のサービスを提供しつづけようとするために、私たち全員が「クレド」(信条)に基づいて行動しているのです。 クレドはリッツ・カールトンの基本的な信念であり、時代が流れても、あるいは国や地域が違っても、ブレることはありません。クレドの精神が変わらない限り、リッツ・カールトンが提供するサービスもまた不変です。」(43頁)「よく誤解されるのですが、クレドはマニュアルではありません。マニュアルは従業員の言語や文化的背景、あるいは教育レベルが多様化しているアメリカ社会で発達したもので、いうなれば頭で理解させて守らせるルールです。 一方、クレドは心で納得して実践するものです。」(45頁)「従業員を、現場での作業を完璧にこなす『人材』としてみるのではなく、企業にとって最も大切な財産、プロフェッショナルである『人財』と明確に捉えているのです。当然そこには、従業員としての強い責任が求められ、プロとしての義務も生じます。そこで初めて企業側と従業員との間に、本当の意味でのパートナー関係ができ上がります。」(56頁)「(では、)クレドと一般的な社訓は、どこが違うのか? おそらくそれは従業員への浸透度だと思います。立派な社訓を持っている会社でも、額に入れて飾ってあったり、入社式などの特別なイベントのときだけに読み上げるくらいで、従業員が普段から社訓を読む機会をつくっていないところが意外に多いと聞きます。」(65頁)「マニュアルというのは毎日の企業活動の中で、たとえば危機管理、衛生管理、効率化など、誰が携わっても一定の結果を実現させる上で不可欠な指南書であり、また物差しであると言えます。それに対して、クレドは「感性の羅針盤」のようなものです。」(69頁)「初代社長のシュルツィは、ことあるごとにこう言っていました。「感動を偶然や個人の能力だけに頼ってはいけない。サービスは科学なのだから」 これは、感動は同じ価値観によって支えられた仕組みによって生み出されるべきで、運が良ければ感動を体験できるという状況ではいけないという意味です。」(113頁)「面接試験は、いわばお見合いのようなもの。お互いの価値観を最初にしっかり披露しあい、感性が合えば結婚すればいいのです。」(141頁)「(つまり)現在の年収の五パーセントではなく、目標とする年収の五パーセントを自分への投資に回しなさいと勧めているのです。 今の年収の五パーセントを投資するというのは、現在のキャリアを維持するために必要な投資。それに対して自分自身を磨き、より高みの成功に導くためには、まず目指す収入目標を明確に決めること。」(167頁)「リッツ・カールトンにとってブランドとは「約束」を意味します。」(179頁)「(では、)市場において圧倒的に強いブランドを確立するためには何が必要なのでしょうか。それは、お客様に「満足」していただく百パーセントのサービスを超えて、「感動」を生み出すホスピタリティの舞台にステップアップするということです。心がワクワクするディズニーマジックのように・・・・・。」(180頁)リッツ・カールトンのすごさと、素晴らしさに余計な言葉は必要ないでしょう。
July 27, 2009
コメント(0)
副題:成功する5%になる秘密とセオリー著者:土井英司発行:草思社 / 2007年4月 / 単行本ジャンル:ビジネスアマゾンの元カリスマ・バイヤーと呼ばれる土井氏の二作目です。「日本一ビジネスマンを高く売る男」は、何を教えてくれるのでしょうか。[目次]プロローグ第1章 自分の値段は自分でつける!第2章 付加価値をつければ人生が変わる!第3章 最強の自分マーケティング第4章 「伝説の社員」になれ!エピローグ謝辞参考文献共感した箇所のご紹介です。「(つまり、)現在もらっている給料の三倍くらい売り上げることで、あなたはようやくその給料に見合う働きをしていることになります。(中略) 年収三百万円として、一千万円は自分で稼ぎださないと社員としては失格なのです。」(21頁)→おっしゃりたいことは理解できますが、会社には非営業部門やそこで働く社員が必ずいます。その人たちの価値をどう定義するのでしょうか。「(けれど)今、脚光を浴びている人にも、花を咲かせるまでには必ず、根付かせるための年月がありました。土中の深くまでしっかりと根付かせてはじめて、人の目を惹く花を咲かせることができます。 その年月を、僕は九年と踏んでいます。 逆にいえば、どんなことでも九年続ければ成功できるのです。」(29頁)「僕の場合は、ビジネス書にこれまで一千万円以上をかけています。留学やセミナー、CDなどを含めれば千五百万円はゆうに超えるでしょう。」(59頁)「もしあなたが「伝説の社員」を目指すなら、古今東西の偉人たちが実践したように、もてる時間やお金の多くを、自己投資つまり「学び」に費やしてください。 学びには大きく分けて二種類あります。 選択の幅や視野を広げる学びと、一定の分野を掘り下げる学びです。」(60頁)「書籍という商品は、その情報力に比べると非常に安価です。もしその内容を自分で調べ、知ろうとしたら、何十倍、何百倍の費用がかかる。 時勢に反するようではありますが、僕は高価な本を買ったほうがいいとあえてアドバイスします。高いほど内容が充実しているという理由ではなく、高価な本はそれだけ購入する人が少ないからです。 情報の希少性が勝負のカギをにぎるのが、資本主義社会。ここで人より抜きんでようと思ったら、つねに少数派の行動をとらなければなりません。」(89頁)→あえて申し上げるなら、高価な本の内容が必ずしも充実しているとは限らない、とも解釈できますね。「ほかのことを犠牲にしてでも、あることに思い切って金や時間を使う。 それは自分をブランド化するのに、もっとも有効な方法なのです。」(182頁)巻末にある参考文献は、とても意義があると思います。感想というなら、読書量を誇る本読みが必ずしも本書きにはなりえないのかもしれません。何よりも読んでいて、ドキドキワクワクしなかったのが残念でした。対象を選ぶなら、就職活動中の学生さんや、入社したばかりのフレッシュ社会人の皆さまにお勧めする1冊です。
July 24, 2009
コメント(0)
英題:Conversations With Millionaires著者:マイク・リットマン、ジェイソン・オーマン共著訳者:河本隆行(監訳)発行:きこ書房 / 2006年10月 / 単行本ジャンル:ビジネス 著者のマイク・リットマンは、ラジオで成功者へインタビューを行う番組を持っています。この本は、そのインタビューを書籍化したものですが、そうそうたる現代アメリカの成功者たちが名を連ねています。[目次]監訳者まえがき 河本隆行まえがき ロバート・アレン序文第1章 ジム・ローン / 世界No.1メンター「人は自分が向かう方向に進み、自分が考える方向に向かうものなんだ」第2章 マーク・ビクター・ハンセン / こころのチキンスープ「収入の一割を納めた瞬間、『世の中』全体が自分に向かって開かれる」第3章 ウォーリー・”フェイマス”・エイモス / チョコチップクッキーの王様「最初にイメージすることなく、人生で何かを手に入れることは不可能なんだ」第4章 ジャック・キャンフィールド / こころのチキンスープ「自分の人生に100パーセント責任を持つ」第5章 ロバート・アレン / 実践!億万長者入門「夢と欲望と目標と情熱があれば、あなたも億万長者になれる」第6章 シャロン・レクター / 金持ち父さん貧乏父さん「財務諸表は、人生における通知表なのよ」第7章 マイケル・ガーバー / E神話「事業を立ち上げる真の目的は、会社を売却することだ」第8章 ジム・マッキャン / 1-800-フラワーズ・ドット・コムCEO「行動するかしないかを決める責任は、自分自身にあるんだよ」第9章 ジェイ・コンラッド・レビンソン / ゲリラ・マーケティング「内面的な決意こそが成功を現実のものにする」共感した箇所のご紹介です。「望むものを追求する過程で、自分がどんな人間になっているかに注意するんだ。自分の信条を金のために売ってはいけない。自分の価値観を曲げてはいけない。そうすることで何かを手に入れたとしても、きっと後味の悪い思いをするだろうから。」(57頁/ジム・ローン)「ビル(・ゲイツ)は今、こんなふうに言っているよ。「マイクロソフト社の唯一の財産とは」、それはまた君にとっても、わたしにとっても、リスナーのみなさんにとっても同じように唯一の財産なのだが、「人間の想像力だ」とね。」(77頁/マーク・ビクター・ハンセン)「一つめは、自分が真に望むものを見つけること。(中略) 二つめの原則は、それを書きだすことだよ。(中略) わたしは六〇〇〇以上の目標を書面に書きだしているよ。(中略) そして三つめの原則は、それを視覚化(ビジュアライゼーション)することだ。(中略) くわえて四つめの原則、両手の人差し指を立てて、1たす1は11のパワーがあると信じることだ。仲間が集まったら、自分たちの夢をまとめる。そうすれば、その二人は奇跡を生み出すことができるんだ。」(92-97頁/マーク・ビクター・ハンセン)「情報をインプットすればするほど、よりうまくアウトプットできるようになるだけでなく、よりよい選択もできるようになるんだ。なにしろ、わたしはこれまで五万冊以上の本を読んできたんだからね。」(111頁/マーク・ビクター・ハンセン)「時間には三つの種類があると、ダン・サリバンが教えている。 まずは働く時間。持てる時間の八〇パーセントはお金を稼ぐために使われるんだ。 二つめは衝撃を緩和する時間。これは混乱を片づけるために使われる。 そして三つめは、奇妙にもこれがもっとも重要ななんだが余暇の時間なんだ。」(115頁/マーク・ビクター・ハンセン)「プラスアルファの努力とは、ほんの少し多く、ほんの少し余分に与えることだよ。疲れ果ててもう何もできないと思うときこそ、そうするといい。だから、こんなふうに言ってはいけない。「これはわたしの仕事じゃない」もし誰かに何かをしてくれと頼まれたら、すること。あるいは、頼まれる前に、する。これこそ、プラスアルファの努力の真の意味なんだよ。」(135-136頁/ウォーリー・”フェイマス”・エイモス)だ。」(140頁/ウォーリー・”フェイマス”・エイモス)「わたしのお気に入りの引用はこれだよ。「恐れがドアを叩いた。信念がドアを開けると、そこには誰もいなかった。あなたが恐れるものは存在しない。みずからがつねにつくり出しているだけだ。」」(147頁/ウォーリー・”フェイマス”・エイモス)「(ここでわかるのは、)他人からどう言われようと何をされようと、そんなのは重要ではないということだ。景気に影響されようと、上司にどんな態度をとられようと、自分の子どもたちに何をされようと、そんなことは問題ではない。重要なのは、相手のやっていることに反応して自分が何をするかで結果が出る、ということなんだ。」(156頁/ジャック・キャンフィールド)「新しいふるまいをするのはたしかに居心地の悪いものだ。家に帰るのにいつもと違う道を通ってみるようなものだ。それは、何が起こるかわからないからなんだ。 だがわかっていることは、いつもしていることをし続けていれば、いつも得ているものしか手に入らないということなんだよ。 現在、自分が得ているものが気に入らなければ、自分の行動を変えなければならないんだ。」(159頁/ジャック・キャンフィールド)「ジム・ローンは言っているよ。「一週間に一冊本を読めば、一年では五二冊の本を読むことになる。十年では、五二〇冊だ。その頃には、あなたは自分の分野で上位一パーセントの地位にいることだろう。よりやる気にあふれ、より教養を身につけ、自分の分野でリーダーになっているだろう」とね。 もっと金持ちになりたければ、自分自身を教育しなければダメなんだよ。」(178頁/ジャック・キャンフィールド)「つねに愛に立ち返ること、それはわたしがいつも拠り所にしていることなんだ。 わたしは決して誰とも敵対しようとは思わない。 つねに双方が得をする方法を考え出すことにしているんだ。持てる知識と認識と意識を総動員すれば、誰でも可能な限り最善を尽くせると知っているからね。」(181頁/ジャック・キャンフィールド)「(まず、)金持ちに”なる”ためには、金持ちの考え方を学ばなければならないということ。 心も金持ちにならなければならないの。つまり、金持ちの心構えを持つということね。 それができて初めて、金持ちがするようなことを”する”のよ。(中略) そうすれば、金持ちが持っているようなものをあなたも”持つ”ことができるようになる。 たいていの人は最後から始めようとするの。つまり仕事を得たら、出かけて行って、高級車を買う。大きな家も買う。”なる-する”を飛び越えて、すぐに”持つ”に行ってしまうの。そうやって、あらゆる贅沢品を手にするけど、同時にたくさんの借金と負債も抱え込むことになる。 こういう人たちは、負債を資産だと思って買っているのよ。」(271-272頁/シャロン・レクター)「”統合”だね。いったんイノベーションをおこなったら、いったんありきたりなことをするための新しい方法をつくり出したら、いったんそれが会社の生産性を絶対的に向上させることを数値化したら、次にするべきことは誰もしていないことだよ。つまり統合だ。(中略) つまり統合とはシステムをまとめ上げ、何か機能するものを見つけたなら、会社の誰もがまったく同じようにその仕事ができるようにすることなんだ。それが”ブランド”と呼ばれるものなんだよ。」(308頁/マイケル・ガーバー)「成功しているビジネスは、経営者が不在でも機能する。」(320頁/マイケル・ガーバー)「成功する人としない人との違いは、成功する人は挫折からいち早く立ち直る方法を知っていることなんだ。」(336頁/ジム・マッキャン)「住んでいる町でお気に入りのレストランはどこだろう?それは自分の名前を覚えていてくれるレストランだよ。有名シェフ、ジェームズ・ビアードは何年も前に言っている。「すばらしいレストランへの鍵、つまり客の推薦を得られるかはただ一つ、レストランが客の名前を覚えていることだ。」とね。」(340頁/ジム・マッキャン)「購買決定は無意識の領域で下されるが、その九十パーセントはわたしたちの脳だ。無意識にアクセスするにはどうすればいいか?それは、繰り返しを通じてなんだよ。ある情報を聞けば聞くほど、それは購買決定が下される無意識に到達しやすくなるんだ。」(358頁/ジェイ・コンラッド・レビンソン)「アメリカで失敗するビジネスの七十パーセントが、購入してくれた顧客への無関心が原因でそうなっているんだよ。つまり、購入したとたん見向きもされなくなった顧客のせいで失敗しているんだ。 ビジネスは品質の悪さやお粗末なサービスにせいで失われるわけではない。顧客を無視したせいで失われるんだ。」(364頁/ジェイ・コンラッド・レビンソン)「ゲリラ・マーケティングと従来のマーケティングとの九つ目の違いは、従来のマーケティングがつねに、地平線を見渡して排除すべき競合相手を探すように言っていることだ。 わたしに言わせれば、それはまったくのナンセンスだね。そんなふうに考えるべきではない。そうではなく、地平線を見渡して協力し合えそうな相手を探すんだよ。(中略) 排除できる競合相手を探すのではなく、自分と同じようなビジョンと経営基準を持つ他社を探し、協力し合うんだ。」(368頁/ジェイ・コンラッド・レビンソン)「人々を”完全なる無関心”、つまりあなたのことをまったく知らない状態から、今すぐ買いたいという気持ちにさせるには、あなたのメッセージが人の心に九回浸透しなければならないということだ。これは実にいい知らせだね。 だが悪い知らせもある。あなたが送るメッセージの三回につき二回は、人々は注意を払っていないということだ。」(372頁/ジェイ・コンラッド・レビンソン)「自己教育は”鍵”だよ、マイク。なぜなら人生とは、そこにトピックがあるからという理由で学ぶことではないんだ。 そうではなく、人生とは一つのことを連鎖的に学ぶことであり、それを実行するための唯一の方法が自分自身で学ぶことなんだよ。それを実行できるのは自分だけなんだ。」(383頁/ジェイ・コンラッド・レビンソン)「価格を優先して商品価格を下げ、宣伝広告にディスカウント価格を載せれば、最低の類の客を引き寄せる。」(405頁/ジェイ・コンラッド・レビンソン)また一冊、付箋だらけの本が増えました。この本をきっかけに、本探しをしても面白そうです。
July 20, 2009
コメント(0)
副題:チームワークと顧客第一主義がポイント!奇跡のレストラン「カシータ」の作り方著者:高橋滋発行:オータパブリケーションズ / 2003年9月 / 単行本ジャンル:ビジネスアマンリゾーツに魅せられ、本業のオートバイ販売のほかに「愛と感動のレストラン」を東京に作り上げた、高橋氏の思いが熱く篤く、言葉の波として打ち寄せてきます。[目次]まえがき本書の構成注釈第一章 私の人生を変えた、二つの「AM」と一つの「AN」第二章 「愛と感動のレストラン」の基本コンセプト第三章 普通じゃないレストランを目指してあとがき共感した箇所のご紹介です。「こちらがどれだけ努力しているかなんて、お客さまには関係のないことで、要は快適かどうかでサービスは判断されてしまうのです。時には有料であっても喜ばれる場合があるのです。(中略) サービスに中途半端はいけません。All or Nothingの考え方です。だから、ただのサービスほど、やるときは徹底的にやらなければいけないのです。お客さまにとって、スタッフがどれだけ一生懸命であったかは、どうでもいいことなのです。最終的にお客さまが満足感を得られるかどうか、もっと端的に言えば、また来ていただけるかどうか、それがすべてなのです。お客さまが満足するまでしなければ、かえって逆効果になってしまいます。それができなければ、最初からサービスをしようなどと思わないほうがいいでしょう。」(58頁)「一人のヒーローがいても、よいレストランは作れません。あのアマンリゾーツを振り返っても、たくさんのスタッフの笑顔はいつでも頭に浮かびますが、特定のスタッフの笑顔が浮かぶことはありません。よいレストランは大勢の優秀なスタッフがいて初めて出来上がるものです。そしてその上でやっぱりヒーローがいたら素晴らしいと思います。でもそのヒーローがヒーローでいられるためには、やはりたくさんのスタッフの力が必要なのはいうまでもありません。」(92頁)「全体を通して、いま一度大切なこと、それは「むらがあってはいけない」ということです。 行きつけのレストランで、担当が休みの日にどれだけ楽しめるか、これがポイントです。日にちによるむら、テーブルによるむら、スタッフによるむら、これがあってはいけないのです。とても難しいテーマです。だから、大事なのです。」(99頁)「状況のわからない調理場は、時に現場からの要求に対して自分たちの都合でノーと言うかもしれません。でも、ウエーターの要求は、実はお客さまの要求なのです。そして、調理場の要求は、単にお店の都合なのです。聞いてあげましょう。ウエーターが受けたことは何でも。」(104頁)「お金を返すことは、決して最良の方法ではありませんが、もし返すのなら、全額お返しして、なおかつお食事券を差し上げてでも、また来てもらわなければいけません。とにかく、また来てもらわなければ、クレームを片付けることの意味がない。そのためのカスタマーサービスです。明日につながる方法をとらなければ、意味がありません。」(112頁)「サービスをする人とされる人は、実は同じ感性で結ばれているのです。よいサービスをする人は、必ずよいサービスを受けられるはずですし、よいサービスを受けられる人は、必ずよいサービスをする人にもなれるはずです。」(172頁)ご紹介したい箇所はまだまだありますが、それぞれが長くなりそうなので、まとめやすい個所だけを選びました。現時点では、アマンリゾートは、中国・北京にも進出しているようです。身の程知らずと言われそうですが、高橋氏の愛する「アマン」を一度は体験してみたいですね。
