Laub🍃

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2012.09.14
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*一度泥がついたら、その手紙は全部書き直しになる。
どんなに心が籠っていても。
それを無理矢理に直そうとするのは醜い行為でしかない。

なら、他の所でやり直そうとするのは当たり前のことだ。

だから俺は、何にでも腰掛ばかりしている。



世界には楽しいものが沢山あるんだから、浅い所で楽しんで、楽しくなくなったり奪い合いになったりしたら早々と撤退するのは間違っちゃいねえだろ?

何事にも本気で打ち込みまくってきた結果、俺の身体も心もぼろぼろだから、次に裏切られたら死ぬ時だと思うからこそ、裏切られても大丈夫な生き方をしてるんだよ。
疑って試して信じるか、信じたふりして腰掛するか、胃をきりきりさせながら相手本位で生きるか。


居場所がなくなったら他の所へ行けばいい。まだまだ世界には人の居ない場所が沢山あるんだから。
人が増えてきたら、居なくなればいい。
そう思っていたけれど、この海底炭鉱と言う名の存外人を追いやらない泥濘は、俺さえ落ち着かせるような魔力があった。
深い深い、暗い暗い、吹き溜まり吐きだめ。
だから外に出て行っては俺はここに戻って来る。

「いやー、俺もやるねぇ、こんな可愛い子に目をかけてもらえるなんて」

ここは面白い。
目の前の、明らかに怪しげな『オンナノコ』に対してそう思う。

そう言ってもらえるとは思わなかったって顔をそいつはしている。

俺のそんな感性は狂っていると言われるが、それは深い所まで関わり合う場合の話だろ?
軽い所で関わるならどんな奴とだって付き合える。


「あぁ、ごめんね、俺はそこまで何かに熱くなれねえんだよ」

軍人だってランチタイムは可愛いもんだ。
娼婦だって化粧の裏側を見るまでは楽しい。

裏まで付き合おうとか欲張りなことを抜かしてるから痛い目を見るんだ。
大きな物事の裏には大きなリスクと小さなリターンしか残ってない。


「……もういいです」
「あはは、失敗したらまたこっちにおいでよ」

年寄りは、若い情動を捨てる事で生き延びる。
その情動を若者に押し付けることによって。

俺の一世代前は、年寄りは若者から情動を吸い取る事で生きていたようだが、いやはや時代は変わるもんだ。

ダイバーシティってやつか。
多様性。あるいは、潜水の町。

競争をしたいやつも闘争をしたいやつも、ここではないどこかに自分の居場所を創りたいやつも、不相応な夢を見てるやつも頑張ってくれや。

俺はその土産話を期待して、自分は自分の分の中で動くからよ。





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最終更新日  2017.04.29 17:08:43
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