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2005.11.20
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本格ミステリーを語るなら外せない古典,ということで,この作品を読んだ。

○ストーリー
土浦の旧家を将門の呪いが襲う。現代ではあり得ない事件の解決を依頼され,探偵は現場に乗り込むのだが,事件は連続殺人事件となってしまった。探偵は相続人となる美しい依頼者を守ることができるのか?

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舞台設定だけを読むとだいぶ古臭い印象を受けるが,そこは都筑作品,”やる気のない探偵”というかつてない設定をひねり出し,軽い会話の部分で洒脱さを加味し,読みやすいものにしている。

また「星降り山荘の殺人」にも踏襲された,”各章の冒頭に作者による解説文”の技法だが,これは物語から気持ちが離れる欠点があると僕は思うので,実は今回はすべて読み飛ばした。

「七十五羽の烏」という謎のタイトルの秘密もそうなのだが,かなり日本伝統工芸や文化への言及が多い。浮世絵,浄瑠璃,落語など,ジャンルを問わず,引用している。ここら辺はさすがに時代の差を感じる。作家や記者というものはかつて,ここまで広範な知識を有しているのが当たり前だったんだろうなあ。

この読後感から逆に思うのが,”各章での解説文”という技法についての新しい解釈だ。例えば歌舞伎などを見に行けば,パンフレットでまず説明されるのが,時代背景と大まかなストーリーだ。つまり”舞台の一幕が始まるにあたり要約を説明し”,ストーリーよりもむしろ役者の芸を愛でるのが,日本伝統芸能の楽しみ方の1つだ。

ひょっとしたら都筑の念頭に,これがあったんじゃないだろうか?



ミステリーとしては,推理の部分は非常にフェアに進み,探偵がコンビであるために,2人の掛け合いの中で,仮説を出してみては検証をする,という分かりやすさが実践されている。

ただし動機の部分では,どうしても古臭さを感じてしまった。時代がかった舞台設定,洒脱な会話や探偵,フェアな推理ときて,古い動機と,どうも全体がギクシャクしているような気がする。これは発表された時代のせいなのだろうか?

作中の探偵のように『もったいないことしやがって』というセリフが,なんとなく言いたくなる作品だ。





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Last updated  2005.11.20 11:12:44
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