PRETTY HEART

PRETTY HEART

2005/11/18
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今朝一番、

 あんな怒鳴ったら体に悪いのになぁ。
 血圧あがるでぇ・・・」とつぶやきながら、
何かの用事で体育の男の先生が入ってきた。
その後すぐ、
私は生徒からの欠席届をもって職員室に入ると、
扉を開けるやいなや、Y先生の怒鳴り声。
先ほどの先生が言っていた通りだ。

その傍らには、
さき程事務室に入ってきた先生が、
見守るように立っていた。
聞こえてきたY先生の言葉はこんな感じ。
「いいかげんにしとけよ!!
 人の迷惑を考えない、
 人の気持ちも何ひとつ考えない、
 自分のことだけ考えて、
 自分の想いばっかり通して、
 自分のやりたいようにやる。
 なんじゃそれは!!

 動物以下じゃ!!・・・・」
その生徒ちゃんが、
何をしでかしたのかは知らないけれど、
先生は「人として」大切なことを彼女に教えていた。
Y先生は、

結構ご年配だ。体の調子が悪かったりで、
学校を休まれることもある。
だけど、
血圧があがってしまうことを省みず、
ひとりの生徒ちゃんに真剣に向き合い、
これから彼女が大人になり、社会に出て、
ひとりの人として生きていく上で、
とても大切なことを諭していた。
「怒鳴る」という行為を通して、
大きな「愛」が伝わってきた。
当の生徒ちゃんは泣いていたけれど、
怒鳴るほうもエネルギーがいるのだ。
悪いことをしたからといっても、
知らない顔もできるし、
適当に注意することだってできる。
だけどY先生は
誠心誠意でもって彼女を怒っていた。
考えてみたら、いつからだろうか、
あんな風に怒鳴られることなんてほとんどなくなってしまった。
最後に怒鳴られたのはいつだったか、
思い出すこともできない。
あったとしても、
仕事で失敗したとか・・・その程度だろう。
人としてあれだけ真剣に叱ってもらえることなど、
これからもあまり期待できないだろう。
そう思うと、
怒鳴られ叱られている生徒ちゃんが、
とてもうらやましく思えた。
親でもない赤の他人・・・
だけど「先生」って特別な存在で、
堂々と愛をもって叱ってあげることができる。
そして、
そんな先生の愛をこれから先、
今日の彼女にはずっと忘れてほしくないと願った。

   **************

先週の土曜日、
仕事として初の披露宴司会(ブライダルMC)をした。
友人の披露宴とはちがい、
仕事となると恐ろしいほどにたいへんな仕事だ。
結婚式の披露宴・・・・
それは二人の人生の門出。
失敗は許されない。
私には向いてないからと、
イベントMCしかやったことがなかった私を説得し、
ブライダルMCとして導いてくれたS先生。
S先生は、今、お世話になっているMC事務所の
チーフマネージャーでもある。
私の持つ個性を私のすべてを、
評価し「良し」として花丸をくださる。
ブライダルMCの知識ゼロの私を育て、
デビューに導いてくれた。
私が失敗したら、
会場であるホテルからの信頼を
なくしかねないというリスクの中、
「あなたを見込んだ私を信じてちょうだい。
 責任は全部、私がとるから。
 自信をもってやってらっしゃい」と、
先生もそして事務所の社長も、
私を送り出してくださった。
準備万端でのぞみ当日も精一杯やった。
だけど結果は不本意なものだった。
新郎新婦やご両親には喜んではいただいたけれど、
会場のスタッフの皆さんには迷惑をかけた。
初仕事ということもあり、
とにかくいっぱいいっぱいで、
端々で段取りの悪さが目立ったし、
スタッフの皆さんはさぞかしやりにくかったと思う。
25分も押してのお開き・・・・。
先生は当日も現場に顔を出してくださり、
披露宴が開くのを待っててくださった。
「よくがんばったね!!お疲れ様。」と、
疲労困憊の私をおだやかな笑顔で迎え、
リッツカールトンのラウンジで、
お高いアフタヌーンティをご馳走してくださった。
先生のやさしさが心に染みた。
その後しばらくたって、
会場サイドから事務所に、
私の「未熟さ」を指摘する報告があった。
先生はそれをこと細かく私に言わず、
こう言った。
「未熟なのは当たり前。その通り。
 だって、初めてだったんだから。
 未熟さなんてものは回数を重ねれば解消されてゆくもの。
 そんな上っ面のことよりも、
 その辺の普通の司会者が持ちあわせていない、
 あなたのかけがえのない良さがわからない会場には、
 もう行くことはないの。 あなたじゃないとダメ!!
 という会場を私が探すから。
 ボス(事務所の社長)もそう言ってる。
 あなたの才能がわかる会場はいくらでもあるから、
 また別のもっと大きい会場に、
 これからどんどん行ってもらうからね。
 自信もってちょうだい!!わかった?」と。
涙が出た。
こんなに目に見える形で耳に聞こえる形で、
ありのままそのままの私を、
無条件でこれほど想ってもらったり評価してもらったり、
大切にしてもらったりしたことがない。
だから正直とても戸惑っていて、
うまく応えることができない。
怖いとさえ思ってしまう。
私自身よりも私を認め、
大事にしてくださっている状態なのだから。
私は今でも、
自分で自分のことがよくわからないでいる。
だけど、ここしばらく、
「出会い」の質の高さ、「出会い」の充実具合は、
目をみはるものがある。
偶然が偶然を呼んでつながっていく「出会い」たち。
私に必要な出会いばかりがとにかく連鎖しているのだ。
こうして、
愛すべき人たちに囲まれているのだから、
私自身もまた、
「愛すべき存在」なのだろうとぼんやり想い始めている。 






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Last updated  2005/11/18 10:59:15 PM
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