July 20, 2009
コメント(0)
副題:すごい起業家編者:ビジョネット発行:ゴマブックス / 2007年2月 / 単行本ジャンル:ビジネスビジョネットが発行している、起業家へのインタビューを収録したDVDシリーズの、一部分を書籍化したものです。ビッグ・インタビューに登場される起業家の面々は、目次の項でご紹介します。(注:各氏の経営する企業名などは、本の発行時に準じて記載しています。)[目次]はじめに・渡邊美樹 / ワタミ株式会社代表取締役社長・CEO テーマは”人”。これが僕の企業の原点だった・野尻佳孝 / 株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ代表取締役社長 明確なビジョンと努力があれば、結果は必ずついてくる!・板倉雄一郎 / ベンチャーマトリクス株式会社代表取締役、板倉雄一郎事務所代表 経営はスピードチャンスを捉える3つの方法・淺野秀則 / 株式会社フォーシーズ代表取締役社長 失敗を怖れず、ただチャレンジあるのみ!・小川善美 / 株式会社インデックス代表取締役社長 大切なのは「あきらめないこと」 チャンスは必ず巡ってくる!・堀義人 / グロービス・グループ代表、他 自分を信じよう! 無限大の可能性はあなたにもある・近藤太香巳 / 株式会社ネクシィーズ代表取締役社長 「成功者」ではなく「成長者」になれ!・中島武 / 際コーポレーション株式会社代表取締役 成功する環境をつくれば運は必ず呼び込める!・平野岳史 / 株式会社フルキャスト代表取締役会長兼グループCEO 勇気を持って踏み出したら、上を目指して走り続けろ!・佐々木かをり / 株式会社イー・ウーマン代表、株式会社ユニカルインターナショナル代表 強い情熱さえあれば、道は誰にでも開かれている!・高橋滋 / レストラン「カシータ」オーナー サービス業とは、究極のホスピタリティを目指すことおわりに共感した箇所のご紹介です。「社員は叱られる権利を持っているんです。その権利はしっかりと使わせてあげなきゃいけない。彼らは人間として成長するためにこの会社に入ってきたわけですから。何か間違っていることがあれば、本気で怒ってあげなきゃいけないんです。本気で叱りますね。可愛いと思ってますから。」(17頁/渡邊美樹)「渡邊は、1日に20~30の重要な判断を下している。判断は一瞬。もちろん、一瞬で判断を下すためには、起こりうることを事前に想定し、そのための準備をしていなければならない。判断基準の一つは、”リスクが最小限に抑えられているかどうか”。もう一つの判断基準は、少々奇妙に聞こえるかもしれないが、”かっこいいかどうか”。そして、最後の判断基準は、”それを思い浮かべたときに心がワクワクするかどうか”である。」(18頁/渡邊美樹)「(また、)近藤は今までの経験から、”人は説得しても動かない、納得したら動く”ということを学んできた。教育することは大切だが、それで人が変わるということはほとんどない。きっかけがあって、本人が気づくことから人は変わっていく。だから、彼は社員とのコミュニケーションを欠かさない。」(125頁/近藤太香巳)「学生時代っていうのは、いわゆる足し算の世界。でも、社会ではかけ算で成長できるんです。一生懸命頑張った人と、頑張らなかった人では、将来全然違う人生になるわけですね。」(130頁/近藤太香巳)「それは飲食店としてでも、男としてでもそうなんですけど、なんでこんなに仕事をするのかと考えると、自分のお金がほしくてやっているわけじゃないでしょ、みんな。すごい男だと言われたくて、自分の力を試したくて、やっているんじゃないですか。」(138頁/中島武)「親がつくってくれたものでも、学校がつくってくれたものでも、社会がつくってくれたものでも、その環境が自分にとって良くないと客観的に判断したなら、そこを変えるべきです。親を変えるのはムリですけど、友達や恋人は変えることができる。そこからスタートしてみてください。必ず変わりますから。そのくらいのことをしないと、人間は変わらないんですよ。」(148頁/中島武)「何もしていない人は、それが好きだからしていないんだと思うんですよ。”人間は好きなことしかやれない動物である”これは私が絶対的に信じていることなんです。」(176頁/佐々木かをり)「(これはたとえば、)自分が経営者として何か判断する場合に、ビル・ゲイツだったらどう判断するか考えてみること。あるいは、自分のプレゼンテーション能力を、大統領のそれと比較してみること。 つまり、常に自分の想像を超え、世界中で頂点にいると思われる人を比較対象にして、あの人だったら今どういうふうに考えるか、と想像してみるということだ。」(178頁/佐々木かをり)「お客さまというものは、特別に恵まれた人を除いて、毎日一生懸命働いている人たちだ。仕事中にはいろいろなストレスがあるだろう。そんな人々に、カシータに来たときだけは王様になって、居心地良くストレスを感じずに過ごしてもらいたい。」(191頁/高橋滋)「ホスピタリティの基本的な考え方は、レストランでいえば、お金をいただく我々が、お金を払っていただくお客様に感謝の気持ちを持つこと。その気持ちをお客さまにお伝えすることが、サービスだと思うんです。そのことをカシータでは「気持ちを言葉に変えて、右足に乗せる。伝わらなかった気持ちは、なかったことと同じ」という言葉で表しているという。」(194頁/高橋滋)「たとえば、飛行機に乗るとしても、エコノミーなら単なる目的地への移動手段になってしまいますが、余分にお金をかけてビジネスクラスに乗れば、人間はその分楽しみたいと考えます。貪欲にそれを体験することによって、移動時間はホスピタリティを学ぶ時間となり、その人の仕事は変わっていくでしょう。『いい旅は人生を変え、いいホテルは仕事と会社を変える』僕はそう思っています。」(202頁/高橋滋)1500円、で”すごい起業家”の考えが、そして生きざまが学べるのなら、将来に悩む若者へ、お勧めしたい1冊です。
July 13, 2009
コメント(0)
副題:トム・ピーターズのマニフェスト(2)著者:トム・ピーターズ発行:ランダムハウス講談社 / 2005年10月 / 新書タイプジャンル:ビジネス現代の経営の「グル」の一人と呼ばれるトム・ピーターズの新シリーズ(マニフェスト)から2冊目をご紹介します。[目次]はじめに第1章 破壊時代における真髄を希求するリーダーシップの真髄50コラム:クールな友人、スティーブ・ハーバー第2章 ボスの仕事 ヒーロー、デモ、ストーリー第3章 新しい上司像 女性が支配者だ!コラム:クールな友人、ヘレン・フィッシャー第4章 ボスの第一の仕事 25の才能謝辞声に出そうピーターズの大宣言訳者あとがき著者紹介共感した箇所のご紹介です。「ある教育機関(私の得意先でもある)のニュースレターを読んでいた。巻頭記事の見出しに、私は「猛烈な怒り」を覚えた。曰く、卓越した教育機関は「人を生まれ変わらせる」。 バカな! 誰ひとりとして、人を「生まれ変わらせる」者はいない。 違う。われわれは部下にチャンスを与え、その隠れた才能を発揮して、与えられたチャンスをものにするよう励ましている。」(15頁)「リーダーは、弱気になると、指令統制型のモデルに逃げ込む。つまり、リーダーは、”一体何がどうなっているのか”確信のない自分を、部下が気づきはしないかと死ぬほど恐れているのだ。(中略)ただし、リーダーが与えているのは知識ではない。それはほんのわずかな叡智と、そして(何よりも)魂だ。心に沁み込み、その琴線に触れて情熱を爆発させ、周りの人たちの才能を解き放つ、そんな魂だ。実は、これこそがリーダーシップ魂の究極の「難しさ」なのだ。」(17頁)「お粗末なリーダーシップの定義とは? それは”心地よく” ”すべてを掌握”しなければ気がすまないリーダーのことだ。 本物のリーダーシップの定義とは? それは「恐れていた事態が起こった」ときに最高に燃えるリーダーのことだ。」(22頁)「金言:”怒らない”人間をリーダーに据えることなかれ。現実的には最初から、”怒らない”人間を採用するべからず。」(26頁)「3.できるリーダーは、”人”は変えられなくても、”文化”なら変えられることがわかっている。その方法は、「新しい方法」の模範を示している人やプロジェクトの見きわめと活性化だ。」(49頁)「リーダーシップとは、その印象とは正反対のものかもしれない。リーダーになることは、その”追随者”に「探検の権利」を与えることだ。忘れないように。「リーダーにしたがう」という考えの本質は、実は、リーダーをさらに増やすことだ。」(54頁)「私がリーダーシップに関する本を書き始めたとき、パワーポイントの画面づくりをしながら、自分でその内容に驚いた。リーダーシップとは「愛そのもの」と書いたからだ。 私は「愛」を次のように定義する。情熱。生への欲求。関わり合い。献身。世の中に貢献するための大義であり、決意。冒険の共有。とんでもない失敗。成長。変革へのあくなき欲求。」(59頁)「本書を貫く暗黙のテーマがある。それは禅の達人ですら感服するような「回り道」だ。われわれリーダーは変革を「命令」することはない。すでに組織の中に埋もれている模範的人物を見つけ出し、謹んで「新しい文化の推進責任者」に任命している。」(87頁)「(ジュディ・B・)ローズナーによる女性のリーダーシップの強みリストは、(ヘレン・E・)フィッシャーのリストを反映している。・社員をランク(格)づけせず、リンクさせる(つなげる)。・双方向協調型リーダーシップを奨励する。・気持ちの良い情報交換。・権力の分散化を、降伏ではなく、勝利とみなす。・あいまいさを快く受け入れる。・徹底した”合理性”と同時に、直感も尊重する。・生まれつき柔軟性がある。」(100頁)「ASTD(全米人材開発協会)での講演の準備をしているとき、私は平均的アメリカ人労働者が学習の場にいる時間の年平均の数字を記録したデータをみつけた。その時間、26.3時間。(中略) われわれは”知的資本”の時代に生きている。大学教育を受けたわれわれホワイトカラーの仕事の75パーセントから90パーセントは、これから10年ほどのうちに、239ドルのマイクロプロセッサに強奪されるだろう。もっと成長し、ますます価値のある人間になるためには、何をしていけばよいのか。ASTDのデータからすると、われわれは自らの成長のために、1日に何と6分もの時間を使っているようだ!」(130頁)「次のような人の場合、年に26.3時間のトレーニング時間を想像できるか? プリマドンナ、バイオリニスト、スプリンター、ゴルファー、パイロット、兵士、外科医、宇宙飛行士。」(131頁)「人は、人間として気持ちよく働かせてくれる組織に魅力を感じ、そこに定着する。この事実は明らかだ。火を見るより明らかだと思う。」(137頁)「誰が才能を理解しているのか? 小学3年生の担任の先生だ!(もしよい先生であれば)先生が携わっているのは才能ビジネスだ。」(138頁)刺激的な本を、再読(あるいは再再読)とはいえ、四冊も続けて読むと、興奮しないほうがおかしいでしょう。「サラリーマン大逆襲作戦」も「マニフェスト」のシリーズもぼくが読んでいない作品がありますので、ご興味のある方は読んでみてください。読んで損をすることはないはずです。
July 12, 2009
コメント(0)
副題:トム・ピーターズのマニフェスト(1)著者:トム・ピーターズ訳者:宮本喜一発行:ランダムハウス講談社 / 2005年10月 / 新書タイプジャンル:ビジネス現代の経営の「グル」の一人と呼ばれるトム・ピーターズの新シリーズ(マニフェスト)からご紹介します。[目次]はじめに第1章 デザイン 新時代の企業の魂コラム:クールな友人、バージニア・ポストレル第2章 デザインの効用 美しいシステム第3章 行動するデザイン 忘れられない経験を与えてくれるコラム:クールな友人、トム・ケリー第4章 経験の一歩先 「夢ビジネス」をものにするコラム:クールな友人、スコット・ベトベリ第5章 デザインの頂点 心からわき出るブランディング謝辞声に出そうピーターズの大宣言訳者あとがき著者紹介共感した箇所のご紹介です。「私の秘訣。「デザインノート」なるものをつくり記入し続けること。私のノートは、シンプルだ。ロンドンのライマンの店で買った。表紙には”クール”と書いた。裏表紙には"ダサい"。そして目に留まったものを記録し始めた。」(32頁)「2.「愛情の対象を記録しよう。小さなノートを用意する。またはパソコン上にファイルをつくる。絶えず愛情をかきたててくれる製品やサービスを記録する。 3.「嫌悪の対象」をバネにする。ノートやファイルには、きわめつけの憎悪をかきたてられるものも記録する。リストの両方に記録した対象が持っている性質について考えてみよう。」(41頁)「システムを考えるとき、頭に浮かぶのが"デブなマニュアル"だ。小さな活字のページが何千とあり、官民を問わずどの組織のどの部署の壁をも覆いつくす。あるいは紙や電子の”デブなファイル”。そこにあらゆる活動の場面で行動しないですむ理由、先延ばしにしてもよい理由を山と積み上げている。」(52頁)「今からでも遅くはない。昔から言い伝えられてきたセールス・マーケティングの知恵に学ぼう(あるいは学び直そう)。”Keep it simple, stupid(単純にしろ、バカもの)”。略してK.I.S.S.」(57頁)「何年も前にウォルマートは社員コンテストを始めた。あらゆる種類の商品や景品を山のように積み上げた。その目的は、社内の全員が参加して「自分たちが社内で子なっている最もバカげた行為」を見つけ出すことだった。(中略) 社内提案システムは、結局(役に立たない)ものの足し算だ。反対に、この制度は引き算にあくまでこだわっている。 足し算は愚か者の所業、引き算は天才の所業。」(59頁)「私の見る限り、企業はあまりにも、単純さ、明快さ、優雅さ、美しさに欠けている。 これらの特質がほとんど存在しない直接的な原因は、多かれ少なかれ、ビジネスで語られていることばに、これらのことばがほとんど存在しない、ということだ。」(64頁)「ハーレーダビッドソンは、モーターサイクルを売っているわけではない。」(75頁)「クラブメッドは、バケーションを売っているわけではない。」(76頁)「ギネスは、ビールを売っているわけではない。 スターバックスは、コーヒーを売っているわけではない。」(79頁)「われわれの案内役、ジョー・パインとジム・ギルモアは、付加価値のある"経験のはしご"にたとえて、彼らの議論を次のようにまとめている。"原材料"が足場を支えている。その上の段に"製品"、さらに"サービス"、そして付加価値の空にそびえる、"経験"がある。」(86頁)「ドリーマーケティング。それは顧客の夢に触れること。 ドリーマーケティング。それは製品ではなく、夢、を売り込むこと。 ドリーマーケティング。それは"大きな夢"を育むブランドの構築。 ドリーマーケティング。それは"評判" "興奮" "熱狂"を呼ぶこと。」(106頁)→「ドリーム」+「マーケティング」の造語です。「・「一目惚れ」 ・「五感に訴えかけるデザイン」 ・「『大きな夢』を 広げてくれる進歩」 ・「何となくその気にさせてくれるデザイン」」(112頁)「ブランディングは、マーケティングの技巧を駆使することではない。いくつかの簡単な(とはいえ難しい)質問に答えることから始まる。つまり、 あなたは何者なのか? あなたの目的は何か? あなたはどのようにユニークなのか? どうすれば圧倒的な違いを生み出せるのか?そして、最も重要なこと、それは 誰が気にしているのか?(あなたは気にしているか?)」(130頁)「ブランディング、その本質は、 意味、ミーニングだ。マーケティングではない。(中略) 最高、でなければ、破滅。あなたはどのようにユニークなのか? ユニーク。これ以上に重いことばはない。絶対に。 ユニークの意味は「ただひとつ」。だろ?(中略)(その相手は)グレイトフルデッドのメンバー、故ジェリー・ガルシア。こう言っていた。「最高の中の最高と言われてるだけじゃ、つまらない。それができるのはあいつだけだ、グレイトフルデッドの存在はまさにそうだった。「それらができるのは"彼ら"だけだ」。彼らは世界を変えた。(ついでながら、私もファンのひとり。)」(135頁)「ナイキは、ナイキという製品を使うという経験を売っている」(142頁)「このように、われわれは、リーダーシップとは「演じること」であり、「ストーリーテリング」だと考えている。ただし、本物のリーダーシップ、特に使命感にあふれたブランドのリーダーシップの本質は、期待以上の何か、だ。それは・・・・・そうだ、こう断言しよう。「リーダーシップの本質、それは愛だ。」」(149頁)このシリーズは横書きの本としてつくられています。またその名の通り、デザインも趣向が凝らされています。別の言い方をすれば、読みにくいとも言えますが。次回(最後です)は同じく「マニフェスト」シリーズから、「リーダーシップ魂。」のご紹介です。
July 4, 2009
コメント(0)
