能登の手染め日記

能登の手染め日記

Oct 18, 2008
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町民アンケートの視点

町民アンケートの内容が、ちょっと話題になって私の耳にも届いてきている。色々と感想を言われるが、全体的には町民から広く意見を集めたことが好感を持って迎えられているようだ。

アンケートの結果は、実は予想できなかった。アンケートの設問に「何かを誘導するような文章や、何らかの意図があるような設問にしてはイケナイ」というのは分かっていたが。私自身、こうしたアンケート作ることは慣れていないし、AGOの会議で「設問を作るとき」には、「何かを質問するならば、逆の内容の質問を対等に並べよう」という話になった。

私たちが知りたかったのは、今の時点で「町民が、どう思っているか」ということだった。だから、そこから始めるしかない、と思った。

幾つかの分野で批判票の多いものもあった。それはそれで受け止めるしかない。今の時点で批判が多い事を、例えば2年後、4年後に同じ内容のアンケートをしたら良い結果になるように工夫や努力をする為の批判票だと思えば良い。

書いてもらった町民の意見は種々様々だった。
多かったのは、シンプルに要望。これは予想通りだった。だが、コメントには厳しい意見も多かった。そして付箋を添付したものや別紙を同封したもの。自発的に意見を集めてまとめてくれたものがあった。キレイごとじゃない。生の声が聞こえてきた。

そこに、本気さが感じられた。だから、私たちも本気で取り組めた。

アンケートを行うだけでは足りない。アンケートの内容をどうしたいのか?結果からどうしたら良いのか?

町は復興のための提案や意見を募集していた。私たちは町民の提案を行おうとした。

アンケートの公表前に臨時のAGO(穴水町行政改革を応援する会)月例会を開いたら、いつもの倍の10名のメンバーが集まってくれた。アンケートの結果と提案のタタキ台を読み上げた。内容に意義を唱える人は誰一人居なかった。いや、もっと厳しい内容を、という意見も、あるにはあったが、町批判をするためのものではなく建設的な提案をするという合意を得ることはできた。

何らかの集まりでの会議やイベントや事業では、往々にして会議を行ってもまとまりにくいことや、会を重ねると集まりが悪くなり、その結果、一部の人の意見で動く場合もある。会の運営というのは面倒なもので、ある程度の合意を得た方向に進めないと必ず不公平感や不平が出てくる。

先日の公民館の会議では、そうした経験が積み重ねられた上でシッカリとした資料が作られている。AGOの会議や運営でも、会議に来ない人にも同じ資料を送り届け居ている。それによって決まった主旨や目的を会員全体に承認してもらうことにもなる。こうした手続きを行わないと私たちの活動そのもの土台が不安定になる。

23項目の提案内容には、AGOの2005年3月からの活動や会議の中で出てきたものが沢山ある。その中からアンケートの意見や提案に添ったもので建設的な内容を選べば良かった。

提案は こちらから

さて、提案の内容は、幾つかの分類があって、一つは要望。だが、この要望には柱になる考え方が欲しかった。そして、それは、アンケート結果から明らかだった。
『医療環境と教育環境の悪い町に人は暮せない』
だから、『これ以上悪化させないで欲しい』。そこに多くの町民の切実な思いが書かれたコメントがあったから。

もう一つは、要望ではあるが、要望した事業が行われれば『町民が参加できる』ことにある。
町の事業に町民の一人ひとりが参加できる内容を選んだ。それが、街中ギャラリーであったり、1集落1特産品創出、防災組織への参加、町民フォーラムなどになる。

またエリア分類では、能登全体の広域で行うこと、町が行うこと、集落・町内会で行うこと、そして町民が個人でも行えること。内容は、この4つに分けられた。

結果として最後は「町は町に暮している人が作るもの」なのだが、町民一人ひとりには、復興に力を出したいと思っている人も多いが、何をしたら良いのか分からないという声がある。
私たち一人ひとりが頑張りたくても、町の方針が曖昧であれば進む方向が分からないし、努力しても進む方向がバラバラではもったいない。
町は進む方向を示して、町の人々を育てて、人の力を発揮してもらう場を作れば良いはずだ。

正直なところ、専門家ではない私たちとしては、もう少し学ぶ時間と考える時間があれば、とも思った。十分な内容の提案書ではないと私自身が分かっているけれど、なにぶん素人の集まりなので、この先も学んで行くしかない。そして町民の一人として今の段階できることを行うしかないのだと思うばかりだった。

昨日今日と、知り合いからアンケートの話を聞いていて思った。
この町は、正直なところ地震前にはあまり『まちづくり』が話し合われてきた町ではなかった。だが、地震後、町民も色々な会合でまちづくりを学んできている。

地震から1年半。復興のイベントや事業が頻繁に行われているし、復興の補助金の使い途も話題になっている。一過性のイベントで補助金が消えていくと懸念する声も聞かれた。

補助金の中から、町と町民をつなぐコンサルやコーディネータを雇うことは出来ないのだろうか?3年、5年という単位で町の中に暮して、町民を育てながら町民とともに『まちづくり』を進めてもらえるようなプロが居れば良いのに、と。そう思うのは私だけではないようだった。
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Last updated  Oct 18, 2008 11:40:56 PM
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