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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2022.05.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
現代人は、子どもも大人も待つのが苦手です。

確かに、有名ラーメン店やディズニーランドのような場所ではみんな行儀良く待っていますが、でも、その間もゲームをしたり、スマホを見たりしています。ですからそれは、お料理などでタイマーをセットして、その間に別のことをしているのと同じであって、心の働きとしては待っているわけではありません。

うちの教室でも、子どもたちは待つことが出来ません。待たされるとイライラするか、そのことを忘れて、他のことを初めます。

そして、そのような「待つことが出来ない子」には一つの特徴があります。
それは、受動的で指示待ちの子が多いということです。自分の頭で考え、自分の感覚で感じ、自分の意思で行動することが苦手な子が多いのです。

逆に、待つことが出来る子は、自分の頭で考え、自分の感覚で感じ、自分の意思で行動することが出来る子が多いような気がします。

そしてこれは大人でも同じだと思います。正解ばかりを求め、自分の頭で考え、自分の感覚で感じ、自分の意思で行動するすることが苦手な人ほど待つことが苦手なんです。そのため、待たされるとイライラします。
子どもにいつも「早くしなさい!!」と怒鳴っているような人はそのような人なのだと思います。

でも、いくら怒鳴っても子どもはお母さんの期待通りの早さで行動することはありません。なぜなら、子どもの動きは「感情の働き」と密接につながった生理的な現象であって、大人のように頭によって支配されているわけではないからです。



でも、待つことが出来ない人はそれを子どものせいにしてイライラします。相手の立場に立って考えることが出来ないからです。待つことが出来ない人は常に自分中心にしか感じたり考えたりすることが出来ないのです。だから待つことが出来ないのです。

もし子どもを早く歩かせたいのなら、子どもの立場に立って子どもが楽しくなるような工夫をすることです。それは例えば「あそこの木まで競争しようか」と誘うような工夫です。そういう工夫がないまま追い立てられていると、子どもはいつもお母さんの機嫌ばかりを見るようになり、自分の頭で考え、自分の感覚で感じ、自分の意思で行動する能力を育てることが出来なくなります。

また、現代社会は便利な機械と、便利な社会システムのおかげで、自分の頭で考え、自分の感覚で感じ、自分の意思で行動しなくても生活できるようになっています。その変化は、大人の生活だけでなく、子どもの「遊び」にまで及んでいます。
昔の子どもたちは、「遊び」を自分たちの工夫と努力で創りだしていましたが、現代社会では「遊び」も「商品」になり、「お金を出して買うもの」になってしまいました。その結果、子どもたちは遊びにおいても受動的になってしまったのです。

それが現代人の普通の生活なんですが、問題は、子どもでも大人でも「受動的な生活」に慣れてしまうと、自分の頭で考え、自分の感覚で感じ、自分の意思で行動することが出来なくなってしまうということなんです。すると、ちょっと思い通りにならないとイライラしたり、相手のことを待つことが出来なくなります。これが子育ての苦しみの原因にもなります。

じゃあどうしたらいいのかということですが、実は、待つことが出来ない人の感覚にはある種の特徴があるのです。それは感覚の働きが受動的だと言うことです。
自分の興味や関心のあることは敏感に感じることが出来るのですが、興味や関心がないことに対しては急に鈍感になってしまうのです。

ですから、人の話を聞いていても、「自分が聞きたいこと」だけを聞き、「相手が言いたいこと」を聞こうとはしません。これは子どもの話に対しても、講演会などに行っても同じです。

「見る」という場合も、自分の興味があるものしか見ようとしません。そのため、「全体」が見えず、すぐに予想外のことが起きます。また、同じ失敗を何回も何回も繰り返します。でも、その原因が分かりません。そして苦しくなります。

このような状態から抜け出すためには、能動的に感覚を使う訓練をするといいと思います。見たいものだけを見るのでも、聞きたいことだけを聞くのでもなく、大きなつながりの中で見たり聞いたりする訓練です。すると、見えること、聞こえることの意味が分かってくるのです。

その一つの方法として「物語として世界を見る」という方法があります。意外かも知れませんが、人間においては「感覚」と「物語」は密接につながっているからです。

例えば、「あの人は私が嫌いなんだ」という物語を持っている人は、その人の自分に対する言動に目や耳の感覚をとがらせます。そして、「私のことが嫌いである証拠」を集めようとします。
「もうすぐ大きな地震が来る」という物語を持っている人は小さな揺れにも敏感になります。そうですよね。

子どもにも「子どもの物語」があります。子どもの笑顔や涙、ケンカ、そして手の汚れや洋服の汚れ一つ一つに物語が含まれているのです。そんな「物語」を想像してみると、不思議なことにそれまで見えなかったものが見え始め、聞こえなかった音が聞こえ始めるのです。物語の働きによって意識が変わるので、感覚の働きも変わるのです。
すると、待つことが苦痛ではなくなるのです。

*********

実際には「山」というより「丘陵」ですが、本来、二時間半ぐらいのコースを五時間かけてのんびり歩きました。最高のハイキング日和でした。














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Last updated  2022.05.29 06:01:16
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