伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道・ **
中級コース編
題名:見える世界を磨く力 ─
伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道・中級コース
中級コースの学びは、目に見える世界に意識を向けることから始まります。
それは「観察力」を磨く修行です。
お客様が身に着けているバッグや靴、スカーフやアクセサリー、髪型や姿勢、声のトーン ──
そこには、その人の “
今日の心模様 ”
が映し出されています。
伎芸『ぎげい』型おもてなしでは、外見を「評価」するためではなく、心を感じ取る手がかりとして観察します。
たとえば、靴が少し濡れていたら「雨の中ありがとうございます」と声をかける。
スカーフの色が明るければ「今日は素敵な色ですね、何か良いことがありましたか?」と問いかけてみる。
そんな一言が、心の扉を開く鍵になります。
観察とは、ただ “
見る ”
ことではありません。
相手の暮らしや気持ちを想像し、「寄り添う」ための感性です。
そこには、相手の世界を尊重する眼差しが必要です。
お客様の立場に立ち、その人の背景を想像できるようになれば、接客は “
販売 ”
から “
共演 ”
へと変わります。
中級コースの本質は、「気づき」を行動に変えることです。
見えるものを通じて、見えない心を察する。
その積み重ねが、信頼と感動を生み、やがて上級コースへの道を開きます。
この中級コースは、五感の観察力を育てる舞台でもあります。
視覚だけでなく、聴覚・嗅覚・触覚・直感を使って、相手の「今」を感じ取る。
それが、伎芸『ぎげい』型おもてなしの真髄へとつながる第一歩です。
