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NHKで放映しているドラクエ風ドラマを観始めた。〇ストーリーかつて魔王を倒し封印した伝説のパーティは,それぞれの生活に戻っていたのだが,魔王が復活し呼び戻される。だが伝説の魔女・メイは,村人・モブと結婚し,8ヶ月の娘・さっちゃんを育てていた。急に娘を預けることが出来ず,メイはさっちゃんを連れて魔王討伐に乗り出すことになる。果たしてその冒険の旅は?ーーーーーーーーードラクエ風の脱力系ドラマということで,明らかに『勇者ヨシヒコ』を意識した作りだ。あちらが許されたのだから,これくらいありだろう,という考えがちらちらと見え隠れする。NHKだからもっとお金をかけられるだろうに,チープなまま物語は続く。ーーーーーーーーー魔女・メイを演じるのは前田敦子だ。同じ伝説のパーティには,シーフを演じるMEGUMIがいるが,それ以外は,勇者を大東駿介,戦士を片山友希,僧侶を前原瑞樹を演じていて・・・誰それ?という感じだ。そこはチープ感を出すポイントじゃないよなあ。ーーーーーーーーー先日の連休に一挙再放送をしていたので,第4話までを一気観をして,今回第5話を観た。このドラマはRPG世界を舞台にしつつ,日本の結婚,子育て事情の難しさを批判している。保育所の申請が2年待ち,職場では子供が産まれると差別をされ,結婚すれば子供を産むのが当たり前と思われる。またメイの夫・モブがとにかくダメな人間で,会社を辞めてしまい,それなのに求職もしない,けれどもさっちゃんの面倒も見ない。ヒドイなこいつ。ーーーーーーーーーこのドラマにも原作のマンガがあり,それではメイの体形は産後に大きく変化していることになっているらしい。さすがに1人出産したとは言え前田敦子は体形がデブにはなっていなかった。ドラマはどこで決着させるのか?なかなか興味深い。
2020.02.29
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三羽省吾がノベライズしたサスペンス小説を読んだ。〇ストーリー澄田真吾は,テレビのベテラン局アナで,ワイドショー『グッドモーニングショー』のメインキャスターを務めている。ある早朝,カフェで立て籠もり事件が発生し,犯人は澄田真吾との面会を要求する。犯人の青年・西谷颯太は,猟銃だけでなくダイナマイトを実家の建設会社から持ち出していた。果たして彼の目的とは?前代未聞の生放送が始まる。ーーーーーーーーー原作の映画を観ていないので,どれくらい三羽省吾がエピソードを加えているのかは分からない。作品は,小さなコメディ要素を重ねながら,テレビのニュースバラエティを舞台にして,局内の勢力争いも見せ,主人公・澄田と犯人・西谷の姿を交互に描き出す。確かに三羽省吾作品としては,寄り道をせず,一直線に展開が進む気がする。ーーーーーーーーー西谷の要求の通りに,民間人の澄田が呼び出されて直接顔を見せて会話をするのは,さすが映画だなあというところ。局の技術スタッフが,『ミッション・インポッシブル』ばりに優秀なのも映画だなあ。この辺り,原作の映画を観ているとどうなんだろう?テンポは良さそうなんだけれど,業界の内輪ギャグみたいなノリじゃないといいな。ーーーーーーーーー少しずつ謎が散りばめられていて,伏線が回収されるのは良かった。澄田の妻・明美は超能力者か?
2020.02.28
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板橋区の蓮根駅で下りて,植村直己の資料館に行った。ーーーーーーーーー板橋観光の終わりは,一度都営三田線に乗って数駅移動したところだ。駅から下りて道を何回か曲がると〈植村冒険館〉にたどり着く。入場は無料?驚きだ。1階が山と冒険の図書室,そして2階が資料室だ。ーーーーーーーーー資料室の中央ではビデオが上映されており,植村直己に関する番組が放映されている。植村直己は様々な経緯を経て5大陸最高峰登頂という偉業を成し遂げる。とにかく体力があり,補助要員だったのに認められて登頂することがあったらしい。ーーーーーーーーービデオなどで記録が残り始めるのは,その後の北極圏1,200km犬ぞり移動だ。その過酷さの一方で,犬を気遣う優しさが光る。その後の南極点単独到達を目指す中,その前にアタックしたのがマッキンリー単独登頂だ。それについては克明なビデオ映像が残っていて,インタビューも残っている。ーーーーーーーーーこの登頂で植村直己は行方不明となってしまった。本人はいまだに発見されていないものの,ハイキャンプは残っていて,そこから回収された遺品が展示されていた。ビデオの中に残っている植村の身の回りの品々を,こうして見ることが出来るのはずいぶんと不思議な気分だった。照れくさそうな表情を浮かべるこの人が,世界的な偉人だとは?でもそれを偲ぶことが出来る資料館が残っているのは良いことだ。ーーーーーーーーー板橋を後にして,巣鴨で打ち上げをすることにした。
2020.02.27
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婚活をテーマにした辻村深月の長編小説を読んだ。〇ストーリー40才の独身男性・西澤架の婚約者・坂庭真美が姿を消した。ストーカー被害を訴えていた真美だが,事件性が無いということで警察は動いてくれなかった。自営業で時間の自由が利く架は,真美の故郷・前橋に通い,自分で彼女を探そうとする。だがそれは彼女の過去だけでなく,自分の過去を見つめ直す日々になる。ーーーーーーーーーー物語は婚約者の失踪事件でミステリー風に始まる。だがその後は,時間が行ったり戻ったりしながら,主人公・架本人,そして婚約者・真美の半生が延々と描かれる。かなりリアルな現代の若者の婚活生活が語られていて,考えさせられてしまう。全体の3/4ほどで第1部が終了し,残りが”解決編”の第2部となる。第2部になると,リアルから離れ,辻村深月ワールドへの移行となる。2人の将来は・・・?ーーーーーーーーーータイトルの「傲慢と善良」は,18世紀イギリスの恋愛小説「高慢と偏見」を下敷きにしている。身分制度があり,女性が自立することが困難だった18世紀と比べ,21世紀の日本は様々な差別がなくなっている。それなのに架も真美もなかなか結婚が出来ない。高学歴でルックスも良く,父の病気をきっかけに会社を辞めて事業を継いでいる架。東京で育ち,男女を問わず遊び友達が多く,いくつもの恋を経験してきた。30代前半までは,自分の生活や仕事が楽しくて,結婚は先だと考えていた。だが30代半ばからは急に相手が見つからなくなった。前橋で育った真美は,大人しい父親,口うるさい母親に育てられた。姉の目から見ても,彼女はずっと良い子で育った。母親が紹介した数名の人とお見合いをした後に,決心をして東京に出る。2人とも「ピンと来る人」を探して,結局自縄自縛に陥っていた。善良ゆえに傲慢となってしまう人々。それを変えたきっかけは,真美へのストーカー事件だった。ーーーーーーーーーーたぶん登場人物も読者も,この2人が合っていないことを感じているだろう。架は初期の辻村深月のカッコよい登場人物みたいだし,真美は最近の大人の女性を主人公にした作品から出てきたようだ。同じ辻村作品でも異なるタイプの作品から来ている,そんな気がした。個人的には最後までその違和感が拭えなかった。ーーーーーーーーーー第2部の”解決”はかなりのチカラ技だった。これで上手く行くのか?
