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November 19, 2017
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カテゴリ: SF映画

【楽天ブックスならいつでも送料無料】ウエストワールド [ ユル・ブリンナー ]
 巨大テーマパーク「デロス・ランド」。
 西部劇の世界では、ロボットを相手にして、撃ち合いや乱闘などのリアルな体験ができる。
 ロボットは、やられ役にプログラムされているはずだったのだが、突如として人間を襲撃してきた。

 この映画は、公開時に見ている。
 テーマパークのロボットが反乱する、というところが軸である。
 登場するロボットは、主にアンドロイドだ。人間と同じ外見をもつ。
 あるいは、ガラガラ蛇も馬もロボットだったりする。

 当時は、この点がつまらないと思った。
 アンドロイドまたは動物のロボットなど、ビジュアル的な非日常感がない。


 しかし、今回見直してみて、印象が変わった。
 西部世界で黒ずくめの悪役ロボットを演じているのが、かのユル・ブリンナーである。酒場のシーンに初登場し、客に因縁をつける場面がすばらしい。人間の0.9倍速くらいのゆっくりさで動く。なんとそこにロボット感が出ているのだ。演技力でロボットを表現しているのである。

 そして、ロボットの反乱という展開が非常に興味深い。 

 デロス・ランドでは、客が悪役ロボット相手に腕力を振るったり、銃をぶっ放したりしてストレスを解消する。
 そんなふうにして活況を呈するデロス・ランドだったのだが、ある時からロボットの故障が急増する。それらの故障は、周辺機器ではなく行動をコントロールする中央ユニット部分に集中しているのだ。
 メンテナンス工場では、科学者、技術者が故障について協議していた。
「(ロボットの故障が)一週間で2倍に増えた。修理しても故障率は上昇している。パターンに類似性があり、伝染病が広がっていく過程とそっくりだ」
「ロボットに病気があるとは考えにくい」
「我々が取り扱っているのは高度に進歩した特別な装置で、生物同様に複雑だ。コンピュータがデザインした部分も多く、我々は機能すら知らん」

 人間側は、何の疑問もなくデロス・パークの最新システムをコントロールできていると思っていた。ところが、気がついたらロボットは人間の支配と予想を超えた活動を行い、手に負えなくなってしまったのだ。
 西部劇の撃ち合いをすれば、ロボットは必ず撃たれるようにつくられていた。そして、ロボットの銃は、人間に向かっては弾丸が発射されないように設定されていたはずだった。


 例えば、スマホなど、本来は便利な機器であったはず。ところが、スマホ依存症や歩きスマホなど、人間の生活に害を及ぼす側面も少なからず見せている。これは、スマホが人間の役に立つ範囲内でのコントロールを逸脱して、負の存在にもなってしまっているわけだ。

 スマホは、悪影響が積み重なることはあっても、直接的には人を襲ってくることはない。多分。
 しかし、デロス・ランドのロボットは、どこまでも人を追撃し殺害する。

 人を追い詰め殺害するといえば、『ハロウィン(1978〜)』シリーズのマイケル・マイヤースや『13日の金曜日(1980〜)』シリーズのジェイソン・ボーヒーズなどのスプラッター殺人鬼がいる。
彼らは、血縁関係やキャンプ場の監視員に対する怨恨といった動機がある。


 ところが、デロス・ランドのロボットは、なんで人を襲ってくるのか、全く不明なのである。
 機械であるロボット、あるいはコンピュータ・システムが、勝手に暴走したとしかいいようがない。

 この映画の監督、脚本はマイケル・クライトンである。
 マイケル・クライトンは、 『ジュラシック・パーク』 の原作小説を書いている。
 テクノロジーでコントロールされたアミューズメント・パークが、あるとき地獄と化すという設定は、この『ウエストワールド』がプロトタイプといえるかもしれない。
 確かに恐竜が襲ってくるのも恐いが、不気味さでは『ウエストワールド』に軍配が上がる。


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Last updated  November 19, 2017 08:01:05 PM
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