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ハリウッド映画にさまざまな近未来SF映画があり、地球が静止してみたり、奇想天外な異常現象が起こってみたりするが、まったく科学的背景を欠くものでもないらしい。
『戦争はいかに地球を破壊するか』(ロザリー・バーテル 緑風出版)で、著者はウラン兵器、地雷からはじまって、核兵器、ミサイルディッフェンス、宇宙兵器、磁気兵器、地殻自体を平気として利用する研究、地球を取り巻く、大気圏その他を兵器として利用する研究、その他の研究がアメリカのどこでどのように研究、実験されているかを具体的に記述する。
著者は、地球の気候変動のうちのかなりは、それらの実験の影響ではないかと推測する。相次ぐ異常気象、大地震、それらがこれらの地球全体を使っての実験の影響ではないかというのである。とすれば磁気フィールドの破損もそれらの影響の一つかもしれない。
著者は、戦争と戦争に関連するこれらの兵器開発が、地球の資源を枯渇させ、地球を汚染し、環境を破壊し、人類自体をほろぼしかねないと訴える。
それでは、どうすればよいか。著者は軍の撤廃を提案する。そしてその手順をのべる。その最初が文民統制である。とすれば、最近日本で起こった田母神発言は、その最初の部分を逆行させる極めて危険な行為となる。
著者は日本国憲法にも触れる。それが将来の世界の軍の撤廃への道につながる一筋の道として評価するのである。行き詰まりつつある地球の未来を開くために、日本国憲法の道がここでも参照されていることを、私たちは自覚したいものである。
この本はきわめてきちんとした本だが、読みにくい本ではない。ここに私たちに近しいスペースシャトルに関する部分を抜粋してその面白さの一面を紹介したい。
「1980年代を通して世界的なロケット発射数は、毎年およそ500から600を数え、1989年に1500でピークに達した。スペースシャトルはこの期間に導入され、45メートルのブースターロケットを二段持ち、固形燃料ロケット中でも最も大きい。すべての固形燃料ロケットは排気ガス中に大量の塩酸を含み、一回のシャトル飛行はオゾンを破壊するおよそ187トンの塩素、および同じくオゾンを減少させることで知られる窒素7トンを大気中に放出する。各シャトル飛行で放出された387トンの二酸化炭素がこれに加わる。ソビエト航空宇宙技師バレリー・ブルダコフはスペースシャトルを300回発射するでけで、生命を保護できるだけの容量のオゾン層を破壊すると計算した。」
拍手しながら打ち上げを眺めているスペースシャトルがオゾン層を破壊し、地球温暖化を加速し、膨大な税金を消費し、環境と社会に大きな損害を与えていることを、ここで知るのである。
戦争と戦争に備える新しい兵器の開発の恐ろしさ、環境や社会、最終的には地球を破壊するであろう戦争というものについて知るのに必要な一冊である。