2020.02.26
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日本で最大の団地・高島平団地に行った。ーーーーーーーーーしばらく前から団地の過去と現在について調べていた。何冊かの本を読んできたが,目標は今回の板橋の高島平団地への訪問だ。ネットを含めた古くからの団地への印象は,‐ 高齢化が進み,過疎化が進んでいる,‐ 新規の入居者は中国人を含めて国際化が進んでいる,‐ 団地内の商店は閉店が多く,シャッターが下りている,というものだった。だが高島平団地を訪ねてみた所,まずは中間の空地では小学生を中心とした子供が元気よく遊んでいた。次に構内の掲示板には日本語だけが表示されていた。そして1階の商店にも活気があった。やはり行ってみないと状況は分からない。ーーーーーーーーーそしてちょっといけないとは思いつつ,高層棟に上がってみて,両側に住宅が並び,真ん中に吹き抜けがある,通称”ツインコリドー”を見下ろした。無機の中に重なる生活感。このわびさびが今でも人々を惹きつけるのだろう。かつての未来,過去となった未来だけれど,今でもかすかに人を夢見させる。ーーーーーーーーー団地に関しては調べを重ねたので,いろいろ思うところがあるけれど,ずっと平和で明るい空気があって良かった。
2020.02.25
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話題の映画を観た。〇ストーリー東京のエリート校・白鵬堂学院にアメリカから麻実麗が転校してくる。この学院は東京のどの街の出身であるかによって,A組からF組までに分類され,そして埼玉県出身の者はZ組として虐げられていた。A組で生徒会長を務める壇ノ浦百美は麻実に様々な試練を出すのだが,それに打ち勝つ姿を見ているうちに,麻実に惚れてしまう。だが,実は麻実は埼玉出身で,埼玉を解放するために学院に通い,そして政治家を目指していた。だが出自が知れたことで麻実は逃亡するはめになる。さらに〈千葉解放戦線〉も妨害を始め・・・ーーーーーーーーー良くも悪くもおバカな映画だ。でもそのバカっぷりのメーターが振り切れていて,ギャグ映画として良い作品になっている。東京が支配するパラレルワールドの日本を描いている。東京には神奈川が追従しており,一方で埼玉と千葉は東京に入るにも通行手形を見せる必要があり,差別されている,という世界だ。デフォルメしているものの,日本人が心のどこかで抱いている気持ちを描いて見せていて面白い。ーーーーーーーーー流山での埼玉と千葉の対決は映画オリジナルのシーンらしいのだが,映画で一番笑える部分にもなっている。暴走族の千葉,トラック野郎の埼玉,という描写も良かった。バカだねえ。ーーーーーーーーー埼玉と千葉のダサさを笑いつつ,東京の傲慢さ,神奈川のずるさを皮肉る。さらに茨城,群馬も適度にディスっていて,全方向を攻撃する小気味よさ,それがこの映画の面白さだろう。
2020.02.24
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板橋区のスポットをめぐった。ーーーーーーーーー区立美術館を全部観ようと思っている。その一環で〈板橋区立美術館〉に行った。美術館は,赤塚城址がある赤塚公園の内部にある。オジサンたちが釣りをしている池を越えてしばらく行くと,三角屋根の特徴的な建物が見えてくる。梅が咲いている広場から美術館に向けて上って行く。ーーーーーーーーー〈板橋区立美術館〉は,東京の区立美術館としては最初に設立された。世田谷,渋谷,目黒と豊かな区がある一方で,どうして板橋が一番乗りだったのか,その辺りの経緯はよく分からない。美術館は1年以上の休館を経て,大規模改修を経て,2019年に再公開された。建物のシルエットはそのままだが,外壁の色も異なっている。ーーーーーーーーー入ってみると,大きな階段が迎えてくれる。展示室は2階,1階はラウンジという思い切ったデザインになっている。ちょうど区内の小学生の作品展が開催されていて,親子連れでにぎわっていた。正直,収蔵している品々を見たかったのだけれど,活気がある美術館を見ることが出来た,という意味では,今回の機会は良かったのだろう。都内からだいぶ距離はあるので,なかなか来るのは難しいけれど,魅力的な美術館だった。ーーーーーーーーーそこから坂を下りて上ってたどり着いたのは乗蓮寺だ。ここにあるのが〈東京大仏〉だ。歩いていて見えてくるのは,その背中なのだけれど,大きい!仏の座像の高さでは奈良が15メートル,鎌倉が11メートル,そして〈東京大仏〉が8メートルで日本で3番目だそうだ。見る限りでは大きい。多くの人が写真を撮っていたのも,うなづける。迫力の大きさだった。ーーーーーーーーー板橋あなどりがたし。
2020.02.23
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金曜日の夜は設備の稼働試験だった。開始は21時半で,1時間ほどで終わる予定だったので,「23時には終わらせて,ホテルのバーで飲もう」とか言って励まし合っていた。だが,不具合が起き,検査結果を取引先がきちんと説明できず,とトラブルが起きるのもいつも通りだ。気付けば,23時が過ぎ,0時が過ぎ,施設を離れた時は1時過ぎだった。コンビニで缶ビールとハイボールを買って,気の合った仲間と部屋でひっそりと打ち上げをした。翌朝,5時過ぎに起きなければいけないのにね。
