September 18, 2025
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カテゴリ: 気になるTV番組
2025年NHK大河ドラマ
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』 の感想です。

今回の中でよく出てきたキーワードの「伝わる」。
その言葉を発信した人が思い描く、言わんとすることが
必ずしも相手にちゃんと伝わるとは限らないというのは
いつの時代にもあることですよね。

蔦屋重三郎(横浜流星さん)たちが出版した松平定信
(井上祐貴さん)の治世をからかった本は、当のご本人
でさえ本にこめられた思いが伝わらない。


描いて、張りきって文武二道を奨励したものの、にわか
仕込みで武芸や学問を始めた者たちには真髄たるものが
伝わるはずもなく、できあがるのは勝手な解釈の果てに
民を苦しめる使えない者ばかり。

前回では、店を守りたいというてい(橋本愛さん)の
思いがちゃんと重三郎に伝わったのに、今回はカン違い
でも『文武二道』の本がとにかくうまくいったことに
味をしめて強気になった男どもに、ていの嫌な予感は
伝わらずに出版となってしまいました。

思うことを伝えるというのは、難しいものですね。

ただ意外だったのが、この時代の武士たちが文武の面で

あと50年もすれば幕末の動乱が始まります。
幕末のドラマを見ていると誰もがものすごく勉強熱心で、
あるいは剣の稽古に励む若者たちがいて、そんな彼らが
命をかけてどんどん時代を動かしていきます。

まあ逆に考えれば、このドラマの時代がこうだったから、

ということでしょうか。

こちらでは様々な意見がでていて参考になります。
 ⇒ ⇒  #大河べらぼう #べらぼう


天明8年(1788)の年明けに出版した『文武二道万石通』を読んだ松平定信
(井上祐貴さん)は本に込められた自分への皮肉に気がつかず、たいそう気に
入ってこれからの政にますます意欲が湧いてきました。
また定信は阿波蜂須賀家の儒者であった柴野栗山(嶋田久作さん)を第11代
将軍・徳川家斉(城桧吏さん)のお抱えに推挙しました。
皆が孔子の教えを学び、一人一人が正しき人となり、武術に励んで世に広まる
田沼病を根本から治さなければ、と定信は意気込んでいました。



そのころ蔦屋では『文武二道』を買い求めて人々が押し寄せていました。
店の奥では皆が総出で本の製本をしていて、それでも追いつかないほどの人気
ぶりで、重三郎は世の流れが一気に変わるような気さえしていました。
町に出ると侍たちは新しい弓を持ち歩いて武芸を語り、学問所で学んだ孔子の
論語の一節をそらんじていましたが、武芸も学問もまだ始めたばかりの印象を
受ける者が多いようでした。
また重三郎も本が飛ぶように売れるのは嬉しいけれど、定信の政をからかって
いる本の内容が世間の人には全く伝わらず、落胆していました。
ただ歌麿が描いた絵は一流の絵師にも劣らないのに値打ちで買えると熊野屋
(峯隆太さん)などの豪商(林家三平さん)には評判でした。



歌麿(染谷将太さん)が重三郎の店を出た帰り道、急に雨が降ってきたので雨
宿りをしたらきよ(藤間爽子さん)が洗濯物を慌てて取り込んでいました。
歌麿が手伝いながらきよを見ると、以前幻覚に悩まされたときにここで会った
あの女であることを思い出し、耳の聞こえないきよに必死に伝えました。
きよは歌麿があのときの男で本当は優しいなの男だろうと思うと安堵し、落ち
着いて自分の仕事を始めました。
歌麿はきよを見ているとなぜか心穏やかになり、そしてきよの姿を描きたくて
たまらなくなり、夢中で筆を動かしてきよを描いていました。



蔦屋重三郎(横浜流星さん)は『文武二道』の真意が肝心の定信にも世間にも
伝わっていないのにどうにも納得がいかなくて、朋誠堂喜三二(尾美としのり
さん)ら出版の仲間に集まってもらってました。
田沼を叩くのをやめると定信へのからかいが露骨にわかってしまう、ではどう
したら?とか皆で考えていたのですが、恋川春町(岡山天音さん)だけは一人
不機嫌で拗ねていました。
その理由は春町の書いた『悦贔屓蝦夷押領』だけが売れていなかったためで、
皆はそれぞれに春町の機嫌をとっていましたが機嫌は直りませんでした。



恋川春町(武士で本名は倉橋格)は出仕してもお役目に身が入らず他事を考え、
それを小島松平家当主の松平信義(林家正蔵さん)に見られてしまいました。
信義は平謝りする春町の顔を上げさせ、春町の本がとびきり面白かった、実に
皮肉だった!と感想を伝えました。
信義は『悦贔屓』の本の言いたいことを正しく理解してくれて、さらに春町が
よくお叱りを受けなかったと味方してくれました。
春町は我が殿・信義を信頼して、定信の政をどう思うか尋ねました。
信義は「志は立派だが、果たしてしかと伝わるものなのか。」と答え、春町は
信義の言葉を深く考えてみました。



