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すべて、お楽しみさ… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2012.08.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
昨日は「あるべき姿」(理想)を追い求めることの大切さを書きました。でも、誤解して欲しくないのは「あるべき姿」というのは「正解」のことではないということです。

ですから、戦争中や共産主義国家のように「これがあるべき姿だ」とその「あるべき姿」を固定してはいけないのです。
「あるべき姿」というのは、「人の心の中にだけ存在していて、永遠にたどりつけない理想」のことなのですから。

ですから、「あるべき姿」を人に押しつけるのも間違いです。「あるべき姿」とは一人一人違うのですから。

そしてそれは「芸術」に似ています。

芸術的な創作活動が好きな人には分かりますが、人は芸術的な行為を行っている時には「あるべき姿」を追い続けています。

絵を描く人は、数ミリという位置の違いや、微妙な色の違いにこだわります。そして、自分にとっての「本当のこと」を表現できる色や形を追い求めます。

でも、この追求には限りがありません。「正解」がないからです。

ですから考えようによっては無意味で無駄な行為です。絵なんか描いたって何の役にも立ちません。



感動とは「生命の本質」に触れた時に現れる現象です。

人は生まれてきて死ぬだけの存在です。どんなに勉強しても、どんなに努力しても、どんなにお金を儲けても、どんなに偉くなっても、最後はみんな死にます。

生命というものは最初から無意味で、無目的な存在なのです。

それなのに、みんな必死になって生きようとしています。どんなに必死になっても、100%「死」からは逃れることなど出来ないのに、みんな必死になって生きようとしているのです。

そこに「生命の本質」と「芸術の本質」があります。人間は「無意味なもの」の中に「意味」を探し続ける生き物なのです。そして、それが「生きる」ということなのです。

その、「見果てぬ夢」(永遠なる夢)があるから、人は死ぬと分かっていながらも生き生きとした人生を送り、死ぬまで明るく前を向いて生きて行くことが出来るのです。

それに対して、現代人は「意味のあるもの」や「役に立つもの」ばかりを追い求めています。でも、そのことがそのまま「自分自身の否定」であり、「生命の否定」であることには気付いていません。

「意味のあるもの」や「役に立つもの」ばかりを追い求める価値観は、子どもや老人や障害者を否定します。

また同時に「自分自身」をも否定します。「意味のあるもの」や「役に立つもの」ばかりを追い求めている人は、「欲」に振り回されているだけの「意味がなく、役に立たない存在」だからです。

ですから当然、「自己肯定感」を持つことも出来ません。

というか、私の推測では「自己肯定感を持つことが出来ない人」の方が、「意味のあるもの」や「役に立つもの」ばかりを追い求めているような気がします。「意味のあるもの」や、「役に立つもの」を集めることで、「自分という存在の不安定さ」を隠そうとしているのでしょう。



もともと「生命」というもの自体が「意味がなく、役に立たない存在」なのです。芸術や宗教は、その「意味がなく、役に立たない存在」に意味と価値を与えてくれます。

ちなみに、宗教と芸術は人類の歴史の中で「同時に生まれた双子の兄弟」です。

ですから、芸術や宗教を理解できない文化は、「生命の大切さ」を理解できない文化なのです。

だから子どもに、「どうして人を殺してはいけないの」と聞かれても、はっきりと自分の言葉と価値観で答えることが出来ないのです。

昔の日本は人々に感動を与えることが出来る文化の国でした。だから、世界中で日本ブームが起きたのです。



そして今、その経済力も失われつつあります。後には何が残るのでしょうか。

**********

以下は、ミュージカル「ラマンチャの男」の中で歌われる「見果てぬ夢」という歌の歌詞です。

私は若い頃この歌詞を読んで、強く心を動かされました。

To dream the impossibe dream, To fight the unbeatable foe,
To bear with unbearable sorrow, To run where the brave dare not go,
To right the unrightable wrong, To be better far than you are,
To try when your arms are too weary, To reach the unreachable star!
This is my quest to follow that star!
No matter how hopeless no matter how far
To be willing to give, when there’s no more to give
To be willing to die so that honor and justice may live

And I know. If I’ll only be true to this glorious quest
That my heart will lie peaceful and calm
when I’m laid to my rest
And the world will be better for this
That one man scorned and covered with scars
Still strove with his last ounce of courage
To reach the unreachable stars!

(意訳)

成し得ぬ夢を夢見、服せぬ敵と戦い、
耐え難き悲しみに耐え、勇者が行き難きところへ走る
正し難き誤りを正し、今の君よりもより良くあらんとし、
君の腕が疲れ増すも挑み、届かぬ星に届かんとする!
これがあの星に従い私が追い求めること!
たとえどれほど望み無く遠かろうとも
与え続けよう、もはや与えるもの無きときも
死さえ厭わぬ、誉れと正義が生きるなら

私は知っている。私がこの栄えある挑みに誠であらんとするならば
我が安息に横たわるとき、心は安らけく穏やかなることを
そしてこの世がより良くあらんとなるはこれがため
彼の蔑まれ傷に覆われたひとりの男は
なおも最後の勇気の力を振り絞り挑むのだ
届かぬ星に届かんと!





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Last updated  2012.08.28 07:32:53
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Re:「生命に価値を与えるもの」(見果てぬ夢)(08/28)  
サトシ さん
「意味のあるもの」や「役に立つもの」ばかりを追い求めること自体が、そもそもが無意味である命や人生を否定することになる。なるほど、スッっと入ってきます。その通りだなと思いました。

(2012.08.29 12:36:18)

Re[1]:「生命に価値を与えるもの」(見果てぬ夢)(08/28)  
森の声  さん
サトシさん
>「意味のあるもの」や「役に立つもの」ばかりを追い求めること自体が、そもそもが無意味である命や人生を否定することになる。なるほど、スッっと入ってきます。その通りだなと思いました。


-----
有り難うございます。

簡単な論理なのですが、みんな気付かないのですよね。
(2012.08.31 11:01:08)

Re[2]:「生命に価値を与えるもの」(見果てぬ夢)(08/28)  
サトシ さん
>簡単な論理なのですが、みんな気付かないのですよね。

-----

論理としてはとても簡単なのですが、
そもそも「人生や命が無意味」ということについて立ち止まってしまう人が多いような気がしました。

無意味であることを受け入れることが、命を失うかのように恐れている人びとがとても多い。でも実際命を失いかねないような世の中なのかもしれませんね。

「自分は無意味なんです」ってことを受け入れてくれる環境がなかったり、
「あなたは無意味ね」という言葉はナイフのように感じられることが多そうです。

世の中全体が意味のあるものを求めるバケツリレーみたいになっていて、もう誰が最初に意味のあるものを求めたのか分からない状態、本当に私たちは世界中で迷子になっているかのようです。 (2012.09.05 15:25:39)

Re[3]:「生命に価値を与えるもの」(見果てぬ夢)(08/28)  
森の声  さん
サトシさん

>世の中全体が意味のあるものを求めるバケツリレーみたいになっていて、もう誰が最初に意味のあるものを求めたのか分からない状態、本当に私たちは世界中で迷子になっているかのようです。
-----

生きていること自体が恵みであり、喜びなのです。

ですから、「生き生きと生きること」が「生まれてきたことの意味」なのです。 (2012.09.05 19:03:09)

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