英題:The Professional Service Firm 50副題:トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦(3)著者:トム・ピーターズ訳者:仁平和夫発行:阪急コミュニケーションズ / 2000年6月 / 単行本ジャンル:ビジネストム・ピーターズ氏の「サラリーマン大逆襲作戦」シリーズから、第3弾著作のご紹介です。[目次]はじめに読者ガイド(1) 新会社+お客さん+プロジェクト1 会社設立1a 経理部だっておしゃれになれる2 寝ても覚めても、お客さん3 お客さんを選ぼう3a 自分を高めてくれるお客さんを探そう3b お客さんの人員整理も忘れずに4 すべての仕事をプロジェクトに変えよう4a 精魂込めて5 自分の肩書は自分で決めよう(2) ポートフォリオの質6 お客さんに叱ってもらおう7 プロジェクト・リスト8 ベンチャー・キャピタリスト9 週一回のプロジェクト・レビュー(3) インパクト10 あらゆる仕事をすごいプロジェクトに変える11 自分らしさで妥協するな12 あつく燃えろ13 インパクトの測定14 挑発するのがプロの使命15 お客さんの手を引いて約束の地へ16 政治は浮世の味17 絶妙のバランス18 人を感動させるのがプロ19 ゼニが取れなきゃプロじゃない20 背筋も凍るプロジェクト21 この世に残すもの22 走れメロス22a 浮気できないプロジェクト生活23 こういう会社に、私たちはなりたい23a 人助け(4) お客さんと暮らす24 お客さんはチームのレギュラー選手24a 押しかけ女房になろう24b お客さんをエキスパートにする24c お客さんを崖から突き落とすな25 お客さんに評価してもらう25a 世間がステージ26 綱引きの「たまらない緊張感」27 自分の殻を破るために(5) ドキドキわくわく28 切迫感と興奮を創れ、ときめきとざわめきを創れ29 空間はパート-ナー30 祝杯、祝杯、また祝杯30a 照る日もあれば、降る日もある30b 道化師求む31 汝のサポートスタッフを愛せ32 日程という神の祟りをおそれよ32a 稼いでこそプロ33 方法論34 セールスは他人ごとにあらず(6) 知が資本35 研究開発の伝道師になれ36 ナレッジ・マナジメント37 デザインを考えよう38 強みと弱み(7) タレント39 タレント鑑定家になろう39a タレントを引き寄せる磁石になろう40 ごった煮から生れるもの40a 人の回転をよくして、風通しをよくしよう41 なにかで有名になる41a 敬意は好意より強し42 完全主義は手抜きをしない43 神話創造44 訓練してプロの基本をたたき込む45 OJTにまさるものなし46 利口まるだしの馬鹿47 常人には常識的なことしかできない48 チャレンジ!チャレンジ!チャレンジ!(8) 自分たちのもの49 考え、夢見て、行動する50 自分たちの職場は自分たちで変える訳者あとがき共感した箇所のご紹介です。「お客さんとは、・パートナー・「深い仲」になる人・長く苦楽をともにする人・将来をいっしょにつくっていく人・運命をともにする人・心がつながっている人・強い信頼がなければ、いっしょに仕事をできない人・手に負えない問題に喜々として取り組むプロ・自分の評判の源・口コミの発信源・いっしょに成長していく人・自分が負けるときは、いっしょに負ける人・自分が勝つときは、いっしょに勝つ人」(32頁)「あなたがどういう人間かは、顧客リストをみればわかる。 顧客リストは、あなたを映し出す鏡なのだ!」(34頁)「2. お客さんについて、詳細に記録をつけよう。自分のいちばん大切な資源(すなわち時間)をどのお客さんに使うべきか。いまのお客さんが本当に好きか。どうしても好きになれないなら、どうすればいいか。」(37頁)「自分を試してくれ、プロとしての成長、人間としての成長を助けてくれるお客さんに投資しよう。巨額の投資をしよう(そうでないお客さんへの投資は打ち切ろう)。」(39頁)「セミナーのあと、ある女性の参加者からメモを渡された。見ると、こう書いてあった。「私はコンサルティングの会社を経営していますが、自分の肩書を<代表取締役>から<革命推進役>に変えました。」 やるじゃないか!」(53頁)「1.知能を売る会社は何で成り立つのか? 答え―人材とお客さんとプロジェクトで成り立つ。だから、まず始めに、この三者について、在庫を点検してみよう。」(65頁)「友人(俳優)から聞いたのだが、演劇界ではこう言われているという。「小さい役はない。あるのは、小さい役者だけ。」」(71頁)「自分の「ポジション」を八語で書かなければいけないという人もいれば、三十五語で書ければいいという人もいる。私の意見はこうだ。自分の居場所(ポジション)を確認したほうがいい。」(73頁)「私たちはカッコいい仕事をしている、はずだ。 大事な仕事をしている、はずだ。 だったら、自分の仕事に情熱をもてないはずはない。 燃える経理部、燃える人事部、燃える情報システム部、燃える経理部・・・・・。」(76頁)「デービッド・マイスターは『真のプロフェッショナリズム』の中でこう書いている。 専門的な知識や技能をもつプロにインタビューするとき、私はよく「なぜ、いまのお仕事をしているのですか」と聞いてみる。お金も、意義も、チャレンジももちろん大切だが、私がなによりも聞きたいのは「人を助けるのが好きだから」という答えなのだ。この答えが抜けていると、相手が急につまらない人間に見えてくる。」トム・ピーターズのコメント―異議なし!」(122頁)「「自分だけが知っていることは、なにがなんでも人に教えるな」というのが、これまでの常識だが、これほど人を卑しくするものはない。私の仕事、プロとしての仕事は、日々成長することだ(長い年月のうちには、飛躍的に成長していることだ)。だから、今日の「企業秘密」などになんの未練もない。欲しい人がいれば、いくらでもくれてやる。私の生き残り戦略はただひとつ、毎日脱皮をはかり、つねに人より先を行くことだ。」(136頁)「私がこれまでいっしょに仕事をしてきた一流のプロはみな、おそるべき「個人教授(パーソナル)大学」をもっていた。つまり、創意の泉を涸らさないために、「知恵袋」を大切にしていたのである。彼らは、個人教授大学の教授陣の拡充に余念がなく、最先端にいる人たちの知恵を拝借して、最先端よりさらに先を行こうと考えているのだ。」(151頁)「1.みんなの仕事には、いつもプレッシャーがかかっている。だから、激励する機会、ほめる機会を探すのに、苦労などしないはずだ。ものすごい情熱を傾けている人をほめてあげよう。え、成果も出ていないのに、ほめられるかって? ほめないから、成果が出ないのだ。」(166頁)「知能販会社の心得・サポートスタッフを採用するときは、十分注意を払い、若き弁護士や公認会計士を雇うときと同じ採用基準で選別すべし。・サポートスタッフには十分の報酬を払うべし。・表彰の候補、パーティーの招待リストから、サポートスタッフをはずすべからず。・尊敬に値するサポートスタッフには、尊敬の念をもって接すべし(人を二流市民扱いすれば、賞状も金一封もたちまち色あせる)。」(177頁)「購買部だろうが、財務部だろうが、情報システム部だろうが、研修部だろうが、職に就いている人はみな職人である。」(196頁)「・私たちは「知のビジネス」をしている。 ・知識共有は自然に発生しない。 ・知識共有を促進する簡単な構造と明確なインセンティブが必要になる。 ・知識を引き出し、それをパッケージする人間が必要になる。」(202頁)「たとえば、顧客サービスのあり方を変えるプロジェクトに取り組んでいたら、インターネットに接続し、顧客サービスをテーマにした本を一ダースほど、アマゾン・ドット・コムに注文する。届いた本を次々と読破していって、すごい本にめぐりあったら、さっそくその本の著者に電話をかけ、ぜひお会いして、お話を聞きたいと頼んでみる。」(204頁)「デービッド・マイスターは『専門サービス会社マネジメント』の中で、よそには絶対負けない強みをつくる際に、考えるポイントを八つあげている。・常識をくつがえす求人方法。・卓越した研修。・他の追随を許さない問題解決の方法論。・顧客の相談にのり、助言を与える高い能力。・質量ともに充実した価値ある知識基盤。・プロジェクトとチーム編成に対する独自のアプローチ。・群を抜く研究開発力・マーケティング・スキル、顧客の話を聞くスキル。」(212頁)「給与体系をひっくり返す。プロスポーツでは、下にいるスーパースターが、上にいる監督やコーチの何倍もの給料をもらっている。人事部でも総務部でも、そういう給与体系にしていけない理由はない。タレントには高給をはずもう。」(221頁)「管理職全員を、タレント育成能力で評価する。タレントの鑑定力が社運を左右するなら、タレントを発掘し、育てる能力のない管理職は、まさに無能だということになる。だから、誰かを管理職に昇進させるときには、何よりもまず、その人にタレント育成能力があるかどうかを見なければならない。そして昇進させたあとも、タレント育成の実績で、その人を評価しなければならない。」(223頁)「辞めていく人がいないと(あるいは少ないと)、空気がよどむ。 離職率ゼロの(あるいは低い)プロ野球チームや劇団を想像できるだろうか。もちろん、できない。そうだろ? 期待のルーキーに一か八か賭けてみようとしないプロ野球チームや劇団を想像できるだろうか。答えは同じだろう。」(233頁)「次の中から、お好きな言葉をお選びください。・おそるべき腕前・神も舌を巻く神業・不世出の達人・どえらいやつ・ただものではない・世界一」(237頁)「2. ボーイスカウトでもスポーツチームでも劇団でも何でもいい、自分がかつて属していた「すばらしい集団」について話し合ってみよう。「すばらしい集団」とは何か(私なら、こう断言する。志を果たすために、全員が死力を尽くす集団であると)。そこで得た結論を、現在のプロジェクトに活かしてみよう。」(242頁)「2.週刊『感動速報』を発行しよう(電子メールでもいい)。感動のストーリーを、みんなで共有する習慣をつけていこう。ストーリーを共有財産にしない限り、神話は生まれない。」(248頁)「エド・フリーマンとダニエル・ギルバートは、オリジナリティーに富んだ『企業戦略と倫理の追求』の中でこう書いている。 会社というのは、人間の集まりである。・・・・・会社とは何か、我々の見方はかなり単純である。それは「社員」と呼ばれる人たちのプロジェクトを実現する手段である。会社は、人間が自分の仕事をやりとげる一つの方法にすぎない。少し言い方を変えると、それぞれの目的地への通過点にすぎない。・・・・・会社とは、自分のプロジェクトをやりとげようとする社員間の合意の集積であるともいえる。」(254頁)
June 30, 2009
コメント(0)
著者:ジェリー・ガルシア / チャールズ・ライク訳者:片岡義男発行:草思社 / 1976年5月(1998年6月新装版1刷) / 単行本ジャンル:音楽、哲学1960年代のアメリカで伝説のバンドといわれた「グレートフル(グレイトフル)・デッド」のヴォーカル、ジェリー・ガルシアが語る、「もうひとつの生き方」について書かれた本です。この本は二人の対談形式になっています。[目次]序 チャールズ・ライク1 新しい生き方を目ざして 1) 十五歳でドロップ・アウトしてから 2) ロックンロールの直撃を受けて2 新しい生き方のなかでもうひとつの生き方? 片岡義男共感した箇所のご紹介です。「現代のアメリカは、体制がもはやかたまりすぎ、超管理状態にあるため、なにか新しいことをしている人たちにとっての唯一の突破口は、ドロップ・アウトすることなのだ。 管理社会のいいなりになっていると、自分の一生をそれこそ文字どおり「なんにもしないで」終わってしまうことになりかねない。」(9頁)「ガルシア ぼくは、個人的な哲学というものを持たない。ぼくが持っているものといえば、循環を感じとる能力だけだ。ぼくが考えるのだが、ものごとはなにごとによらず多かれ少なかれ、循環している。いろんなことが、周期をもって、起こってくる。だからその周期が自分にとってもっとも不利になっていくことがたとえあっても、大局的には均衡がとれていて、これが、時というものの機能なのだと思う。」(51頁)「ガルシア 教えるということは、結局、教え方の問題なんだ。しかし、誰もが人に教えるというのは、よくないと思う。人はやはりなにかをやるべきなんだ。たとえば音楽を学ぶときには、音楽のあるところへいけばいい。それが、音楽を学ぶことだ。ぼく自身、音楽を教えてもらったけれど、教えてくれる先生というような存在は、ぼくにとっていたためしがない。 生きるということは、基本的に言って、前へ向かっていくことなんだ。生きていけば、より多くを知り、より多くのことがらを発見していく。さらにいろんなことがおこってきて、より多くのことがわかっていく。ずっとひとつにつながって、つづいていくわけだ。」(151頁)「ジェリー・ガルシアは、十五歳のときにドロップ・アウトしたという。 ドロップ・アウトとは、なにだろう。 この本のなかでジェリーが語っているところによると、ドロップ・アウトするということは、生きるということを社会的な一般的な視点からとらえるのをいったんやめにして、ごく個人的な感性のレヴェルでとらえていくことなのだ。 これは、さほど特別なことではない。」(230頁)「自分はこれをやるのだときめたこと、見つけたことをやりつづけることによってのみ、ジェリーの言う「新たなる空間」つまり「もうひとつの生き方」が、ただ単なる夢ではなく、自分の日常をとりまく現実のものとなっていく。 ハイとは、理想の社会を自分の生活からつくっていこうとすることなのだ。」(233頁)「良質のドロップ・アウトたちとつきあってつくづくわかるひとつのたしかな事実は、自分の好きなものとして一生やりつづけていけることがらとの健康的なつきあいをとおして、その好きなことにかかわるたいへんなトレーニングを自己に課し、ながいあいだの自己訓練をへて、彼らが高度にプロフェッショナルになっている、という事実だ。」(234頁)「人と人とのコミュニケーションに、ひんぱんすぎるほどについてまわる否定のパワーやマイナスのエネルギー、つまりひとことで言えば、抑圧だが、この抑圧を必要としなくても、人間の集団生活は社会として成り立つのだということを実証しようとしている世界、それが、ジェリーの「もうひとつの生き方」であり、ジェリーはその生き方を、コズミックな共感世界へ持っていこうとしているようだ。」(235頁)ドラッグを使ってハイになって演奏するミュージシャンが、わざわざ生き方を説くのか、という先入観のもとに読み始めました。親しんだ片岡氏の繰り出す文章の力だけではなく、ジェリー・ガルシアという人間の哲学、彼の言う宇宙とのつながり、その世界に圧倒されます。チャールズ・ライクは、それを宗教だと言います。仕事とは、コミュニケーションとは、そして生きるとは、そんなことに迷っている若いひとにお勧めします。ただ、片岡氏の文章に不慣れな人にとっては、読みづらい部分があるかもしれません。
June 26, 2009
コメント(0)
『ブランド人になれ!』(評価★★★★★)英題:The Brand You 50副題:トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦(1)著者:トム・ピーターズ訳者:仁平和夫発行:阪急コミュニケーションズ / 2000年3月 / 単行本ジャンル:ビジネス[目次]はじめに読者ガイド1 自分の人生が帰ってきた1a 大きくなったら何になりたい?(あなたはもう大きくなった)2 ついに来た、ホワイトカラー革命!3 自分の名前をブランドにする3a あなたまるごとハウマッチ?4 四つのツール(練習教材)4a 自画像(アイコン)5 あなたの仕事は、くだらない仕事か5a あなたも達人になってみないか6 さて、どうパッケージしようか7 自分という名の企業8 自分が大切にしているもの9 ビジネス力9a 八つの頭をもつ怪物10 ビジネスというゲームはおもしろい11 自分を世間にどう伝えるか12 名刺を捨てられないために13 していることを見れば、その人がわかる14 政治は汚い仕事ではない15 つまらない仕事を黄金に変える15a くだらないことはやめる16 金が積もれば、心が萎える17 プロジェクトのポートフォリオ17a プロジェクトの魅力が、あなたの魅力18 一点集中19 お客さんは、あなたの鏡20 お客さんとともに生きる21 極めれば、唖然22 コミュニティーづくり22a 新しい時代の新しい忠誠心23 ヘンな人と友だちになろう24 デザイナーにあらずんば、ブランド人にあらず25 絶えず新しい品揃えを26 虹の上を歩いていこう27 鳥肌が立たないものなんて・・・・・28 あなたのステージを、みんなが見ている29 上司の心得30 アイデンティティーは「よそ行き」ではない31 ブランドは信頼のマーク32 たかが名刺、されど名刺33 インターネットで何をやる?34 話術は大切なブランド術35 気持ちが暗くなったら勝てない36 リニューアル!37 若返り計画38 実践・リニューアル5038a 誰だって厚い壁にぶちあたる39 後ろ盾活用術40 現場に向かって走れ!41 人を見る眼があるか42 志のないブランドなんて・・・・・43 ブランド人は「生き方の手本」を示す44 権力は必要善45 うわさの男/うわさの女になろう45a それで、あなたの商品(うりもの)は?46 たった一人で世界を制す47 売る!48 ブランド人=営業マン49 命がけで守るもの50 晴れて自由の身になって、泣くヤツがあるか訳者あとがき共感した箇所のご紹介です。「昔の職人は、仲間づきあいと世間の評判を大切にし、修練研鑽を怠らず、誇り高く、自分の腕一本を頼りに生きてきた。これを現代の言葉に直すと、要するに、自分の名前をブランドにしていたのだ。」(36頁)「3.これからは毎日、自分にこう問いかけてみよう。 自分が今やっていることは、自分のブランド化になにか役立つだろうか? 答えがノーなら、時間の使い方を考え直したほうがいい。」(39頁)「一、ブランド価値・チェックリスト1.自分はいま、いくつのことで名前を知られているか、今後一年間に、その分野をいくつ増やそうと思うか。2.現在進めているプロジェクトで、自分の力をほんとうに試されるものがいくつあるか。3.この三か月の間に、新しく学んだことがいくつあるか。4.この三か月の間に、名刺ホルダーの中に重要な人の名刺が何枚増えたか。5.現在、自分が断然目立っていることはいくつかるか。6.この三か月の間に、履歴書に箔を付けるために何をやったか。7.現在の履歴書は、一年前の履歴書とどこが違うか。」(43頁)「四、バンパーステッカー 一九九八年十一月の中間選挙のとき、ある候補者にこんなことを言った新聞記者がいた。「どうもあなたのことがよくわからない。バンパーステッカーを作ってくれませんか」。いい考えだ!あなたもパンパーステッカーを作ってみたらどうか。」(45頁)「自分のことを一個のパッケージだと思っている人は少ないだろうが、実は、人は誰しもパッケージなのだ。(中略) 自分をブランドに仕立て上げるコツは、自分をどうパッケージすれば、メッセージを的確に伝えられるかを考えることだ。」(59頁)「自分にはどういう能力があるのか。自分はどういう性格なのか。自分の得意技は何か。その他大勢と自分がはっきり違うものは何か。自分が経営者で、自分を雇うとすれば、年に七万ドルも払う気がするだろうか。