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今日の話題は、「南極とミッドウインター祭」です。ーーーその1ーーー ミッドウインター祭は、各国の南極基地で冬至の時期に行うお祝いの行事を言います。冬至といいましても南極は南半球ですから6月の22日前後となります。 すなわち、南極はつらい冬の時期の折り返し点のミッドウインター祭があります。 日本の昭和基地の場合は、観測隊次によっても違いますが3日程度開催されます。毎日が娯楽とパーティーの連続です。 この3日間のために隊員は、1ヶ月も前から仕事との合間を見て準備にいそしんでいます。材料などは日本ですでに仕込んできていますので、伝統行事としての位置づけがおわかりかと思います。ーーーその2ーーー ミッドウインター祭の行事の一つを紹介します。行事の中には、宴会や演芸大会、カラオケ大会、麻雀大会などがありますが、フランス料理のフルコースを食べる会があります。 この行事は伝統的に行われていて、食事をとるためだけにスーツに着替えることになっています。え?、南極でもスーツ持ってるのとお気づきの方がおられると思いますが、出発時や帰国時、オーストラリアでの公式行事などでは、スーツが必要ですから越冬中もしまっているわけです。 フランス料理を食べる会では、さっそうと、スーツに着替えた観測隊員のお客と給仕(ボーイ)に別れて会を楽しみます。結構、まじめにやるところは観測隊は紳士なんですよ(笑)。 メニューは、調理隊員がこのときにとばかり日本で仕込んだ食材をふんだんに使います。伊勢エビのムニエル、超高級国産肉のヒレステーキ、焼きたてのフランスパン、スープやデザートに至るまで高級食材と調理の腕でお客は満喫するわけです。 おそらくは、日本に帰って食べることのできないほどの高級感を楽しむわけです!ーーーその3ーーー いよいよミッドウインター祭の開催です。22日から3日間仕事がある日はそれなりに、無い人は思いっきりお祭りをします。前夜祭を入れるともうすでに始まっているかもしれません。 祭りのメインイベントは、やはり演芸大会です。昔は3つの居住棟に分かれて居住棟対向の演芸大会でした。幕が上がるまで各居住棟では約1ヶ月も前から舞台の大道具、小道具を作り演技の練習にも余念がありません。もちろん出しものは秘密裏に行われるわけです。 内容は、寸劇有り、ダンス有り、etcです。演芸大会とは別の時間に、「なまはげ」が登場するということもありました。 また、演芸大会の時にモヒカン頭にしてびっくりさせるという芸もありました。こうして南極の伝統行事の祭典は、毎年繰り返されるのでした…。ーーーその4ーーー 6月22日は、南極では冬至になります。一番夜の長い日になります。そういう時期を極夜とも言い、またミッドウインターとも読んでいます。 宴会は、毎晩形を変えて行われています。居住棟対向で屋台を作って楽しむ事もあります。屋台には、寿司屋あり、そば屋あり、たこ焼き屋ありと様々です。屋台は木で枠を作りホテルのパーティーでの屋台風に作られています。また、のれんもそれぞれ手作りです。 このときは立食パーティーでオードブルなどは、調理隊員が腕をふるっています。子豚の丸焼きなどもありました!ーーーその5ーーー こうやって、飲めや歌えや状態は続くのでした…。 今日で、ミッドウインター祭も3日目、終わりにしたいところですが〆を飾らねば盛り上がったお祭りの雰囲気は、終息できません! 20年前に参加したときには、持ち込んだ打ち上げ花火をどんとあげておしまい!という方法もしました。夏の終わりの花火みたいなものですね。 別の隊次では、こんな事もありました。演芸大会でも女装をして宴を華やかにします。それでも最後日の宴会のさい、締まらない雰囲気だったせいか趣味なのかは不明ですが、隊長自ら某隊員にもう一度女装を見たいからお願い!と言う事もありました。デニーズの制服がよほど気に入ったようでした。この話題でその年の祭典はお開き!でした。 観測隊は、1年中、バカなことばかりしているわけではありませんので、その点は、ご容赦をお願いします!ミッドウインター祭は高尚な遊びと考えてくださいね。1年という長い期間のちょうど真ん中の時期のちょっとした息抜きであることを想像して下さいね(弁解)。■PEN□
Jun 26, 2007
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今日の話題は、「南極グッズ」です。 南極観測隊は、記念品(グッズ)を毎年作ります。毎次隊のオリジナルのキャラクタを描いたデザインが入っています。グッズには、カレンダー、キャップ、マグカップ、絵はがき、ポスター、ジッポーライタ、南極デザインのGショック、Tシャツ、タイピン等があります。 グッズの収益は隊の運営費となります。オーストラリアでの日本人会での贈り物や、一部の嗜好品の購入、記念アルバム代の一部などにあてられます。 グッズは、関係機関・隊員の会社等で口コミで販売されるため数は限定されています。言わばレアーグッズです。 私の知り合いも、毎年タイピンを集めている方もいます。記念の絵はがきを隊員に昭和基地まで託して昭和基地郵便局の消印をおして送り返してもらう人もいます。 ちなみに、私の机の前には、南極カレンダーが飾ってあります。毎日南極気分です!■PEN□
Jun 19, 2007
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今日の話題は、「南極とパン」です。 パンは、南極観測隊にとって重宝な食材の一つです。冷凍保存して解凍しても食感や味は全く変わりません。 観測旅行に出かけるときは、そりの段ボール箱の中に焼いて冷凍したパンを入れておいて順番に取り出して雪上車の中で解凍をすれば簡単に食事をとれることになります。 また、冷凍のパンだねを昭和基地に持ってきていますので、朝食の時は調理隊員が焼だけですみます。日曜の朝はブランチになっていて、ご飯といっしょにパンもおいてあります。 クロワッサンや菓子系のパンは冷凍生地、食パンは昭和基地で粉から作ったものです。私は、朝早い観測がありましたので仕事が終わってからのパンとコーヒーは至福の一時でした。■PEN□
Jun 12, 2007
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今日の話題は、「南極と花火」です。 南極観測隊は、オーロラや気象観測のためロケットの観測を行ってきました。ロケットは固体燃料を使っています。簡単に言うと火薬でミサイルを飛ばすような感じですね。 このロケットは、自動車メーカーで有名なN社で開発をしていました。N社のはからいでおまけで花火を昭和基地に持ち込みました。 これを真冬の寒くて真っ暗な時期に行われるミッドウインター祭でお披露目することになりました。打ち上げ花火ではなくて、筒から吹き上げるような花火でしたが近くで見ると迫力がありました。 ロケット観測は緊張の連続でしたが、南極で味会う花火は、おつなものでした!■PEN□
Jun 11, 2007
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今日の話題は、「南極の生鮮品」です。 昭和基地に持ち込む食料の中で生鮮品は、保存期間を延ばす努力をしても限界があります。越冬報告書を見てみると努力の結果がかいまみられます。観測隊は、11月に東京港を出港して途中オーストラリアの西海岸で最後の食料補給を行って12月上旬ごろ昭和基地に到着します。どの程度、どの食料品が持つのか越冬報告には書いてありますので紹介しましょう。 きゅうり、セロリ、西瓜、メロン、ピーマン、さつまいもは、昭和基地上陸までに腐ってしまって基地に搬入されることがなかった生鮮品と報告書には記してあります。西瓜はどこかの時点で食べたと思うのですが、さつまいもにはお目にかかったことはありませんでした。バナナは、船上で傷んできたので皮をむいて冷凍保存にしたとなっています。 グレープフルーツ、キューイフルーツ、レモンは、3月下旬、オレンジは、4月上旬とあります。果物はこの時点でリタイアです。しかし、良いものだけ選別して冷凍にした様です。そういえば越冬中に食べていた覚えがあります。 5月上旬、しょうが(以降冷凍保存)、にんにく(皮を向いて醤油づけ)、6月下旬、キャベツは、腐ったところは皮むきをし石灰をつけて保存していました。8月頃に牛乳、人参、生卵の順にダウン。牛乳は分離してしまいました。 成績の良いのは、リンゴ(10月中旬)、玉ねぎ、馬鈴薯は、なんと1年後の12月上旬までもっています。実はこれには、一工夫をしています。10度の室内に玉ねぎは重ならない様にし、馬鈴薯は3月頃に芽を摘んで保存しています。 何となく、長持ちしているものって栄養価が高そうな気がしますね。■PEN□
