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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.05.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
天然堂さんから以下のようなご質問を頂きましたので今日はそれに付いて書いてみます。

息子は小学3年生ですが、よく嘘をつきます。母親は嘘つく子どもが大嫌いで、いつも大変な騒ぎになってしまいます。勿論、嘘はいけないことだと解っていても、叱られるから嘘をつくという悪循環になっているのかなと、なぜ嘘をつくのかを考えてみようよと母親を諭しております。森の声さんは子どもの嘘についてはどうお考えですか。(2008.05.13 09:58:19)

ちなみに“子どもの嘘”については3月4日に 「子どもの心」(子どもの嘘) というタイトルで書いていますのでそちらもご覧になって下さい。(その前後もお読み下さい。)


まず、天然堂さんがおっしゃるように、子どもを嘘つき扱いしていると子どもはその期待に応えて嘘つきになります。これは他のことでも同じです。子どもをバカにしていると馬鹿な子どもに育ちます。子どもを信頼していないと信頼出来ない子どもに育ちます。
でも、その逆に子どもの言葉を素直に受け取っていると、子どもは素直な子どもに育ちます。子どもを優しい子として扱っていると優しい子どもに育ちます。子どもは扱われているように育つのです。
これは子育ての基本です。

じゃあ、子どもの言うことをなんでも信じればいいのというとそれも違います。
子どもは自分の感覚と感情の世界のことしか話さないからです。つまり、子どもは最初から事実を話すつもりなんてないのです。というより、子どもは自分の感覚や感情と切り離して事実だけを語ることが出来ないのです。そういう客観的な意識を持っていないのです。
逆に言えば、だから意識的に嘘をつくことも出来ないわけです。


前者は本能的、無意識的な嘘です。子どもはいつでも“自分にとっての本当”を話します。それを、“嘘をつくんじゃありません”と叱られたら、お母さんが満足するような嘘を考えて叱られないように工夫するのです。

でも、子どもは大人を納得させる嘘をうまくつくことが出来ません。それで、嘘を隠すために嘘を繰り返すことになります。

“ゴメンナサイ”と言わないと許してもらえない子は、簡単に“ゴメンナサイ”と言うようになります。
でも、同じ悪さを繰り返します。つまり、その“ゴメンナサイ”は嘘なんです。

嘘が遊びになってしまうのは大人が嘘に対して過剰反応する時です。子どもは大人の反応が面白くて嘘をつくのです。騙すつもりはありません。

“オオカミがきたー”と叫んで村人を騙して遊んでいた昔話の少年と同じです。
男の子が大勢人がいるところで“ウンコ”、“チンコ”と大声を上げるのも同じです。大人があわてふためくのが面白いのです。


嘘には“話し手が作る嘘”と“聞き手が作る嘘”の二種類があります。
話し手が作る嘘は、相手を騙すために意識的に作る嘘です。
それに対して、聞き手が作る嘘は相手を信用しないことから生まれます。
ガリレオが“地球は丸い”と言った時、ガリレオは嘘つき扱いされました。この場合ガリレオは嘘をついていませんでした。その事実を信じない人がその話を“嘘”にしたのです。つまり聞き手が嘘を作ったのです。

そして、聞き手が嘘を作ると、嘘つき扱いされるのが嫌な人は相手が信じるような“嘘”を付くようになります。そうして、話し手として嘘を作るようになります。でも、その人はそれで“正直な人”と言われます。


エビが水の中を飛ぶのも子どもの心の中では本当のことです。
見えない友達に話しかけるのも本当のことです。
子どもの言葉は子どもの心の中の実況中継のようなものなんです。
ですから、それを“嘘”と言われた子どもは困ります。

大人なら、それは夢の実況中継のようなものです。
空を飛ぶ夢を見た人は嘘つきなんでしょうか。


ですから、子どもの話を聞く時には大人が嘘を作らないようにしてください。
ただし、それは子どもの言葉の内容をそのまま信じるということではありません。子どもの心の声としてそのまま受け取ってくださいということです。


最後に、・・・・・・

言葉は全部嘘の世界です。
人の心も嘘の世界です。

現実は言葉では表し切れません。
現実は心の中に入り切れません。

私達はみんな嘘つきなんです。私達のコミュニケーションは嘘に依存しているのです。

この世界に“美しい花”など一本も存在していないのです。
心の中の“感覚と感情のものがたり”が「美しい花」という嘘を創るのです。

そもそも文化というものは嘘が作るのです。だから、世界中で文明の形には大きな違いがないのに、文化には大きな違いがあるのです。

“むかし むかし あるところに ・・・”

と語る人に、“昔っていつのことですか”、“あるところってどこですか”、“それって嘘の話じゃないですか”というような社会では人は生きることが出来ないのです。





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Last updated  2008.05.14 16:15:59
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