2020.02.22
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友人と西高島平駅で待ち合わせをした。まず目指すは〈板橋区 郷土資料館〉だ。駅から住宅街を抜けて南下し,首都高5号線を超えて,赤塚公園の西の果てにある。ーーーーーーーーーータイル貼りの2階建ての洒落た建物の前には大砲が3丁あるのが,他の歴史資料館とは異なっていた。常設展示の内容は,地形から石器時代,縄文弥生から古墳律令と流れる,いつもの流れ・・と思っていたら,豊島氏と太田道灌,幕末の幕府砲術家・高島秋帆,さらには都営三田線と高島平団地と独自色が強くなっていて感心した。せっかく地元で施設を開設するならばこうでなくては。ーーーーーーーーーーもちろん2階建てなので,展示面積は少ないのだけれど,板橋の歴史はよくたどられていた。でも若い方がこの展示を楽しめるかと言うとはなはだ疑問だけれど。ーーーーーーーーーー施設の裏には古民家が移築されていて,表の池ではオジサンたちが釣りをしていた。のどかだ。
2020.02.21
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設備の検収検査の関連で,大阪で4日間を過ごした。複数の施設を訪ねていたので,それほど落ち着けなかったし,急な打合せもあり,思っていたよりはるかに密な時間となった。ーーーーーーーーーー現地の同僚にお願いをして,最寄り駅からのピックアップをお願いしているので,細かい移動はあるものの,それほど苦労はなかった。朝10時くらいから打合せ,調査,打合せ,という流れで,たいがい19時ころに引き上げることになった。取引先や,地域本社からも人が来ていたので,いきおい僕が大阪で食事処を案内するような立場になった。ーーーーーーーーーーまずは串揚げの店,「ひょうたん」に行った。時間が遅かったので,アラカルトで揚げ物を頼んで,それでおしまい。次の日は,大阪のコリアンタウン・鶴橋に出て,焼肉を食べた。中層ビルの隙間に路地が抜けている。ビルの多くはシャッターを下ろしているのが不安になるが,焼肉は美味しかった。3日目は,たこ焼き居酒屋「ここか」に行った。明石焼き→ねぎポン酢→ソースと順番に味を濃くしつつ食べた。選択が正しかったのかどうか,ちょっと不安だが。一緒に行った連中は喜んでくれた。ーーーーーーーーーーいつもの小さな居酒屋でしみじみ,というパターンではなかったけれども,誰かと一緒に行くのはやっぱり楽しい。
2020.02.20
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学者・原武史と作家・重松清が対談形式で論じる団地についての考察本を読んだ。〇内容〈東京の団地っ子と「非・東京」の社宅の子〉:名古屋から東京に移った際にひばりが丘団地に住むことになった原少年。そこは近代化の先端の憧れの町だった。鉄筋コンクリート造,都市ガス,水洗トイレ,鉄の扉。・・・原武史と重松清という同学年の2人の対談は,年令だけでなく,学生時代の思い出も噛み合っていて,ひじょうに心地よい。どれだけ脚色されているのかは分からないが,ポンポンと話題が尽きることなく進む。団地に住み始めた原,大学までは地方の実家暮らしだった重松の対比となっている。ーーーーーーーー〈団地の西武,一戸建ての東急〉:大団地が形成されて行った西武線沿線と対をなすように,東急沿線には丘を背景とした建売住宅が開発された。・・・2人の学生時代の話と,原武史の鉄道や西武と東急グループの関するうんちくが楽しい。確かに西武と東急って差が大きい。ーーーーーーーー〈左翼と団地妻〉:団地の歴史をひも解くと,自治会が市に対して何を要求して勝ち取った,ということが歴史的成果として語られている。どうして団地は共産党や創価学会にオルグられてしまったのか?それに対してニュータウンは?そして話題となった団地妻は実在したのか?・・・オルグと団地妻という両極端でタッチ―な話題を嬉々として語る2人が面白い。そうかホテル野猿は地元の人が利用していたのか?自治会が『子供たちのために』とクリーンさを主張すると,否定は出来ないけれど,そこから閉塞感は始まっていたのだろうなあ。ーーーーーーーー〈団地と西武が甦る時〉:高度成長期が終わり,景気が低迷し,バブル経済が間違った方向へと進んだ。その後,日本の社会は少子化へと進み,団地も時代と合わなくなっている。旧来の団地から高層化へと進むのが正しいのか?それとも低層化でリフォームが正しいのか?・・・もう対談のテーマが団地を超えて,日本の今後の社会論になっている。ここに来て,重松清が理想論を述べ,原武史が現実の選択肢を語っているのが明確になる。芝園団地の書籍でも読んだ国際化の問題もあるが,とにかく高齢化が団地の,そして日本の問題だ。ーーーーーーーーとても刺激的な本だった。ごく一時期に時代の最先端として輝き,すぐに失敗のように語られるようになった団地,もう一度陽が当たることはあるのだろうか?