あるいは自分がお客さんで、自分にサービスを頼むとすれば、一日八〇〇ドル払っても安いと思うかどうか。問題は、パッケージだ。」(61頁)「予定表は神聖なり。毎日、状況は刻一刻と変わるが、それでも、自分の予定表はテレビ局の番組表と同じものだと考えていい。大統領の秘書官に負けないくらい、真剣にその日の予定を考えてみよう。あなたの一挙一動がメッセージをもっている。片時も息は抜けない。どんな些細なこともおざなりにできない。あなたがその日何をやるかで、あなたのブランド・イメージは上がりもするし、下がりもする。自分が、自分という会社のスポークスマンになり、広報マンになり、メッセージ・メーカーになるのだ。」(66頁)「・自分はいったいどういう人間か ・自分の商品(うりもの)は何か ・それは何がスペシャルなのか ・類似品と何が違うのか ・その信頼性をどう表現すればいいのか ・自分がすすんでることをどう伝えればいいのか ・自分がカッコいいことをどう伝えればいいのか」(85頁)「ブランドとは、さわれるもの、さわれないもの、見えるもの、見えないものの複合体である。たとえば、コカ・コーラが売っているのは、不思議な味がするドリンクだけではない。安心感、爽快感、疲れたときのひとやすみ、仲間と談笑する楽しさ・・・・・いろいろなものを売っている。この「プラスα」がなければ、あれだけのブランドにはならない。」(86頁)「少しでも時間が見つかると、あれもこれもと手を出すヤツがいる。仕事も遊びも細切れにしかできないヤツがいる。どうでもいいことに忙殺されて、時間が足りないとぼやいているヤツがいる。大馬鹿者!時間を大切にして、はじめて時間ができる。」(93頁)「トム・ワトソンが言ったことには、まったく賛成である。「エクセレンスへの道は、いますぐ、エクセレントではないことをすべてやめることだ。」 言葉にすれば簡単だが、やるとなれば難しい。 くだらないことをやめる=エクセレンス+ブランド人への第一歩」(105頁)「ブランド人=抜群=実行=鬼神のごとき一点集中」(119頁)「お客さんへの思いやりがないのなら、困っているお客さんを命がけで助けようと思わないのなら、ブランド人になろうなどとは思わないほうがいい。あなたも私も、人助けのプロなのだ。その意味で、私たちは全員が救急隊員だ。」(127頁)「プロのサービスは、ひとの悩みを聞き、ひとを助け、苦しみを分かち合うのが商売だ。私たちはみんな、特殊技能を持っている(そうでなきゃ、そもそも技能を磨く必要はない)。しかし、人間らしい心をもたなければ、お客さんと心が通い合わなければ、どんな特殊技能も児戯に劣る。このことを考えてみよう。親しい同僚と話し合ってみよう。冗談ではなく、ここが、ブランド人になれるかどうかの境目なのだ。」(128頁)「いまは、おかしな時代だ。この点については、みなさん全員がうなずくだろう。だから、みなさんもおかしくならなければ、時代についていけない。自分がどこまでおかしくなれるかは、付き合っている人のおかしさで決まる。」(141頁)「私は何よりも恐れているのは、澱んで腐ることだ。それを避ける方法はひとつしかない。私の頭を攪拌してくれるもの(すなわち変わり者)に、絶えずわが身をさらすしかない。 いつも同じ仲間と昼食をとり、いつも同じ顔ぶれの会議に出席し、いつも手慣れた仕事だけをやるのは実に楽だ。一方、自分とはまったく考え方の違う人と付き合い、自分の信念が揺らぐような発想にいつもわが身をさらすことは実にしんどい。」(142頁)「ひとめでわかる、おトク、きれい、優雅、やさしい、誠実―その総体があなたというブランドだとすれば、それをどういうシンボルマークにデザインすればいいのか。デザインでライトアップしてはじめて、あなたのすばらしさは輝く。」(146頁)「どんな障害が起ころうと、なにがなんでも、約束は守らなければいけない。言い訳はいっさい許されない。(中略) あの人に頼めば大丈夫―そう言われる人が、ブランド人である。」(168頁)「あなたの正体を明かすもの、たいての場合、それは名刺である。 名刺は、相手の心を動かすか、動かさないか、そのどっちかしかない。」(172頁)「ビッグ・プロジェクトだろうが雑用だろうが、自分を大きくしてくれるものが仕事である。そうでないものは、蹴っ飛ばせ!仕事だけでなく、私生活でも話は同じだ。成長のない人生など、生きるに値しない。」(189頁)「・憂鬱を追い払うために・・・・・。T・H・ホワイトの『永遠の王』の中で、予言者のマーリンは王にこう言っている。「うちひしがれたときに一番の妙薬は、何かを学ぶことよ。決して失望せず、心が決して倦(う)まず、さまよわず、恐れや不信や後悔に決して苦しめられることのない唯一のもの、それが何かを学ぶこと」」(190頁)「いくら頑張っても前に進めないときに、自分には素質がないなどと諦めてはいけない。目には見えないところで、力が蓄えられているのだから・・・・・。それは、学んだことをしずかに吸収している時間なのだ。学んだばかりでまだバラバラになっている情報やら技術やらが、頭の中で、体の中で、互いに結びついて壮大な回路を形成していく時間なのだ。」(207頁)「一流のコンサルタントは、どんな小さなことでも、崔真極秘情報をじかに仕入れるため、一直線に現場に向かう。どんな問題でも、どんな状況でも・・・・・。これはぜひとも見習いたい。現場に強い味方をつくろう。現場の人たちと仲良くなると、会社の健康状態と自分がやった仕事の成果が手に取るようにわかるから・・・・・。」(213頁)「ブランド人は会社を頼らず、・自分の腕を頼りに、・輝く個性を頼りに、・同志のネットワークを頼りに、・プロジェクト(すごいプロジェクト)を頼りに、・成長を頼りに、生きる。」(226頁)「1. マーケティング=オーラ2. マーケティング=名前を覚えてもらうこと3. マーケティング=イメージ4. マーケティング=あなたの評判/あなたのうわさ」(233頁)「商品(うりもの)なくして、ブランドはなく、マーケティングなくして、ブランドはない。 あなたの商品は何か? あなたが提供する商品は、ほんとうに、お客さんにお金を払ってもらえるだけの価値があるか?」(237頁)「あなたは営業ができるか。商談ができるか。ひとが取ってきた仕事をやるのが雇われ人、自力で仕事を取ってくるのがブランド人だ。(中略) 仕事を取ってくる人 その人がいちばん偉い ブランド人=企業人 ブランド人=商品(よそじゃ売ってない商品) ブランド人=商品のすばらしさを伝える ブランド人=営業マン(セールスマン)」(244-245頁)トム・ピーターズ氏の著作は他にも所蔵していますので、引き続き紹介していきます。中でもこの本が一番心に響く1冊です。
June 23, 2009
コメント(0)
著者:貝原益軒訳者:伊藤友信発行:講談社 / 1982年10月 / 文庫本ジャンル:健康、人生江戸時代の儒学者、貝原益軒の記した「養生訓」(全8巻)の現代語訳です。2008年5月で48刷発行されているこの本が、なぜ読まれているのかをご紹介します。[目次]学術文庫版『養生訓』に寄せて 筧泰彦凡例『養生訓』を読む人のために『養生訓』全現代語訳 巻第一 総論 上巻第二 総論 下巻第三 飲食 上巻第四 飲食 下 飲酒 飲茶ならびに煙草 情色欲巻第五 五官巻第六 慎病(病ヲ慎ム) 択医(医ヲ択ブ)巻第七 用薬巻第八 養老 育幼(幼ヲ育ム) 鍼 灸法『養生訓』原文『養生訓』の内容と現代的意義あとがき共感した箇所のご紹介ですが、現代語訳から抜粋させていただきます。「養生法の第一は、自分の身体をそこなう物を除去することである。身体をそこなう物とは内から生ずる欲望と外からやってくる邪気とである。 前者は、飲食の欲、好色の欲、眠りの欲、言語をほしいままにする欲や、喜(よろこび)・怒(いかり)・憂(うれい)・思(おもい)・悲(かなしみ)・恐(おそれ)・驚(おどろき)の七情の欲をいう。後者は、風(かぜ)・寒(さむさ)・暑(あつさ)・湿(しめり)の天の四気をいうのである。」(31頁)「身体を保護して養生するためん、忘れてはならない肝要な一字がある。これを実践すれば生命を長くたもって病むことはない。親には孝、君には忠、家をたもち身体をたもつ。何を行っても間違いは生じない。ではその一字とは何か。「畏(おそれる)」ということである。」(37頁)「人生は五十歳くらいにならないと血気がまだ不安定で、知恵も出ないし、昔から今までの歴史的な知識にもうとく、社会の変化にもなれていないので、間違った言も多く、行いに後悔することがしばしばである。人生の道理も楽しみも知らない。」(41頁)「天地・父母から受けたところのきわめて大切な身をもちながら、これをたもつ方法を知らないで、身をもちくずして大病となり、身を失って早世することは、まことに愚かなことである。天地・父母に対して大いなる不孝というべきであろう。」(47頁)「世間には財産や地位、そして所得ばかり求めて、ひとにへつらったり仏神に祈ったりするものが多い。が、そうしても効果はない。無病長生を願って養生をし、身を保持しようとするひとは稀である。財産や地位や所得は外にあるもの。求めても天命(運)がないと得られるものではない。 無病長生はわが内にあるもの。求めるならば得られよう。求めても得がたいものを求めて、得やすいものを求めないというのはどうしたことか。愚かなことである。たとえ財録を求めることができても、多病で短命ならばどうにもならない。」(52頁)「心を静かにして騒がしくせず、ゆったりとしてせまらず、気を和(やわらか)にして荒くせず、言葉を少なくして声を高くせず、大笑いせず、いつも心を喜ばせてむやみに不平をいって怒らず、悲しみを少なくし、どうすることもできない失敗をくやまず、過失があれば一度は自分をとがめて二度とくやまず、ただ天命にしたがって心配しないこと、これらは心気を養う方法である。」(68頁)「精神力を用いないと欲には勝てないものである。欲に勝つには剛の一字を実行することだ。病気を恐れるには「怯(つたな)い」のがよい。怯いというのは臆病の意味である。」(89頁)「茶の性は冷である。酒の性は温である。だから酒は気をのぼせるが茶は気を下げる。酒に酔えば眠り、茶を飲めば睡気がとれる。」(136頁)「医は仁術である。仁愛(ひとを愛しひとを思いやる)の心と本(もと)とし、ひとを救うことを第一の志とすべきである。自分の利益を中心に考えてはいけない。天地の生育となるところの人間を救済し、万民の生死を支配する術であるから、医者を民の司命(しめい)といって、きわめて大切な職分としている。」(180頁)『養生訓』は益軒が八十三歳のときに書き、翌年出版されたと書かれています。現代ほど医療も発達しておらず、また平均寿命も短かったはずです。この本は儒学者・貝原益軒が書いた本であり、医者が書いた本ではありません。冒頭で書きました、この本がなぜ今も読まれるのかの回答の一つが、433頁にあります。訳者ご自身のお言葉で書かれたものですので、最後にそれを引用します。「(こうしてみると、)『養生訓』は医学上の養生訓というよりは、心を問題とする人間学的養生訓というべきものといえよう。しかもそれは禁欲主義を基底とする人間学でもあったのである。が、禁欲とはいっても、「時宜(じぎ)にかなひ、事変に随(した)がふ」自然の態度における禁欲であることは忘れてはならない。」(433頁)
June 15, 2009
コメント(0)
副題:「コトバの力」を鍛える超技術!著者:北岡俊明+「ディベート大学」発行:こう書房 / 2006年3月 / 単行本ジャンル:言語、日本語論理力はどうやって鍛え、自分の血肉とするのか。ディベートとは何か。ディベートのプロである北岡氏が明かす、論理力の鍛え方を学びます。[目次]はじめにプロローグ 論理力を飛躍的に高める方法第1章 結論を先に話すこと第2章 「あいまい語」と「あいまいな表現」を減らせ第3章 慇懃無礼なバカていねい語をやめる第4章 言葉を定義しよう第5章 定義の誤りを指摘しよう第6章 論理・論点のすり替えに注意する第7章 議論の前提が正しいか否か第8章 全肯定・全否定で考えること第9章 価値判断後の使い方第10章 カタカナ語を減らせ第11章 擬音語・擬態語・擬情語の使い方おわりに日本ディベート研究協会「ディベート大学」の活動ご協力いただいた「ディベート大学」会員共感した箇所のご紹介です。「もともと学問は実践から生まれたものである。論理を体系化した論理学は、ギリシャ人の議論・討論・論争の中から、誕生したものである。」(4頁)「それではコトバの訓練の方法とは何か。それが、只管(しかん)朗読であり、只管文章であり、只管スピーチであり、只管ヒアリングである。すなわち、良い文章を、ただひたすら朗読し、ひたすら書き、ひたすら話し、ひたすら聞くということだ。」(20頁)「むしろ俳優・演劇人には両方できる人が多い。名優仲代達也や森繁久弥などはその筆頭であろう。これはセリフの(只管)朗読を通じて、おのずから、文章の達人になったのである。俳優や演劇人は、長年、セリフを通じて、只管朗読をやってきたようなものである。文体・文型が身体に叩きこまれている。だから自在に文章が書ける。自在にセリフがしゃべれるようになっている。」(24頁)→この両方とは、スピーチ力と文章力のことです。「グローバル時代の掛け声で、英語の必要性は高い。しかし、日本語すら満足に話せないのに、英語などは夢のまた夢である。日本語の英語べたは、英語べたというよりも、日本語べたや迫力不足ではないかと私は思う。英語力のせいにするのはおかしい。人間は、自信や信念や気概があれば、発音が下手でも、堂々と話ができる。堂々たる態度は、愛国心や自国の文化に対する自信や誇りから生れるものである。」(34頁)「論理とは明瞭明晰であること、矛盾がないこと、首尾一貫していること、科学的であること、数学的であること、分かりやすいことである。(中略) あいまいな表現とは、単純に、単刀直入にいわず、まわりくどい、もって回った表現、慇懃にして分かりにくい表現をすることである。」(36頁)「コトバを定義しないのは、日本文化のあいまいさに関係がある。日本人があいまいさを好み、明瞭明晰にすることを嫌うならば、論理の文化が普及するには時間がかかるだろう。グローバルスタンダードとは、明瞭明晰で、論理的であることだ。あいまいさは非グローバル化である。」(99頁)「信念や哲学のない論理力は論理力ではない。いとも簡単に相手の脅しに屈して、信念を曲げるような論理は論理ではない。こういう本物の論理力は、テキスト本では養成できない。徹底的なディベート、すなわち、おのれの信念の是非が問われるような激しいディベート討論の訓練こそが、ほんものの論理力を育成するのである。」(124頁)→日本国と外国との領土問題が解決しないのは、こういうところに原因があるのでしょうね。「ディベートとは論理学の実践版である。というよりは、二千年前、ギリシャ時代、人々が都市国家の広場に集まり、ディベート(議論、討論、論争)をしたことから論理学が誕生した。議論や討論が先である。学問は後から体系化したものである。」(140頁)「思考には三つの要素がある。判断、推理、概念である。これを思考の三要素という。」(141頁)「戦後教育の最大の欠点は、技術やハウツウは教えても、人格や人間性を教えないことである。いわゆる道徳教育がない。(中略) 学校や職場のディベート教育や論理教育も議論のテクニック堕したハウツウ教育である。当然、戦略的ディベート、戦略的論理などは教えない。ディベートや論理は、切れ味が鋭い刀と同じである。殺人剣にもなるし、活人剣にもなる。それゆえに、ディベート力や論理力を発揮する際の、心構えや人間性を教えることがきわめて重要なのである。」(158頁)→一部脱字がありますが、原文のとおりです。「論理的であるための基本は、全肯定・全否定の立場に立つという思考に慣れることである。自分の思考作業を全肯定・全否定にすることである。」(166頁)→つまり、あいまいな部分をなくす、ということです。「価値判断力があるか否かで、大人と子供の違い、ものごとを論理的・科学的に見えるか否かが決定される。それほど重要である。」(178頁)「日本人は、テキストで論理力を学習しようとする。しかし、欧米人は、実践的な討論を通して論理力を鍛錬する。どちらが優れた方法かはいうまでもない。 身体で覚える技術は、実践で鍛えるしかない。論理というものは千変万化する。教科書のような決まった定式はない。ボクシングと同じである。どこからどのような論理が飛んでくるか分からない。実戦練習しかないのである。」(186頁)「カタカナ語の濫用は要注意である。カタカナ語はあいまいであり、意味が明瞭明晰に定義されていないからである。(中略) 筆者が時代小説を読むことをすすめるのは、カタカナ語がないからである。(中略) とくに、柴田練三郎の「眠狂四郎シリーズ」は、文章訓練・文体訓練として勧めている。簡潔な文章、細やかで豊かな表現力は、見事としかいいようがない。時代小説はカタカナ語を使わないで表現するための理想的なテキストである。」(189頁)「明治時代の知識人、西周や森鴎外や福沢諭吉が、外来語を日本語に翻訳した苦労には、外来語を日本に啓蒙し普及させるという明白な知識人としての責任があった。」(195頁)「松尾芭蕉の奥の細道にでている俳句を読むと大変分かりやすい。文字の奥の奥を読んで意味を把握せよ、という難解なものはない。芭蕉の俳句が分かりやすいということは、単純とは違う。俳句の言葉は論理的であり、同時に感性的、情緒的である。感性や感覚でとらえた対象をわかりやすく表現することにかけて天才的であったのだろう。」(218頁)「(だからこそ、本分で取り上げたように、)筆者は、歴史最高のディベーターは西郷隆盛であると言っている、たとえ寡黙でも、無口でも、西郷のように、鋭く真理を突き、肺腑をえぐるような発言に勝るものはない。「一言の真理は万言の弁舌に勝る」。」(227頁)ディベート、論理力という観点から日本語を考える、という経験を持たない人にお勧めします。日本語を鍛えると言うことは、自分自身の日本人としての本質を高めることにもなると思います。
June 9, 2009
コメント(0)
