もずやの『一期一会』

もずやの『一期一会』

2009.02.08
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http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=8270135&id=134373


まず、河井寛次郎について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E4%BA%95%E5%AF%9B%E6%AC%A1%E9%83%8E

 この本を読んで感じる事は、現実の陶工としての河井の民藝への想いである。河井は陶芸の話に始って、染物のはなし、他の手工芸にまで言及しているが、一貫して感じる事は、『作ることの歓び』に対して温かい目で見守り、絶賛していることである。河井自ら書いたそれぞれの工程にはモノが出来上がっていく様子をウキウキと、湯気があがるような気持ちで見ている様子が感じ取れる。これは現実の陶工である河井だからできる表現なのであろう。
 河井はいわゆる芸術的陶芸においてかなり期待された存在であり、民藝に加担したことを惜しむ人たちも多かったという。技巧的にかなり卓越した技術を持っていたらしい。しかし、そんな河井も技巧に行き詰まり、苦しんでいたのだろう。そして、思いのまま、いわばコアの技術だけで伸び伸びと製作にあたることをよしとする民藝の世界に救いを見出したに違いない。河井は紛れもなく天才であり、すぐれた陶芸作家である。しかし、それの才を抑え、彼なりにシンプルに表現したところに彼の作品は完成を見たのだと私は思う。
 この本を読むと、全国の地方農村に出向き、その質素な暮らしぶり、自然と一体となった生活を絶賛している河井がいる。そういう暮らしから良いものが生まれるのだという。しかし、河井寛次郎記念館を見ると、その生活からは程遠い。私も読みながら初めは、『何いってやがる』と思っていた。しかし、違うと思った。できるだけ質素にシンプルに暮らしたい、しかしそれができない自分が苦しい。それで余計にそういう暮らしをしている人たちに憧憬を抱くのだ。そういう高みを目指しながら、それにたどりつけず苦悩する姿。これが人間河井寛次郎の実像なのではないだろうか。
 この本は、製作にかかわらない柳宗悦と違い、陶芸作家である河井寛次郎が民藝について書いているので、多くの工人は読まれるといいとおもうし、モノづくりに携わるものならば、同じ苦悩、同じ喜びに共感し、大きなヒントとなるかもしれない。
 私は、民藝というのは『作る喜び』『作り手の愛』というのが原点だと思っていたので、そのことをそれとなく感じさせてれるこの本は、読んでから3時間くらいしてから、じんわりと心にしみてきた。






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Last updated  2009.02.08 22:23:19
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