おいしい 千葉 ~ponの食べある記~

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2006.07.01
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テーマ: 吹奏楽(3438)


イントロ部分を自分で創り、最初は木管のメロディとユーフォ+アルトサックスの対旋律で静かにながす。全楽奏のあとサビの部分は、ブラスのエコーを利用して神聖な響きを強調した。中間部は、2分音符を基調とした3拍子で変則的なバックに6/8的な譜割りでメロディをながす。ジャズワルツで後を引き継ぐ。4拍子に戻してからは、ムソルグスキーっぽい濃く強い打音で、その表にスタッカートを効かせた主旋律をかぶせた。

実際に音にしてみると、これが最高に面白かった。譜面上のただのシミが実音となり、それがまとまって複階層のハーモニーに昇華し、音楽として立体的に立ち上がるときの喜びは、経験した者でないとわからないだろう。他のことを忘れるくらい夢中になった。音楽用の万年筆を購ったのもこの頃である。千葉や銀座や渋谷のヤマハによく行くようになった。

顧問の先生に何曲かアレンジを頼まれるようになった。1つだけすぐに披露しなければならない曲があった。フルスコア(32段譜)を上から下までていねいに書いている暇がない。仕方なく、アレンジは自分の頭の中ですませ、じかにパート譜を書くような綱渡り的なことをした。ブラスの楽器はC・B♭・E♭・Fと基調が異なる楽器が多いので、頭だけでやるのはかなり面倒なのだが。徹夜で一気に書きあげて翌朝に楽譜を渡すと、先生はさすがに驚いたようだった。

こうなると、自分の曲を作ってみたくなるのが自然の流れだろう。これはさすがに四苦八苦した。何も元がない白紙の状態から一切合財を創出していく苦労は、編曲とは比較にならない。それでも2週間ほどでコンデンスドの骨組ができ、徐々にスコアのほうで詳細な組み立てをするようになった。

日曜の午後にその曲が完成した。パート譜に行く前に、どうしても顧問の先生にスコアを見てもらいたかった。先生の家は八幡宿と五井のちょうど中間の線路沿いにあった。譜面をわきにかかえ、片手自転車で向かった。在宅していた。全段譜を見て、ピアノでいくつかのメロディーを拾うと、先生の表情はみるみる変わっていった。(やってみよう)私の両肩をしっかりにぎり、叩いてきた。卒業生を送るときに披露することに決まった。

旧道沿いに「珍満」というさびれた中華食堂があった。帰る道すがら私はそこに寄って、餃子2人前とライスを注文した。

そこの餃子は、裏側に油がべっとり付いているような代物だった。しかし、これが意外においしかった。皮がパリッと香ばしく焼けていて、中のあんから熱い肉汁がはじけ飛んでくる。小皿のたれがその半透明液でゆるくなった。すぐに醤油とラー油を注ぎ足した。添えられたスープはネギが浮いているだけのシンプルなものだったが、生姜がやんわり効いた佳絶品だった。餃子→ライス→スープという3ステップで食べすすむ。リズム良く、もりもりといった。

後頭部のほうがだるい感じでかなり疲れていたが、家に帰ってさっそくパート譜書きに精を出さなければいけない。最後のスープを飲み干すと、私は自分を奮い立たせるように勢いよく立ちあがった。


餃子2





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Last updated  2006.07.03 18:51:49
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