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2007.05.27

「工学部・水柿助教授の逡巡」森博嗣を読んだ

テーマ：最近、読んだ本を教えて！(24303)

カテゴリ：きらきらポストモダン推理

ニューウェーブミステリ作家・森博嗣の作品でも，なんだこれ？という「工学部・水柿助教授の日常」の続編を読んでしまった。

○ストーリー
水柿助教授は，奥さんに読ませるためにミステリを書いてみる。ところが奥さんの評価はあまり芳しいものではなかった。そこで水柿君が，その作品を出版社に送ってみたことから，彼らの生活に大きな転機が訪れることとなった。

－－－－－－－－－－－－－－－

何回も「これは小説です」と強調してあるけど，それだけリアルに森博嗣に近い内容なんだろうと思う。前作「日常」では，ほとんど何も起きないまま淡々と終わる，という作品だったけど，続編では前作で予告されたとおり，水柿君が作家としてデビューし，ベストセラー作家になってしまう，という展開が語られるので，まあそこそこ盛り上がる。

この連作私小説で語られるのは，森博嗣がずーっと疑問，あるいは不満を抱いていると思われる，「ミステリとは？」と「作家とは？」というテーマだ。前者は主に奥さんとの対話の形式で語られ，後者はあきれた口調の独白で考察される。

－－－－－－－－－－－－－－－

部分的に暴走が過ぎて，もうなんだかワケわかんないよ，という状態になっている。でも「Gシリーズ」の「φは壊れたね」の淡々とし過ぎた作品を読むと，「ZOKU」で爆笑した読者としては，「水柿シリーズ」くらいの暴走がクセになりそうだ。あー，怖い。

まあでもこの作品のラストはフィクションだよね。すっごい豪快なんだけど？？

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