September 4, 2025
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カテゴリ: 気になるTV番組
2025年NHK大河ドラマ
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』 の感想です。

今週はまた改行のタグが乱れ、私のパソから思うように
書きこみができず、難儀をしておりました。

さて今週の中で印象に残ったのは、各所の人々に見られた
「交渉」と「説得」でした。

田沼意次(渡辺謙さん)が自分の味方である大名・旗本に、
今のこの危機を乗り切るためにできる範囲でいいからと、
金と米の供出を訴えます。

なぜ自分たちが下々のためにそこまで、と反発します。
でもその後で、いよいよ自分たちもこの事態の傍観者では
いけないのだとわかり、立場が下がっても世を憂いて皆に
必死で訴える意次の土下座の説得でようやく応じました。

中盤の、蔦屋重三郎(横浜流星さん)が義兄の次郎兵衛
(中村蒼さん)に助太刀を求め、次郎兵衛の顔で役者の
富本斎宮太夫(新浜レオンさん)が動いて、民衆が彼に
引き寄せられていく、あの光景は面白いものでした。

人間は、不満や怒りといったマイナスの感情をどこかに
ぶつけているよりも、賑やかで華やかで魅力的な外見や
声などに惹かれ、それを追い求めて楽しむプラスの感情を


終盤の一橋治済(生田斗真さん)と松平定信(井上祐貴
さん)の場面。
この二人は互いに、誰かのためではなく、毎度自分の欲の
ために周囲を動かそうとする雰囲気が出ているので、駆け
引きを見ていてもとても疲れる二人でした。


 ⇒ ⇒  #大河べらぼう #べらぼう


天明7年(1787)7月、米があまりにも高値になったうえにお救い米もなく、
我慢の限界を超えた民衆が蜂起して江戸の各所で打ちこわしが発生しました。
小田新之助(井之脇海さん)は己の主張を幟旗に記し、長屋の皆を引き連れて
米を売り惜しみして値を吊り上げた米屋を襲撃しました。
義によって天誅を下すと決めた新之助は、打ちこわすだけで盗みはしないよう
皆に強く言い聞かせていました。
(前回の終わりに「喧嘩をするだけ」とあったので話し合いだけかと思ったら、
結局は打ちこわしでした。家の者に危害は加えず盗みもしないけど家中の物を
破壊しまくり、この時代の喧嘩はここまで含まれるのですね。)



老中たちは北町奉行の曲淵景漸の報で、江戸の各所で打ちこわしが発生した
ことを知り、襲撃されているのは米を売り惜しみした米屋で、民衆は単なる
米欲しさではなく幟を立てて主張をしているとのことでした。
田沼意次(渡辺謙さん)は老中たちに打ちこわしが拡大しないよう町木戸を
閉め、米屋との喧嘩で召し捕るのはその後にしてはどうかと進言。
老中首座の松平康福(相島一之さん)は曲淵にそのように指示しました。
康福は打ちこわしのそもそもの原因となっている米がいつ入るのかを意次に
問い、(松平定信に裏切られた)意次は返事に窮していたのですが、火急の
用が入りその場を一旦退席しました。



急ぎ屋敷に戻った意次を待っていたのは蔦屋重三郎(横浜流星さん)でした。
重三郎は意次に、意次の嫡男・意知の葬儀で石を投げた男が先日は身なりを
変えて奉行所の前で人々を煽っていた、その前は平賀源内の屋敷に武家の姿で
出入りしていたことを報告しました。
それから重三郎は、頼んだはずの米が出ない理由を尋ね、意次が米の手配に
手間取っていると答えるとしばらく考えて、米の代わりに金を出して民衆の
気持ちを抑えてはどうかと進言しました。
その考えに納得した意次は、重三郎にその内容をまた読売にして配って欲しい
と頼み、屋敷に泊まっていくよう言いました。



意次は老中・水野忠友に、お救いを要する人数と米と必要な金を見積もるよう、
そして田沼派と思われる大名と旗本を一同に集めるよう頼みました。
集められた一同に対し、松平康福と水野は出せるだけでいいから米を供出する
よう求めましたが、一同はなぜ自分たちが米を出さねばならぬのかと一斉に
不満を言いました。
しかし町ではまたあの男が人々を扇動していて、召し捕ろうとした奉行所と
もみ合いになって同心まで死者が出たと奉行の曲淵から報が入りました。
意次は老中に御先手組を出すよう進言、さらに一同には「真にこの騒動を収め
られるのは“米”!そのために身を切ったならば皆の名は打ちこわしを収めた者
として名が残る。」と強く訴え、土下座して皆に協力を求めました。



重三郎は打ちこわしがあった町の惨状に心を痛めていました。
これは早く騒動を終わらせなければ誰もが不幸だと思い、読売を配るのに何か
いい策はないかと考えていました。
そこで思いついたのが、義兄・次郎兵衛(中村蒼さん)と役者の富本斎宮太夫
(新浜レオンさん)に協力を仰ぎ、賑やかに囃し立てて練り歩き人々の注目を
集めることでした。
揃いの衣装を妻・ていや母・つよたちに作ってもらい、屋台を出して町に繰り
出しました。
打ちこわしの喧噪の中で、どこからか聞こえてくる太鼓や鉦の音と人気役者の
歌声に、人々は一気に引き寄せられました。