副題:会社がみるみる強くなる著者:大久保恒夫発行:かんき出版 / 2005年1月 / 単行本ジャンル:ビジネス、経営経営コンサルタントとしてユニクロ、良品計画(無印良品)の業績回復に貢献した大久保氏の著作です。小売業に携わる人には必読でしょう。[目次]まえがき1章 経営者は現場を動かせ2章 すべてはお客さまのために3章 マネジメント・レベルを上げる4章 スピードを常に意識する5章 集中は力なり6章 差別化して勝つ7章 課題は情報のシステム化と商品開発8章 現場を動かすマネジメント十カ条 一条 仕事の価値を高める 二条 自分で考えて実行させる 三条 仕事が簡単にできるようにする 四条 優先順位をはっきりさせる 五条 具体的な話をする 六条 成果をはっきるわからせて誉める 七条 どんどん誉める、失敗しても誉める 八条 情報をオープンにする 九条 その場で直ちに意思決定する 十条 現場を把握し理解するまとめ 最後のメッセージ共感した箇所のご紹介です。「(また、)徹底力を高めるために「5Dを覚えろ」という運動もやりました。 5Dとは「元気を出せ」「声を出せ」「気持ちを出せ」「スピードを出せ」「知恵を出せ」。五つの「出せ」つまり5Dです。」(20頁)「マネジメント・レベルとは、経営トップが学者のような理論的に高度なことを言うのではありません。トップと現場とがどれほど情報を共有し、」コミュニケーションを密にしているか、頭脳からの命令で瞬時に手足を動かすことができるか、ということなのです。」(23頁)「組織の上下左右ですべての情報を完全に共有し、本部の指示やトップの方針を自分の頭で直ちに具体化して行動に移せる人間・・・。つまり「作業員」から「商人」へ、すべての従業員が変身しなければなりません。」(34頁)「お客様が買いたい商品が目立って、売り込まれていて、自分が欲しい商品があれもこれもいっぱいで並んでいれば、お客様は、この店は品揃えが豊富だ、と感じてくださいます。それこそが、もっとも活気のある売り場なのです。」(39頁)「売れ筋商品をアピールして、結局は品数が減っていっても、お客様にとっては、自分の欲しい商品がアピールされていて、その中から選べる状態になったので、「品揃えが良い」と言われるようになったのです。」(42頁)→ユニクロの再建を例にしています。「コストとは、お客様に満足していただくための、人的・物的活動にかかる費用である」(52頁)「「小売業の仕事は単調で、喜びが少ない」 と感じている人が意外に多いようです。 なぜでしょうか。それは、売り場の人たちがお客様志向をしていないからです。売り場で何が売れているか、何が品切れしているか、お客様が何を求め、何に不満を感じているかへの関心が低すぎるのです。」(59頁)「経営幹部たちは会議が好きですが、役にも立たない会議ばかりしていると、現場とのギャップは広がるばかりです。問題点を会議で解決することはできません。会議では問題点が把握され、対応策が決定され、それを現場で具体的に実行してその結果が報告される。そのようにして、現場の問題が少しずつ解決されていくのです。」(71頁)「正しい方針を打ち出すためには、まず、現場の問題点をすべてオープンにしなければなりません。問題点こそ、素早く正しく報告される必要があります。そこでオープンにされた現場の問題点を、全社を挙げて解決していくのです。」(72頁)「ユニクロではこれを 「作る人が売ることを考え、売る人が作ることを考える」 という言葉で表現しています。互いに相手の領域に踏み込んでオーバーラップすることによって、情報を共有するのです。」(75頁)「多くの会社では、商品部は自分用の帳簿を作ってみていて、販売部はまた別の帳簿を作って、お互いに別の帳簿を見ています。それでは話があいません。売り場は一つなのですから、互いに共通する帳簿を開発して、立場の違う人たちが常に同じ帳簿を見るようにします。そこから、問題点を見つけて、手を打って、その成果を確認するのです。」(77頁)「もう一つ重要なのは、両者の側からともに、意思決定ができる人たちが出席するということです。意思決定ができない人たちが話し合っても、 「それは上司に確認してから決めます」 ということになって、スピードは上がらないし、何も決められません。」(77頁)「売り場や倉庫にある在庫を、できるだけ早く、たくさんのお金に代える方法を考えなければ、商売は成り立ちません。売り場の商品がお金に見えてくれば、つまりサラリーマンや作業員ではなく、商人の目で見られるようになれば、在庫管理に対する関心も変わってくるはずです。」(136頁)「お客様のニーズに合った商品を作るために、もっとも安く品質の良い素材・原材料はどこにあるのか、それをどこで誰に加工してもらうのが一番良いか、物流はどうすべきかといったことを考えるのが、バイヤーの仕事なのです。」(188頁)「抽象論で話をして、自分の行動に移すのは現場の仕事だとするのは、責任逃れにほかなりません。」(203頁)「今まで多くの企業の経営改革を実行してきましたが、成功のためのポイントがいくつかわかってきました。それは次の三つです。 1)組織のすべての人がお客様志向をすること 2)計画や書類の作成よりも、現場の人の行動を変えることを重視すること 3)大きな成果につなげるには、集中することとスピードを上げること」(214頁)営業職をしていたときに、チェーンストア業界ともお取引がありましたので、興味深く読みました。小売業に特化して書かれていますが、それ以外の業種でもヒントはたくさんあります。著者がまえがきで述べられているように、大切なことは、繰り返して何度も書かれています。
June 4, 2009
コメント(0)
副題:生き方の知恵、死に方の知恵著者:今泉正顕発行:三笠書房 / 2005年9月 / 文庫本ジャンル:人生これからの人生の「目標」と「設計図」をどう描くかをテーマに書かれた本です。[目次]はじめに 「人生の値打ち」は四十代からの生き方で決まる!一章 人生後半の「企画書」の立て方 ”終わりから逆算する”から見えてくる!・折り返し地点、あなたはどう曲がりますか?・”天気”に左右される生き方をするな!・「イザとなれば誰かが守ってくれる」は錯覚二章 四十代から生まれる「人間的魅力」 年を重ねるほど賢くなる人、愚かになる人・男からも女からも「人望がある人」になるために・「人間的魅力」はどこから生まれる?・年齢にふさわしい、この「賢さ」を持っているか?三章 四十代、人生の優先順位の決め方 「大物」になるか、「小物」で終わるかの分かれ道・人生の後半戦、何を目標に生きるか?・今、このときこそ”足元”を固めよ・「仕事の設計図」が頭に描けているか?・男四十代、大物になれる人の”気配り”四章 四十代の遊び方、ここで愉しみなさい! 「本当にやりたいこと」を実現するための考え方・”やり残し”という荷物を背負っている人は・人生のオンとオフ 頭を切り替え、”遊び心”を持つ・人生を愉しむための、ちょっとした”冒険心”・大人の遊び方 これだけは知っておけ!・”遊び方を知っている人”の好感度五章 「独りになっても強い人」になる! これからの人生を「誰と」「どんなふうに」過ごすか・「以心伝心」は通用しない・年を取るほど、友を多く持ちなさい・人間、最後はみな「独り」になるのだから六章 いい年の取り方、悪い年の取り方 その人の”器量”はここに表れる・年とともに賢くなる人、愚かになる人・五十代、六十代を笑って過ごすプログラム七章 養生訓 これを知らなければ一生損をする マジメすぎる人間ほど人生を楽しめない・三六五日を「上機嫌」で過ごすために・医者、病院、薬 ここをしっかり見極めよ・「わかっちゃいるけど、やめられない」なら、ほどほどに楽しもう八章 「人生の達人」たちから何を学ぶか? 生き甲斐を持つ人の、人生の愉しみ方・”自分の人生”を生きた人々・こんな凄い生き方もある!共感した箇所のご紹介です。「四十歳までは、親が創ってくれた顔 四十過ぎからは、自分が創った顔 男でも、女でも、顔は「自分の履歴書」だ 「いい顔」を創るには、時間がかかる」(18頁)「「四十歳になったら惑うべからず」 孔子は”四十不惑”と言った 自分なりの「人生の企画書(シナリオ)」をつくり ”計画的に老いる”ことを教えている」(22頁)「人に接する時は、暖かい春の心 仕事をする時は、燃える夏の心 考える時は、澄んだ秋の心 自分に向かう時は、厳しい冬の心」(26頁)「中国・南宋時代の官吏であり、哲学者であった朱新仲が書いた『人生の五計』というのがある。「帝王学」の師と言われた安岡正篤氏がよくこれを説かれていた。一、生計 われいかに生くべきか二、身計 われいかに身を立てるべきか三、家計 われいかに家庭を営んでいくべきか四、老計 われいかに老いていくべきか五、死計 われいかに死すべきか」(30頁)「作家の吉川英治さんが、色紙を頼まれると好んで「吾以外皆吾師」と書かれていたが、小学校も満足に出ないで、生活のためにいろいろな職を転々として、苦労しながら大作家になっていった。自分の半生を振り返ると、自然にこの言葉が浮かぶのであろう。」(51頁)「「下問を恥じず」という言葉がある 「学ぶ」ためには、上下、貴賎は問わない とくに自分より下の部下や後輩からも 謙虚に学ぶ姿勢を持つべきだ」(52頁)「仕事にも人生にも、「優先順位」がある そのサバキができないのは、グズな人間だ 「忙しい仕事は、忙しい人に頼め」 という要領、感覚(センス)を磨けば簡単なことだ」(62頁)「「優先準備」を決めると同時に 自分なりの「締め切り日」も設けよ 目標達成の期日があいまいだと とかく腰砕けになりやすい」(64頁)「(たとえば、)四十代で、八十になったらどうしよう、八十になる四十年後の社会はどうなるだろう、という遠大な計画も悪くはないが、時代の変化はものすごく速い。今からあれこれ考えても取り越し苦労だ。まず、今に生きることだ。」(77頁)「「はじめに終わりを思う」」 これは『聖書』にある言葉だ あなたは「残りの人生」を 逆算したことがありますか 自分だけの「時間割」ができていますか」(90頁)「人生の「時刻表」は、 固定したり、細分化したりせず 大雑把でいい 状況の変化で行き先が変更できるように 「人生の旅」は片道キップなのだから」(96頁)「「会社人間」と同時に「趣味人間」になれ 「四十の手習い」を恥じずに始めよ 交友の輪が広がり、意外な発見がある 人生が豊かになり、楽しみが増える」(108頁)「「出会い」と「縁」は不思議な関係だ いい人に出会えば「良縁」が得られる」 悪い人と出会えば「腐れ縁」が続く 人生の幸・不幸は すべて「めぐりあい」だ」(132頁)「神戸大学教授などを務めた人生学の師・森信三氏は、友だちの中でも畏友についてこう述べている。「畏友と呼びうる友を持つことは、人生の至楽の一つであるといってよいだろう。つまり畏友とは、自分が常に”及び難し”との考えを抱いている親友であるから」」(135頁)「「一笑一若(いっしょういちじゃく)・一怒一老(いちどいちろう)」 「笑う門には福来る」 ニコニコした「朗(老)人」を目指せ」 自分もまわりも居心地がいい」(162頁)「江戸時代の蘭方医、蘭学の祖といわれた杉田玄白は八十四歳で亡くなったが、古希を迎えたとき、「養生七不可」という自戒の言葉を書きとめている。 一、昨日の非は恨悔(こんかい)すべからず 一、明日の是は慮念(りょねん)すべからず 一、飲と食とは度を過ごすべからず 一、正物にあらざればいやしくも食すべからず 一、事なき時は薬を服すべからず 一、壮実を頼んで房を過ごすべからず 一、動作を勤めて安を好むべからず」(170-171頁)「天から授かった生命を 粗末にしないことを「養生」という 「病は気から」 昔も今も「養生訓」の第一は ストレスをためないことだ」(172頁)「「にんげんだもの、いろいろあるさ」」 生きる勇気と、いのちの喜びを やさしい言葉に乗せて伝えた 「いのちの詩人」相田みつをさんの生き方」(208頁)タイトルが個人的には好みではないため、星4つの評価ですが、内容は簡潔明瞭で、読みやすい本でした。
June 3, 2009
コメント(0)
副題:プロの投資家が明かす「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方著者:藤野英人発行:PHP研究所 / 2006年5月 / 文庫本ジャンル:ビジネスファンドマネージャーである著者が数多くの社長と会い、会社を訪問する中で見つけ出された、伸びる会社・ダメな会社の法則です。タイトルに沿えば「スリッパに履き替える会社には注意せよ」ということなのだそうです。[目次]文庫版まえがきまえがき序章 ファンドマネージャーだからわかる会社の真の姿第1章 社長の性格や人格で決まる会社の運命法則1 創業者の魅力にだまされるな(創業者は常に確信犯)法則2 自分の過去の苦労話にインタビューの大半をさく社長の将来は乏しい法則3 社長の自伝を本人からプレゼントされたら、その会社への投資は控える法則4 創業者のコンプレックスを聞くことは重要なキーになる法則5 人の話を聞かない社長には投資しない法則6 質問すると怒り出す社長の会社は負け組企業入りか、すでに負け組企業法則7 自分の会社の話をすると興奮してくる社長は信頼できる法則8 社長の話に感動した会社と感動しなかった会社では、感動した会社への投資のほうがはるかに成功する法則9 平凡な社長は総論を話し、優秀な社長は各論も話す法則10 業績不振の要因を景気や政府のせいにする社長の会社は、景気が回復しても業績は回復しない法則11 相手の肩書によって態度を変える経営者は信用できない法則12 大成功している経営者は例外なく細かい法則13 優秀な経営者の多くはメモ魔である第2章 要注意!会社を滅ぼす危ない社長法則14 社長室の豪華さと会社の成長性は反比例する法則15 金ピカの高級時計をしている社長は要注意法則16 社長が唐突に著名人との親交をにおわせる、もしくは強調するときはその会社への投資を控える法則17 喜々として業界団体やロータリークラブの名刺をくれる社長には要注意法則18 社長車が高級外車であれば、社長のビジネスセンスを疑う法則19 オーナー経営者は投資家と株価について利害が一致するが、サラリーマン経営者は株価に無頓着である法則20 優秀な番頭のいる会社はリスクが少ない(オーナー経営者の場合)法則21 後継者が育っている会社は将来性が高い(二代目のほとんどはスポイルされる)法則22 三代以上続いたオーナー家からは傑物が出やすい法則23 兄弟で経営している会社で、弟の学歴が兄の学歴を上回っており、保有株数に差がない場合は、現在および将来の兄弟喧嘩の可能性が高い法則24 パソコンを操れない社長は将来性が少ない法則25 ホームページでの社長の顔写真が載っていない会社への投資は注意をしたほうがよい第3章 ダメな会社、こんなところに落とし穴!法則26 豪華な新社屋ビルを建てたときは、業績のピークか株価のピーク、またはその両方である法則27 社内でスリッパに履き替える会社に投資すると、不思議に儲からない法則28 社員に体操を強制する会社は儲からない法則29 成長している会社の空気は華やぎ、停滞している会社の空気はよどんでいる法則30 トイレの汚い会社への投資は必ず損をする法則31 極端に美人の受付嬢がいる会社は問題がある法則32 自社製品以外のおみやげをくれる会社への投資は儲からない法則33 社員同士を「さん」づけで呼び合う会社へのリターンは高い法則34 会社の規模に比べて役員の多すぎる会社は成長しにくい法則35 相談役のいる会社は成長性が少ない法則36 ディスクロージャー(情報開示)に積極的な会社には安心して投資ができる法則37 ディスクロージャーに熱心すぎる会社には要注意法則38 トップがみずからディスクロージャーする会社は安心である法則39 急成長企業の新規分野への強気発言は五割引で聞く法則40 低成長企業の新規分野への強気発言は九割引で聞く法則41 社長の保有株比率の高い会社は、社長の株価と業績に対するインセンティブが高い法則42 極端に社長とその一族の保有株比率が高い会社はモラールが低い法則43 仕入れ先、顧客の保有株比率が高い場合は、二通りのケースを想定する法則44 金融機関による保有株比率が高い会社は、株価の上昇を期待できない法則45 会議室の時計が五分以上狂っている会社に投資をすべきではない法則46 IR担当者の急な退職は多くの場合、きわめて悪いニュースである第4章 よい会社と悪い会社の分かれ道法則47 よい会社はビジョンや経営理念が社員に浸透している法則48 よい会社は社員が社会的意義を感じて、プライドを持って仕事をしている法則49 よい会社は管理体制が優れている法則50 よい会社は複数の価値観を持った人材を抱えている法則51 よい会社は自社の強みを最大限に利用し、執拗に徹底的に高めていく法則52 よい会社は当たり前のことを徹底的に追及する法則53 よい会社は個性的である法則54 悪い会社はよい会社の逆である法則55 悪い会社は常に似ている法則56 もう、これ以上悪くならないということはない第5章 常識にとらわれると判断を間違える法則57 きざしに気をつけろ法則58 成長産業にいるからといって成長企業とは限らない法則59 成熟産業に成長株があることがある法則60 多角化は多悪化を招く法則61 自分でその会社のサービスを受けて満足したら投資価値がある法則62 モラルの低い業界、企業は遅かれ早かれぼろを出す法則63 損益計算書(P/L)の分析より貸借対照表(B/S)の分析に時間をかけろ法則64 貸借対照表の分析よりキャッシュフローの分析に時間をかけろ法則65 キャッシュフローの分析よりビジネスモデルの分析に時間をかけろ法則66 悩んだときは、疑うより信じたほうが最終的には成功する法則67 コピー機のまわりがきれいな会社への投資は成功する可能性が高いあとがき文庫版あとがき共感した箇所のご紹介です。「投資信託(ファンド)について説明します。投資信託とは、多くの投資家のお金を集めてまとめ、株式や債券などを選別し組み合わせて運用実績を図るという金融商品です。この仕事の専門家、つまり投資信託の運用を職業とするプロが、ファンドマネージャーなのです。」(22頁)「私がよく驚くのは、経営者の人たちと食事をしているときに、有用な情報を得る機会があると、彼らは手品のように手帳を取り出し、メモを取ることです。本当に熱心にメモを取ります。」(68頁)自分が今すぐ投資家にならなくても、自分の会社がどう見られているかの参考になるでしょう。法則がすべてではないでしょうが、自分の会社に思い当たることがあるなら、改善してみてはいかがでしょうか。
May 31, 2009
コメント(0)
副題:なりたい自分を育てる15のトレーニング著者:岡崎太郎発行:河出書房新社 / 2006年6月 / 単行本ジャンル:自己啓発あるプロジェクトで関わった女性から発せられた一言「私辞めたいんです」。この言葉をきっかけに、主人公は仕事とは何か、夢とは何かを考え、見つめていきます。ストーリィ形式で書かれた、夢を見つけ、かなえるための一冊です。[目次]1 「私辞めたいんです」は、ただの思考停止にすぎない2 辞める前に状況分析はできているのか?3 「今の自分」はどこに位置するのか4 やりたいことがわからないのか、できていないのかをはっきりさせよう5 「やりたい」を見つける旅に出よう6 自分履歴書を作ろう7 今の時点の「やりたい」を整理しよう8 バランスの取り方と情熱9 人生は楽するのではなく、楽しむものだ10 夢は育てるもの11 「よかった出来事」を記録することからはじめてみよう12 明日の心配は明日しよう13 自分の考えが一変すると、世界が一変する14 チャンスも自信も誰かが与えてくれるものではない15 人生に戦略はいらない。必要なのは情熱だ共感した箇所は、帯からの引用です。「夢は探すものではなく、育てるもの。 そして、あなたの人生にとって必要なのは、 戦略ではなく情熱だ。 もう一度、働くことの意味を考えてみないか? 僕らは生き続ける限り、 より高い次元に向かう進化の旅をする存在でありたい。 規模の拡大を目的にしたチャレンジではなく、 次元をぶち抜く成長を目指そう。 それができない、とは言わせない。 何のために働くのか? 今すぐ、自分自身に問いかけてほしい。」モチベーション・シートなど、自分で書き込めるシートが幾つか紹介されています。自分履歴書は一度体験する価値はあるでしょう。
