
今日の画像は、私にとって初めての参拝となった「高鴨神社」を、遠方より撮影したものである。
御祭神については、古くは「阿治須岐高日子根命(あぢすきたかひこね)」と「下照比売命(したてるひめ)」の二柱を祀っていたとされ、星々と神々との関係に詳しい書籍によると、阿治須岐高日子根命はオリオン座の「ベテルギウス」が、そして下照比売命は同じくオリオン座の「リゲル」が、それぞれ真祭神として想定できるということだ。
☆関連記事・・・ 2009年09月26日・「神々と星々と・・・(2)」
加えて当地は鴨氏一族の発祥の地とされ、「高鴨神社」はその氏神として祀られたものである。
鴨氏はこの丘陵から奈良盆地に出て、葛城川の岸辺に移った一族が「鴨都波神社」を、東持田に移った一族が「葛木御歳神社」を祀ったとされ、後に高鴨神社を「上鴨社」、御歳神社を「中鴨社」、鴨都波神社を「下鴨社」と呼ぶようになったとのことだ。
高鴨神社に参拝の後、私は隣接する歴史資料館を訪ねた。館内の御方と会話を楽しんでいると、鴨氏に纏わる神社が、高鴨神社を含めて五社あることを知り、2~3枚の案内図をいただいた。
これを頼りに残りの四社を巡ることにしたのだが、それぞれ地域別の案内図のため、かなり模索しながらの巡拝となった。
結果として最後の参拝となったのは、「中鴨社」の葛木御歳神社であった。参拝を終えてフト葛城山系を眺めると、金剛山と葛城山の間の「凹み(水越峠)」が気になったので方位を調べてみたら、この神社社殿を背にしてほぼ真西であることが確認できた。
私的感覚ではあるが、この「中鴨社」こそ、鴨氏系の主要五社のなかで、かつては葛城山系の東麓全域を祀る中心的な神社であったろうと感じたところである。
奇しくも近畿上陸の初日は、葛城山系東麓に栄えた「葛城王朝」を訪ねる行脚となった感じだ。
これを「聖武天皇」との関連で思いを馳せるとするなら、母親の「藤原宮子(文武天皇の夫人)」の母親、つまり聖武天皇の祖母となる「賀茂比売(藤原不比等の夫人)」の御姿が思い浮かぶ。
この「賀茂比売」の名から、賀茂(鴨)氏からの出自が窺い知れるので、当日はまさに聖武天皇の母方の先祖に纏わる地所を訪ねる旅路になったといえよう。
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