森へ行こう(心とからだと子育てと)

森へ行こう(心とからだと子育てと)

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

このメルマガ New! かめおか ゆみこさん

Profile

森の声

森の声

2025.05.29
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
人間には「外側を感じる力」と「内側を感じる力」の、二つの異なった「感じる力」を持っています。

外側の世界のことを知るために必要なのは「外側を感じる力」です。そしてこの力はすべての生き物が持っています。この力が無いと環境に適応できないからです。「生きる」ということは「感じる」ということでもあるのです。

「五感」と呼ばれるものがその「外側を感じる力」で、その五感に対応して目や、耳や、鼻や、皮膚や、舌といった感覚器官が存在しています。それらの感覚器官はすべて「内側」と「外側」を隔てている皮膚が変化して作られたものです。

でも、「外側を感じる力」だけで生きている生き物たちは、その感じたことに反応して生きているだけで、能動的に「考える」ということはしません。というか出来ません。能動的に考えるためには「内側で起きていることを能動的に感じる力」が必要になるからです。

バランス感覚のようなものは「内側を感じる働き」の一つで、多くの動物が持っていますが動物たちは内側で感じたことに素直に従っているだけで、それを能動的に認識することは出来ません。食欲や性欲も同じです。

そして、「能動的に考える能力」の基礎になっている「能動的に自分の内側を感じる力」を持っているのは人間だけです。まただから、人間は「真・善・美」といった五感では扱えないものを感じることが出来るのです。

ただし、その「内側を感じる力」の高さは人によって大きな違いがあります。「自分の感情に振り回されない人」、「待つことが出来る人」、「立ち止まって考えることが出来る人」、「周囲の出来事に振り回されない人」、「思いやりのある人」、「物事を深く考えることが出来る人」などは「能動的に自分の内側を感じる力」が強い人です。
そのような人は「自分との対話」を通して周囲に振り回されずに、「自分らしさ」を保つことが出来るのです。

その逆の状態の人、つまり自分の感情に振り回されてしまうような人はこの「内側を感じる力」が弱い人です。多くの場合、こういうことは道徳や人格の問題として考えられていますが、これは「心の問題」ではなく「感覚の問題」なんです。そして「感覚の問題」は「からだの問題」でもあります。



おなかが痛いとき、頭が痛いときなどに、どの辺がどんな風に痛いのかを具体的に聞こうとしてもただ「おなかが痛い」「頭が痛い」を繰り返すだけです。

「反省しなさい」などといっても、「能動的に自分の内側を感じる力」が育っていなければ反省は出来ません。目が閉じている状態の人に「ちゃんと見なさい」といっても無意味ですよね。目が開くのを待ってから言った方がいいですよね。

この「能動的に自分の内側を感じる力」が目覚め始めるのが7~10歳前後なんです。そして、「能動的に自分の内側を感じる力」が目覚めることで、「自分の内側」と「外側」が分離して、外側で起きていることを客観的に見ることが出来るようになるのです。

ただし、この年齢を過ぎてもこの能力の育ちが進まない子もいます。
発達障害と呼ばれるような子はこの能力が低い傾向があります。だからゆっくりと動くこと、周囲に合わせて動くことが苦手です。
発達障害でなくてもこの能力の育ちが後れている子もいます。そのまま大人になってしまう子もいます。そのような人は自分自身のことを客観的に見ることが出来ません。相手の立場に立って考えることも苦手です。

その違いを生み出しているのが、それまでに「手やからだを使った意識的な活動」をいっぱいしてきたかどうかなんです。「物語体験」や、対話を通した「言葉体験」も非常に重要です。

鉛筆でも筆でもなんでもいいですから、長くまっすぐな一本の線を引いてみて下さい。
水平なまっすぐ、垂直なまっすぐ、斜めのまっすぐ。
やってみれば分かりますが、結構難しいものです。
きれいな円や螺旋を描くのも難しいです。


からだの動きや手の動きを通して目で見た○と同じような○を描くためには、「外側に感じたこと」と「内側に感じたこと」を統合する必要があるのです。そしてそのような活動を通して「内側を感じる能力」が育っていくのです。

この能力が育っていないと「あなたの考えを教えて下さい」と言われても、自分の内側を感じる力が弱いため、考えをまとめることが出来ません。

また、待つのも苦手です。
自分との対話が出来ない人は待てないのです。待たされるとイライラするのです。
そして今、ゆっくりや、待つことが苦手な子どもや、大人や、お母さん達が増えて来ています。というか、そういう子や、大人や、お母さんが普通になってきてしまっています。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2025.05.29 07:58:25
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: