2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
全1件 (1件中 1-1件目)
1
いよいよこの日が来た。我が、フォックス家が没落してから、何年になるだろう。長かった。これから、リスボン王宮で、私は「騎士爵」に叙勲される。これで、我がフォックス一族も再び貴族の仲間入りができるのだ。私の父、アルベルト・フォックス男爵は、サルミエント商会に並ぶほどの、リスボンでも有数の商会の商会長だった。それが、とある事件をきっかけに、無一文になり、父は処刑され、爵位は剥奪されてしまった。そう、あの日、私がまだ幼い子供だったときのことだ・・・・。後々になって、その事件は濡れ衣だったことが発覚したが、もう元には戻らない。その後、私は20歳になるまでは、遠い親戚の所に預けられた。そこでの生活は、思い出したくもない。あれほど辛かった日はなかった。父が生きているころには、ペコペコしていた親族が、急に冷たくなり、私をさげすむような目で見るのだ。最低限の食べ物と寝床。それ以外は、一切与えられなかった。そこで私は、家の者が寝静まってから、一人でコツコツ勉強をしたものだ。航海術、戦闘術、政治学、商売に始まり、考古学や美術、宗教学にいたるまで、ありとあらゆることについて学んだ。いつの日か、フォックス家再興のためにと一心不乱に学んだものだ。そして、20歳になったとき、私は家を出て、リスボンの「海事ギルド」に行った。世の中で、認められるためには、まず「力」を得ることが一番の近道だと思ったからだ。そこで、まず、見習いから初めて、准仕官、海軍士官、上級仕官と順調に昇進を重ねた。また、ナポリの片田舎に「アルカディア商会」という商会を立ち上げ、仲間を募った。商会は順調に発展し、軍人、冒険者、商人とその道では、一流と言われる人物が集まってきたものだ。しかし、いつしか「力」だけではいけないと思い、若かりしころに学んだ知識を生かし、冒険や交易を始めた。私は軍人としての能力だけしかないと思っていたが、ここにきて、冒険も交易もこなすゼネラリストとしての能力に目覚めた。そして、月日は流れ・・・20歳の頃、爵位も何もなく、落ちぶれた「郷士」だった私も、いよいよ「騎士」として貴族の末席に加わることになったのだ。アルカディア商会の商会長として、商会で始めての「騎士」に成れたことを誇りに思う。これで、父の「男爵位」を再興させるめどがついた。いや、私はそれだけでは満足できない。このポルトガル王国をさらに発展させ、「子爵」「伯爵」「侯爵」「公爵」・・・と上り詰め、いつしか貴族の中でも最高の爵位「大公」に上り詰めるつもりだ。そう、今日は、その第一歩の記念すべき日なのだ。ナポリ一番商館 アルカディア商会 代表 ランド・フォックス騎士爵私の新たな称号だ。
2006/03/26
コメント(4)