森へ行こう(心とからだと子育てと)

森へ行こう(心とからだと子育てと)

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

Profile

森の声

森の声

2022.04.22
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
このブログでではありませんが、ここのところ続けて「テレビ」についての質問を受けたので、今日は「テレビとの関わり方」について、私の考えを書かせて頂きます。

「子どもがテレビやゲームに依存してしまって、止めさせたいけど止めさせることが出来ない」という相談はよく受けます。
また、「子どもがテレビやゲームに依存しないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか?」という質問も受けます。

実は、テレビやゲームだけでなく「文明の利器」と呼ばれるもの全てが子どもの成長には否定的な働きかけをしてしまうのです。

人間は便利な機械のおかげで重いものを持ち上げたり、遠くの人と瞬時に連絡し合うことが出来るようになりました。

何時間も、何日もかかっていた作業を一瞬で終わらせることが出来るようにもなりました。
昔は歩いて江戸(東京)から京都まで行くと2週間もかかりましたが、今では、新幹線「のぞみ」を使えば2時間10分しかかかりません。

何人もの人が助け合わなければ出来なかったような仕事も、一人で出来るようになりました。

何年も修行しなければ出来なかったようなことが、コンピュータやAIの進化で誰でも簡単に出来るようになったものもあります。



からだを使う能力も、他の人と助け合う能力も、自分を表現する能力も、感じ、考え、工夫する能力も必要がなくなりました。

何百年と伝承されてきた技術も必要なくなりました。

技術だけではありません。生活の知恵や、物語や、歌や、踊りや、言葉といった文化的な財産も、それらとつながって伝承されていた精神性も消えました。

今でもそういうものは残っていますが、それらは「伝承されたもの」ではなく、趣味として楽しもうとする人達に「商品」として提供されたものです。

結果、そういうものを学ぶ過程を通して育っていた子どもの精神性や、心も、からだも育たなくなりました。育つ必要がなくなってしまったからです。

また、子育てや教育の目的も変わりました。
昔は、自分たちが受け継いだものを子どもたちに伝えたり、「人間らしさ」や「つながりの中で生きる能力」を育てることを大切にする人が多かったのではないかと思うのですが、今では、「便利な商品を買うためのお金をもうける能力」を育てることの方に熱心な人が増えました。

そのために必要なのは試験で高得点を得るための知識であって「人間としての成長」ではありません。

子どもの遊びも変化しました。昔の子どもたちはみんなで群れて遊んでいました。遊びの内容自体も、自然と関わったり、からだを使ったものばかりでした。オモチャや遊び道具は、その辺にあるものを使って自分たちで工夫して作っていました。
遊びの場が、そのまま子どもの社会性や、考える力を育てる場になっていたのです。でも、それも消えました。

代わりに、テレビやゲーム機といった、一人でも退屈しないで時間を過ごしたり、遊んだりすることが出来る便利な機械が与えられました。





家事や様々な仕事は便利な機械を使うことで効率的に出来ますが、子育てだけは、お母さんやお父さんが、直接子どもと関わらないことには出来ないのです。子どもの成長には便利な機械ではなく、仲間や大人や自然との関わり合いが必要なんです。

子どもの「人間としての成長に必要なこと」は、現代でも、千年前でも、二千年前でも同じなんです。社会は変化しても、人間の頭と、心と、からだの基本構造は変化していないからです。

子どもも本能的にそのことを知っています。だから幼いうちはお母さんとの関わり合いを求めます。3才頃からお父さんとの関わり合いも求めます。4,5才ぐらいになったら仲間との関わり合いも求めます。

でも、そういうものが与えられない時、子どもはその寂しさを紛らわすために、テレビやゲームに依存するようになります。

また、そういうものの楽しさを知る前にテレビやゲーム機を与えると、子どもは人との関わり合いを求めなくなります。簡単に「楽しい」を手に入れる手段を得てしまうからです。

それでもまだその依存が浅いうちなら、お母さんが一緒に遊ぶ、お父さんが一緒に遊ぶ、仲間と遊ぶ場を与えてあげるだけで、子どもは自然とテレビやゲームから距離を置くことが出来るようになります。

でも、お母さんやお父さんが便利な機械にどっぷり依存してしまっていると、それが出来ないのです。


その楽しさを知っているなら、大人が強く規制しなくても子どもは自然とテレビやゲームに依存しなくなるのです。

また、わざわざ家事の他に「子どもと遊ぶ時間」を作り出す必要もなくなります。子どもと遊んであげることが出来ない後ろめたさも解放されます。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2022.04.22 08:11:22
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: