能登の手染め日記

Nov 12, 2008

穴水町・地震からの復興は？

テーマ： ★つ・ぶ・や・き★(566511)

カテゴリ：日々

能登半島地震で穴水町は大きな被害をこうむって、家を失ったり店をなくしたりした人がいる。被災者には今でも仮設に住んでおられる人もいるが、精神的にも経済的にも苦しい中で、それぞれの再建に向けて頑張っている。

そして今尚ボランティアに取り組んでいる人たちも居るし、復興に期待している人も多い。　

しかし、先日話したある人は、私にこう問いかけてきた。
「地震前の穴水町や商店街はどうだったか？」と。

「あんたも知ってると思うけど、実は、とてもヤル気の無い町であり、とてもまとまりの悪い商店街だっただろ？」と。
そう言われれば返す言葉が無い。

「復興の資金4500万円をもらった商店街は儲けもんだよ。地震前にはイベントさえなかったのが、今はイベントするだけでもマシになった」

私には一過性のイベントを行っても将来に結びつくことは少ないと思えるし、イベント疲れも聞こえてくるし、イベントで利を得る人とそうでない人の気持ちの温度差も大きくなる。補助金がなくなった後はどうなるのか？補助金で専門のまちづくりのプロを呼んで全体で取り組めば良いのになどと思っているのだが。

そして、彼はこうも言う。
「もともと何もしない役場だし、商店街といっても元々バラバラだし、これで元通りのようなもんだ」と。

それは無いだろうと言うが、
「あんたは期待しすぎや。高校無くなるいうても何もせんのが、その証拠や」

商店街には地元に高等学校があることによって、その経済効果は３億円ともいわれている。しかし、このままでは３年後には入学募集停止となり５年後には廃校となる。むしろ県がそういう方針を出したから、もう決まったんだと諦めにも似たような感じさえ受けられる。

「穴水は、こんでも、ちょっとだけイイ方に変わったんだよ」
「だけど、のんびりとした取り組みでは手遅れになる」
「あんたら、欲なこと言い過ぎ。県内最悪の赤字の町と言われても何もしない。変わるわけがないよ」
・・・そう言われれば元も子もないのだが、実際目に見えるような動きは無いといえる。

今日も、
「役場へ行っても、どこにも『復興』だとか「町作りに頑張ろう』などの看板や垂れ幕や、ポスターなどがない」ということです。とにかく、地震が起きた後、よく『変える機会にする』ということも言われたのですが、ほんとに役場も商店街も本気になっていないところがあります。」
というメールが届いていたのだが、関係者の意識が変わらない限り無理というのは現実でもある。

復興やまちづくりの案をまとめて提案もしてきたが、自分でも「これが簡単に実現する町とは思えない」というのが正直なところだ。実際に決定して実行するのは町役場であったり商店街に暮す人たちであるから希望や提案を出すことはできても、中途半端な手出しはできないのが現実だ。

「そんなに言うなら、あんたがやったらイイ」と言われたこともある。役場職員や議員からそういう言葉が出ると内心「あんたら給料もらっているプロじゃないのか！」と反論したい気分でもあるが、プロ意識の無い人間に何を言っても無駄であるし。専門家でもない私たちが本業を捨てて取り組むことなど出来るわけもないし、現場の人の頭越しに出来るわけもない。

以前から気づいていたのだが、反応のない町という中で発言し続けるのもシンドイものがあるわ。最近覚えた言葉に「心が折れる」ってあるけど、こういうことか～、と思う…（--；

行政やまちづくりのプロでもない私たちが言うことは信じてもらえないことも身にしみているし、だが、それでも私たちに出来ることは、意見をまとめて可能な範囲の発言を続けることしかないのも現実だ。

あぁ、かくいう私も借りていた事務所兼アンテナショップが崩壊し、もう街中で活動する拠点を失ったままだということを、ついつい忘れている。金銭的にも精神的にもダメージは大きかったが家で継続して仕事が出来るだけマシであると思い続けてきた。今は町外れの地で地味に活動をするしかないような気がするなぁ～と（^^;

と言いながら、今夜は30日に行われる地区の文化祭のプログラム編成会議に出かけてきた。
新たな提案があって会議が盛り上がり「可能性のあることはヤル」「問題が起きたら改良する」という意見でまとまるのがこの地区だ（^^

小学校がなくなった痛手の中で、今年も500戸弱の地域で会場に500人集めよう！と、メッチャ無理っぽい話だが運営委員の意見は一致する。

ここの会議は明快なので気持ちよくて、私も元気を貰えた感じ。さしずめ「折れた心」接着中ね（^^