私訳・源氏物語

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January 8, 2025
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カテゴリ: 真性多血症・病気

12 13 17 日に入院の支度をして外来に来いという主治医からの宣旨が下った。入院期間を尋ねても、 17 日の検査結果次第で一週間になるか来年になるか分からないというので、私は困ってしまった。主治医は歯ブラシとタオルくらいで十分。寝巻もあるし、コンビニもあるから荷物はもたなくていいというのだが、女はそうはいかない。下着類はある程度必要だろうし、パソコンやスマホの他に電源用延長コードも要るだろう。化粧品は最小限でも洗面用具は必要だし、寝巻の上に羽織るローブだって必要だ。結局旅行用の小さいカートに詰め込んだのだが、情けないことに体調がイマイチなのでアタマが働かず集中力がなくて荷物をうまく纏められない。
 確かに数か月前からいつになく倦怠感が強く、一日中寝ていることが多くなってはいた。食事はちゃんと食べていたつもりだが、久々に測ってみると体重が 3 キロ減っていた。料理もしていたつもりだが、考えてみると買い物に行っては一眠りし、一品作って力尽きていたから、まともな食生活でなかったのかもしれない。
 今回は採血の結果白血球数が 6 万を超していたので、主治医がちょっと慌てたようだった。今までハイドレアという薬を 7 年間、薬数を加減しながら服用してきたのだが効果が薄く、半年ほど前にはインターフェロンを勧められたこともあったが、副作用に「自殺企図」という項目をみてしまっては、さすがに怖くなってお断りした矢先だった。
 主治医からの指示で 13 日の夜から、一日二回 20 時、 8 時に「ジャカビ(ルキソリチニブリン酸塩)」という抗がん剤を 17 日まで服用した上で入院することになった。
 入院など思いがけないことだったが仕方ない、覚悟を決めることにした。
『こうなったらもう、今まで逃げ回っていた骨髄穿刺も潔く受けましょう、ジャカビもちゃんと飲みましょう』という心境になった。
 ジャカビを服用して 4 日目、白血球数は 4 万に落ちたものの、脾臓が肥大していて本来は肋骨の中に納まっているのに、私の場合はへそのところまで巨大化しているという。道理で診察の度に転ぶな、事故に遭うな、角っこにぶつけないようにと注意されていて、私は「いいお返事」をしていたものの、実はあまり深刻に考えてはいなかった。
 しかし考えてみれば息切れや動悸、ふらつきが頻繁に生じていたのは確かで、昨年正月明けにマンションの廊下を、ゴミを持って走って突然倒れ、まともに顔を打って傷だらけになったことがあったが、あれは貧血が原因だったかもしれない。
 寝汗は少ないもののパジャマの襟もとが一晩でぐっしょり濡れては乾きを数回繰り返し、皮膚の痒みが激しく眠れないことも多かった。
 ところがあら不思議。ジャカビが著効を奏して、上げ膳据え膳の入院中にそれらの症状がほとんど消失したのだ。からだのだるさと頭痛は相変わらずだが、服用して一週間後から発熱と発汗、それに皮膚掻痒が消失した時は本当に嬉しかった。食後に食器を下げに行くと息切れと動悸がするのだが、主治医によると脾臓が腫れているので、満腹になるまで食べないで一日 4 食に小分けせよという。
 もともと胃腸は丈夫であり、しかもがんセンターのお食事はいつもアツアツでおいしく、病人のくせに毎回恥ずかしいほど完食してしまう。同室の患者さんたちとのおしゃべりも楽しく、しかも 7 階の女性の看護師さんたちはそれぞれに若くきれいで優しいひとばかり。おばあちゃんとはいえとても楽しく入院生活がおくれたというわけだ。退院前に輸血するかもしれないと言われたのだが、嬉しいことにこれもギリ!セーフだった。 
ハイドレアは一日おきに 1 カプセル、 2 カプセルの服用だったが、薬剤師のくせに適当だったことを大いに反省し、一日おきに 1 カプセルを、ジャカビはタイマーをかけて 8 時と 20 時に正確かつ律儀に服薬している。

 さて年内に無事自宅に戻ったのはいいのだが、今度はクルマに問題が生じていた。
 実は 13 日に病院からの帰り、パネルにドアが開いているとの表示が出ていたので、途中で止めて全ドアを開け閉めしたのだが消えない。トランクは開けた記憶がないので確認しなかったのだが、これがいけなかった。その足でディーラーにまで行けばよかったのだが、病院帰りで早く横になりたくてつい家に帰ってしまったのもよくなかった。入院する前日、クルマを出そうとしたら、ドアが開かないではないか。カードキーについている小さなキーを挿して回したが、これでも開かない。家に戻ってリモートスターターを使ってみたのだがこれも利かない。入院時はクルマに乗ってくるなと言われていたし、仕方ない、入院してから保険屋とディーラーに相談しようと思い、暗い気持ちで入院したのだが、何とこれは故障ではなくバッテリー上りが原因であることが判明した。退院後にディーラーさんが来てくれてバッテリー・ジャンピングとかいう処置をした後引き取って 2 日ほどかけて充電してくれた。

 昨年はいろいろなことのあった年で、夏にはマンションの友達と 3 人で函館まで二泊三日のドライブ旅行をしたのだが、その帰りに白老で高速を降りて食事した後クルマが故障してレッカーされるはめになってしまった。見知らぬ人に「いいクルマだね」と褒められた愛車ではあるが、すでに 14 年も経っている。故障してもおかしくない年齢だ。だから私の処置が悪かったのに、てっきり故障と思い込んでしまったのもよくなかった。
 年を取ると考えにバイアスがかかってしまって、ちゃんとした判断ができなくなることを実感した一年だったが、とにかく自分の病気もクルマも、だましだましではあるけれど、動けるようになったことが何よりうれしい。






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最終更新日  January 8, 2025 11:56:38 PM
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