May 10, 2009
コメント(0)
副題:右脳の驚異的な「イメージ力」を開発してあなたの願望を実現しよう!著者:七田眞(教育学博士) 発行:総合法令 / 2003年12月ジャンル:右脳、ビジネス、自己啓発七田チャイルドアカデミー校長の七田博士による、大人向け右脳開発のシリーズの一冊です。[目次]はじめに第1部 あなた自身の成功イメージが見えてくる! 右脳の驚異的な「イメージ力」全開させる7つの成功法則超右脳成功法則(1) 大きな夢を持つ人が成功する超右脳成功法則(2) 自分に自信をもとう超右脳成功法則(3) マイナス思考を打ち破れ超右脳成功法則(4) 熱意を持ち続ける方法超右脳成功法則(5) 実行力をつける超右脳成功法則(6) 人とうまくつきあう方法超右脳成功法則(7) よりよき生き方を見つけよう第2部 あなたの中の潜在力が目覚める!「残像トレーニング」で右脳開発を始めよう!第3部 効果は歴然!CDによるセルフコントロール法で、 あなたの右脳の「イメージ力」は確実にアップする! さあ、「七田式イメージトレーニング」を実行しよう!共感した箇所のご紹介です。「成功の最大の敵は、”目標がない”ことなのです。」(22頁)「このマイナス方向へくりかえされる思考を、プラス思考に切り替える言葉をひとつ紹介しましょう。失敗や間違いをして、落ち込んだときに役立つ言葉です。 それは「今度こそ」です。」(41頁)「熱意が薄れることがいけないのではありません。薄れてしまった自分をダメだと思い、あきらめてしまうことがいけないのです。」(45頁)「イヤなことでも、つらいことでも、自分にとって大切だと思ったことは、五分間だけやってみましょう。仕事でも読書でも家事でも、いままで先延ばしにしてきたことをはじめてください。(中略) とにかく始めてしまえば、五分間は「やった」という実績が残ります。五分間だけやって調子が出たら、そのまま続ければいいでしょう。」(48頁)「自分を偽り、自己を正当化する、都合のよい言い訳をするかわりに、つぎのような肯定的な言葉に変えてみましょう。「そのうちやるから」→「成功のときはいまだ」「状況がよくなってから」→「いまやればうまくいく」「たぶんダメだろう」→「必ずうまくいくようにしてみせる」「なんとかなるさ」→「必ずなんとかしてみせる」」(51頁)「もとより「教育とは愛である」というのがわたしの信念ですが、やさしさとか思いやりの心には、人間の崇高さがあります。「愛」にも通じるものです。それは大人でも変わりません。」(64頁)「自立訓練法は、全部で六段階あります。(1)身体の重感、(2)身体の温感、(3)心拍の調整、(4)呼吸の調整、(5)腹部の温感、(6)額の涼感、がそれですが、ここでは簡単に紹介してみます。」(68頁)「七田式には、左脳から右脳へという意識の変換を容易に成し遂げる、一つの大きな公式があります。わたしたちはそれを「右脳を開く三つの公式」と呼んでいます。 いわば、右脳を開くための脳のストレッチ運動のようなもので、(1)リラックス、(2)集中、(3)視覚化、がそれです。」(79頁)「もともとイメージ力は、本来だれもがもっている能力の一つです。だれもが自由自在に駆使できる能力なのです。 ところが、ごく自然に右脳パワーが発揮されている胎児や幼児とは違って、ふだんのわたしたちの脳は、言語による分析的な思考モードである左脳優位に立っているため、強いて右脳を開く習慣をつける必要があります。」(102頁)「ここで、イメージトレーニングに臨むうえで必要なことをまとめておきましょう。・だれでもはっきりとイメージを見る能力が、脳に組み込まれている。・イメージを見えないと思わないこと。見えないという意識がイメージを見ることを妨げる。・イメージを見るためには、自分がイメージを見ている姿を想像する。・「できない」という意識は捨てて、自分がそれに成功しているイメージをする。」(117頁)書かれている言葉は、大変わかりやすくなっています。子供向けの教育を専門とされている先生の言葉だからなのでしょう。このシリーズはほかに、『七田式超右脳開発トレーニング』、『七田式超右脳英語トレーニング』があります。すべてにCDが付属されています。ご自分にあったものを選ぶのもよいかと思います。
May 9, 2009
コメント(0)
副題:富を約束する「6つの感性」の磨き方著者:ダニエル・ピンク訳者:大前研一発行:三笠書房 / 2006年5月 / 単行本ジャンル:自己啓発、ビジネス訳者大前研一氏によるとこの本は、「右脳を生かした全体的な思考能力」と「新しいものを発想していく能力」、その実現の可能性を検証する左脳の役割について、わかりやすくまとめられた内容だということです。[目次]訳者解説 これからの日本人にとっての教則本 大前研一[はじめに]「専門力」ではない「総合力」の時代!第1部 「ハイ・コンセプト(新しいことを考え出す人)」の時代1 なぜ右脳タイプが成功を約束されるのか2 これからのビジネスマンを脅かす「3つの危機」3 右脳が主役の「ハイ・コンセプト/ハイ・タッチ」時代へ第2部 この「六つの感性」があなたの道をひらく1 「機能」だけでなく「デザイン」2 「議論」よりは「物語」3 「個別」よりも「全体の調和」4 「論理」ではなく「共感」5 「まじめ」だけでなく「遊び心」6 「モノ」よりも「生きがい」あとがき これからの成功者と脱落者を分ける3つの「自問」共感した箇所のご紹介です。「(それだけではない。)「答えのない時代」のいま、世の中に出たら、知識を持っていることよりも、多くの人の意見を聞いて自分の考えをまとめる能力、あるいは壁にぶつかったら、それを突破するアイデアと勇気を持った人のほうが貴重なのである。 すなわり、これからはおおいに「カンニングしろ」という時代なのだ。商売でもなんでもそうだが、社会に出たら成功するためには、カンニングを上手にした行動力のある人間のほうが勝つのである。」(17頁)「本当にすごい人というのは、右脳からアイデアを出させて、左脳で評価することができる。」(20頁)「「ハイ・コンセプト」とは、パターンやチャンスを見出す能力、芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力、人を納得させる話のできる能力、一見ばらばらな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力、などだ。 「ハイ・タッチ」とは、他人と共感する能力、人間関係の機微を感じ取る能力、自らに喜びを見出し、また、他の人々が喜びを見つける手助けをする能力、そしてごく日常的な出来事についても、その目的や意義を追求する能力などである。」(29頁)「一般的に左脳は情報の分析を行い、右脳は統合を得意とする。右脳はバラバラの要素を集め、そこから物事の全体像を認識する能力に特に優れている。」(57頁)「アメリカ、イギリス、オーストアリアなど、英語圏市場で行われている仕事なら、何だってインドでやれますよ。唯一、それを妨げるのは、(使う側の)想像力ですね。」(81頁)「「業務を処理すること」よりも「人間関係を結ぶこと」、「ルーチン・ワークをこなすこと」よりも「斬新な課題に取り組むこと」、「一つひとつの要素を分析する」よりも「全体像をまとめ上げること」など、「右脳主義型」の能力を活かすのである。」(85頁)「「処理能力」より「想像力」、「技術マニュアルで得られる知識」より「潜在的知識」、そして「細かい部分にこだわること」より「大きな全体像を描く能力」がますます必要になってくる。」(93頁)「1)他の国なら、これをもっと安くやれるだろうか 2)コンピュータなら、これをもっとうまく、早くやれるだろうか 3)自分が提供しているものは、この豊かな時代の中でも需要があるだろうか」(102頁)「(同時に、)豊かな時代であるがために、今日の供給過剰気味の市場の中で、他社製品やサービスとの差別化を図るには、見た目に美しく、消費者の心に訴えかけるようなものを提供するしかないということを、企業は認識し始めている。だからこそ、「ハイ・コンセプト」な能力をそなえた芸術家のほうが、簡単にすげ替えられる「左脳型技術」を持った新卒MBAよりも貴重である場合が多いのだ。」(109頁)「事実というのは、誰にでも簡単にアクセスできるようになると、一つひとつの事実の価値は低くなってしまうものなのだ。そこで、それらの事実を「文脈」に取り入れ、「感情的インパクト」を相手に伝える能力が、ますます重要になってくるのだ。」(170頁)「シンフォニー(調和)とは、バラバラの断片をつなぎ合わせる能力である。」(205頁)「絵を描くということは、おもに『関連性』を見ることです。」(207頁)「「精神面が中性的な人は、事実上対応のレパートリーが倍になるので、より豊かな視点で世間の人と交流でき、多用なチャンスを手に入れることができるのだ。」 別の言葉で言えば、偉大な人は中性的なのである。」(216頁)「ほとんどの発明や画期的なアイデアは、既存のアイデアを新しいやり方で組み立て直すことにより生み出されている。この「調和」の力を進んで開発していけば、「コンセプトの時代」で成功を収めることができるだろう。」(219頁)「優れた起業家は、みなシステム思考ができる。優れた起業家になりたいのなら、システム思考の身につけ方を学ばなければならない。・・・・・物事の全体像を見るための生来の情熱を伸ばすために」(225頁)「『詩人をマネージャーにしなさい』と言うんだ。詩人というのは独創的なシステム思考ができる人だからね。彼らは自分の住む世界を観察し、その意味を読み取る義務を感じている。それから、世界の動きを読者が理解できる言葉で表現する。意外なシステム思考者である詩人たちこそ、真のデジタル思考のできる人材なのだ。」(226頁)「鏡は私たちが世界と向き合うために使うものです。心の中から自分の顔に対するすべての先入観を取り除き、形、光、関連性に意識を集中させましょう。今、この場所で、自分の顔がどうなっているかを見る必要があるのです。」(228頁)「「共感」とは、相手の状況に自分を置き換えて考えられる能力であり、その人の気持ちを直感的に感じ取れる能力である。また、誰かの立場に立ち、その人の視点で考え、その人が感じるように物事を感じることのできる能力である。(中略) しかし、「共感」と「同情」は違う。同情とは他人を気の毒に思うことだ。だが、共感とは、他人と「ともに」感じ、その人だったらどんな気持ちがするだろうかと感じ取ることである。」(242頁)「リーダーシップとは共感するということだ。人々の人生にインスピレーションと力を与えるために、人と結びつきを持ち、心を通わせる力を持つことなのだ。(オプラ・ウィンフリー)」(245頁)「(たとえば、)「共感力テスト」で高スコアを取る学生は、一般的に診療行為の実技においても良い成績を修める。つまり、他の能力が同じならば、共感力のある医師に診てもらうほうが、共感力のない医師に診察されるよりも治癒の可能性が高い、ということになる。」(259頁)「(だが、)バロン=コーエンは、すべての女性が「女脳」を、すべての男性が「男脳」を持っているわけではないと指摘している。そして、「システム化された脳を持つ人は男性に多く、共感できる脳を持つ人は女性に多い」とする主張の核心を支える証拠を数多く示している。」(262頁)「「遊び」は仕事、ビジネス、個人の幸福を追求する上で重要な位置を占めるようになっている。そして、その重要性は三つの形、すなわち「ゲーム」「ユーモア」「喜び」に代表される。」(276頁)「私たちは、ゲームは二一世紀の文学だと信じている。現在のゲームを見ると、そのように考えるのは難しいかもしれない。だが、その下地はすでに整っている。」(287頁)「ユーモアには右脳が最も得意とする特性が多く含まれる。「文脈中の状況を見極める力」、「全体像を見る力」、「異なる視点から新しい関係を作り上げる力」などだ。そのため、「遊び」におけるユーモアのセンスが、仕事の世界でも急速に価値を高めてきている。」(292頁)「何かに頼らなければ笑えないのなら、その笑いはあなた自身のものとはいえない。それは条件つきの笑いなんだ。だが、『笑いクラブ』における笑いの源は身体の外にではなく、内にあるんだ。」(299頁)「笑いは、職場のストレス軽減のための中心的な役割を担うことができる。(中略)「真面目な人のほうが信頼できると考えられているが、それは間違っている。それは古い考え方だ。笑っている人のほうが、クリエイティブだし、生産性も高い。一緒に笑える人たちは、協力して仕事をこなせる。」(中略)「すべての会社に『笑いの部屋』を設置すべきだね。『喫煙室』があるのなら、『笑いの部屋』があってもいいじゃないか。」」(302頁)各章の終わりには「まとめ」がつけられています。この部分を読むだけでも、その感性を磨くためにどんな行動を取ればいいのか、どんな本を読めばいいのかが、丁寧に書かれています。新しい時代を生きる人には、お勧めです。
May 6, 2009
コメント(0)
英題:The Magical Power of Your Spoken Word副題:言葉の心理学・生理学著者:佐藤富雄(医学博士・農学博士)出版:かんき出版 / 2002年2月 / 単行本ジャンル:心理学、脳科学その人の口ぐせが人生を決める。そのためには、どんな口ぐせを話せば良いのか、心理学・生理学さらには、脳科学の観点からもアプローチがされていて、大変わかりやすい本です。[目次]まえがきプロローグ第一章 自己像の不思議な力第二章 なぜ望まないことは実現しないのか第三章 口ぐせが人生をつくる第四章 楽天思考のすすめエピローグ共感した箇所のご紹介です。「夢を実現させ、人生を成功に導くためには、最初にどうしても手に入れておきたい資質があります。それは「楽天家である」ということです。」(17頁)「(しかし、そこで)読者に絶対覚えていただきたいことは、人生では目の前の現実がどうであるかよりも、その現実をどう受けとめ、どう解釈するかのほうが、はるかに重要な意味を持っているということです。」(19頁)「「人生はその人の考えた所産である」ということが真理であるとすれば、その人の現在の姿は、良くも悪くも、その人が過去に考えた所産以外の何ものでもない。そしてその人の未来は現在の考えによって規定されていくのです。」(23頁)「人はよく事実の重みということをいいます。 しかし、事実はニュートラルなもの。大切なのは事実をどう解釈したかです。事実をどう解釈し、どのように意味づけしたかが大きな心理的要因になるのです。」(28頁)「「思い込みは口ぐせをつくり、口ぐせは思い込みをつくる」と表現できます。仏教における念仏などはそのもっとも良い例といえるでしょう。ほとんどの宗教が「祈りの言葉を何度も唱えなさい」と教えるのは、繰り返し唱えることで、その内容がだんだん革新へと高まっていくからです。」(34頁)「誘導自己暗示の世界的な権威、フランスの学者エミール・クーエという人は、自己暗示に関する次のような法則を打ち立てました。 意思と想像力が争えば必ず想像力が勝つ 意思と想像力が一致すればその力は和ではなく積である 想像力は誘導が可能である」(56頁)「コンピュータは人間の頭脳とよく比べられますが、人間の頭脳のどんな役割をコンピュータが担っているのかというと、それは人間の脳の中にある「自動目的達成制度」の役割といってよいでしょう。」(73頁)「貧乏な人たちがこの世に多いことは事実です。彼らの多くは不本意に貧しいのではありません。貧しさに甘んじることを選んだゆえに貧しいのです。」(81頁)→この言葉をどうとらえるかは、読者の皆さまに委ねます。「人生の選択に際して私が読者に注意を促したいことは二点あります。 一つは、どんなことがあっても肯定的な心的態度で選択することです。」(83頁)「(人生の選択に関して、)私がもう一つ読者に注意を促したいことは、「考え方も選択の結果」ということです。」(85頁)「ふだん気づいていませんが、私たちの体のメカニズムは、恐ろしいくらいに心と連動しています。そして両者の関係は「体は心の召使い」という言い方ができます。」(89頁)「「人格は習慣が着ている着物だ」という言葉があります。習慣の中でもモロに人間に影響を与えているのが「思考習慣」です。(中略) 思考習慣はいわば人生の羅針盤として脳に刷り込まれ、大枠でその人の人生を支配しています。」(95頁)「口ぐせ心理学の立場で言えば、人の悪口を言うことは、その場は気持ちがスカッとするかも知れないが、悪口を自分にも聞かせることになるからです。」(119頁)「実生活では決して体験できないようなことを、小説を読むことによって体験できるというメリットもあります。それが実体験ではなく疑似体験であっても、私たちの脳細胞に与える影響は実体験と大差ありません。」(135頁)「想像力は無限ですが、実際に想像する場合は、自分自身が持っている体験、情報、知識の制約を受けています。」(137頁)「人間を他の動物から区別している最大の特徴は「考える」ことにありますが、考えるとは「言語によって抽象化する作業」と言い直すこともできます。」(138頁)「人間に与えられた想像力は無限なのに、私たちの想像が有限なのは語彙の乏しさによることが大きいと言えます。」(141頁)「もっと言葉に敏感になって、言葉をうまく使うことを心がけて欲しいものです。そうすれば想像力も豊かになってきます。想像力は創造力につながっています。言葉を磨くことによって想像力の限界を打ち破っていただきたいと思います。」(142頁)「欧米系の成功理論の中には必ずコミットメントという重要なキーワードがあります。これは声を出して願い事を明確にすることです。また、アファメーションという言葉もキーワードになっています。」(147頁)「日本仏教の宗教家たちは、口ぐせの効果を知っていたと思います。願い事を言葉にして祈る。言葉にして問いかける。これは儀式やポーズではなく、その真理を発見したことで、宗教は生まれたと考えるべきでしょう。」(148頁)「宗教の違いはあっても、神はどこにいるのかといえば、結局は「汝の内」なのです。キリスト教の祈りの仏教の念仏も、凝縮された短い言葉を繰り返し唱えることを説きました。これはまさに「口ぐせにせよ」と言っているのと同じだと思われませんか。」(150頁)「人間の快楽の一つに他人の悪口があります。」(152頁)「あなたが使う言葉は、直接自律神経系に伝わり、言葉の意味するものを表現します。同時に意識下で自己像に影響を与えます。具体的に言いますと、自己像を変えたいのなら、自分の求める自己像をつくることができる言葉を、意識的に選択して口に出すことによって、自己像改善が可能になります。」(155頁)「(では)許せない人間がいたらどうすれば良いのでしょうか。そのときはまず謙虚に、その人間には自分の窺い知れない事情があるのだと解釈し、できる限りその人間を理解できるように努めることです。それでも許せないようなら、むしろその人間を自分の意識から消してしまうことです。」(157頁)「(そこで)究極のプラス思考を指南しましょう。それは次の三つの法則を頭にたたき込むことです。(中略) 法則 自分に起きることは、いかなることも自分にプラスになることである。 法則 自分に起きることは、いかなることでも自分で解決できることである(自分に解決できないことは、自分に起きてこない)。 法則 自分に起きた問題の解決策は、途方もない方角からやってくる(だから、今お手上げ状態でも決してめげてはならない)。」(171頁)「(ここから一つわかるのは、)人生とは「良い思い出づくり」という側面が強くあるということです。自分のためにも、また自分が死んだあとも、他人に良い思い出が残せれば、その思い出の中に自分は存在する。これはずばらしいことだと思います。」(194頁)ご紹介はできませんでしたが、男性脳は狩猟脳で、女性脳は採集脳であるといったお話も、興味深かったです。