Jun 8, 2007
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今日の話題は、「南極と皆既日食」です。 南極で2003年11月24日に皆既日食があったことをご記憶の方もおられると思います。私が以前従事していました、航空機による観測でお世話になったダイアモンドエアーサービスさんが、NHKの依頼により南極での皆既日食観測プロジェクトに協力をしました。 以下、ダイアモンドエアーサービスさんのサイト(http://www.das.co.jp/)の一文です。 南極でみられる皆既日食を上空から撮影するため、日本から南アフリカを経て、南極のロシア基地ノボラザレフスカヤ飛行場に降り立ちました。日本のジェット機が大陸を横断して南極に降り立ったのは日本初のことでした。 日食当日は南極にしては奇跡的に快晴・微風の状態で、計画とおりノボラザレフスカヤ基地周辺上空から皆既日食をハイビジョン撮影し、NHKで日本のお茶の間に同時生中継することに成功しました。 と掲載されています。この同時中継は昭和基地のNHK越冬隊員が日本に中継して日本で航空機から撮影する皆既日食を実現しました。NHKは、カメラの感度を上げるために窓ガラスも透明度の高いものに交換し鮮明な映像を放送することができました。■PEN□
Jun 7, 2007
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今日の話題は、「南極の氷」です。 南極と言えば氷山や氷ばかりの世界を想像しますね。南極氷は神秘的なんですよ。南極の氷は、氷山から採ってきますと約数千年から数万年前のものなのです。元は南極大陸に降り積もった雪が固まったものです。 雪が固まる時に空気を含んでいますので数万年前の空気が閉じこめられています。雪自身が降り積もって自重で固まり氷になるのですからその圧力は大きなものになります。 よって、圧力のかかった数万年前の空気は、氷が溶けると同時にはじけ出てきます。水の中ではサイダーのようになります。南極の氷をオンザロックにすると味わいも格別です。 南極観測隊員や観測船しらせの乗組員が寄贈してごく少数の人が昭和基地近くで取った南極の氷を味わうことができますが、残念ながら一般的ではありませんね。 そこで、南極の氷を販売している会社もあるようですが、大量に在庫があるわけではなく貴重なものとなっているようです。■PEN□
Jun 5, 2007
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今日の話題は、「南極と時計」です。 南極観測隊では、時間厳守と言うお話を以前にも書きました。集合時間に集まらないと遭難したんではないかと大騒ぎになるからです。 そこで、時計が重要になってきます。腕時計を各自もって来ていますが、基本的にどのような時計でも直に腕にまいておけば体温で暖められ外でも氷って止まることはありません。 時計の機能の中には気圧計が入っているものがあります。これは、私にとってはとても役に立ちました。外での行動中、気圧が下がってくると低気圧が近づいてきてブリザードが来ると予想が付くからです。 話が変わります。昭和基地は、南アフリカの南に位置しますので時間は中東と同じGMT+3時間で生活しています。日本時間ー6時間です。昭和基地から日本へ電話するときはいつも日本は+6時間進んでいることを意識しています。 時計を見ながら、家族は今頃、夕飯かな?お風呂かな?寝る時間かな?と想像しすることもしばしばあります。昭和基地も日本人ばかりですので時差があるのが時折、面倒なときもあります。なにせ、お日様が全く出たりでなかったりするもでのですから…(笑)■PEN□
Jun 4, 2007
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