能登の手染め日記

Oct 1, 2008

匿名のコメントの中で。

テーマ：学校・教育(259)

カテゴリ：日々

町民アンケートを行って集約しながら、痛切に思うことは『匿名コメント』の扱いの難しさだ。これはネットの掲示板でも思うのだが、匿名ゆえの本音の良い面と悪い面をシッカリ判断する姿勢をもって受け止めるしかないと思った。

過日、隣町の高校で携帯の掲示板で悪口を書かれて恨み、バットで殴る事件も起きていたが、小学生や中高校生のときには書かれたほうの動揺の激しさは相当なものだろうと思う。もちろん、それを引き金にしての暴行は許されるものではないのだが。匿名の世界では一方的な方向にエスカレートすることも多いようだ。

かくいう私も本業のHPの掲示板で荒らしに遭った経験を持つ(--;
「何でも書き込んで良いです」と書いた翌日、画面は「死ね死ね」だけで埋め尽くされていた。もう、笑うしかなくて放置しておいたら、知人から心配メールが届いたりしたものだった（^^ゞ

今回の町民アンケートでも匿名で書かれた内容には、個人名を挙げて非難する文章や出来事を書いた内容のものもあった。中には個人的感情のもつれでもあるのか？と思うようなものも。

公人は非難されることも覚悟しなければならない場合もあるだろうが、それは、非難する側も本名で行うのならばフェアだが、たとえ事実の内容であっても一方だけ特定されて一方が匿名では余りにも片手落ちだわ。

そういう特定個人の誹謗中傷の類は、「･･･の姿勢を正す」という集約の分類をしたが、まさか、通常の良識ある大人が「私が書いた内容と違う」などと言うことも無いだろう（笑
そういう場合は、匿名の人が本名を出して戦って欲しいわ（^^

しかし、一方で匿名のアンケートでしか出来ないこともある。
今回、教育環境についての意見には、子どもを持つ親の立場からコメントを書いてあるものが多かった。内容は学校の問題から社会教育の問題、家庭の問題まで幅広いけど、あぁ、本当に言いたいことがあるんだ、と読むほうに気持ちが伝わってきた。

最近はモンスターペアレントという凄い父母も居るらしいが、それはピントのズレた場合もあって、むしろ正論や言いたいことがあるのに言えない雰囲気、本音で話す場所も無い人にとっては「匿名であることで真剣に訴えたいことを言える場」も必要なのだと思った。

今回のアンケートでは、そうした意見と出会えたことにも意味があった。
僻地の教育環境についての意見。少子化の中での子育て環境は、経済的にも時間的にも精神的にも負担が大きい。そうした切実さも伝わってきた。はからずも、300人近い回答の返信、1000件近いコメントには、町民のはがゆさと、もどかしい気持ちがあふれているように思えた。

匿名で非難めいたことを書いた人の本心も、もどかしさからの言葉のように思えた。みんな、もっと良い町になって欲しいんだ。

アンケートの集約と公開では、新聞折込の紙面のスペースなど幾つもの条件のもとで行うから、必ずしも全てに応えられるものではないけれど、真剣に書いた内容は、しっかりと町に伝えたいと思う。そこから具体的な提案も引き出したい。

「もっと早くにアンケートをすれば良かった」という言葉が会の代表から出た。そして、もっと町民の意見の言える場が必要なことと、それを受け止め取り組んでもらえるように行政に伝えたいものだと思った。