2020.02.19
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上野の国立博物館で開催されている企画展に行った。ーーーーーーーーー日本で最古の文明発祥地である出雲と,その後の国家統一の礎となった大和との比較をした企画展だ。歴史ファンにとっては,国譲りエピソード,出雲のへの神の集合エピソードを通じて,出雲支配層から大和支配層への権限移譲が定説となっている。それを国立博物館が改めて語った企画展となっている。ーーーーーーーーー展示は出雲大社の宇豆柱という3つの柱を束ねたもので始まる。こうした実物展示は素晴らしかったのだけれど,小粒なものも混ざっていて,玉石混合という印象だった。その後,大量の銅鐸,銅矛,銅剣など,物量で圧倒する展示もあった。その一方で,書物や勾玉など,落ち着いた展示もあり,その動と静に戸惑うことしきりだった。ーーーーーーーーーさらに仏教による律令制に話題が移ると,ありがちな企画展になってしまって,残念だった。もっともっと原初のチカラを誇示した企画展で押し通してもらいたかった。
2020.02.18
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火曜日から土曜日までの長期出張が控えている。しかも5日の間に,場所を3つも変わる落ち着かない行程だ。今日の関東の最高気温は15度で,4月並みというものだった。このまま薄着で出張も行けたら,と願っていたが,関東でさえ夜は冷えてきた。明日からは通常の気温に戻るようだ。ーーーーーーーー週末や出張の状態では出来ないチームメンバー,他の人との打合せを,とにかくこなした。午前は1つだったが,午後は4つ連続で,終わるともう18時近くだった。来週は月曜日が振替え休日なので,丸々1週間ばらばらになるので,今日が貴重な平日だ。ーーーーーーーーまあ,幸いに行き先も宿も馴れ親しんだ場所だ。初日は強行軍だが,その後は3泊同じ宿なので,ここで少し身軽に動きたい。とにかく途中でメールチェックは欠かさず,何百とメールを溜めないようにしないとだ。
2020.02.17
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野崎まどの小説原作のアニメを観終えた。〇ストーリー東京のいくつかの市を統合して作られた〈新域〉は,様々な特区として新しい試みがなされる場所となった。〈新域〉長となった政治家・イツキは,自殺を合法化する〈自殺法〉を発表し,実際に複数の自殺が発生する。検事・正崎善(セイザキゼン)は,イツキの後ろに謎の女性・マガセマイがいることを知り,彼女を追い詰めようとする。2人の対決は,〈新域〉を超え,国家間へと広がり・・・ーーーーーーーーー妖艶な女性・マガセマイの存在がこの作品の中核となっている。相手に合わせてどんな女性にも成りすますことが出来る能力がある,というのはまだ理解出来るが,相手を自殺させる能力がある,というところから理解が出来なくなる。彼女を追い詰める人々が結局自殺して果ててしまうので,とにかく追及が出来ない。主人公・正崎は部下,協力者を失い,第3部ではなんとアメリカFBIに所属して彼女と対峙することになる。ーーーーーーーーー作品のタイトル『バビロン』は,傾城の魔女の名前だったとのこと。まさにマガセマイのことだ。アメリカ大統領・アレックスが導き出した結論は,「善とは続くこと,悪とは終わらせること」だった。ではなぜ人々はマガセマイと出会うと,自分の人生を「終わらせ」てしまうのか?それに対する説明は作品の中ではないのだが,おそらく人間の中に善と悪の両方が存在するからであり,マガセマイが悪の部分に強く作用するからなのだと思う。ーーーーーーーーー結局最後まで常に悪い方の選択が行われ続けた物語で,緊迫感は楽しめたが,もやもやと黒い気持ちはたまるばかりだった。いやだいやだと思いつつも,観続けたのはこの作品のチカラなのだろうか?しかしよくもまあこの問題作をアニメ化したものだ。どす黒い気持ちになるので,オススメしない。
2020.02.16
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ブラタモリなど,街歩き番組でだけ見たことのある博物館動物園前駅の特別公開に行った。何度も前を通った駅の扉が開いていただけでワクワクする。入口のピラミッド屋根の内側はロマネスク風のドーム状になっていた。ホールを過ぎると地下への階段だ。踏面がやや湿っていて怖い。その下は改札があった空間になっていて,駅と京成本線の資料が展示されていた。180度右へ回るとさらにホームへと下る階段がある。そこからは列車の動く音が聞こえてきて,妙な哀愁があった。ここから先には行けなかったけれど,それだけでも満足だ。上野の街にぴったりあった素敵な駅だった。
2020.02.15
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よしもとばななの連作小説の第1部を読んだ。〇ストーリー雫石(しずくいし)は,祖母と一緒に山小屋で育った。祖母が山の素材で作るお茶は,難病も癒すチカラがあり,2人はゆっくりと豊かに暮らしていた。だがふもとに土地開発が始まり,山の自然のバランスは崩れてしまった。海外に移住する祖母と離れ,雫石は都会で暮らすようになる。そこで出会ったのは・・・ーーーーーーーーーよしもとばななの初期作品は大好きだったのだが,いつしか離れてしまっていた。それ以降,数年に一度しか手に取らなかったはずだが,このシリーズは妙に気になってしまって読むことにした。僕のような初期作品のファンからすると,この作品は「キッチン」や「アムリタ」を思い出させてくれて,ひじょうに読みやすかった。あの頃の村上春樹作品とも通じるかも知れない。誤解を恐れずに言えば,少女マンガ的な優しい世界で守られているような世界観だ。ーーーーーーーーー主人公の女性・雫石は,お茶を通じて人を癒す祖母から能力を継いでいる。だが山から都会に降りてきたことで,彼女の精神は大きくゆらいでしまう。そこで彼女が出会ったのは2人の男性だ。1人は,祖母と同じような能力を持つ男性・楓,もう1人は少年のような男性・真一郎くん。彼らとの交流を通じて,都会での精神のブレを,彼女は克服していく。ーーーーーーーーーどうも物語があらすじ紹介的で,主人公も他の登場人物もリアルな存在とは感じられない。誰も彼もが2次元のキャラのようでふわふわしている。まあ,これはもう意図的なことなのだろう。この後に,どんな世界が広がって行くのか,楽しみにしたい。きっとずっと良くなるんだよね???
2020.02.14
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朱川湊人のノスタルジックファンタジーの短編集を読んだ。〇ストーリー私の母は美しく優しかったのだが,ある時から時々とげとげしくなった。私は〈ミツコ〉の影を見ることで,母の病気を抑えていると思っていた。だが母は自殺をしてしまい・・・ーーーーーーーーなんと言うか,安定の面白さだ。高度成長期が終わりかけている昭和40年代,50年代を舞台にしたミステリーで,ノスタルジー感を出す。誰でも出来るようでありながら,それでも朱川湊人にしか出来ないということは,何か独特の才能があるのだと思う。ーーーーーーーーこの短編集は,写真と不思議な現象がゆるやかなテーマとなっている。1つ1つの味わいは異なるので,作品としては飽きが来ることはない。ーーーーーーーー各編について簡単に感想を述べる。「サクラ秘密基地」:小学生時代,塀に囲まれた土地を秘密基地として遊んでいた4人は,家出をしてきたという仲間をかばう。だがそれは・・・ほのぼの系と見せかけて,いきなりハードな内容になったので驚いた。さらにリアルとファンタジーの境界線の無さにも驚いた。「飛行物体ルルー」:〈私〉と彼女は,UFOの写真をでっち上げて注目を浴びた。事実が発覚して批判されている〈私〉に,彼女が見せに来たものとは・・・かつて仲が良かったものの,距離を置くようになった幼馴染,という関係が良く描かれている短編だ。ルル―,なんか好きだなあ。「コスモス書簡」:少年は近所のお姉さんと仲良くなる。だが,悪い噂のある女性が死んだ事件で見たことにより,お姉さんにもその〈蛇〉は宿ったのか?・・・なぜ彼らは幸せになれなかったのか?とても侘しい気持ちになる。「黄昏アルバム」:兄のカメラには,〈私〉に想いを寄せていた同級生の気持ちが残っていて,たまに〈私〉宛ての写真を写すのだった。・・・ダークなカラーが無くてホッとできる短編だった。同級生の視点による美しい私,というのも心惹かれる。「月光シスターズ」:徐々に精神がおかしくなり自殺をした母。それから15年経って明かされた事実とは・・・リアルなのか,超自然なのか,とにかく子供の時代の主人公にはチカラが及ばないのがもどかしい。そしてラストで仄めかされる恐ろしい事実は・・見事な短編だ。「スズメ鈴松」:〈僕〉が住んだボロアパートの1階には,身体の大きい鈴松と,頭の良い少年・聡の親子が住んでいた。彼らと仲良くなった〈僕〉が,ある日に見たこととは・・・最後の短編がこれで良かった。どこまでリアルで,どこからがファンタジーなのかは分からないが,この作品の中で一番スッキリと気持ちが良い短編だった。
2020.02.13
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来週のウォーキングに備えて,団地についての本を読んだ。〇内容住人の半数が外国人となり,”チャイナ団地”と揶揄される埼玉県の芝園団地。ジャーナリストの作者は,子どもたちがアメリカで暮らし始めたのを機に,ここに住み始める。交流会に参加し,団地住人の組合役員となり夏祭りの開催を手伝う。そうした一つ一つから見えてくる不協和音。作者自身の心の中にも存在していていた”もやもや”と諦念とは?団地の明日はどうなるのか?ーーーーーーーーーお祭りの出店,団地の商店,広場の利用時間,テニス場の利用方法,団地の小さな生活がゆっくりと進む。そんな中で発見や戸惑い,そして小さな不和。当たり前過ぎる価値観の差を描き,「でも仕方がない」という流れで全体の8割は推移する。もうこのままダラダラ終わるのかと思い始めていたところ,ようやく終章でアメリカのトランプ支持者とと移民の関係の対比を通じて,状況の分析があり,そこそこキレイに終わった。ーーーーーーーーーしかし,この本の中で何度か書かれているように,2つの派閥の差は大きい。50年近く団地に住み,ここに帰属意識がある一方で,引退し,子どもたちは別で暮らしている日本の老人たち。社宅として,あるいはURを通じて団地にたどり着き,夫婦で働くために子守のために一時的に母親を呼び寄せている中国人のITエンジニアの人々。ーーーーーーーーー2つの派閥に共通する要素は少ない。日本の老人たちは団地を守り育てたのは自分だと思っているし,外国人の人々はしょせん数年しかここにいない。この本で書かれていないものの,唯一共通する要素は”10年後にはどちらもここにいないだろう”ということだ。残酷だが,賃貸借の権利を相続できない団地の将来はないだろう。こうしたシステムを作ってしまったことが間違いの元なのだと思う。ーーーーーーーーー結果的に,年老いた日本人の居場所を,若い外国人が奪うという構図となっている。けれども,たまたまここに来たのが外国人というだけで,これが仮に若い日本人であっても,同様の不和は生まれたのではないだろうか?中国系の人々は血縁と自分たちの文化を大事にするので,世界各地にチャイナタウンが生まれている。そうしたグループとしての強さに従来の団地の文化が上書きされていく,という要素はある。では,それが無かったら老人ばかりで維持しようとしている団地の文化は継続できたのだろうか?この辺りは,アメリカの移民問題とは異なっている気がする。仕事や居場所を奪われているのではなく,もともと仕事はないし,居場所もしょせんは子孫に譲れない団地の賃貸借だ。個人的には,やはり単純に団地というシステムの限界なんじゃないかと思う。
2020.02.12
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アカデミー作品賞受賞の韓国映画を観た。〇ストーリー全員が失業中のキム家だったが,息子・ギウが友人の代わりに資産家・パク家の娘・ダヘの家庭教師の職にありつく。それをきっかけにして,妹・ギジョンが息子・ダソンの芸術セラピストとなり,父・ギテクはパク家父親の運転手となり,そして母・チュンスクはパク家妻の家政婦となる。使用人の立場を得た4人は,パク家が泊まり掛けのキャンプに行った晩に空き家で祝杯を上げる。だが豪雨によって運命は大きく変わり始める・・・ーーーーーーーーー監督・ボン・ジュノらしい身分格差を痛烈に語っている寓話だ。観る前はもっとグロイホラーを想像していたのだけれど,クライマックス以外は登場人物たちが理性的に行動していて安心した。身分の格差は明確に,あるいは強調して描かれる。起業家・パク家の夫婦,姉弟は,驚異的な豪邸に住み,全員が美男美女だ。キム家は半地下のアパートに住み,当初は全員が無職で兄妹は浪人で,見た目もぱっとしない。