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森の声

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2025.11.25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
(昨日からの続きです)
親がどんなに子どものことを心配しても、子どもが登ろうとしてる山を低くしたり、頂上までケーブルカーを付けてあげることは出来ません。親が一緒に歩いて子どもを守ることが出来るのは、山裾に広がる麓を歩いている間だけです。

子どもによっても違いますが、それは14、15才くらいまででしょうか。それ以降は、少しずつ、子どもと一緒に歩き、守ることが出来なくなります。親が望んでも子どもが拒否します。
この頃の子どもは「孤独」というものを感じ始めます。私がヘルマン・ヘッセの「車輪の下」という小説に共感したのもこの頃です。

それ以降も無理矢理、親が付いて行こうとすると、「子どもの人生」が「子ども自身のもの」ではなくなってしまいます。

以前、富士山を麓から登ってみようと思って浅間神社脇の吉田口から登ったことがあります。
最初の内はなだらかな傾斜で舗装された道が続いていましたが、次第に森の中に入り森の小道を歩くようになりました。気持ちがいい道でした。鹿の群れが目の前を横切りました。

でもさすがに富士山は大きいです。歩いても歩いても麓です。それでも進むに従って少しずつ傾斜がきつくなって、やがて「馬返し」という所に出ました。そこから「登山」が始まります。

この「馬返し」というのは富士吉田市の観光ガイドには
世界遺産富士山の構成資産「吉田口登山道」の拠点として多くの登山者に親しまれている馬返しは富士山の標高1450mに位置する富士登山の中継地点です。
 馬返しは字の如く、「登山路で道が険しくなり、乗ってきた馬を帰して徒歩に変わる地点」とされてきました。また“四つ足”である馬は神聖な富士山へは登らせないとも考えられていました。




14,15才というのは、この「馬返し」のような地点です。親が守ってあげることが出来るのはここまでです。そこから先は、自分の足で歩かざる終えないのです。
問題は、その「馬返し」の頃までに、子どもが何を学び、何を身につけたのかということです。

「下を歩くと危ないから、疲れるから」と、馬返しまでズーッと馬に乗せられ続けられてきた子は、何も学べず、何も身につけることが出来ていない状態で、馬から下ろされて険しい山に登らなければなりません。

でも、疲れたときは馬に乗っていても、元気なときは馬から下りて麓を走り回り、仲間と群れ、遊びながらでも自分の足で「馬返し」まで歩いていた子は、馬返しに来た時でも、何の違和感もなくそのまま普通に登り始めるでしょう。「やった!ここから先は自由に歩ける」と感じるかも知れません。

確かに、そこから先は険しくなりますが、でも、一歩一歩景色が広がり、遠くまで見通せるようになります。1合目、2合目という標識も励みになります。また、そのことで自分の努力(成長)も実感できます。

でも、馬返しまで馬に乗せられたままだった子は、「自分がどこに向かっているのか」、「何をしなければいけないのか」、「ここがどういう所なのか」ということを知りません。
さらに、馬の背でゲームばかりやっているような子は、「馬返し」で突然、馬から降ろされたら戸惑い文句を言うでしょう。当然、歩くことへの興味も湧かないし、その体力も、気力も、好奇心もありません。

そして今、「馬返し」まで来たのに、馬から下りることを拒否して、馬の背に乗ったままゲームを続けている子どももいっぱいいます。でも、子どもが大きくなり、親が年を取ってくると、どんなに頑張っても「馬」として子どもを支えることが困難になります。また、やがて日は暮れます。そこで旅は終わりになります。

実は、子ども時代の自然の中での仲間との遊びは、「小さな山登り」[山登りごっこ)として機能しているのです。
コマを回せなかった子が、仲間がやっているのを見て、頑張って回せるようになるのも「小さな山登り」です。
仲間と遊ぶことが出来なかった子が、仲間と遊べるように工夫し、努力するのも「小さな山登り」です。そこには「人生の縮図」があるのです。


子どもたちは本当の山登りが始まる前に「遊び」という形で「山登り体験」(人生体験)をしているのです。失敗しても、その悲しみを受け止め、癒やしてくれる「親」や「家族」や「家」もあります。

「馬返し」の地点まで行くまでに、そういう「小さな山登り体験」をいっぱい積んだ子は、そのまま大きな山登りにも取りかかることが出来るでしょう。
でも、そうでなかった子は・・・・。





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Last updated  2025.11.25 08:57:37
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