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2006.08.03
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異能・殊能将之の”名探偵・石動(イスルギ)シリーズ”の最新作だ。

○ストーリー
日本のテーマパークに移築されたフランスの古城には,750年前に殺された城主の幽霊までついていた。城主に取り憑かれ,言動のおかしくなった社長を治すため,テーマパークの重役たちは,名探偵・イスルギを呼ぶ。城主=社長が求めていたのは,自分を殺した犯人を突き止めることだった。イスルギと重役たちは,古城の中で750年前の事件を再現してみるのだが,そこで新たな殺人事件が起きてしまう。中世の古城,十字軍時代のエジプト,トキオーン(東京)の六本木ヒルズまでめぐる冒険活劇の果て,イスルギと城主(の幽霊)がたどり着いた真実とは?

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殊能将之という作家は,作品ごとに趣向を変えて,読者をホンロウしてくれる。大傑作「ハサミ男」意外は,”名探偵・石動(イスルギ)シリーズ”に属するのだけど,頼りない名探偵,仰天の推理,脱力の転回は一致しているのだけど,あまりにも毎回違うところで驚きかつガックリくるので,”シリーズとしての安心感”みたいなものからはもっとも遠いところに位置するような気がする。

いい加減な依頼主,頼りない名探偵,しっかりした助手,頼りになる引退した名探偵,という設定は,まあまあ共通していて,ここらへんはシリーズものっぽい。今回も,電話の声だけで水城探偵が登場して,イスルギの足りない部分を補ってくれる。水城が登場してから,少しだけシリーズものっぽくなったのかなあ?

本格ミステリーを期待すると怒ってしまうかも?という流れは相変わらずだ。イスルギとしては毎回まじめに推理はしているし,オオムネ当たってはいるんだけど,ってのがフシギなところ。”本格ミステリーくずし”は,この作者は毎回毎回確信犯的に行っている。文章とストーリーが面白いので,たいがいの事はゆるされちゃうんだろうなあ。

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今回の作品のギミックは”幽霊”だ。もうイロイロあったので,いちいち驚きはしないけど,十字軍にも従軍したフランスの昔の人の幽霊が,現代の日本人の老人に取り憑いている。例によって,なぜか日本語で会話も生活もできちゃうのだけど,いちおー視点は中世のフランス人なので,現代日本人や社会のフシギな部分をどんどんと指摘しているのが,ブラックユーモアになっていて面白い。



そのまま歴史ミステリー風に終わるかと思いきや,後半にはトキオーンのロポンギルズ(?!)までの遠乗りと,そこでの大立ち回りがあり,冒険小説みたいだ。このあたりはユーモアもあふれていて,楽しめるので,この作者のファンタジー児童小説を読んでみたくなった。

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さてそれ以外にも,結末に仰天と脱力はきちんと用意されているので,大丈夫。

なんだか毎回怒りつつも,この作者の作品って面白いからゆるせる。それに尽きるなあ。








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Last updated  2006.08.03 09:22:57
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