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深浦山 宝泉寺
曹洞宗 白花山常源寺 末寺
本尊:釈迦三尊
西郡深浦町のほぼ中央、港の真向かいに猿鼻神公園がある。国道バイパス建設以前は、公園内の岩山をえぐったトンネルを通ったものだ。現在でもトンネルは保存され”深浦の顔”になっている。トンネルのそばまで波打ち際が迫り、宝泉寺は猿鼻神の裏山で黒松に囲まれていた。猿鼻神は宝泉寺の境内の一部なわけで、黒松越しに見下ろす日本海は”深浦十二景”の1つ。夕方、猿鼻神境内から響き渡る梵鐘の音が懐かしい・・・と語り継がれているが、戦時中の18年、軍部に献納されたのは惜しまれる。
記録によれば、現在地で開山したのは天正2年(1574年)。それ以前は寺屋敷で庵寺だったらしい。弘前市の本寺 常源寺 や 長勝寺 とは親類同様の関係で、十七代海月潭玄和尚が途中で長勝寺の住職になり、十八代廉翁勇道和尚も長勝寺で長く修行した。開山当時から境内の一角に金毘羅堂があり、航海人の願いをかなえている。
ところで金毘羅堂にはカニの彫刻がはめ込まれている。伝説によると、近くの沢にヘビが多く生息、僧の修行を邪魔していた。そこで修行僧たちが金毘羅さまにヘビが現れないように願掛けをした。すると満願の日、海からカニが出てきてヘビを追い払ったという。「宝泉寺をカニが守ってくれたことになる」ということで、今でも宝泉寺内にはカニを入れず、毛ガニの料理も食べない風習になっている。
現在の本堂は約200年前に建立されたが、その間火災に見舞われ、安政2年(1855年)に改築している。しかし、玄関入り口の軒下には元禄時代の名残とみられるスイカと唐獅子の彫刻があった。「スイカは実、花、ツル一式が刻まれ、珍しいものです」という。
玄関わきには樹齢500年の黒松が境内に君臨するようにそびえ、芭蕉塚があった。明和4年(1767年)深浦町の俳人 竹越里桂らが芭蕉の法要を兼ねて石碑を建てたもので「闇の夜や 巣をまどはして 啼く千鳥」という芭蕉の句が刻まれている。津軽地方で一番古い芭蕉塚ということで、町では “千鳥塚”と呼んで史跡に指定している。秋田・青森両県の俳句大会も石碑の前で催されている。
また宝泉寺では毎月第二・第四日曜日、近くの住民が集まって座禅会が開かれている。
宝泉寺の蟹伝説
小野道一
毎朝、和尚はお釈迦様に供げたご飯から取りよせた生飯を無縁仏・畜生道・餓鬼道の人たちを供養するために、宝泉寺の横を流れる沢に流していました。ご飯粒は沢を流れ流れ寺浜へ流れていきます。
ある朝、和尚が朝早く鐘を打とうとして鐘楼堂に行くと、大きな蛇が鐘の下でとぐろを巻いていました。本堂で朝のお経を始めようとすると本堂の中まで入ってきます。庭そうじをしようとすると庭にいてじゃまをします。あげくのはてには、寺にお参りにきた人たちにも墓をぐるぐる巻きにしたり、行く手をじゃましたり、日を重ねるごとに蛇の悪さはひどくなっていきて、和尚も困ってしまいました。
大きな蛇の悪さに困った和尚は、お釈迦様にお願いするしかないと思い、月の光が明るい晩に、本堂で一生懸命「般若心経」を唱えて拝んでいると、なにやらミシ・ミシ・ミシというすごい音が聞こえてきます。何ごとかと思い外をのぞいてみると、大きな蛇が、本堂にぐるぐる巻きついてしめつけているのです。本堂は左右にグラリグラリとゆれながらミシ・ミシと音をたててしめつけられます。もう駄目かと思いながらも一心に「般若心経」を唱え続けました。するとどこからともなくガサ・ガサ・ガサ・ガサという音がしだして、その音がだんだんと大きくなってくるのです。その時突然、ドシン・ドシンという音がしました。ドシン・ドシン・ガサ・ガサ、その度に本堂がぐらぐらゆれるのでした。和尚はなおも一生懸命に「般若心経」を唱え続けました。やがて、ぱたりと音がしなくなり静かになりました。
夜が明けてきたので和尚が外をのぞいてみると、大きな大きな蛇が死んでいます。よくよく見てみると大きな蛇にはたくさんの蟹がかみついていて、死んだ蟹や、まだ生きている蟹が境内一面に、本当にたくさんいるのでした。どこまで蟹がいるのかたずね見てみると、沢から寺浜まで続いていました。いつも和尚に生飯をもらっている蟹たちが、和尚を助けてくれたのです。
それからというもの宝泉寺では、四国の金毘羅様を分社していただき、寺を守ってくれた蟹を守護神として祭り、供養のため蟹を食べないことにしたのです。現在でも宝泉寺の境内にある金毘羅堂には蟹が彫刻されており、門内に蟹を入れることなく、食べることもなく、昔の伝説が生きています。(宝泉寺住職)






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