書籍『ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか』(著:エイドリアン・スライウォツキー)と、私の理論
伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道との間には、
いくつもの共通点があります。
両者ともに、単なる数字や戦略論ではなく、「人」と「物語」、「価値の本質」に深く迫っているという点で、強く響き合っています。
『ザ・プロフィット』では、利益は偶然ではなく、意図的な「収益モデル設計」によって生まれると説かれています。これは、伎芸型おもてなしが「心の設計図」を描くことで、出会いを演出し、価値を積み重ねていく構造とよく似ています。
ロコレディのキッチンカーやアパレル事業では、単にモノを売るのではなく、来訪者の「心の温度」を上げることに主眼を置いています。それはまさに、「心を動かせば、財布も動く」という利益の構造と一致します。
『ザ・プロフィット』では、「同じ製品を売っていても、なぜあの店は儲かるのか?」という問いに対して、「選ばれる理由」があるからだと説いています。
伎芸型おもてなしでは、「お客様に会いに来てもらう」「また話したくなる接客」を重視しています。そこには、商品のスペック以上の “ 感情価値 ” があります。笑顔・演出・物語・タイミング ── こうした感情的な設計こそが、リピーターや口コミという “ 利益を生む土壌 ” を耕すのです。
スライウォツキー氏は、
「利益の源泉は・・・お客様の行動習慣の中にある」と強調します。
これは、伎芸型おもてなしが提唱する「再び会いたくなる設計(物語
×
演出 ×
関係性)」とほぼ同義です。
利益とは、信頼を土台に、ストーリーが育ち、そしてリピートという行動で回収されるもの。
伎芸型おもてなし商売道も、同じく「商いは出会い、出会いは芸の始まり」として、
人の心を動かす “
演者 ”
であれと説いています。
『ザ・プロフィット』は、利益の原理を体系的に教えてくれます。一方で、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道は、「人の心」を起点とした利益の在り方を、感性と実践の側から深く掘り下げています。
どちらも目指すのは、「長く愛される仕組み」をつくること。そしてその根底には、「利益は人の喜びの中にある」という普遍的な真理が流れていると考えています。