April 17, 2009
コメント(0)
英題:Make your employees turn into very exceptional.著者:児玉光雄発行:日本経営合理化協会 / 2006年7月 / 単行本ジャンル:経営、ビジネススポーツ心理学を元に、プロ・スポーツ選手のメンタルトレーナーとして活躍され、「右脳開発のカリスマ」と称される児玉氏の著作です。[目次]はじめに一 組織力より天才社員の時代1、異端児が会社を伸ばす2、本物の自主性を育てよ3、天才を育てられるリーダーの条件4、天才が育つリーダーの采配二 天才社員が育つ仕組みづくり 天才社員を育てる16のステップタスク1 小さなことからタスク2 コツコツタスク3 忠実に真似るタスク4 小さい目標設定タスク5 宣言・必ずやるタスク6 プロセス管理タスク7 内発的モチベーションタスク8 集中する時間を確保するタスク9 本物のプラス思考タスク10 頻繁にイメージするタスク11 直感を使うタスク12 願望から信念にタスク13 危機管理タスク14 回復力タスク15 行動タスク16 自己実現三 天才社員が育つ風土づくり1、リーダーみずから変革を起こせ2、個力こそ、成長の原動力参考図書著者紹介奥付共感した箇所のご紹介です。「日本において「エゴイスト」という言葉の響きは、あまりよくありません。ですが私は、「エゴイスト」という言葉を、「利己主義者」とか「個人主義者」といった否定的な意味ではなく、「個性主義者」と訳しています。「個性」こそが人を活かすキーワードであり、どう発揮させるかがリーダーの役目なのです。個々の社員の個性を目一杯発揮させる術さえマスターしたら、黙っていても会社の業績は急上昇していくのです。」(5頁)「つまり日本は、これまでのような欧米諸国を追いかけるというビジネスのやり方を中国・アジア諸国に譲り、欧米諸国同様に、日本独自の独創的なビジネススタイルを確立していかなくてはならない「トップランナー」の立場になっているということなのです。」(35頁)「日本がトップランナーの立場になったからこそ、今、オリジナルで目標に向かっていく、難問を突破する力が求められているのです。そこには追いかける相手も対象も、もちろん「正解」もありません。だからこそフロンティアスピリッツを持つような、型にはまらない"異端児"が必要とされ始めたのです。」(39頁)「多くの選手が「練習したら、そのうち上手になるだろう」的な発想で取り組んでいますが、「練習によって自分がどう変わるだろう」という発想は、二流選手特有の練習への甘い期待であり、そこには「自分で変えていこう」という意思が見えてきません。これではいくら練習しても決して身につかないのです。」(46頁)「勤勉で知識も豊富だけど特技は一体何?という典型的な優等生よりも、不器用だけど特定の分野において優秀というはみ出し社員や、思い込んだら組織にも反発する異端児というのが「会社の宝」となる時代です。」(53頁)「●命令型リーダーのいるグループ ・自らのグループに対して、自分は御者で、部下は馬だと考えている。 ・部下はすべて自分の命令・指示に従って行動すべきだと考えている。 ・成果はリーダーのものと考えている ・結果、部下は仕事をやらされていると考え、最低限の力しか発揮しない。 ●ビジョン型リーダーのいるグループ ・自らのグループに対して、自分は御者で、部下はお客さんだと考えている。 ・目指すビジョンの主役は部下であり、自分はそこに連れて行くための脇役。 ・成果はリーダーと部下が共有すべきと考えている。 ・結果、部下は進んで仕事に参画し、また最大限の力を発揮しようとする。」(56頁)「そして私は、ビジョン型リーダーには次の3つの能力が必要と考えています。 ・ビジョンを立て、そのビジョンを分かりやすく示す能力 ・一人一人のやる気を引き出し、最高のポテンシャルを発揮させる能力 ・全体目標達成や全体として最高の成果をだすための采配ができる能力」(57頁)「皆の心に響くビジョンを掲げるには、4つの原則をクリアーすることです。 それは、物語性、共感性、印象性、成果性の四つで、「ワクワクするようなストーリーがあり、皆の共感が得られ、印象的で、意義があって成果が充分に見込める」という原則です。」(63頁)「裁量権を与えて成果を出してもらおうとするとき、リーダーは自分が話をするのではなく、部下の話を聞いてあげることが非常に重要になってきます。(中略) アテネオリンピックで、見事、金メダルを二つとった北島康介選手のコーチ、平井伯昌氏は、レースが終わって選手が帰って来たときに、「まず自分が言いたいことを我慢するのがコーチの仕事」だと言っています。」(72頁)「「情熱」という要素は非常に大事で、いくらその本人に個性や才能があっても、情熱がわかない仕事を無理にやらせていては、期待どおりの成果は上がりません。 情熱とかやる気というのは、一番の根源にあるものであり、その上に個性とか適材適所などが乗っています。」(83頁)「(では)具体的に必要な人材育成のステップはどのようなものかと申しますと、(図のように)4段階の能力開発が必要となります。 これはさながら跳び箱の台のように、下から順に「持続力」「没頭力」「創造力」「人間力」となっています。なぜ、跳び箱の台のように4段重ねになっているかと言えば、4つの要素は順番が極めて大事であり、順番を前後して人材育成を行うと、才能が開花しないばかりか先に申し上げたように、弊害がでる恐れもあるからです。」(98頁)ここから先は、目次でご紹介したとおり、各段階の各ステップについて、詳しく説明がされています。最後に、本書の最後の言葉を引用します。「「100人いれば100の特技」の企業こそが、これからの時代に、勝ち残っていくのです。そういう意味でも、私は日本のビジネスマンには、もっと個性を発揮して欲しいと思っています。」(411頁)
April 15, 2009
コメント(0)
副題:仕事が変わる!人生が変わる!著者:青木毅発行:あさ出版 / 2006年4月 / 単行本ジャンル:ビジネス株式会社リアライズ代表の青木氏は、セルフ・コーチングを唱えるプロ・コーチでもあります。[目次]はじめにプロローグ コミュニケーションを円滑にして楽しい日々を過ごそう第1章 コミュニケーションの基本「人間の重要な原則」を知ろう!1 人は自分の思ったとおりにしか動かない2 人は皆、あらゆる問題の解決力を自分の中に持っている3 自分がわかれば、相手がわかる4 コミュニケーションを円滑にする三つの段階を理解しよう第2章 「聴き方」「話し方」を身につけて、本音で話し合えるようになろう!1 本音で話し合えば、仕事も人間関係もうまくいく2 まずは相手の話を聴こう!3 「自分の話が先の人」が聴くためには?4 「自分の考えに自信がない人」が聴くためには?5 自分の考えをしっかり話して、本音の話し合いをしよう第3章 コミュニケーションの秘訣「魔法の法則」をマスターしよう!1 これが「魔法の法則」だ2 まずは好意を持とう3 質問をしよう4 しっかりと共感しよう5 最後の最後に提案しよう6 提案から感謝へ7 ノルマに追われ、悩む営業マンの場合8 家庭内ですぐキレる娘とその母親の場合第4章 コミュニケーションの問題を解決する「コーチングシート」1 大事な話やスピーチのときのプレッシャーから解放されるために2 書いて解決する-書く効果-3 コミュニケーションにおける問題解決の手順4 なぜこの「問題解決コーチングシート」でうまくいくのか?5 入社早々からキレて、会社を辞めてしまう新入社員の場合6 営業が苦手だと思いこんでいる社員の場合第5章 「ミッション」の発見があなたのコミュニケーションを一変させる1 私たちは無意識のうちに「条件づけ」されている2 自分の「本当の思い」を見つける3 「ミッション」があなたの人生の万能薬になる4 「ミッション」によって「自分がわかれば、相手がわかる」ようになる5 あなたが自分の「ミッション」を発見するために6 「ミッション」の本当の意味とは?7 いつも上司に一方的に言われ、不満を募らせるだけの中堅社員の場合8 社員とうまくコミュニケーションが取れない社長の場合エピローグ あなた自身が変わればコミュニケーションが変わり、人生が変わる共感した箇所のご紹介です。まず、著者の説く「人間の重要な原則」とは、以下の三つです。(36頁)1)人は自分の思ったとおりにしか動かない2)人は皆、あらゆる問題の解決力を自分のなかに持っている3)自分がわかれば、相手がわかる「コミュニケーションにおける三つの段階」(41頁)挨拶の段階→情報交換の段階→本音の話し合いの段階効果的な会話を実現する「魔法の法則」(83頁)A)好意:自分のほうからしての人に好意を持つB)質問:好意を持てば、その人に興味が出てくるので質問するC)共感:話を聴けば、共感するところがたくさん出てくるA~Cを繰り返すD)提案:好意・質問・共感を繰り返し、最後の最後に提案する「コミュニケーションにおける問題解決の手順」(127頁)1)問題の鮮明化2)その問題について感じること・思うこと3)解決できたときのメリット・できなかったときのメリット4)現状の客観的把握5)本当の障害の発見6)解決策7)行動段階8)評価9)振り返って思うこと「魔法の法則」における"好意"については、『地上最強の商人』(オグ・マンディーノ著)から巻物の第2巻が引用されています。最後の章での「ミッション」については、アメリカ・メジャー・リーグに挑戦中の松井秀喜・イチロー両選手を例に、ミッションの必要性を解説しています。この本で紹介されているチェック・シートや問題解決シートは、ちょっと応用すればすぐ活用できるものばかりです。コミュニケーションに悩む人、コーチングに興味ある人、自分のミッション(使命)を見つけたい人に、この本をお勧めします。
April 12, 2009
コメント(0)
英題:HOW TO WIN FRIEND AND INFRUENCE PEOPLE著者:D・カーネギー訳者:山口博発行:創元社 / 1999年10月 / 単行本ジャンル:ビジネス全世界でロングセラーを誇る名著です。コミュニケーションに何かしら悩む人には、ぜひ読んでほしい本です。[目次]改訂にあたってPART 1 人を動かす三原則 1 盗人にも五分の理を認める 2 重要感を持たせる 3 人の立場に身を置くPART 2 人に好かれる六原則 1 誠実な関心を寄せる 2 笑顔を忘れない 3 名前を覚える 4 聞き手にまわる 5 関心のありかを見抜く 6 心からほめるPART 3 人を説得する十二原則 2 誤りを指摘しない 3 誤りを認める 4 おだやかに話す 5 "イエス"と答えられる問題を選ぶ 6 しゃべらせる 7 おもいつかせる 8 人の身になる 9 同情を持つ 10 美しい心情に呼びかける 11 演出を考える 12 対抗意識を刺激するPART 4 人を変える九原則 1 まずほめる 2 遠まわしに注意を与える 3 自分のあやまちを話す 4 命令をしない 5 顔をつぶさない 6 わずかなことでもほめる 7 期待をかける 8 激励する 9 喜んで協力させる付 幸福な家庭をつくる七原則 1 口やかましくいわない 2 長所を認める 3 あら探しをしない 4 ほめる 5 ささやかな心づくしを怠らない 6 礼儀を守る 7 正しい性の知識を持つあとがき共感した箇所のご紹介です。「人間は何をほしがるか? たとえほしいものがあまりないような人にも、あくまでも手に入れないと承知できないものが、いくつかはあるはずだ。普通の人間なら、まず次にあげるようなものをほしがるだろう。一、健康と長寿二、食物三、睡眠四、金銭および金銭によって買えるもの五、来世の生命六、性欲の満足七、子孫の繁栄八、自己の重要感」(34頁)「お世辞と感嘆のことばとは、どう違うか?答えは簡単である。後者は真実であり、前者は真実でない。後者は心からでるが、前者は口からでる。後者は没我的で、前者は利己的である。後者はだれからも喜ばれ、前者はだれからも嫌われる。」(46頁)「米国の心理学者オーヴァストリート教授の名著『人間の行為を支配する力』につぎのようなことばがある。 「人間の行動は、心のなかの欲求から生まれる・・・だから、人を動かす最善の方法は、まず、相手の心のなかに強い欲求を起こさせることである。商売においても、家庭、学校においても、あるいは政治においても、人を動かそうとするものは、このことを覚えておく必要がある。これをやる人は、万人の支持を得ることに成功し、やれない人は、ひとりの支持者を得ることにも失敗する。」」(52頁)「ティピー(子犬の名)は心理学の本を読んだことがなく、また、その必要もなかった。相手の関心を引こうとするよりも、相手に純粋な関心を寄せるほうが、はるかに多くの知己が得られることをティピーは、不思議な本能から、知っていたのである。くりかえしていうが、友を得るには、相手の関心を引こうとするよりも、相手に純粋な関心を寄せることだ。」(74頁)「友をつくりたいなら、まず人のためにつくすことだ。 人のために自分の時間と労力をささげ、思慮のある没我的な努力をおこなうことだ。」(83頁)「人にきらわれたり、かげで笑われたり、軽蔑されたりしたかったら、つぎの条項を守るにかぎる一、相手の話を長くは聞かない一、終始自分のことだけをしゃべる一、相手が話しているあいだに、何か意見があれば、すぐに相手の話をさえぎる一、相手はこちらよりも頭の回転がにぶい。そんな人間のくだらんおしゃべりをいつまでも聞いている必要はない。話の途中で遠慮なく口をはさむ。」(128頁)→よく自戒したいものです。「人はだれでも他人より何らかの点ですぐれていると思っている。だから、相手の心を確実に手に入れる方法は、相手が相手なりの世界で重要な人物であることを率直に認め、そのことをうまく相手にさとらせることだ。」(144頁)「議論はほとんど例外なく、双方に自説が正しいと確信させて終わるものだ。 議論に勝つことは不可能だ。もし負ければ負けたのだし、たとえ勝ったとしても、やはり負けているのだ。なぜかといえば- 仮に相手を徹底的にやっつけたとして、その結果はどうなる?- やっつけたほうは大いに気をよくするだろうが、やっつけられたほうは劣等感を持ち、自尊心を傷つけられ、憤慨するだろう。 「議論に負けても、その人の意見は変わらない」。」(159頁)「誤解は、議論をもってしては永遠にとけない。気転、外交性、慰め、いたわり、そして、相手の立場で同情的に考える思いやりをもってして、はじめてとける。」(164頁)「イソップはクリーサスの王宮につかえたギリシアの奴隷だが、キリストが生まれる六百年も前に、不朽のの名作『イソップ物語』を書いた。その教訓は、二千五百年前のアテネにおいても、また現代のボストンにおいても、バーミンガムにおいても、同じく真実である。太陽は風よりも早くオーバーを脱がせることができる。」(204頁)「命令を質問の形に変えると、気持ちよく受け入れられるばかりか、相手に創造性を発揮させることもある。命令が出される過程に何らかの形で参画すれば、だれでもその命令を守る気になる。」(288頁)「たとえ自分が正しく、相手が絶対にまちがっていても、その顔をつぶすことは、相手の自尊心を傷つけるだけに終わる。あの伝説的人物、航空界のパイオニアで作家のサンテグジュペリは、つぎのように書いている。 「相手の自己評価を傷つけ、自己嫌悪におちいらせるようなことをいったり、したりする権利はわたしにはない。たいせつなことは、相手がわたしをどう評価するかではなくて、相手が自分自身をどう評価するかである。相手の人間としての尊厳を傷つけることは犯罪なのだ。」」(294頁)「人を変えようとして、相手の心のなかにかくされた宝物の存在に気づかせることができたら、単にその人を変えるだけではなく、別人を誕生させることすらできるのである。」(300頁)「要するに、相手をある点について矯正したいと思えば、その点について彼はすでに人よりも長じているといってやることだ。「徳はなくても徳のあるごとくふるまえ」とはシェークスピアのことばだ。相手に美点を発揮させたければ、彼がその美点をそなえていることにして、公然とそのように扱ってやるがよい。良い評判を立ててやると、その人間はあなたの期待を裏切らないようにつとめるだろう。」(303頁)「人を変える必要が生じた場合、つぎの事項を考えてみるべきだ。一、誠実であれ。守れない約束はするな。自分の利益は忘れ、相手の利益だけを考えよ。二、相手に期待する協力は何か。明確に把握せよ。三、相手の身になれ。相手の真の望みは何か?四、あなたに協力すれば相手にどんな利益があるか?五、望みどおりの利益を相手に与えよ。六、人にものをたのむ場合、そのたのみが相手の利益にもなると気づくように話せ。」(319-320頁)少々長くなりました。付録の「幸福な家庭をつくる七原則」からの引用は行っていませんが、一見の価値ありです。
April 10, 2009
コメント(0)
