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森の声

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2025.05.23
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カテゴリ: カテゴリ未分類
私が造形教室を始めたのは、長女が5才で、長男が3才の頃です。どうして「造形教室」だったのかというと、それまでの様々な「子どもに関する、人間に関する学び」を通して、「そのくらいの年齢の子には手を使った活動が必要である」ということを知っていたからです。

現代人にとっては手は「道具」に過ぎません。脳が感じ、考えたことを出力するための道具です。ですから、「脳が育てば自然に手も使えるようになる」と考えています。

でも成長過程にある幼い子どもたちにとってはその流れは逆なんです。手を使った活動を通して、子どもたちの「感じ考える能力」が育っているのです。手を使った活動(対話)を通して入力を行っているのです。(AIも同じことをしています)
人間の能力は、放っておけば自動的に育つように出来ているわけではないのです。

人間の能力の多くは、日常的に使うことで育つように出来ているのです。DNAに書き込まれているのはその能力への可能性だけだけであって、その能力自体は書き込まれていないのです。

「言葉の学び」でも同じです。言葉を介した様々な活動を通して、人は言葉を使い、言葉で考えることが出来るようになるのです。考える能力もその過程で育ちます。「考える能力」が育ったから言葉が話せるようになるのではないのです。
でも困ったことに、今、そこのところが分かっていない人が増えてきているのです。

幼い子どもに話しかけることも、子どもの言葉に耳を傾けることもせずに、「言葉が話せるような年齢になったら子どもは自然に話せるようになる」と思い込んでいる人がいっぱいいるのです。

それで言葉の発達が遅れて小児科を訪れる人もいるみたいです。ある小児科の先生の本に書いてあったことですが、「うちの子、言葉の発達が遅いんですけどどうしたらいいでしょうか?」と相談に来たお母さんに、先生が「お子さんが小さいときにいっぱい話しかけをしましたか?」と聞いたら、「言葉が理解できない赤ちゃんに話しかけることにどういう意味があるんですか?」と言い返されたそうです。



そして、「言葉の使い方」だけでなく、「心の使い方」、「頭の使い方」「感覚の使い方」「からだの使い方」、「手や指の使い方」などでも、「大きくなったら自然に使えるようになる」と思い込んでいる人がいっぱいいるのです。
でも、実際にはそんな魔法のようなことは起きないのです。

そして、大きくなっても自分の能力を使えない我が子を見て「ちゃんと感じろ」「ちゃんと見ろ」「ちゃんと考えろ」「なんでこんなことも出来ないんだ」「なんでこんなことも分からないんだ」と叱ります。そういうものが育つために必要な環境を与えてこなかったのに・・・。

「考える能力」が育っていない子は「考えるとはどういうことなのか」ということが分かりません。だから、「もっとしっかり考えなさい」と言っても、何を言われているのかすら理解することが出来ません。

「感じる能力」が育っていない子に「もっとしっかり感じろ」と言っても、何を言われているのか理解することが出来ません。

そして、子どもたちの成長の出発点にあるのが「言葉の体験」と「手を使った活動の体験」なんです。このどちらがかけても、子どもの成長には困難が生じてしまうのです。

人類が「知性を持った人間」になったのも、「言葉の体験」と「手を使った活動の体験」があったからです。





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Last updated  2025.05.23 09:24:59
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