Laub🍃

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2012.09.21
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逃げなくちゃ。逃げなくちゃいけない。

「ーーーーーー……何から?」


ああ、でも違う。もうアタシは捕まってしまったんだ。

なら、もういい。かくれんぼもおいかけっこも。


今度はーーーーーーーーオレが。追う番だ。

ーーーーーナニヲ?








ぶちびりと音がする。何かを食い破る音が。

見下ろすとそこには何かの皮。抜け殻。



置いてきたもの。

いや、なんでもいい。これがなんだろうとどうでもいい。
今はとにかく腹が減った。なんでもいいから食べたい。もぐもぐと食べる、食べるごとに自分が膨らんでいくのが分かる。

「ま゛ずい゛」

アタシはオレはもっと美味しいものを知っている筈だ。だけど血の滴るそれは何よりも美味しかった。食べる毎に涙が出てきたのは何故なのだろうか。

”忘れろ”

「あ゛あ゛」

忘れれば楽になると、とにかく食べ続けろと声がする。

食べて、生きろと。

生きる為に生きろと、声がする。


その為に、他者を食い荒らして自分達の血を継ぐ繋ぐことだけを考えろと言われたのだ。



「ーあ゛あ゛、食べな゛ぎゃ」

沢山沢山俺は僕はあたしは私は食べてきた。
だから食べてきたもの全てを背負っている。
だから、あいつらに食べさせてあげる為に、今度は、


もっともっと食べなくちゃ。


? 最終更新日 2017.02.06 21:19:03





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最終更新日  2017.03.20 16:13:39
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