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2006.08.19

「幻惑密室―神麻嗣子の超能力事件簿」西澤保彦を読んだ

テーマ：最近、読んだ本を教えて！(24303)

カテゴリ：きらきらポストモダン推理

ここしばらく西澤保彦を固め読み（？）しているが，とうとう”神麻嗣子の超能力事件簿シリーズ”に手を付けてみた。

○ストーリー
社長の自宅で開催される新年会に招かれ，戸惑う4人の若手社員。4人を襲ったのは，その家から誰も出られなくなる，という更なるフシギな現象だった。その中で社長の他殺死体が発見される。果たして真犯人は？そしてこの現象の真相とは？

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西澤保彦のヒットシリーズで，イラストがホビー雑誌などで連載を持つ水玉蛍之丞，と来れば読まないわけないいかない。全開でポップな味わいにあふれている。

語り手は売れないミステリー作家の保科だが，知り合いになった”超能力問題解決委員会”から派遣されたオトボケ娘・神麻と，切れ者のセクシー女刑事・能解（ノケ）さんの2人の間をフラフラしつつ，事件に取り組む。

まあ，いかにもにかにもなんだけど，ツボを心得たヒット狙いのキャラクター小説，というカンジがする。ドジっ子とお姉さまの両方に，なぜか好かれるさえない主人公，ってヲイヲイだなあ。

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超能力としては，これまで聞いたことのない”ハイパー・ヒプノシス”という強力な催眠暗示能力が登場する。で，例によって西澤保彦なので，こういう条件でないと使えないとか，何分で効力が切れるとか，細かい制限事項が付いて来る。

超能力によって，○○が○○だった，という部分はあるのだけど，捜査する3人組の掛け合い漫才で話は完結していて，別に超能力がなくても話の流れは成り立っちゃうみたいな雰囲気がある。捜査する側と，事件の関係者がまったく断絶している，というのかな？

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残念だけど，”神麻嗣子シリーズ”はこれっきり手を出さないような予感がする。

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