仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2013.10.15
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カテゴリ: 宮城
昨日に続き、宮城県内の災害を知らせる地名の話を。太宰先生の本を読みながら。
(太宰幸子『地名に込められた伝言 災害・崩壊・津波地名解』彩流社、2013年)
■昨日の記事  仙台・泉区の赤生津を考える (2013年10月14日)

水害を知らせる地名としては、昨日記した赤生津や荒川などのほか、袋、郎丸が関連する。また、ウメ(梅田など)、カケ(欠、懸、柿など)、カメ(亀田など)、ヨネ(米川、米山など)、ツル(鶴巻、鶴巣など)も水害を受けやすい地を示している。

崖崩れなどの災害を知らせる地名としては、クリ(栗生、栗木など)、アザブ・アオソ(麻布、青麻)、小豆、倉(大倉、沼倉)、サクラ(佐倉)、シロ、放れ、竹(竹谷など)、貫(平貫など)、萩(萩野など)が関連する。

いずれも、崩れる、荒れる、取れるなどの言葉から生まれたものとされる。中でも興味を引いたのが、「猿」である。

サルは、古語のザレ(礫)の転訛で、山の崩れて欠け落ちた所や岩の崩れることをいう。地名の例として挙げられているのが「猿田」で比較的多い地名とのことだ。

同書に説明されているものでは、


○ 猿田(角田市)(地元ではサンダと呼ばれる。猿田溜池がある。昭和61年8.5豪雨で地滑り。
○ 猿跳(さるぱね、丸森町)
○ 猿鼻(さるはな、蔵王町)ハナは地形が出っ張っていること。住所表記は町尻。東に猿頭の地名があり、ザレの始まりの地だろう。

もう一つある。この読み方が興味深い。

○ 猿田( ねこた 、蔵王町)地元では「去る」で縁起が悪いので猫にしたと伝わる。

猿田と書いてネコタと読ませるのだから面白い。松川と薮川の合流地点で、猿が来て田植えを手伝ったという伝説があるが、川が崖を曲流していて、古くから崩れていたのではないかという。また、ネコは山の麓や山の根方を意味し、ここも山の際に位置している。

私も地図を見てみた。蔵王町の宮地区の小字に猿田があり、読みはやっぱりネコのようだ。





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最終更新日  2013.10.15 20:32:28
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