江戸市中では急に武芸を始めた武士たちがやたら何かと威張り散らし、町の人
たちはあちらこちらで酷い目にあっていました。
一方、自分の書いた本を我が殿から褒めてもらえて気が済んだ春町は、信義が
言ってくれたことを自分なりに解釈して「俺たちのからかいも通じなかったが、
定信の志もそううまくは伝わらないのでは。」と重三郎たちに伝えました。
「元から文武に励んでおった者は今さら道場に通ったり、本を買ったりしない。
今、文武を叫ぶ者はにわか仕込みの新参者だ。」と分析しました。
さらに「文も武も修めるには時間がかかるもの。遠からず皆あきてトンチキを
作り出して終わるのではないか。」と信義の言葉を伝えました。
ところがそんな話をしていたら大田南畝(桐谷健太さん)が駆け込んできて、
田沼意次の死を報せ、意次の名誉を取り戻したかった皆は言葉を失いました。



さて、誰もが文武に励んで田沼病を治す政策がうまくいっていると思っている
定信の元に、将軍・家斉が大奥の女中との間に子をもうけていたという、驚く
べき報せがもたらされました。
ここのところ学問を怠る家斉に定信は苦言を呈しますが、家斉は「それぞれ
秀でたことをすればよい」と聞く耳を持ちません。
定信は家斉が御台となる茂姫との婚儀も済まぬうちから他でお子を!と茂姫の
実父である薩摩藩主の島津重豪(田中幸太朗さん)に訴えますが、重豪も一橋
治済(生田斗真さん)も全く気にしていない様子でした。
さらに定信は、質素倹約の旨を皆にきつく言い渡しているのに能舞台の衣装が
豪華なことも気になる、賄賂も固く禁じていると二人に意見しました。
しかし治済から、定信が10万石と引き換えに老中首座となり思うままに政を
していることを示されると、定信は何も言えませんでした。



定信が文武二道を奨励した結果、にわか仕込みで武士としての心構えもなって
いない者たちが立場の弱い民たちを苦しめている実態をどうしたらいいのかと、
定信は柴野栗山に問いました。
栗山は、各々の立場に対する心得を作って書にして将軍・家斉に渡す、初歩の
漢文すら読めぬ旗本・御家人も多い昨今、まず武より文、武家としての心得を
叩きこむのが良いと進言しました。
さらに栗山は自分が湯島聖堂で講釈をしてもよい、定信の『鸚鵡言』を使うと
言い、定信は快諾しました。



田沼意次の死と共に、もう一つの悲しい別れがありました。
歌麿が幼かった頃の数少ない幸せな記憶として残り、歌麿が唯一師事したいと
強く願った鳥山石燕(片岡鶴太郎さん)の突然の死でした。
何かにとりつかれたように筆をとって雷獣を描きあげ、絵筆を握りしめたまま
絶命してあの世に旅立っていきました。



そんな石燕の死の報せと共に、歌麿は一人の女性(きよ)を連れてきていて、
誰もが思ったとおりきよは歌麿のいい人でした。
歌麿はきよと所帯を持ちたいと言い、きよの絵を描くときのことを楽しそうに
幸せそうに語り、そしてきよのために「ちゃんとしたい」と言いました。
歌麿は、きよのために名をあげて金も稼いできよを幸せにしてやりたい、今は
金が足りないから自分が描いた絵を買い取ってもらえないかと、何枚かの絵を
重三郎に差し出しました。
それは描くと忌まわしい過去を思い出してしまい歌麿が描けなかった笑い絵で、
きよと一緒にいることで幸せな気持ちで満たされて乗り越えることができた、
歌麿の思いがつまった絵でした。
重三郎は可愛いがった義弟の歌麿の幸せそうな顔が嬉しくて、ご祝儀を含めて
絵を百両で買い取ってやりました。



秋になり、年明けに出す本のために皆が集まっていました。
世間では定信の『鸚鵡言』を使った講義が広まったものの、肝心の受講生たち
には正しく理解されず誤った解釈のまま本人や子供たちに伝わっていき、世は
トンチキであふれてしまいました。
集まった皆はそれを風刺にした草稿を書いてきて、互いに読んで面白いと笑い
合い、次はこれでいこうと盛り上がっていました。
しかしてい(橋本愛さん)だけは、これはからかいやおふざけが過ぎると危惧
して反対意見を言いました。
春町が世を諫めたい思いで描いたと言うと、それはからかいよりも更に不遜や
無礼として受け取られる、とにかくこれは出せば危ないと反対しました。
ところがそこに次郎兵衛が来て、松平定信が黄表紙を贔屓にしていると聞いた
話を伝えるものだから男たちは強気になってしまい、本の製作が始まりました。
そして天明改め寛政元年(1789)『鸚鵡返文武二道』が出版されました。





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Last updated  September 18, 2025 10:18:13 PM


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