英題:THE POWER OF SIX SIGMA著者:シビル・チョウドリ発行:翔泳社 / 単行本ジャンル:ビジネス帯に書かれている謳い文句は、「GEが取り組んだ中で最も重要な活動 byジャック・ウェルチ」「日産、ソニー、東芝も採用したシックスシグマが128頁でわかる!」「地味な品質管理に"アノ"会社の躍進の秘密があった!」著者は全米サプライヤー協会(ASI)副会長を務め、シックスシグマと品質管理のコンサルタント、トレーニングを活動としていらっしゃいます。この本では、リストラされた管理職男性が、出世した元同僚からその秘密"シックスシグマ"を教わるというストーリィなのです。シビル氏のこの著作は、小説仕立てで書かれていて、たいへん読みやすく一気に読むことができます。[目次]第1章 解雇の日第2章 ランチ第3章 シックスシグマ第4章 決定的な違い第5章 ピープル・パワー ~だれが何をするか~第6章 ピープル・パワーの実践第7章 プロセス・パワー ~シックスシグマの5つのステップ~第8章 プロセス・パワーの実践第9章 目標を達成する共感した箇所のご紹介です。「シックスシグマだ、数字の6にギリシャ文字のシグマ。ビジネスや産業の世界では"シックスシグマ"にはもっと深い意味がある。統計学的手法と経営理念を表しているんだ」(24頁)「シックスシグマは"ピープル・パワー(人材の力)"と"プロセス・パワー(プロセスの力)"を合わせるプログラムなんだ」(28頁)「シックスシグマ・プロジェクトの関ン社には、大きな権限と、大きな注目、そして何より、プロジェクトの成功に必要なサポートが与えられる」(30頁)「シックスシグマとは、ミス、無駄、仕事のやり直しをなくすことに重点を置いた経営理念なんだ」(31頁)「シグマは一種の尺度であり、(中略)ある会社がどれだけのミスをしているのかの判断に使われる」(33頁)「(シックスとは)われわれが実現しようとしている最高のシグマレベルのことなんだ」(34頁)→シックス(6)シグマを最高点にして、たとえば現状は3.4シグマである、といった尺度を表すのがシグマというものなのです。「シックスシグマで最も重要なのが品質の向上だというのはね。実はそうじゃなくて、シックスシグマにおける品質の向上は目標を達成する手段にすぎない。目標そのものではないんだよ。目標は品質向上のための品質向上ではなく、顧客満足を上げて収益増やすことだ。」(37頁)「トレーニングは大きくわけて四つのフェーズに分かれる。それぞれが、シックスシグマの基本となる四つのステップと対応している。測定、分析、改善、管理だ。そのすべてが、顧客満足度を高め、コストを削減し、収益を改善するプロセスに関わっている。四つのフェーズは、統計学、定量的ベンチマーク、実験計画などで構成されている」(66頁)まとめの部分です。「シックスシグマの主眼は、ビジネスのあらゆる段階においてミスと無駄を減らし、顧客満足度を高め、収益を改善することにある。」(114頁)「品質管理だけに力を入れるのではなく、一歩前に戻って、ビジネスのプロセスやオペレーションにおける<根本的な>問題を定義することから始める。そしてその問題を退治する。」(115頁)「重要なのは、現在の状態と目標とする状態を<測定>し、そのデータを<分析>して、状況を<改善>したら、改善結果が定着するように<管理>することだ」(115頁)約100頁の「品質管理」と「収益改善」の魔法の書、あなたの手元にもいかがでしょうか。
April 8, 2009
コメント(0)
副題:私の履歴書著者:本田宗一郎発行:日本経済新聞出版社 / 2001年7月 / 文庫本ジャンル:ビジネス、人物世界のHONDAの創業者、本田宗一郎が日経新聞の人気コラム「私の履歴書」に記したものを中心に綴った自叙伝であり、偉人伝でもあります。目次はじめに第1部 私の履歴書第2部 履歴書その後(1962年-1991年)第3部 本田宗一郎語録おわりに本田宗一郎年譜本田氏がアメリカに進出した1959年に語った言葉が印象的です。同じく海外に出て働く者として、身にしみる言葉です。90頁から引用します。「米国に行って米国人なみの給料が払えないようじゃ商売はできない。(中略)日本人を連れて行ってジャパニーズ・タウンを作るのもいけない。米国に進出する以上、その土地の人を使って、かの地から喜んでもらうようにするべきだ。」補足すると、この時本田氏は日本人社員を連れていくことに反対したのだそうです。この時代、まだ日本人社員のほうが給与が安く、経済的にもそのほうがよかったにも関わらず、本田氏はこのように述べられたのです。さらに、1961年当時の西ドイツに続いてベルギーに進出した時の本田氏の言葉です。92頁から引用します。「いったいベルギーに工場を建てるのはベルギーのかねを日本に持ってくるためだろうか。そんなケチな了見ではベルギーの人たちにきらわれ海外企業は成功しない。現地に工場を建てたからにはまずその土地の人を富ます方法を考えねばならぬ。」中国や、世界の地域に進出している経営者の中に、自社だけが儲けるために、安い労働力を求めている方がどれほどいらっしゃるのでしょうか。本田技研が世界のホンダになったのは、創業者であり経営者である本田氏の哲学があったこそであり、それを共有した仲間がいたからなのでしょう。久々に心が熱くなる本に出会いました。本田宗一郎氏も、日本が生んだヒーローの一人です。
April 3, 2009
コメント(0)
副題:20倍速で、自分を成長させる著者:鮒谷周史発行:かんき出版 / 2006年6月 / 単行本ジャンル:ビジネス メールマガジン「平成進化論」の運営者、鮒谷氏の著作です。このマガジンを一度は目にした、または耳にしたビジネス・パーソンも多いことでしょう。[目次]はじめに第1章 かけ算発想をするだけで突然、成功のサイクルが回り出す「結果を出す思考」編第2章 人の半分の時間で、最大の効果を得るためのオキテと習慣「タイムマネジメント」編第3章 20倍速で仕事ができるようになる、自分のすごい変え方「セルフプロデュース」編第4章 人的ネットワークこそ、かけ算で無限大に広がる「コミュニケーション」編第5章 どんな言葉を口にするかで、自分の結果に天地の差がつく「口に出したい言葉」編第6章 誰よりも早く成長し続ける自己法則の法則「インプット&アウトプット」編共感した箇所のご紹介です。「(なぜなら、)どんなに頑張っても1日を24時間以上に増やすことはできませんが、仕事の質と密度は、工夫しだいでいくらでも高めていくことができるのですから。[成果物=労働の質*労働の密度*労働時間]」(15頁)「パフォーマンスの高い人は、結果に焦点を当てた質問を大量に自分に投げかけて、その答えが返ってくるまでの一連の流れを、自身の中で自動化しているようにも感じます。 何を見ても、何を聞いても、何を経験しても、「自分はどうすればさらに良くなるだろうか」 という質問を耐えず自分に浴びせかける回路を持っているのです。 ところが、結果の出ない人は、行き詰ったときぐらいにしか自問自答しない。 そのため気付かないところで改善の機会を数多く逃していることになります。」(31頁)「(ところが、)多くの人は質問をする段階で、「どうやったら儲かるか」 という問いが先んじてしまいます。 そうなると、どんな方法を見つけたにせよ、他者から取ってやろうという意識が先行して、それを相手にも見抜かれて警戒されてしまう。 これでは利益が上がらないのも当然です。」(42頁)「ビジネスにおいては、まずお金をもらうよりも、時間をもらうことを中心に考えるべきです。そのためには、「お客様の時間をいただくかわりに、どんな情報や人脈、ノウハウを提供できるのか」 と自問自答することがもっとも大切なのです。 トップセールスマンといわれる多くの人は、このことを実行しています。」(47頁)「寝る前に予定をすべて書きだすことで時間に対する切迫感が生まれ、朝からエンジン全開で働ける」(64頁)「(ところが、)お金の無駄遣いを1円単位で気にする人は多くいても、時間を1分1秒単位で気にする人はそれほど多くない。 本当は、主婦が家計簿をつけて無駄遣いを減らす努力をするように、あるいは投資家がポートフォリオを組んで効率的な資産運用をするように、「時間」もしっかり管理されてしかるべきものです。」(70頁)「時間管理主眼が「仕事量をこなすこと」ではなく、「結果を出すこと」に置かれているので、どんなに案件を抱えていたとしても、それに押しつぶされて身動きが取れなくなることがないのです。」(91頁)「自分では当然だと思っていることも含めて、自分ができること、得意なことを100個、書き出してみる」(115頁)→自分自身の「棚卸」については、多くの成功者が勧めていますね。「(しかし、)教育によって得た知識やスキルは、一度しっかりと身につけてしまえば、そう簡単に減少していくものではありません。 教育という資産は、金融資産よりもずっと安全な資産なのです。」(205頁)「(略)弁護士の高井信夫先生が、ドラッカーの言葉を引用してこう教えてくださったことがあります。「ドラッカーは、『教育ある人間とは、勉強し続ければならないことを自覚している人間のことだ』と言った。昔はどこの大学を出たとか、どこに留学していたということが教育ある人間の指標になったが、現代社会では、情報はすぐに陳腐化してしまう。いまは絶えず勉強し続ける人でないと、教育のある人間だとは言えないのだ。」」(207頁)読書記録をつけ始める前の、2006年に読んだ本です。ビジネスにおけるヒントが多く詰まっています。メルマガ「平成進化論」を参考にして、ぼくが実際読んだビジネス書は、数多くあります。最後に、帯にある言葉をここに記します。「自分を劇的に変える 50のルール」
March 27, 2009
コメント(0)
著者;オグ・マンディーノ訳者:無能唱元監修:稲盛和夫発行:日本経営合理化協会 / 1996年9月 / 単行本ジャンル:ビジネス、自己啓発10巻の巻物の教えに従うなら、成功できる。その教えのストーリィと共に、実践方法を記した本です。[目次]監修者まえがき第一部 地上最強の商人 第一章 史上最強のアラブ人 第二章 秘密の巻物 第三章 少年の野望 第四章 勇気・挑戦・決断 第五章 勝者の証し 第六章 商いの秘訣 第七章 偉大なる叡智 第八章 巻物第一巻<習慣> 第九章 巻物第二巻<愛> 第十章 巻物第三巻<成功> 第十一章 巻物第四巻<奇跡> 第十二章 巻物第五巻<人生最後の日> 第十三章 巻物第六巻<感情> 第十四章 巻物第七巻<笑い> 第十五章 巻物第八巻<価値> 第十六章 巻物第九巻<行動> 第十七章 巻物第十巻<祈り> 第十八章 運命の出会い第二部 地上最強の商人 実践編 第一章 巻物の知恵 第二章 巻物の学び方 第三章 成功の記録 第四章 成功プログラム第1週~第5週 第五章 成功プログラム第6週~第10週 第六章 成功プログラム第11週~第15週 第七章 成功プログラム第16週~第20週 第八章 成功プログラム第21週~第25週 第九章 成功プログラム第26週~第30週 第十章 成功プログラム第31週~第35週 第十一章 成功プログラム第36週~第40週 第十二章 成功プログラム第41週~第45週 終章 大いなる成功の記録訳者解説著者紹介ご覧のとおり、このプログラムは45週間続けることに意味があります。先週をもって、やっと、この45週を終えることができました。始めたのは、昨年のGW前でした。プログラムの内容は巻物一つを一日三回読む、これだけです。簡単なことというのは、意外と難しいのかもしれません。最初のころは何度も挫折しそうになりました。当然どこへでも持っていかなければなりません。45週を終えて、このプログラムを再挑戦するか、同じパターンを利用して、他の本で実践するか、迷いました。結果、もう一度、45週間挑戦します。理由は、一日三度どうしても読めない日があったこと、このプログラムがまだ自分に浸透していないと、感じるからです。来年の旧暦のお正月には終えられるでしょうか。おもしろいのは、明らかに本を開く回数の多い、第二部にあたる、本の後半の部分が、側面から見ると、変色していることです。一年後には、もっと変色の度合いが強くなっているでしょう。※ご注意:お値段が張る本(@約壱万円)ですので、自分に向かないと思う方は、購入されないことをお勧めします。
March 26, 2009
コメント(0)
副題:"小さな自分"から今すぐ抜け出す著者:渡邊美樹発行:三笠書房 / 知的生きかた文庫ジャンル:ビジネス、論語居酒屋チェーン「和民」をはじめ、教育や介護事業などの事業を展開する、ワタミ株式会社社長、渡邊氏の論語の使い方を記した一冊です。論語の解説やどう解釈するかに留まらず、ワタミグループの経営理念や、渡邊氏の生き方がしっかり伝わってくる、とても面白い本です。[目次][まえがき]私は『論語』の学び、『論語』に生きてきた-渡邊美樹1章 なぜ、学ばなければならないのか2章 つきあう人を選ぶ3章 "弱い自分"から今すぐ抜け出す4章 最高に充実した時間5章 悩んだときに6章 自分らしい夢を実現するために[あとがき]私は自分を百年先、二百年先から見ようと決めたこの本のスタイルは、まず1頁を使って『論語』の原文と訳文を記し、その次の頁から渡邊氏の言葉が続きます。いくつかの項目を紹介します。「○年来の友人に意味があるか」(46頁)「人を好き嫌いすることについて」(56頁)「信頼される人になるために」(90頁)「「バカ正直」と「本当の正直」との違い」(102頁)「「速さ」より大事なものがある」(110頁)「「私がします」と躊躇なく言いきれる人」(134頁)「「八十歳を過ぎた自分の姿」を思い浮かべること」(166頁)「頭は「空っぽ」にすれば、新しいものが入れられる」(181頁)渡邊氏の一日の反省の仕方について述べられているのが、「その日じゅうに「ケリ」をつける」(148頁)です。氏にとって日記とは、後から読み返して思い出を振り返るものではなく、その日のことについて、自分の中で納得し、その日じゅうに「ケリ」をつけるものだと書かれています。渡邊氏が長男がお生まれになったその日に定めたという、「父と子の五カ条」(192頁)を最後に引用します。一、約束を守れ、嘘をつくな一、愚痴、陰口を言うな一、笑顔で元気よく挨拶せよ一、他人の喜び、悲しみを共有せよ一、正しいと思い、決めたことは、あきらめずに最後までやり遂げよこの五カ条は、ワタミの社訓の基礎にもなっているそうです。『論語』は読むほどに魅力を増してきます。そんな『論語』をいろんな形で捉えてくださっています。
March 25, 2009
コメント(0)
著者:本間正人発行:日本経済新聞社 / 2007年7月 / 日経文庫ジャンル:ビジネス、コーチング著者の本間氏は、NPO日本コーチ協会理事を務められ、巻末のプロファイルによりますと、NHK教育テレビ「ビジネス英会話」の講師の経験もあるそうです。この本はコーチングの発展形としてのグループで行うコーチングについて書かれた本です。ぼくは読んでいないのですが、同じく本間氏の著書、日経文庫の『コーチング入門』を一読されると、より理解し易いかもしれません。もちろん、コーチングの基礎は前半でしっかり押さえてくださっていますので、安心して良いと思います。[目次][一]グループ・コーチングの基本1 グループ・コーチングとは2 「コーチング」と「ティーチング」3 グループ・コーチングの意味4 グループ・コーチングの注意点[二]グループ・コーチングの具体的な進め方1 準備と招集2 オープニング3 アプローチの方法4 モードチェンジ5 まとめ・振り返りと行動計画[三]傾聴・観察・承認のスキル1 グループ・コーチングにおけるコーチング・スキル2 集団の力を引き出す「傾聴のスキル」3 複数の部下に同時に目を配る「観察のスキル」4 メンバーそれぞれに送る「承認のスキル」[四]質問のスキル1 グループ・コーチングにおける質問のテクニック2 グループ・コーチングにおける七種類の質問3 グループ・コーチングにおける「GROWモデル」の活用[五]ケーススタディケース1 売上を設定し、力を結集するケース2 メンバー間の協力体制を固めるケース3 ビジョンの明確化をはかるグループ・コーチングQ&Aグループ・コーチングの実践チェックシートあとがき本の構成としては、前半がスキルや概要の説明、後半がケーススタディとして凡例を挙げて解説しています。コーチングの基礎を固めたい、初心者には前半、理論より実践という方には後半が有効だと思います。実例編に興味のある方には、実際本を手にとっていただくことにして、コーチングについて幾つか、共感した箇所のご紹介をしていきます。「グループ・コーチングの定義とは、(中略)「企業の管理職が、自分の担当する部門の実績を上げるために、原則的には一人の部下に対して複数の部下の前でコーチングすること」となる」(13頁)上述のとおり、クライアントを一人あるいは二人までとし、それを複数のメンバーの前で行うのがグループ・コーチングです。「ティーチングとの違い」(16頁)ティーチング→教え込む→画一的指導コーチング→引き出す→個別的指導グループ・コーチング→みんなから引き出す→共有する、学びあう、切磋琢磨、相乗効果、チームワーク「コーチングのエッセンス」(48頁)信・・・グループの可能性を信じ、独りではできないことも、皆で力を合わせれば、成し遂げられることを確信すること認・・・一人ひとりの多様な能力を比較して優越をつけるのではなく、それぞれの特徴や持ち味として認め、引き出すこと任・・・グループ内の協力関係と競争関係に配慮しつつ、適材適所の業務目標を持たせること「傾聴の5つのポイント」(50頁)「か」:環境を整える「き」:キャッチャーミットを用意する「く」:繰り返し、あいづち、うなずきを入れる「け」:結論を急がない「こ」:心を込めて「GROWモデル」~効果的な質問の仕方(98頁)GOAL:目標の明確化REALITY:現状の把握RESOURCE::資源の発見OPTIONS:選択肢の創造WILL:意志の確認、計画の策定印象に残った言葉が、「最後に「今日は集まってくれてありがとう」という言葉を忘れないこと」(64頁)です。どんなミーティングも、グループ・コーチングも、すべて良い結果で終わることはないそうです。それでも最後に上司がこの言葉を忘れずに伝えることで、話し合いの最後を気持ちよく終わらせることができるということです。どんな場面でも使えそうな言葉ですね。ぜひ利用していきます。険悪な雰囲気で終えたグループ・コーチングでは、後日個別のコーチングでフォローするということもするそうです。コーチングの基本と、ミーティングの在り方、そして「傾聴」「質問」のスキルの場面はビジネス・パーソンなら是非読んでおきたい部分だと思います。
March 20, 2009
コメント(0)
全105件 (105件中 1-50件目)
![]()

![]()