株式会社ロコレディは、茨城県常総市を拠点に「美と健康と癒し」をテーマとした多角的な事業を展開する企業である。当社の経営哲学は、茨城県の経営革新計画で認証された**「ローカル型CSV経営(共通価値の創造)」**に集約される。これは、「会社の利益」と「地域の幸せ」を同時に生み出す経営であり、私たちはこれを「商いの力で地域の課題を解決し、地域まるごとを笑顔で満たす」挑戦と定義している。
本資料では、このローカル型CSV経営を支える独自の人事・接客哲学、および地域連携の具体的な仕組みを解説する。
ロコレディの組織的特徴と強みは、その多様性にある。スタッフは役員を含めて15名。うち男性3名、 60歳以上のスタッフが7名 を占める。
この多世代・多様な構成を最大限に活かすため、当社は年齢や経歴に関係なく、個々の「できること」「健康や家庭の事情」に合わせた オーダー・メイド型雇用人事制度
を導入している。この柔軟な働き方により、60代、70代のベテランスタッフが、人生経験に裏打ちされた知恵と温かみをもって、生き生きと商品づくりやおもてなしの現場で活躍している。
彼女らの豊富な経験こそが、顧客に対する高い付加価値となっている。
ロコレディの経営哲学の核心は、単なる接客を超えた**「伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道」**にある。これは、お客様との会話、しぐさ、声のトーン、表情に至るまでを「心の舞台芸術」として捉え、一人ひとりのお客様を主役にするという考え方である。
私は、**「失礼ながらも、お客様のことを家族の一員として考えています」**と言います。
これは、マニュアル的な対応ではなく、相手の状況や気持ちを深く慮り、時に人生の相談に乗るような、温かみのある関係性を築くことを意味する。道の駅常総の「しゃべるコロッケ」キッチンカーでの、地域食材を通じた温かい対話は、まさにこの哲学の実践例であり、人と人、人と地域を深く結びつける「笑倍(しょうばい)よし」の具現化である。
当社のローカル型CSV経営は、現在の地域課題(人口減少、高齢化など)への対応に留まらない。未来への投資として、地域事業の担い手育成にも注力している。
具体的には、**「常総ごじやっぺ短期大学校」**を運営し、若者や主婦層を対象に接客・販売・地域活動を一体化したリスキリング教育を提供している。ここで学んだ人材が、将来的に独立したり、地域の新規事業の担い手として羽ばたけるよう支援することで、持続可能な地域社会の形成に貢献している。
ロコレディの信念は「 ヒットよりフィット。数字より笑顔 」という言葉に凝縮される。
ロコレディの挑戦は、「地域の課題を、商いの力で解決する」という発想から生まれたものであり、お客様に喜ばれ、スタッフが誇りを持ち、地域が元気になるという“三方よし”を超えた**“笑倍(しょうばい)よし”**を追求するものである。
このローカル型CSV経営のモデルは、
人口減少・高齢化が進む日本において、
地域の企業が「希望を生み出す」ための具体的な青写真を提供しており、
地域経済学、社会起業家論、マーケティング論など、
多角的な研究テーマのヒントとなりうる。
参考になれば、幸いです。
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