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森美術館で「小谷元彦展:幽体の知覚」を見てきました。キレイだけどコワイ、不思議な世界でした。スクリーンで覆われた中に入って鑑賞する形のインスタレーションは、入るまで20分待ち。週末とは言え、現代美術館にこんなに人が入っているとは思いませんでした。意外だったのは、カップルや子ども連れなど、何というか、「普通の人」が多く来場していたことでした。チケットが展望台と共通だから???でも、あんなの子どもが見たら怖い夢見ちゃうよ~。その大行列の滝の映像には音もついていて、その音が次の展示室に行っても聞こえるのですが、なんだかすごくぞわぞわさせられる感覚でした。似た様な感覚を覚えるシーンが「時計仕掛けのオレンジ」にあったような。うまく説明できませんが、前日の「パンズ・ラビリンス」及びゴヤの版画展とあいまって、刺激過多な週末でした。
2011/02/07
「スペイン語の振興と教育、そしてスペイン及びスペイン語圏文化の普及」を目的とするセルバンテス文化センターの東京センター。以前から行ってみたかったのですが、ついに初めて足を踏み入れました。主目的は「パンズ・ラビリンス」(米・西、2006)。おとぎの王国に王女として戻るための試練を牧神パンから与えられた少女が、暗く暴力的な現実世界と、空想の世界を行き来するお話です。ネットでの評判で、「後味がすっきりしない」「怖い」と聞いていたのですが、現実世界では暴力的・残虐な描写があったり、空想の世界は不気味だったりと、どちらにしても怖い映画でした。そして、同時開催の「展覧会 ゴヤが見た戦争-版画集『戦争の惨禍』と報道写真」。これがまた衝撃的でした。「パンズ・・・」では、主人公の少女の義父である大尉がとにかく残虐なのですが、展覧会を見ている間に、「残虐性」というのはもっと普遍的なもので、人間の本質の一部なのではないか、と思えてくるような展示でした。ゴヤは第二次対仏独立戦争の時にサラゴサ市から画家として戦場に呼ばれ、その時の体験にもとづいて作られた版画集なのだそうですが、その時目にした狂気が「我が子を食らうサトゥルヌス」のような作品の裏側にあったのかな、と思わされました。作品としては途中で気分が悪くなって足元がおぼつかなくなるほど強烈でしたが、版画とデッサンの比較のビデオ上映もあって興味深かったです。ちなみに、「パンズ・・・」が上映されていたのは160席弱の会場。座席は階段状に配置されており、座面も普通の劇場のようで見やすく、座りやすかったです。セルバンテスの東京センターは世界の中でも規模の大きいものだそうですが、日本の政府系の文化施設でこれだけのものを持っているところは何箇所くらいあるのかな、と思ってしまいました。(ワシントンDCにある日本大使館広報文化センターのホールは見たことあるのですが、だいたい同じくらいの規模でした。)場所の選び方も参考になります。セルバンテスの東京センターは、四ツ谷駅と麹町駅が近いのですが、5分から7分程度の距離にあり、また住宅地の中にあるため、何かのついでに来る人というよりは「わざわざ来る人」をターゲットにした立地になっています。それだけの自信があるからああいうところに作れるんだろうな・・・。今回の映画で言えば、観客は50名強、9割以上が日本人でした。セルバンテスは毎週土曜日に映画上映をやっているようで、しかも一ヶ月(4回)は同じ作品を上映するので、一回の上映に50人というのはなかなかの集客だと思います。セルバンテス文化センター、インフラも中身もすごいです。
2011/02/05
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