この2つの家族が交わったことで生まれる悲劇,それはかなり意外な所から生まれ,そして意外な流れとなる。ーーーーーーーーーキム家は協力して,パク家の人々を騙し,次々と取り入って行く。その流れは出来過ぎなのだが,キム家の1人1人が,きちんとその役柄にフィットして演じている所を見ると,なんとなく納得してしまうのが不思議だ。あのピザの箱さえきちんと畳めなかった連中が,きちんと運転手や家政婦を務めているのだから,驚きだ。ーーーーーーーーーほころびは意外なところから生じる。パク家父親が不審に思っていた,本来は関係ないはずの4人から匂ってくる半地下のニオイ,それがキム家父親の心に残る。それは,育ちの差,住んでいる環境の差,持っている資産の差,など,いろいろなことを暗喩とした,隠し切れない空気の象徴なのだと思う。ただ,それがきっかけで,キム家が乗り越えた最大のピンチ,その後の惨事,それを目の当たりにした時に,キム家父親はある行動に出てしまう。ーーーーーーーーーさすがはポン・ジュノ監督の常連俳優・ソン・ガンホだ。徐々に溜まって行く不安と不満,様々なストレス,その先の行動まで,一貫した演技を形作っている。さらに評価すべきは,長男・ギウを演じた若手俳優・チェ・ウシクだ。情けないひょろっとした若者としか見えないのに,だんだんと物語を牽引する立場になっていく。就職することで,父母も妹も大きく変わったのに,ギウだけは以前通りの自信なさげな若者というのが良かった。ーーーーーーーーーアカデミー作品賞の受賞で,この作品についての評価もいろいろなものが出てくるのだと思う。僕としては,韓国あるいは世界中で発生しているちょっとしたきっかけによる身分格差の広がりについて,寓話的に描いて見せた物語で,とても達者で魅力的だったと思う。
2020.02.11
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死刑囚の悪魔のような女。彼女の生い立ちから見えてきたこととは?〇ストーリー田中幸乃は,元恋人へストーカーを行った挙句,アパートに放火をし,男の妻と双子の子3人を焼き殺した。彼女は罪を認める一方で,法廷でも無口で反省の弁は述べなかった。極刑が言い渡された彼女の姿を見守る数人の人がいた。彼らにより,幸乃の人生は語り直され,再審の機会が訪れるのだが・・・ーーーーーーーーー作品は,「プロローグ」「第一部:事件前夜」「第二部:判決以降」「エピローグ」で構成されている。「プロローグ」で前科持ち,ストーカー,放火殺人の田中幸乃が描かれる。その後,「第一部:事件前夜」で,悪女・田中幸乃の所業とされていたことが,当時の人の体験談として語られ,1つ1つ覆っていく。さらに「第二部:事件前夜」で,幸乃の幼馴染たちが協力を始め,死刑判決に対する再審要求を勝ち取ろ王とする。そして「エピローグ」,幸乃が自分の意思で勝ち取ったものとは?人間のずるさ,弱さ,そして優しさを描いていて,衝撃の作品だった。ーーーーーーーーー物語は前半,第一部で田中幸乃の半生を語り直す。言われてきた様々な事柄が,事実とは異なることが示されるのだが,放火殺人だけは残ってしまう。第二部となり,彼女の幼馴染たちが事件の再審を請求するために奔走する。だが長い時間をかけた捜査からも,新しい事実は発見できず,幸乃からも新しい証言は出てこない。幼馴染たちの間にも温度差が生まれてしまい,そして・・・ーーーーーーーーー幸乃を巡る人の中で,自信がなく,他人と付き合うのが下手な人が数名現れる。そうした人だけが,幸乃の本当の気持ちに共感できる。どうしてこの人物はここまで不遇なのか,どうしてこの不幸な事件は起きてしまったのか?そして田中幸乃が最後に自分の意思で選び取ったもの,それを考えると無力感に襲われる。イヤミスをはるかに超えて,ある壮絶な人生を描いている作品だ。
2020.02.10
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姪がネットで知り合った友人を訪ねて大阪に行っている。もう4,5回会っている方だし,一度はこちらにも来て泊まって行った女性だから安心はしているけれど,それでもどっか不安感は残る。昭和の人間なので。お小遣いで行くので,行きも帰りも夜行バスだ。車中2泊,先方のお宅で2泊,合計4泊3日の旅だ。若い人にしか出来ない強行軍だね。上の2人は社会人なので,食事も家でとらないことも多い。だんだん家が寂しくなり,姉と2人の外出が増える。ま,それはそれで気が合っているので良いのだけれどね。
2020.02.09
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第二次世界大戦中のドイツ人の少年を主人公にした映画を観た。〇ストーリーナチス支配下のドイツの10才の少年ジョジョは,同世代の友人と同じようにヒトラーユーゲントから親衛隊へと入隊することを夢見ている。だが現実のジョジョは,ウサギ一匹も退治できない臆病者だった。訓練でケガをした彼は,リハビリを兼ねて,ユーゲント事務所の雑務を手伝う。いつもより早く帰宅したジョジョが発見したのは,母親がかくまっているユダヤ人の少女エルサだった。ジョジョは驚き・・・ーーーーーーーーーー勇気のない少年ジョジョを励ますのは,彼以外には見聞き出来ないイマジナリーフレンドだ。ジョジョの場合,イマジナリーフレンドはヒトラーの姿をしている。ヒトラーは持ち前の演説を披露するが,ところどころでジョジョの性格も見え隠れする。そうしたファンタジックかつコミカルな表現の中で,少しずつ時代の締め付けも見えてくる。・・・どこに行ったか分からないジョジョの父親,時代の空気に染まらずに自由に振る舞う母親,そして隠し部屋のユダヤ人の少女。秘密警察に踏み込まれたジョジョの家はどうなってしまうのか?ーーーーーーーーーーそしてジョジョを襲う更なる不幸とは?これには驚いた。ロシア軍とアメリカ軍が迫る中,町の人々は少年も老人も女性も戦闘に駆り出され,ついに・・・ーーーーーーーーーー主人公・ジョジョを演じる,ローマン・グリフィン・デイヴィスが,自然にダメな少年を演じていて,とにかく達者だ。ジョジョの母親を演じるのは,スカーレット・ヨハンセンだ。これまでアクション映画でばかり見ていたので,コミカルな演技力には驚いた。エルサとの会話のシーンも良かった。ユダヤ人の年上少女・エルサを演じるのは,トーマシン・マッケンジーという女優。気の強い少女がぴったりだ。ーーーーーーーーーー助演の演技も光っていた。いい加減なドイツ軍人・キャプテンKを演じるのは,サム・ロックウェル。ジョジョの親友・ヨーキーを演じるのは,アーチ―・イェーツだ。救いのない世界であっても,ちょっとずつ勇気をくれる人がいて,それで若者は前に進んで行ける。独特の味わいだし,つらい作品なんだけれど,ぽっと心を温かくしてくれる。ーーーーーーーーーーロケの舞台になったチェコの町も映画の雰囲気を出すのに貢献していた。