重三郎と次郎兵衛の掛け合いで、お上から銀が出てそれが米に代わると聞いた
人々は歓喜しました。
しかし打ちこわしを扇動していた丈右衛門だった男(矢野聖人さん)はそれを
許すわけにはいかず、練り歩く重三郎の背後に忍び寄り七首で刺し殺そうとし、
新之助が身代わりに刃を受けました。
その後、男が再び重三郎を狙って七首を構えたとき、男の胸に矢が突き刺さり
男は倒れました。
それは打ちこわしを収束させるために出動した御先手組組頭の長谷川平蔵宣以
(中村隼人さん)の放った矢で、平蔵は騒動を起こさぬよう民衆を鎮めました。



主人公の危機一髪を救うヒーローの登場にTVの前で思わず歓声が
上がった方も多かったようです。
それにしてもこのキメ顔。中村隼人さんをはじめ歌舞伎役者の皆さんは、
ここ一番のキメ顔や華やかな演出でホント魅せてくれます。



平蔵は刺された新之助を早く医者に診せるよう重三郎に言い、重三郎はこの後の
ことを次郎兵衛や皆に頼んで行列から抜け出しました。
お囃子の楽しさと銀(=米)が出る嬉しさで民衆は今までの不満を忘れ、皆で
「銀がふる!」と唱えながら行列に付いていきました。
ところが匕首に毒が塗ってあったのか、新之助の具合は急激に悪くなっていき、
欲張った米屋やお上はこれで思い知ったと重三郎が励ましても体は動かず、絶え
絶えの息の中で新之助は己の最期を悟りました。
自分は秀でた才もなく妻子も守れなかった、でも世を明るくするために生まれ
てきた重三郎は守れて良かったーーそう言葉を残して、ふくと坊が待つあの世に
旅立っていきました。



さて田沼意次を失脚させた後、一橋治済は松平定信を老中に据えたいのですが、
大奥総取締の高岳(冨永愛さん)の同意が得られず話が動かないままでした。
そこで治済は大崎(映美くららさん)を呼び、ある物が入った箱を渡して高岳と
話をさせたところ、治済の思惑どおり高岳はそれを見て顔色を変えました。
それは8年前に10代将軍・家治の嫡男・家基が鷹狩の最中に突然死したときに
着用していた手袋で、高岳が家基に贈ったものでした。
毒殺が疑われる家基の死で高岳は毒などを仕込むはずもないのですが、潔白の
証が立てられない以上、大崎の要求をのむしかありませんでした。



白川小峰城にいる松平定信のもとに江戸の打ちこわしが収束したと報が入り、
定信は悔しくてたまりませんでした。
その頃、江戸では無事に銀の引き渡しが始まって米も集まりだし、また裕福な
商人たちの炊き出しも始まって人々は落ち着き、意次は側近の三浦庄司(原田
泰造さん)と安堵していました。
そんなところに老中・水野忠友が訪ねてきて、大奥の高岳が定信の老中入りを
認めたと報せてきました。
これで定信は徳川御三家と一橋と、加えて将軍・家斉を後盾にした老中となる
ことになり、さらにその定信は意次を殊の外嫌っているので、意次はこの先は
やりにくくなるだろうと覚悟しました。



ことが上手く運んだ一橋治済(生田斗真さん)は松平定信(井上祐貴さん)を
江戸城に呼び、月が替われば定信が老中になることを伝えました。
喜ぶかと思いきや定信はこれを、自分は若輩者で御公儀の仕事をしたことが
ない、老中になっても思うような政ができない、と最初は辞退しました。
しかし話の続きで「老中首座ならばやる」と言いだし、難しいけど治済の力で
なんとかするよう迫りました。
しばらく考えた治済は言おうかどうか迷ったふりをして、田安家(定信の生家、
10万石)を将軍家に献上してはどうか、それならば首座にふさわしいと将軍・
家斉(治済の実子)に提案できると定信に返し、予想だにしない展開で定信は
何も言えませんでした。



喜多川歌麿(染谷将太さん)が重三郎を訊ねると寺にいるとのことで、歌麿は
寺に向かいました。
自らの手で新之助を埋めた墓の前で重三郎は力無く座り込んでいました。
歌麿は墓に手を合わせた後、重三郎に見てもらいたいという「自分ならでは
の絵」を差し出しました。
花や虫が生き生きと描かれたその絵に重三郎はなぜか涙しました。
歌麿は「絵は命を写し取るようなもの。いつかは消えていく命を紙の上に
残す。命を写すことが自分にできる償いだ。」と思いを語りました。
そして新之助の人生に思いを馳せ、惚れた女に出会って子も持てて、苦労の
中でも楽しいことが山ほどあって、最後は世に向かって主張して己の思いを
貫いた、だからとびきりいい顔して死んだだろ?と重三郎に尋ねました。
たしかに新之助は今までで一番いい顔していた、それを歌麿に写してもらい
たかったーーそんな思いがあふれて重三郎は歌麿の胸で男泣きしました。





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Last updated  September 4, 2025 03:31:21 PM


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