おぢさんの覚え書き

おぢさんの覚え書き

2018.02.18
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カテゴリ: 歴史/考古学/毛人
今回は白倉下原・天引向原遺跡の祭器・装身具を見ていく。本遺跡では3期~4期に属すると思われる方形周溝墓2基(1・2号)が検出されている。それら遺構に伴うものとしては1号方形周溝墓からS字甕が出ている他には目立ったものはない。
以下「小塚エリア―祭器/装身具」スプレッドシートの「白倉下原・天引向原遺跡Ⅲ」シートに本遺跡の祭器・装身具をまとめた。

小塚エリア―祭器/装身具 ​(おぢさん)

白倉下原・天引向原遺跡の鏃と住居数推移について:
鏑川流域(小塚エリア)の鏃分析―②​ (おぢさん)

時期区分について:
鏑川上中流域弥生後期土器編年 ​(おぢさん)
毛野の弥生後期後葉~古墳時代前期の土器編年と時代区分と並行関係 ​(おぢさん)

エリア区分について:
鏑川上中流域の弥生集落分布 ​(おぢさん)

本遺跡で検出された祭器の数を以下の表に示した。



弥生後期1期のガラス小玉が10点検出されている。7号住居から7点、47・53・72号の各住居から1点づつ出土している。大きさはいずれも直径3mmで、色調はいずれも水色に近い明るいブルーである [1]
弥生後期1期からこの地域ではガラス小玉がある程度普及していたことが分かる。以前、​ 一ノ宮押出遺跡 ​の鉄鏃とガラス小玉が出土した25号住居のガラス小玉について古墳時代前期のものと考えたが、弥生後期1期のものである可能性も考慮しなければならない。

この他、古墳前期の蛇紋岩製の管玉が天引地区で比較的多く検出されている。磨製石鏃生産に始まるこの地域の石材加工の技術は、弥生後期から古墳中期の滑石製模造品まで継承されていたのかもしれない。

この遺跡で一番目を引くのは、古墳時代前期の小形仿製鏡だ。直径5.8㎝の青銅鏡で、背面の文様はシャープではないがしっかりと残っている。似た鏡が同じ鏑川流域の神保下條遺跡の古墳時代前期後半の住居からも出土している [2]



天引地区20号住居出土小形仿製鏡 [3]



[1] p.137 群埋文 1994『白倉下原・天引向原遺跡Ⅲ 弥生古墳時代本文編』
[2] p.141 群埋文 1994『白倉下原・天引向原遺跡Ⅲ 弥生古墳時代本文編』
[3] 巻頭カラー写真 群埋文 1994『白倉下原・天引向原遺跡Ⅲ 弥生古墳時代本文編』

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Last updated  2018.02.18 20:40:08
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おぢさん@ Re[3]:無(03/15) なんだかねさんへ お久しぶりです。永ら…
おぢさん@ Re[1]:土器-編年(02/14) 上毛野形名さんへ 長いこと返信もせず失…
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