2020.02.08
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トーマス・マンの娘・エーリカ・マンの児童文学を読んだ。〇ストーリー父は湖で漁師を,母は湖で湖水浴場を,そして少年シュトッフェルは貸しボートをして暮らしていた。だが生活はどんどんと貧しくなり,シュトッフェルはアメリカで暮らす伯父を訪ねるために,大冒険を思いつく。果たして彼はアメリカにたどり着けるのか?そして伯父に会えるのか?ーーーーーーーーーー果たしてこの冒険が10日間で達成できるのだろうか?まずはそれが気になってしまった。アメリカに渡り,伯父を探し当て,そして戻ってくる・・・どう考えても無理だろう。シュトッフェル,約束破っているよ。ーーーーーーーーーーシュトッフェルはまっしぐらに冒険に進む立場だから良いのだが,幼馴染の少女が秘密を打ち明けられ,ずっと1人で心配していて可哀相だ。この少女,シュトッフェルの両親を含めて,ドイツ側の人々はオツムが弱そうだ。これで第1次大戦後の不況を乗り切れるのだろうか?ーーーーーーーーーーシュトッフェルは,目的の町に行くために嵐に襲われ,密航するために苦心をして,密航先でも危機に陥り,そしてアメリカでもトラブルに巻き込まれる。軽めの児童文学だが,冒険に次ぐ冒険となっており,なかなかあなどれない。ほのぼのとしたイラストに騙されてはいけない。ーーーーーーーーーー隠れた佳作だと思う。
2020.02.07
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久々に会った友人と新宿で飲んだ。あともう1軒ということになり,歩いていると〈Reve〉というニューハーフの店にたどり着いた。西武新宿駅に近い辺りにこんな店あったんだ?気付かなかった。女性はわりとこういうのが好きなので行くことになった・・・とほほ。で,終電で帰る予定が,それも逃してしまい,タクシーで帰宅。情けないなあ。
2020.02.06
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朱川湊人のミステリー系作品を読んだ。〇ストーリー母・咲江,妹・亜由美がいる中学生の少年・進也は,居候として転がり込んだ男・チキさんに戸惑いながら暮らし始める。3人の生活に,不思議な味わいのチキさんが加わることで,進也の家はすっかりと明るくなる。ずっと続くと良いと願われた日々は,様々な現実で阻害される。だが・・・ーーーーーーーーーーピンポイントで1990年代中盤を設定された物語だ。朱川湊人が得意としている時代観からは遅れるが,主人公が母子家庭で,母親はスナックを経営しているという状況を加えると,なんとなくフィットしているような気がするから不思議だ。この頃の時代を背景としているので,それがピンと来ない読者には伝わりにくいかも知れない。チキさんの過去,時代の空気,なかなかニッチなバランスの作品だ。ーーーーーーーーーーこの作品の特徴は,主人公・進也の罪悪感,そしてそれを知りつつも自分に正直に生きる母親の存在だ。この2つは矛盾するようでありながら,1つの家族の姿として互いに絡み合っている。こうしたどちらにも傾く可能性のある感情を描くのが,朱川湊人の才能の一つだと思う。これは間違いなく評価できる。ーーーーーーーーーー今回の作品は1990年代半ばのライブ感を利用して,進也の家族,そこに加わろうとしたチキさん,を巡る物語が描かれる。作品的には,フラッシュ・フォワードというその後の展開を仄めかす手法が多用されているのが気になる。いろいろメタ的であり,禁じ手の一つなので,ここまで何回も同じ作品の中で使うべきではないと思う。この手法無しで済んだ場面もあるので,そうしたバランスを欠いた状態を招いている編集者,あるいはプロデューサの問題だと思う。ーーーーーーーーーー後日談として提供されるエピソードに対しても本当に必要だったのかが疑問だ。進也の家族の状況を伝えるだけで良かったのでないだろうか?例によって良い空気や設定の作品だったので,ついつい言いたくなってしまう。
2020.02.05
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ジョジョシリーズで日本を本格的に舞台にした作品を観た。〇ストーリー日本の宮城県仙台市の杜王町を舞台にして,超能力・スタンド使い同士の戦いが始める。彼らの目標は,殺人鬼・吉良吉影を追い詰め,町の平和を守ることだ。ーーーーーーーーーージョジョシリーズを第1回から読んでいたのが僕の自慢の1つだ。けれども第3部で脱落し,その後,第7部で戻るまでだいぶブランクがあった。時間をかけて,そのギャップを埋めている。ーーーーーーーーーー今回映像化作品で観た第4部に相当する部分は,ジョジョシリーズとしても,様々な物語としても画期的な転回点だと思う。これまで設定的に,イギリス,ヨーロッパ,世界旅行とインフラを続けてきた物語が,突然日本の地方都市だけで展開するのだ。際限ないバトル,無理なインフラに抵抗してきたストーリーテラー,荒木飛呂彦ならではの設定だと思う。ーーーーーーーーーーこのシリーズでは,戦闘力パワーインフラから逃れられた,というきっかけで,様々な別モノサシでのチャレンジが展開する。ちょっとした言葉遊び,じゃんけん,サイコロを始まりとして,様々な日常的な出来事をスタンドが関わる戦いとして語ることが特徴だと思う。強いものが勝つのではなく,一定の条件下で最も適したものが勝つ。インフレに対するダーウィン方式は,前の第3部でも見られたが,このシリーズで結実しているように思われる。つまり強くなくても,きちんと条件に合致しているものが勝負は勝つ。それがシリーズ当初からうたわれたのがこのシリーズだ。ーーーーーーーーーーいくつもの回収されない伏線,透明な赤ん坊,宇宙人支倉など,が気になるものの,多くのぜい肉と必要な脂を含めて,物語は終焉を迎える。思ったのは,物語の幹を支える部分が太ければ,枝葉末節は許されるということだ。ま,いいかな,方式だ。ーーーーーーーーーーストレートなパワーインフラを拒否し,能力やロジックを組み合わせた対決だけで構築された作品として,さらに現在展開されているパラレルワールドの元として,このシリーズはとても重要だと知ることが出来た。
