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森の声

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2025.09.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類
私が子どもの頃(昭和30年、40年)は、今で言うところの「学級崩壊」などというものは存在しませんでした。一クラスの生徒は50人ぐらいでした。先生は一人でした。子どもを平気で殴るような怖い先生もいましたが、子どもに優しい先生もいました。そして優しい先生のクラスでも崩壊は起きませんでした。

授業中ふらついている子もいましたが、それはその子だけであって、他の子はその子に巻き込まれませんでした。

でも今では、一クラス30人くらいで補助の先生まで入っていても、学級が崩壊して授業が成り立っていないクラスがいっぱいあります。子どもたちに聞くと、「ひどいクラス」「まあまあ、ましなクラス」などその状態は色々とあるようですが、程度の差はあっても、それが「普通」になってしまっているようです。

どうしてそういうことになってしまったのか、という原因は様々ありますが、まず、教師の実力が低下していることがあげられます。

教師ですから、もちろん「教科の教え方」は知っているでしょう。でも、「教え方」を知っているだけでは子どもたちにそれを伝えることが出来ません。子どもたちの前で、いくら「正しい教え方の授業」をやって見せても、「目の前にいる子どもたちの気持ち」を掴むことが出来なければ、誰もその授業に見向きもしないでしょう。それは、テレビで勝手に流れている映像や音声と同じものです。

以前、学級が崩壊しているクラスを見学させてもらったことがありますが、まさにそんな感じでした。先生はちゃんと授業をしているのです。でも、子どもたちは勝手に遊んでいます。先生と生徒がまったくつながっていないのです。授業も、ただ知識を並び立てるだけの退屈きわまりないものでした。

当然のことですが、先生は全員「教科の教え方」や「授業の仕方」は学んでいるはずです。でも、「生徒との人間関係の作り方」や「生徒の気持ちのつかみ方」までは学んでいません。だから、生徒の気持ちを授業に向かわせることが出来ないのです。

問題は、その「生徒との人間関係の作り方」や「生徒の気持ちのつかみ方」は言葉では教えることが出来ないということです。知識をいっぱい学んだからといって出来るようになることでもありません。教員資格を取るための授業で教えることも出来ないし、資格を得るための試験でも検査できません。

「生徒との人間関係の作り方」や「生徒の気持ちのつかみ方」といったような能力は、子どもの頃からの遊びや、他の子や大人たちと一緒に生活する中で、体験を通して学び育つものだからです。「人間関係の作り方」は「人と人のつながり」を通してしか学びようがないのです。



でも、先生たちの多くは「今時の普通の子」だったでしょうから、群れて遊ぶ体験も、アナログの世界でからだを使って遊ぶ体験も、色々な大人と関わり、色々なものを見、実際にやった体験もあまりない状態で大人になり、教師になったのでしょう。そうやって大人になり、教師になった人が「生徒との人間関係の作り方」や「生徒の気持ちのつかみ方」が分かるわけないのです。

またこれは「子育て」にも影響しています。今、「子どもとの関わり方が分からない大人」が非常に多いのです。そういう人は「方法」だけで子育てをしようとします。すると、学級崩壊のような子育て状態になります。「子育て崩壊」です。

で、自分で子育てをすることをあきらめたお母さんは、幼稚園や学校に親の代わりに子育てやしつけをしてくれるように期待しますが、先生の能力もお母さん達と同じレベルなのでそんなこと出来ません。でも、そういう人ほど、先生や学校に責任をなすりつけます。そして先生はさらに疲弊します。

「夫婦関係」にも影響しています。愛し合っていた頃には「愛」が二人をつないでいてくれました。でも、結婚して、子どもが生まれ、子育てが始まると、別の「二人をつなぐもの」が必要になります。それは「信頼」と呼ばれるものですが、「信頼」を育てるためには、話し合い、助け合う必要があります。でも、「人と人とのつながり方」を学ぶことが出来ないまま大人になった人にはそれが出来ないのです。それが出来なければ「夫婦崩壊」という状態になります。

また、子どもの側にも大きな問題が起きています。今、「セルフコントロール」が出来ない子どもたちが非常に増えているのです。そのような子は、欲求が満たされていれば落ち着くのですが、欲求が満たされていないと、それがどんな場所で、どんな時間で、どんな状況であっても、欲求を満たすために勝手に動き回ってしまうのです。

そのような子に「今はおとなしくしていてね」と言っても、「自分が否定されている」ということは分かっても、何を言われているのか分かりません。言葉の辞書的な意味は分かっても、なんでそれが大切なことなのかが分からないのです。それは以前書いた「文字は読めるけど文章が読めない子」と同じです。

<続きます>





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Last updated  2025.09.30 08:43:44
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