上海では英語は非常に普及しているように考えていたが、案外普及していない。ホテルとか紅毛人の来る店だけで、一般は本当のかたことしか喋れない。それは北京でも同じことだった。あるホテルのボーイは明後日のことを next tomorrow といっていた。またあるボーイは「彼は昨日来た」というのを “He come yesterday” と流暢に喋っていた。彼等は数百の英単語を支那流に並べているように思えた。日本語は支那の花柳界には大いに通ずるようである。
p.128-129 昭和14(1939)年「近きより 3 上海の文明」『近きより2』第三巻第五号<六月号>大陸紀行号 その二
入口のところに排日の書物が何十種となく積まれていたので、それを見物していたら店員が来て、私に “Red Stars over China” という本や、H. G. Wells の “Shape of Things to come.” という本は日本人がよく買うといった。前者は支那共産党の活動を書いた本だし、後者は此度の事変を十年も前に予言している書物だそうだが、輸入禁止になっていると聞いていたので私は買わずに来た。それに値段も両方で五十円くらいする。紅毛人は実に物を高く売る。それなのに支那人は紅毛人を排斥しないで日本を嫌うのはよほど深い原因があるにちがいない。
p.130 昭和14(1939)年「近きより 3 上海の文明」『近きより2』第三巻第五号<六月号>大陸紀行号 その二
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小野寺秀也さん