2020.02.04
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月村了衛が最近書いている〈現代日本裏歴史〉的シリーズに連なる作品を読んだ。〇ストーリー〈金の信用取引〉で大問題となり,会長がマスコミの前で刺殺された横田商事事件。その新人営業マンで,その場面を目撃した隠岐は,一度は堅気の世界へ挑戦をしたが,横田の元同僚・因幡に誘われて新しい〈ビジネス〉へと進んで行く。彼らは順調に〈ビジネス〉を拡大するが,それは様々な危機と危険も呼び寄せる。一定の収入が得られたら金融コンサルタントとして堅気に戻るつもりだった隠岐は,いつしか・・・ーーーーーーーーーー「東京輪舞」で日本の政治の裏を,「悪の五輪」で昭和オリンピックの裏を描いた月村了衛が,詐欺師という視点で日本の現代史の裏を描く。この3作は現代史の裏,という部分は重なるものの,決してシリーズというワケではない。政府機関の一員,映画プロデューサーと比べて,詐欺師は自由度が高い身分なので,物語にメリハリが効いていてずっと楽しめた。この3作の中では一番主人公の設定や性格も極端で,小説として楽しめたと思う。ーーーーーーーーーーもっとも冒頭で登場した主人公は,横田商事に入社し,研修は受けたものの,ほとんど実績はないおどおどした若者だ。大阪から逃げ帰り,東京で小さな商社に勤めたものの,ちっとも給料も成績も上がらずくすぶっていた。そこに元同僚の因幡が現れ,起業をもちかける。すると徐々に主人公の隠された部分が現れて,最初は〇〇商法,次は〇〇商法と,次々に〈ビジネス〉を当てていく。主人公の才能を因幡は見抜いていた,という設定なのだけれど,どうしても読者にはそれは伝わらなかった。てっきり都合の良いスケープゴート要員だと思っていたのだけれど,いつの間にかこの2人は成功していく。この読者に提示されない主人公の才覚というのは,最後までこの作品で引っ掛かった部分だ。ーーーーーーーーーー予想通り拡大した〈ビジネス〉には悪い虫がたかり,そしてもっと怖い存在がくらいついてくる。それを毒をもって毒を制する方式で解決していく主人公。もっと早く破綻するかと思いきや,次々と新しい〈ビジネス〉を開発して,危機を乗り越えていく。上手く行く一方で,どんどんと主人公個人や家庭が疲弊していくのが,せめての作者の良心なんだと思う。本当の詐欺師は,自分さえもだましてはつらつと生きていそうだからなあ。〈ビジネス〉が発展途上国を巻き込んだ国際化まで進んだのには,ちょっと驚いた。日本の詐欺師はそこまで国際化出来ているのだろうか?もっともだます相手がしょせんは日本人だから大丈夫なのか。ーーーーーーーーーーいくつもの現代裏エピソードが重ねられ,主人公にとんでもない危機が訪れる。それは解決できるのか?読んでみてのお楽しみだ。でもきっと期待は裏切られないと思う。主人公の才能が何なのかは結局分からなかったけれどね。
2020.02.03
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六本木で開催されている〈ブダペスト展〉に行った。ーーーーーーーーーー〈I部:ルネサンスから18世紀まで〉:オランダとイタリアを中心とした絵画の展示が続く。クラーナハ,ヤン・ステーンと有名な人の作品はあるのだが,”ブダペスト?”とふと考えてしまう。ただ展示はゆったりとしていて,コーナーで見えにくい場所もなく快適だった。ーーーーーーーーーー〈II部:19世紀・20世紀初頭〉:”ビーダーマイアー”という日常を描写する文化,ハンガリーの画家,ムンカーチ・ミハーイ,そしてイメージポスターにもなった恵まれなかった画家・シニェイ・メルシェ・バールの『紫のドレスの婦人』が展示されている。そして今回の企画展のスターとも言われているチョントヴァーリ・コストカ・ティヴァダルの『アテネの新月の夜、馬車での散策』があり,20世紀の作品が並び,展示は終わる。ーーーーーーーーーー先にも述べたが,ゆったりとした空間の中で,知らない作家の作品を観るという珍しい体験をすることが出来た。国立新美術館ならではのことだ。馴れてくると,少し上野の美術館の窮屈さ,その中の工夫が懐かしく思えるけれど,制約がない中で作品と触れ合える方が幸せなんだろうな。ーーーーーーーーーー例によって姉と行ったが,ランチの場所に少しだけ困った。
2020.02.02
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実在のゼネコンを舞台にした夢のある映画を観た。〇ストーリーダムの前田と言われていた国土開発の時代が終わり,前田建設をはじめゼネコンは苦しい時代を過ごしていた。そんな中,広報部の中に”ファンタジー営業部”が発足し,フィクションの世界の構造物を設計,積算することが始まる。最初の命題はマジンガーZの格納庫だった。社内の反対と,様々な技術的な困難を克服して到達した結論と見積とは?ーーーーーーーーエンジニアとしては興奮せざるを得ない作品だった。フィクションの世界に対してあえて真面目に考察する,という行為は日本だけでなく行われている行為だ・・・あまり知られていないけれど。それを超えて,ツジツマ合わせ,技術的検討,そして見積というのだから,なかなかオタク道も気合が入っている。そう,これは間違いなくオタクを突き詰めている世界だ。それを嬉々として仕事としている前田建設,あなどれない。ーーーーーーーーマジンガーZの格納庫を設計し,積算するという中で,いくつもの困難が持ち上がり,その都度社内のノウハウを集約して乗り越えていく。映画では派手に盛り上げているが,日常的に僕らエンジニアが直面している問題だ。それを物語として面白く描いてくれて,さらに熱いエンジニア魂を語ってくれる。まずい,これは僕にはビンビンと響いてくる。日本の将来とか言われるとちょっと困るけれど,インフラとハードウェアはいつまでも必要な構築物なので,それはないがしろには出来ない。その信念は僕も同意する。ーーーーーーーー映画としては硬軟の軟の方の暴走をどこまで許せるかが鑑賞のポイントだ。さすがに演技のテンションは行き過ぎだと感じてしまったが,それでも章立てでエンジニアリングの検討の工程が分るのと,登場人物1人1人にスポットが当たるのが分かりやすい。硬軟のバランスはやや軟に傾き過ぎだと思った。もうちょっと戻しても良かったと思う。
2020.02.01
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