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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2023.09.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
しつこいですが、また「言葉」について書いています。言葉の大切さについていくら説明しても、言葉が通じる人にしか届かないのがもどかしいです。

言葉の基本は、まず「話し言葉」です。その「話し言葉」によって、人と人がつながり、感覚や感情や思考を共有し、文化や文明を生み出し、色々な知識や技術を伝承してきたのです。

人類の人間としての文化は何万年も前に始まりましたが、人間が「文字」を使うようになったのは、つい2,3千年前のことです。
しかも最初は、「人と人のコミュニケーションツール」として使われたのではなく、何かを記録したりするためのものとして使われました。また、中国ではお上の命令を国の隅々まで伝えるためにも文字が使われたようです。とにかく広いですからね。
いずれにしても、文字は「生活に必要なもの」ではなかったのです。

今でも文字を使わないで生活している人はいっぱいいます。ハワイに住んでいた人たちは19世紀になるまで文字を持っていなかったそうです。
それでも、豊かな文化や精神性をはぐくみ、幸せに生きることが出来ていたのです。


だから子どもたちには「文字言葉」を伝える前に、しっかりとした「話し言葉」を教えてあげる必要があるのです。


「話し言葉」が使えない人は他の人とつながることも、学ぶことも、成長することも出来ません。自分の感覚で感じ、自分の頭で考え、自分の意志で行動することも困難になってしまいます。当然、幸せに生きることも困難になってしまうでしょう。

また、話し言葉が使えない人は、文字を学んでも文字を「言葉」として使うことが出来ません。「文字」それ自体は「記号」であって「言葉」ではないからです。


「すき」という言葉もその声の違いが意味の違いを生み出しています。

文字言葉は、遠くにいる人に「意味」を伝えるために使われますが、「話し言葉」は、そばにいる人たちと身体感覚や感情を共有するために使われてきたのです。
一番わかりやすいのが「おいしいね」とか「楽しいね」という言葉です。

文字言葉は、宛先不明の一方通行的な使われ方をしますが、話し言葉は感覚や、感情や、思考を共有する相手がそばにいることで初めて成り立つ言葉なんです。
そして子どもたちは、大人たちから「話し言葉」を受け継ぐことで、その言葉とつながっている文化や、文明や、人間性や、精神性や、知識や、技術を受け継いできたのです。

でも、最近の子どもたちには言葉を共有できるような仲間がいません。簡単で便利な機械が表れたことで言葉を必要とする生活も消えました。生活の技術を大人が子どもに伝える必要も消えました。現代社会に生きている子どもは、大人や仲間から「話し言葉」を学ばなくても遊べるし、生活もできるのです。

今では、ご飯の炊き方を教えてもらわなくても、炊飯器があれば美味しいご飯を炊くことができます。仲間から遊びを教えてもらわなくても、仲間と話し合わなくても、機械を相手に一人で楽しく遊ぶことが出来ます。

先生の言うことが理解できなくても、(日本の教育では)教科書が読めてそれをそのまま覚えることが出来れば、テストではそれなりの点数を取ることが出来ます。

でも、そういう状態で育った子は「文字」は読めても「言葉」が理解できません。そのため「本」を楽しむことも、「本」から学ぶことも出来ません。また、仲間を作り、仲間とつながることも出来ません。
子ども達は本能的に仲間が欲しいのですが、つながり方が分からないし、つながる技術もないのです。
そして今、そういう状態の子が増えています。



また、そのつながりは簡単に切ることができます。
また、何が本当で嘘なのかも不明です。「女の子だと思ってチャットしていたら実際には中年のおじさんだった」という事件もあります。
嫌いなのに「すき」と書き送ることも出来ます。
「文字」は記号だからそういうことが出来るのです。「声」ではそういうことが出来ないのです。

それはそれで、「深く関わりたくない」という感性を持った今時の若者の文化としてはいいのかも知れませんが、このような感覚で子育てしていたら、子どもの意識や、思考力や、感覚などの育ちを支えることが出来ないのです。


まあ、それでも困らないのですからそのことに問題を感じることもないのでしょう。そのことに問題を感じるのは古い人間だけなのかも知れません。
でも、「人間らしさを大切にしたい」と思う心が残っているのなら、子ども達にちゃんと「話し言葉」を伝えてあげるべきだと思います。

ちなみに、「自分が考えたこと」や「感じたこと」を、自分の言葉で説明することが出来る子は、文字を覚えれば文章も書けるし、理解することもできます。本を読み楽しむことも出来ます。だから、文字を教えるのは後からでも大丈夫なんです。むしろ、急がない方がいいのです。





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Last updated  2023.09.14 08:10:05
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